2008年11月8日土曜日

100年後の世相について その一、技術編

 友人からまた不思議なリクエストがあったので、今日はそれについて話をしようと思います。

 実は今年の初め頃に小池百合子氏の講演会を聞きに行ったのですが、その際に小池氏が話したのはちょうど今から100年前のある日本の新聞の話でした。何でも、1901年にある新聞が20世紀の始まりということを記念して、「100年後はこうなる」という特集記事を組んだそうです。その記事の中では100年後の世界では当たり前になっているものとして、まず電信技術が発達し写真や声も瞬時にどこへでも送れるようになり、開発されたばかりの自動車も一家に一台という具合にまで普及するだろうともあり、更には当時の主要エネルギー源だった石炭が今後石油に変わっていくだろうといった予想まで書かれており、なかなかに未来を見通していた記事だったようです。

 その記事を引き合いに出し小池百合子氏は、100年前には夢物語だった話も時が経つにつれて当たり前になる、今後も技術は向上するだろうし今では帰宅するとともに携帯電話を充電するのが当たり前になっているが、未来では自動車も電気で走るようになって家に帰るたびに充電するのが当たり前になるかもしれないと講演で話していました。小池氏の言うとおりに、100年も経てば今では夢のような話、それこそ今SFの文物で描かれている世界が当たり前のものになるかもしれません。
 その中でもっとも近い未来にあるものが、先ほどに小池氏が話した電気自動車の話です。現実にもう三菱自動車はi-MIEVという電気自動車を開発しており、来年の発売に向けて現在試作テストを繰り返しているそうです。このi-MIEVの凄いところはなんといっても、本当に家庭用コンセントで充電できるという点です。他の車でのガソリン吸入口の部分にプラグがあり、それこそ家から延長コードを持ってきて差せば充電できるという代物で、燃費効率も劇的にとまでは行かないまでも、現在のガソリン自動車よりは資源の節約につながなるそうで、試乗したテリー伊藤氏(この人は大の三菱党)も予想以上の乗り心地だとべた褒めしています。ちなみに、その記事が書かれていたのも三菱自動車の御用雑誌に近い「ベストカー」です。親父とよく買って私も読んでます。

 こうした従来とは一線を画す未来型の自動車が生まれる一方で、肝心のエネルギーについては大幅な転換が起こることが予想できます。というのもいわゆる石油が枯渇するオイルピーク説で、これなんか相互リンクを結ばせてもらっている「温暖化よりも、脱石油依存、食糧問題、自然農法等が重要だと思っています!!」さんのところでよく取り上げられていますが、石油資源に限度が見え、遅くても2050年までには採掘費用に採算が合わなくなってくると私は思います。ではそうなったらどうなるかですが、これは武田邦彦氏と同じ意見になるのですが、困った時の原発頼みというか、核技術を使った発電がメインになってくると思います。そういうのも、石油に変わる化石資源が今後出てくるかというと非常に可能性が低いからです。
 ただ今のところまだあまり現実味がないですが、深海中にある「メタンハイドレート」という、通称「燃える氷」という化石資源は豊富にあります。しかしこのメタンハイドレートは深海の底にあるために採掘が難しく、目下のところ採算が全然合いません。けどこの前、なんかどっかの国立法人が連続しての採掘に成功したというニュースがありましたから、技術が格段に進歩すればこっちがくる可能性もあるかもしれません。

 それで話は原子力発電の話に戻りますが、これも現在のまま話が推移していくわけではないと思います。たとえば現在日本がやろうと思ってもなかなかやれずにいる、一度原発に使った燃料を絞りきるまで使う「プルサーマル計画」というのもありますし、何よりも現在の核分裂反応を利用する発電方法から逆に重水素を作る核融合反応を利用する発電方法に切り替わる可能性は結構高いと思います。
 ただこの分野については大分前、っても確か4年くらい前になるのですが、立花隆氏が日本政府はこの分野への研究投資額を非常に低く見積もっており、このままでは主要な特許が同じく開発を行っているフランスにすべて取られてしまうと、わざわざ当時文芸春秋でやっていた連載を中断してまで意見を出していました。それから大分時間が経っていますが、生憎この分野には詳しくないために今どうなっているかはわかりません。日本だとやっぱりこういう話題は表に出辛いでしょうし……。

 さて最初にSFで描かれる世界が当たり前になると書きましたが、そうなるとやっぱり一番盛り上がるのは「攻殻機動隊」で描かれる体のサイボーグ化でしょう。こちらの方は大分前に映画の「ターミネーター」が公開されて早くから話題になっていたものの、あまり機械と肉体の融合は私の目には進んでいないと思います。唯一、確かホンダだったと思うけど、身体にくっつけて筋肉運動を補助する機械みたいな物は出来てたと思います。しかし「鋼の錬金術師」ばりの義手義足はまだ実現には程遠そうです。

 その一方で、バイオ技術には今後も大きな期待ができると思います。まずはなんといっても京大の山中教授によって研究が進められているIPS細胞、通称万能細胞が大分実用化の見通しが出来、この前にはマウスにて大脳細胞の誘導、つまりコピーに成功したそうですし、四肢や神経細胞の復元なら近いうちに行えるようになるでしょう。皮膚細胞だったら恐らくすぐにでもできるでしょうし、やけどなどの根本的治療などで大いに楽しみな技術です。

