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2009年7月16日木曜日

少子化問題と若者問題

 本当は昨日に書くつもりでしたが、今日の記事は一昨日に書いた「日本の少子化対策の問題点」の記事の続きで、前回に上げた日本の少子化の状況を鑑みて現在の日本でどんな対策が有効であるか私の考えを紹介します。

 まず前回の記事のおさらいですが、まず現象としては出生率の落ち込みなどから少子化は確かに現在の日本で起こっている問題であり、それに対して現在の自民党や民主党は女性の社会進出の補助や教育費の補助などの対策を掲げていますが、彼らが少子化の原因と挙げている経済的問題や女性の問題よりも近年の未婚率の上昇や晩婚化こそが少子化の真の原因ではないかと私は考えています。
 実際に前回で取り上げた福井県の調査においても女性の初婚年齢や未婚率といった要素が少子化に強く相関するとの報告もあり、また全国の調査においても90年代以降は一貫して日本全国で平均初婚年齢が上がっているだけでなく独身層も増加しており、少子化の原因としては一応筋道が通るように思えます。

 では何故日本人は結婚しなくなったのでしょうか。これなんか政治家からワイドショーのコメンテーターまで揃って言っていることですが、80年代までと違って終身雇用制度が崩壊しただけでなくただでさえ派遣切りが常態化し、不安定な雇用、経済環境に若者が置かれているために結婚にまで至れなくなっているのだとされています。何気に出張所の方ではタイムリーにこういった内容のコメントをしてくれた方もいて私も確かに現状の若者の置かれている状況が大きな一因だと考えており、この辺を特に政治家の方々に言いたいのですがやっぱり私は少子化問題と若者問題は切って離すべき問題ではなく、両者を同一線上で議論をして対策しなければ意味がないと思います。言うなれば若者の雇用や生活対策こそが少子化対策に大きく直結するであろうということです。

 しかしそう思う一方、もう大分前ですがこんなコメントをしているのをどっかの雑誌の記事で読みました。

「生活資金が無いために結婚に至れない若者が多いと言うが、出産はともかくそもそも恋愛を始める時点では経済的要素が強く影響するとは思えない」


 著者は残念ながら誰かは忘れてしまったのですが、言われてみると確かにその通りと思わせられた鋭い一言でした。確かに異性と交際したくないと考える若者なんて世の中ほとんどいないでしょうし、会っていきなり相手の年収を聞いて付き合うかどうかを判断する人もそんなにいないでしょう(女性はわからないけど)。そう考えるとこれから生活費用が大きく必要になる出産をためらうことはあっても、「愛さえあれば、お金は要らないの……」と言える間は結婚をためらう理由はあまり見つからず、景気の悪化によって出生率が下がることがあっても未婚率まで多少はともかくここまで急激に上がっているのはなんか違うような気がします。
 さらに先ほどの記事の続きでは、

「そもそも結婚や出産という文化的な領域を、生活資金の補助などというものでどうにか改善しようという考えそのものが間違っている。今の日本人が少子化だというのなら、その現実を受け入れて人口を減らしていくことこそが自然に従った正しい成り行きなのでは」

 というような内容を言われてて、なるほどなぁと思った次第であります。

 しかし私は現実を変えてこそ人間だと思う性質なので、いくつかそうした状況こと日本人が何故結婚しなくなってどうすれば結婚をするのかをといった打開策を考えてみようと思います。本当は今日に一気にまとめて書くつもりでしたが、なんか文章の切れが悪くなるし続きはまた次回に。

2 件のコメント:

サカタ さんのコメント...

 若者問題で僕が思うのは、2つあります。ひとつはもてる人のところに人が集中しすぎているからかなと思います。 恋をしている人はいるけど、高望みしすぎてそれが実ることが少ない。それ故に、必然的に余る人が出てしまう。 それぞれが、自分のレベルにあった人と付き合うようになればいいのだけれど、そう思い始めるのが遅い。 だから、結局遅くにしか結婚できず子供をたくさん生むことが困難になるのかなと考えました。
 人々の中にある、「恋愛は自由だから誰とでも結ばれるんだ」という考え方が現実的な結婚という行為を抑制しているように感じます。
 その考え方を変えなければいけないのではないかと思います。どうすればいいかはわかりませんが。

 もうひとつは、地域の結びつきが弱くなったことです。それにより、単純に出会う場が少なくなったことにあると思います。 やはり、合コンでしか知り合えないとなると向こうの素性を知らないのに、いきなり付き合うことはためらわれると思います。 昔からの知り合いということならば、ある程度安心して付き合えるので地域の結びつきが必要かなと思います。

花園祐 さんのコメント...

 実はこの次の最後の記事で書こうとしているのが、まさにサカタさんの言われる内容。前にも一回書きましたが、異性に望む意識や願望が強すぎるのが未婚率を増大させる大きな原因だと私も考えています。

 地域の結びつきについても同様で、前回の福井県のデータでも大きな相関を示していたのもさることながら、総務省のデータでも結婚相手との出会いの場が「職場」という回答が最も多く、距離的な結びつきが強く影響するのは間違いありません。
 逆に合コンは出会いの場だと良く言われていますが、果たして実際にどれだけ結婚にまで結びついているのか私は疑問です。第一、合コンにホイホイくるような女性を私も相手したくないです。