日本人と中国人は言うまでもなく漢字という文字を共有しています。しかし互いに違う年月を経て、中には両国で全然別の意味となってしまた漢字も少なくありません。代表的なのは「手紙」で、これは中国語では「トイレットペーパー」という意味になります。
こうした意味の違いから、街中を歩いていても互いにぎょっとするものを見ることがあります。私の経験ではある工事作業現場にてでっかく、
「放心工程」
と書かれているのを見て、ちょっと思考が止まったことがあります。少し記憶が曖昧で、「工程」のところが「工事」、もしくは「作業」だったかもしれませんが、どれにしても日本人からしたらそんなたるんだ態度でやっていいの? それともフラットな気持ちで行こうって意味なのかと考えてしまいます。
実は中国語で「放心」と書くと、日本語の「安心」という意味になるのです。なのでさっきの言葉も日本語で言うなら、「安心設計」というような意味合いになるのです。
しかしこうした作業現場の標語はよく漢字四字が使われるため、中国の方も日本に来てはよくびっくりするそうです。その中でもよく聞くのは「注意一秒、怪我一生」と、日本人なら誰でも知っている作業現場標語の王様のような言葉ですが、これを中国語に訳すと、
「もし一秒でも気を抜くことがあれば、一生俺をけなしてくれ!」
という意味になります。中国語で「怪」という字は「責める」などという意味になるので、これを見るたびに中国人は、「さすがは技術大国日本、なんて責任感を持って仕事をしていることだろう」というように寒心するそうです。
なまじっか日中は互いの国について知識や共有する文化が多いため、こうしたとてつもない勘違いを互いにやってしまうのかもしれません。まぁこうしたギャグ程度なら全然構わないので、むしろこうした違いをどんどんと共有していけば互いにいろいろと面白いのかもしれません。
おまけ
昨日ネットで見た笑い話で、ある工事現場に「俺がやらねば誰がやる」というスローガンが張られていたそうですが、「誰が」の「が」の濁点が削り落とされ、「俺がやらねば誰かやる」という風に改められていたそうです。この話でひとしきり笑った後、今回の記事のネタを思い出しました。
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