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2008年11月11日火曜日

世界同時株安の中の中国株価

 専門が中国語の癖に、中国の株取引をしていないのであまり細かく中国の株価を見ていないのですが、今日改めて中国株価の一つの指標となっている上海総合指数のチャートを見てみると、去年の12月に5000ポイントだったのが、今年の4月には半分近くの3000ポイントくらいまで下がり、今日に至っては1800ポイント台にまで下がってきています。なんかこれ見ると、日経平均が8000円割れしたのがどうでも良くなってきます。

 しかしその一方、世界的にも中国経済はまだ平穏を保っている方だという見方をよく聞きます。ちょっとこの辺は細かく調べていないのでどういう根拠からの見方なのかというのまではわからないのですが、私も向こうのホームページを見ている限り、アメリカや欧州ほど大きな混乱にまでは至っていないような気がします。
 では現在、どうして中国は落ち着いていられるかですが、それについては私の中でもいくつか考えられる理由があります。

 まず一つは、現在世界で一番外貨保有高、つまり米ドルを持っているのが中国政府であり(二位は日本)、海外との貿易決済の際に少なくとも外貨がなくて不渡りが出るという心配がないから。二つ目は、中国の株価が大きく下落したのは今年の4月頃で、リーマンショック以前にすでに大きく下落していたために今回の世界同時株安における一撃のダメージが少なかったから。そして三つ目ですが、今年の下落は中国政府折込済みの下落だったからというのが、今日ここで解説するネタです。

 以前に雑誌の記事で読んだのですが、前述している今年前半の大幅な中国株価の下落は、実は中国政府の壮大な実験の成功だったと言う評論家がいました。この評論家が言うには、中国の主要株の大半は実際にはほとんど市場に流通しておらず政府関係者や共産党幹部たちが握っているらしいです。実際に私が見ていても、「賄賂は社会の潤滑油」とまで公然と言われている中国の主要企業はほとんどがそういった人間に占められているでしょうし、現実に日本以上に政と商が癒着しまくっているので、株もそうした人間によって握られているのがかえって自然な気がします。

 にもかかわらず今年の4月に大幅に株価が下落したのは、政府が自分たちで株価をコントロールできるかを実験するため、敢えて下げるように仕向けたというのです。そして実際に株価が下がって自分たちで市場をコントロールできることを確認した中国政府にとって、この大幅な下落は大収穫だったというわけです。
 この話が本当か嘘かまでは私も検証できませんが、少なくとも現在の世界同時株安の中で中国は日本と同様にまだマシな国によく数えられています。そういう風に考えてみると、中国の主張する「社会主義市場経済」というものはこうした海外からくる影響に対して、非常に強い抵抗力があるということになります。アメリカは何でもかんでも市場に任せて今回の同時株安を引き起こしましたが、それに対して大分緩んだとはいえ未だに政府の統制が強い中国で混乱が少なかったということは、なかなかに参考に足る現象だと思います。まぁ中国は、これから実体経済も賃金の上昇によってどんどん悪くなっていくと思うけど。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

僕も中国の情報には興味を持っていますが、株価の推移を細かく見たことはなかったです。中国は、株価が下がると経済全てに影響する欧米や日本などの経済とは少し違うのかも知れませんね。状況を見守っていきたいです。

花園祐 さんのコメント...

 私の友人なんか今回中国株で大損をして会うたびに、「もう首を吊りたいよ」といいますが、上海人なんで絶対に行動には移さないと思います。こういう時の明るい上海人というのは非常に好きですね(´ー`)