2009年7月6日月曜日

書評「歴史を「本当に」動かした戦国武将」

歴史を「本当に」動かした戦国武将 松平定知著(Amazon)

 ちょっと前に書店で並んでいたので買っとけば親父も読むだろうと手に取ったのが、上記にリンクを貼った「その時、歴史が動いた」で有名な元NHKアナウンサーの松平定知氏の著作、「歴史を「本当に」動かした戦国武将」でした。この本では戦国時代に時代をリードした信長や秀吉といった名だたる戦国大名の傍らに控え、実質的な切盛り役であったいわゆるナンバー2の武将たちにスポットを当てて彼らの業績や決断、果てには処世術を解説しております具体的に取り上げられている人物を挙げていくと秀吉の参謀であった黒田官兵衛を初めとして現在大河ドラマで盛り上がっている直江兼続に、石田三成、本田忠勝、藤堂高虎、片倉景綱や細川藤孝といった人物が取り上げられています。

 本の全体の感想としては松平氏の口語体で書かれているため、なんといいうか文字で「その時、歴史が動いた」を見ているような感覚ですらすら読めていけただけでなく、この本に書かれている内容は私が歴史好きということもあって大体の事実は知っていましたが、石田三成と藤堂高虎についてはそれまで知らなかった内容もたくさん含まれていて充分に楽しめる内容でした。

 ただそれ以上にこの本を読んで思ったのは、歴史的人物の評価のポイントが時代と共に大きく変わってきたなという実感でした。それこそ登場人物を挙げろといわれたら楽に百名以上は名前を言えるくらいの三国志マニアである私は小学生の頃、どうして日本はいわゆる軍師という地位の武将にスポットが当てられないのだろうかとずっと不思議でしょうがありませんでした。私が小学生の頃に三国志を読んだ際、曹操や劉備といった大将ももちろん活躍するのですがそれ以上に諸葛亮や周喩、荀彧や程昱といった軍師が大活躍するのを見て、日本にはこういった軍師はいないのではないかと考えていました。

 もちろん当時はまだあまり日本史をよく知っていなかったという無知なのもありましたが、やはり当時の90年代と比べて2000年代に入ってからはそういった軍師級の人物に対して急に日の目が浴びるようになったと思います。
 一つの指標としてこのところNHKがやっている大河ドラマの主役をみても、今年の「天地人」の直江兼続を初め一昨年の「風林火山」でも山本勘助が主役をかっさらい、組織のトップではなくその補助役ともいうべきナンバー2が俄然注目されるようになったのではないかという気がします。

 私としてもそういった黒子として活躍した人物が好きなので満更でもないのですが、最近は一部で「責任忌避社会」とまで言われるほど管理職になりたがらない会社員が増えているとも聞くので、この傾向もそういった社会的背景をやや反映したものかもと邪推ながら思ってもしまいます。肝心の私はというと、周りからはよく意外に思われるそうなのですがやっぱりできることならプレイヤーでありたいと願っていますが、そうもうまくはなかなかいきません。

 最後に私が一番好きなナンバー2は誰かというと、大岡忠相も捨てがたいのですが僅差で陸奥宗光を取ります。あまりまとまった評伝がこの人には無いので、今度小説にして書いてみたいのですが、大抵企画段階で終わってしまいます。

2 件のコメント:

  1.  戦国志は確かに面白いですよね。各家ごとの戦略や、謀略、戦術など様々な要素があって知れば知るほど面白くなりますよね。

     最近は三国志も勉強してみようかなと思って、図書館で三国志の本でも借りてみようと思っています。

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  2.  実は私も三国志は故横山光輝氏のマンガ版しか読んでいなくて、もしマンガ喫茶で一日粘れるのならそちらの方をお勧めします。絶対に読んでいて損のない内容なので、是非三国志も知っておいてください。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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