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2020年5月11日月曜日

10万円給付関連記事の裏側

社会主義ですか? 日本の10万円給付に中国人が驚愕(JBpress)

 さて今週のサザエさんはじゃなくて自分の記事ですが、そこそこアクセスはいいようです。それもそのはずというか、最近アクセス悪かったから初めからPV数をそこそこ稼ぐ目的で書いています。逆を言えば、この記事でもアクセス稼げてなかったらそこそこ打たれ強い自分でもちょっとしょげてたことでしょう。
 アクセスゲットを目的に書いた、とは言ったものの、ここで書いてある内容は実は前々から主張したかった内容です。そうした気持ちが先走ったところもあってか記事文章自体はやや流麗さに欠けあんまり褒められたものじゃないですが、一番言いたい内容だった後半部分は短い中に割と濃い主張を詰め込められた気がします。

 ヤフコメなどを見るとこの記事の反応として「日本が社会主義か」という論点に強く反応している人が多いですが、いくらかミスリードさせる風に書いたところはあるものの、この点については実はそれほど主張したかった内容というわけではありません。コメントなどにもある通り、「何をいまさら」といった内容程度でしょう。
 同様に、現金給付は欧米諸国など他の資本主義国でも行われているという点についてもあらかじめ了解している内容で、そうした事実を無視して何故中国との比較に終始したのかという意図まで探ってくれたら作者冥利に尽きるのですが、そこまではいなかったようです。

 では何が言いたかったのかというと、後半に書いてある自助努力意識の差です。この点については、下記のコメントをくれた方は完全に自分の意図を読み取ってくれています。

「筆者が言いたいのはどちらの国が資本主義か社会主義かということより国に頼らず自らの力で回復を目指す中国国民とまず国、政府に支援を求める日本の国民との国民性の違いを言いたかったのでは。生活水準が向上し先進国として長くその位置にいると精神は退化していくようだ。日本に限らずだけどね。一言で言えば日本人の精神に逞しさが失われつつあるのかも知れない。国が政府が頼りに出来ない時ほど自らの力で立ち上がらなければならないのだが。事の是非は別として全世界でマスク不足状態が発生すると中国では9000社にも上るマスク製造会社が出来た。そのため不良品が相次ぎ政府がマスクの輸出管理に乗り出さねばならない事態になったようだがそのバイタリティは賞賛すべきである。」

 記事中にも書いている通り、普段税金を払っているのだからいざというときに政府に支援を求めること自体は何も問題だと思いませんが、最近の日本は何かあればすぐ政府を頼りにするという、政府への依存意識が異常に高すぎるように前から感じていました。今回のコロナの事態に関しては、その影響が直撃している観光、宿泊、交通業界などは支援を求めるのも無理がないとは思うものの、他にもたくさん影響を受けている業界がたくさんあるというのに、うちもうちもと支援を求める声がいろんな業界から出てきたのには違和感を覚えました。
 特に、平田オリザ氏をはじめとする芸能界の人間が堂々と政府に補償をするべきだと主張したのには呆れてものが言えません。収入が途絶えて苦しい人がいるというのなら、松本人志氏のように同じ業界内の余裕のある人間などから募金を募って配布するなどすればいいと思うのに、そうした自助努力もしない間にああしたことを発言するとはどんなものかと思います。

 また平田オリザ氏に限らずとも一般世論も政府はもっと補償すべきだなどという主張が多く、初めから政府の補償を当てにしていない中国人と比べると、ビジネスの世界じゃちょっと頼りないなという気がしてなりません。本当なら記事中に、「国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国に何をできるかを考えよ」というケネディの言葉を引用しようとも考えていたのですが、さすがにそこまでやると反発しか受けないだろうと思ってやめてます。

 極限すると、私が日中で比較したかったのは国家体制としての資本主義か社会主義かではなく、個人レベルの国民思想が資本主義的か社会主義的かという議論です。私個人としては最近なんか周りで中道だと言われているようですが、この点も「このはしわたるべからず」じゃないですが、資本主義も社会主義も極端な思想であってはならず、バランスのいい位置を維持すべきという見方です。いうなれば、政府を頼りにし過ぎてもいけないし、全く無視してもならない(政治参加意識を一程度持つ)という立場です。
 この点で言うと中国は、言っちゃなんですがやや極端な資本主義寄りにあるというか、政府を当てにしないけどその代わり政府の作った法律を無視しまくるという状態にも見えます。もっとも、こういう輩の方がビジネスでは強いんですが。日本に関しては、言うまでもないでしょう。

 なおヤフコメ見ていて、そこそこツボにはまったコメントは以下の通りです。

・中国に驚かれてもね?こっちは中国のやる事なす事、驚いてますけどね。
→すごく同感。だから中国は楽しいんだけど。

・社会主義でも 資本主義でも 支援金もらえるのは いいことだ。 鄧小平
→黒猫でも白猫でも、かわいい猫はいい猫だ。

4 件のコメント:

上海熊 さんのコメント...

もし中国が自由選挙をやった場合、中国人はオバマではなくトランプのような人物をトップに選ぶだろうな、と思ってます。トランプなんて資本主義の権化みたいな人物ですからね。

花園祐 さんのコメント...

 自分もその見方に同感です。以前ほどの拝金主義ではなくなったものの、競争主義的意識は未だ非常に強く、相手を打ち負かしてでも勝負に出ようとする人を中国人は好みますね。まぁだからこそトランプと揉めるわけで、その辺は同じ穴のムジナだからこその対立といったところでしょうか。

ルロイ さんのコメント...

このすぐに政府からの支援を求めるのって、日本の野党が昔からやってきたことなんですよね。
さも日本の国家予算が無限にあるかのように、その原資が国民の出資で成り立ってることを忘れているかのように主張することにとても違和感を持っていたのですが、省庁間の予算獲得競争と同じで、自分達の支持者にお金を回して次の票にすることしか考えてないんですよね。

今の野党はコロナ問題を誰かのせいにしたい人たちの矛先を政府に向けることばかり考えていて、無責任な人の拡声器になっているのが残念です。
与党に足りないところが具体的に見えた状況下なのに、クレーマー思想を増やすだけになっているのがなんとも悲しいところです。

花園祐 さんのコメント...

 おっしゃる通りで、バラマキはむしろ野党の専売特許であり、今回の10万円給付についても野党は称賛こそすれ批判できる立場ではないでしょう。私も今の政府にいろいろ批判こそしていますが、仮に政権が今野党の物だったら、もっと大混乱になって感染も広がっていたという風に思います。
 このコロナの一件で一時フェードアウトしかけた維新の会が再び力をつけてきており、また小池新党とどうつながるかが次の政局になってくる気がします。