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2009年12月17日木曜日

内戦状態の日本 その三、抵抗する価値

 少し日が空いてしまいましたが、この一連の記事も今回が最後です。
 前回に書いた「反応と期待」の記事にて私は、現代の日本人は過剰に相手のことを気にしすぎたり、また要求が高すぎるために非常にストレスのかかる社会になっているのではないのかと主張しました。前回に引き続きまたここでも一例を出すと、ちょっと前に流れていたCMで外人が、「日本人は(商品に対して)うるさい」と言うものがありましたが、実際に商品の品質や食品の衛生管理に対しては世界的に見てもうるさい方です。

 だからこそ日本ブランドが高く評価されることにもつながったのですが、前回にも書いたように高水準の品質価値を作る一方で品質に対する要求もエスカレートしてゆき、商品を作る側も買う側同じ日本人であるのにどっちも気が遠くなるまで対応して、気が遠くなるまで文句を言うものだから住み辛い社会になったのではないかと以前から感じていました。
 現実に恐らく以前からも多少は存在してはいたでしょうが、所謂モンスターペアレントのような理不尽な要求を学校や企業、官公庁に行うクレーマーが運営に支障を及ぼすほど発生し続けております。この前もまたこんなニュースがあり、私も唖然とさせられました。

保護者が「迷惑料」10万円要求、校長は鬱病で休職…学校で理不尽続発(産経新聞)

 さっき私は以前にも恐らくは多少はいたと述べましたが、現在に至ってはこうやって報道されるのはごく一部で、実態的には計り知れないほどこのようなわけのわからない人間が溢れているとも言われております。

 我ながら強引な考え方とも思いますが、こうした人間が何故現れるようになったかという理由を問われるなら私はやはり、日本の社会が過剰に社会や個人の要求に答えてきたからだと思います。蛇口をひねれば安全に飲める水が簡単に出てくるものだからいつしか水のありがたさを忘れてしまうように、人間というものは基本的に環境によって考え方や振る舞いが変わるものだと私は考えております。ですので水と同じように懇切丁寧に細かい要求を日本人同士で叶えようとした事が、現在のように自殺やうつ病患者を大量に出す社会、特に三年以内に新卒就職者が半数は辞めていくという異常な労働環境を生んでいるように思えます。

 ではこうした負の連鎖ともいうべき反応と期待のエスカレートを止めるにはどうするかという私案ですが、私以外にも何人か主張していますが、よく言われる方法はやはりもっと自分勝手な生き方を日本人が自覚して行う事です。確かにこうすることで過剰な反応は抑える事は出来るのですが、その一方で自分勝手になるため期待を強く行う新たなクレーマー生んでしまう可能性がこの方法にはあるように思えます。
 これに対する私の案はというと、副題にあるようにもっと抵抗という行為を社会で奨励する事だと思います。

 なんかこんな風に書くと一時の社会主義者みたいですが、私は現代の日本人、特に若者についてはもっと激しく過激に抵抗する姿勢をとってもいいと思っています。就職機会が奪われているだけでなく国の一時しのぎのために国債を乱発され、おまけに労働環境はさっきも言った通りに短い期間でどんどんと辞めていく。前にも書きましたがこれは現代の若者が以前と比べてわがままになったからだという理由だけでは到底説明のつかない数字で、私も以前とは考え方が変わって若者がフリーターやニートになる事に対してもはやしょうがないのではないかと思うようになりました。

 具体的にどのように抵抗するかと言えば、それは言うまでもなく過剰な要求に対してです。この前私が知り合いから聞いた話では会社で電話を取るなり名乗る事すらせずにいきなり、「いつもの」と言ってきて、詳しく注文内容を確認しようとしたら怒鳴られたそうなのですが、こんなのこちらから怒鳴り返してやるべきですし、また彼を雇っている会社もいくら売上げが落ちるからといってこんな変な客を相手にしてはならないでしょう。そっちより、こんな理不尽な要求に絶える社員の方が大事なはずなんだし。
 理想論かもしれませんが、いくら客商売だからといって人としてのプライドを投げ打って対応することに私は反対です。そうやって対応する事が上記の負の連鎖を生んでしまうこともさることながら、そこまでプライドを捨てなくとも普通のまともな人間ならちゃんとわかってくれるでしょう。どうせいくら対応した所で過剰な要求をする人間は要求を吊り上げるだけなので、この際とっとと社会から排除した方が世のため人のためです。

 では一体どの辺からが過剰な要求になるかなのですが、そのラインを私なりに定義すると、無条件で何かしらの強制を行う、というのが過剰な要求だと思います。比較的簡単な例は運動部内で年齢が一個か二個上かだけで無用なしごきやらいじめを行うとか、会社内で一切口答えを許さないとか。
 多少喧嘩になってもいいから、もっと日本人はお互いに怒り合うべきだというのが、私の意見です。

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