 そしてこのIPS細胞に加えヒト遺伝子の解析も既に完了しており、何気にすこし自慢ですがちょっと前にこの世界的研究に参加していた横浜にある某研究所に入って見学をさせてもらいました。巨大な超伝導磁石を用いているので、中に入る際は貴金属類はすべて外して、建物内部もそういった関係から木材を多く使ってましたね。
 と、ちょっと話が横道にそれましたが、要するに遺伝子分野の研究です。これなんかクローン研究に至っては倫理学的議論をある程度踏めばすぐにでも実行できるレベルにありますし、徳弘正也氏が「狂四郎2030
」という漫画で描いている「理想的な遺伝子配列の兵士」がこれらの研究を利用して作られていくかもしれません。なお、以前に友人と話をした際に、
「ハンマー投げの室伏広治選手のクローンで大軍団を作れば、相当無敵な軍隊が作れそうだ、格闘戦だけなら朝青龍のクローンも捨てがたい」
 という話をしたことがあります。これじゃスターウォーズだなぁ。でも一万人の室伏部隊ってのも壮観だろうなぁ。

 とまぁこんな具合で、バイオ技術は恐らく今後10年で異様な発展を遂げる気がします。それに合わせて人間の平均寿命も、今の日本では大体80歳前後ですが、恐らく100歳も夢じゃなくなってくると思います。アメリカなんか今のブッシュ政権で最近日本でもちらほら見かけるようになった「アンチエイジング」への開発投資が行われ、需要も高いことから発展、普及していくと思います。まぁそうなったら生き方とか年齢の価値観についてひっくり返るから、それに合わせて倫理学の議論が必要になってくるでしょう。

 最後に、最もSF世界で取り上げられる宇宙開発について一言付け加えておきます。恐らく宇宙開発は軍事的な必要性から中国とアメリカ、そしてソ連で研究が進み、こちらも発展していく可能性が大でしょう。日本はアメリカとの密約上これ以上宇宙開発は出来ないと聞きますし、それならば宇宙での運用を想定する工具や機械の開発、言ってみればガンダムの開発をやった方がいいかもしれません。定額給付金をやるくらいならその金使ってガンタンクの一台でも作ってみれば、私も自民党に一票を投じるのですが。

 予想以上に長くなったので、100年後の思想や倫理については次回に書きます。

4 件のコメント:

  1. ロックマン2008年11月9日 0:15

    すごく、話をそれた文を書きます。
    百年前に今の日本が先進国で且つ、世界トップクラスの自殺率を誇っているということを想像できたでしょうか?花園さんは技術的に発展するという夢を記述していらっしゃいますが、私個人としては今の日本人の技術的発展というものをそれ程望んでいないように感じます。技術的に人間が100歳まで生きることができたら、それは悲劇ですよ。そんなに長く生きたくないと考えてします人は少なくないでしょうから。最近大麻の検挙率があがっています。世間は法律に反する、廃人になるといった論調ばかりで吐き気がします。なぜ大麻を吸うのか?シラフでいれない心の闇があるのか?それを考える人が少ないと私は日々感じています。技術がどれだけ進化しても、弱者の心が顧みられない社会なんていらないですよ。本当に。

    と、単純に技術発展がした社会に希望が持てない私の考えでした。

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  2.  ロックマンさん、ご安心ください。その辺のところを今日これから「倫理編」で書きますので、大まかな私から回答はそちらを読んで下さい。

     大麻については以前に面白い話を聞いたことがあり、何でもある心理学者が調査したところ、大麻の常習者とアメリカの若者は人生を無意味だと語る率が他より高かったそうです。よく大麻を吸うと破滅的な行動を取るようになるといいますが、これは因果関係が逆で、破滅的行動をとる人が大麻を吸うのかもしれません。

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  3. 前野忠康を継ぐ者2008年11月10日 1:21

    100年後に個人と社会の関係がどうなるのかは興味がありますね。自分と社会の関係をどのようにとらえるかというテーマは、社会の中で生きざるをえない人間が一度は直面しなければならない問題であり、僕にとっても、考え続けているテーマの一つです。ロックマンさんの意見も一理あると思いますが、私は別の意見をもっています。

    花園君の今回の記事についてはあまり異論はありませんね。個人的には、次世代エネルギーとして太陽光発電に期待してます。

    ガンダムまでいけたらいいけど、自分が生きている間にボールぐらいは見てみたいな。

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  4.  義足は現段階では、人間の脚の格好はしていないし、柔軟性もまだまだですが、スピードの分野では運動選手を超えているものもあります。そのなかには、マイクロチップみたいな機械もはいっているそうですよ。だから、スポーツ選手ようではなくて一般人向けの義足を本気で作ろうと思えば、結構早く作れるんじゃないかと思います。

     宇宙戦争に発展していくんでしょうね。ロシア、アメリカの関係は。アメリカはたしか、核ミサイルを衛星からのレーザーで破壊する「スターウォーズ計画」なんてのもやってますしね。未だにできてないだろうけど。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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