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2009年12月15日火曜日

中国副主席との天皇特例会見について

 昨日から「リュウマの独り言」様と相互リンクを結ぶ事となりました。政治系の話題について詳しい解説が為されているサイトなので、陽月秘話ともども今後もよろしくお願いします。


小沢氏、改めて宮内庁長官批判 宮内庁には応援メール殺到(産経新聞)

 それでは本題ですが、本日、中国の副主席である習近平氏が天皇との会見を行いました。この会見に至るまでの経緯については各報道にて皆さんも知っての事だと思われますが、通常外国要人の天皇との会見は予定調整や天皇の健康上の問題といった関係から一ヶ月以上前に連絡を受ける事が慣例となっているところ、今回の習近平氏との会見はその期限を切っているにもかかわらず、「会見相手が外交上、重要な人物である」という政府の強い要求に押し切られる形で行われたと報じられております。

 先にこの習近平氏について簡単に説明しておくと、現時点でポスト胡錦濤こと未来の中国共産党総書記職の最有力候補とも言うべき人物で、数年前の時点で同じく現在常務委員である李国強氏とともに有望視されていた人物です。2008年の全人代にて常務委員入りしてからはそのライバルの李国強氏に対して功績面で徐々に差をつけ出しており、最早レースの勝敗はついたと評論家からは見られております。

 そういう意味でこの習氏が重要な人物であることに間違いはないのですが、それでも今回の特例会見を私は支持する事が出来ません。その理由としてまず、天皇自身の健康問題が挙げられます。
 すでに高齢の現天皇は数年前にも手術を行っており、もし何かあったときのことを考えるならば会見を行う一ヶ月前に連絡をしなければならないという宮内庁のルールは至極適切なものかと思われます。また今回の一件にて急な会見に当初難色を示した宮内庁を強く批判している小沢氏は習氏が総書記になる前に会見する必要性を強く主張しましたが、中国の総書記職は通常十年を任期としており、そこから逆算するなら習氏が総書記に就くには早くとも後三年強ほど猶予があり、本日に会見を行わなければならないほど急ぐ理由ははっきりいって見当たりません。あるとしたら、民主党が政権についている間に行う必要がある……といったところでしょうか。

 そして今回、一番槍玉に挙がっているのがこの一件に対する先ほどの民主党幹事長である小沢氏の一連の発言です。
 小沢氏は今回の特例会見について上記の様に相手が重要人物であるということに加え、宮内庁が勝手に決めたルールに何故従わなければならないのかと連日口角泡を飛ばしております。また天皇を政治利用する事になるのではないのかという記者の問いに対して、憲法を知らないのかと言い返した上で、天皇の国事行為は国民の選挙によって選ばれた内閣の輔弼によって行うと書いてあり、この特例会見が駄目だと言うのであれば議会の開会や解散宣言などはどうなのだと主張しました。

 しかし、私はこの意見にも納得する事は出来ません。仮に小沢氏の意見が成り立つのであれば天皇は内閣の要求すべてを言われるままに行わなければならないという事にもなりかねず、やはりそれとこれとでは話が違うように思えます。第一、この問題で憲法を持ち出すこと自体が私にとってはナンセンスに感じます。
 更に言えば、これは各所でも言われておりますが、そもそもの話として小沢氏は与党民主党の幹事長であって内閣の一員ではありません。それにもかかわらず内閣がいいというのだから何故やってはならないのかと主張するのはいささか無理があるでしょう。

 こんな具合で今回の特例会見は小沢氏の意向が強く反映されたのだろうと思っていた所、なんか妙な情報が飛び込んできました。

中国副主席との特例会見、「元首相が要請」=前原国交相が指摘(時事通信)

 これは国土交通大臣の前原氏による発言ですが、今回の特例会見は自民党の元首相からの要請によって実現したと報じられております。前原氏は一ヶ月前というルールを破ったのは民主党ではなくその元首相だとしながらも実名は避け、頼りなさならピカイチの平野官房長官もいつもどおりにこの件についてコメントを避けました。

 となると要請をしたその元首相とは一体誰なのかという犯人探しになるのですが、結論から言ってしまえば最有力候補は在任中にガス田の共同開発を約束したりパンダを年間一億円でレンタルすると取り決めるなど、中国に対して非常に接近しようとしていた福田元首相であると私は見ております。麻生元首相と森本首相だと今回のような腹芸が正直できるとは思えず、天皇制の強い擁護者である安倍元首相と日中関係を冷やせるまで冷やした小泉元首相に至っては論外です。

 とはいえこの前原氏の発言も本当に正しいかどうかがわからない状況ですが、仮にそうだとすると、今回の特例会見は小沢氏と福田氏が揃って実現に向けて力を合わせていたのではないかという疑いにもつながります。元々この二人は福田元首相の在任初期にいきなり大連立を行おうとするなど妙な所で歩調を合わせようとするところがあり、私自身もこの二人ならやりかねないという気もします。
 今後この前原発言がどうつながっていくのか、しばらく注視する必要があるでしょう。

 それにしても、忘年会から帰った後に書く記事じゃないな。

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