最近梅ジュース目当てに地元の喫茶店に寄る事が増えてきたのですが、そこに置いてあるもんだからついつい「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」という、私の世代で知らない男の子がいるならそいつはモーグリもびっくりなモグリだと言えるような漫画を読み返しております。さすがに細かい内容までは語りませんが、元々エニックスと関係の深かったジャンプ(ドラクエの発売情報などは当時ジャンプが一番初めに報じていた)ゆえ、ドラクエ世界の設定を下地にしたオリジナルストーリーは私のみならず当時の男の子を夢中にさせていました。
そんなわけで懐かしさもあって手に取っているのですが、なんというかどうも感覚が違う、というより成人した今になって読んで見ると子供の頃と違った視点で見ているのが自分でも分かり、すでに何度か読んでいるのにとても新鮮な面白さを覚えます。
特にそれを強く感じさせられるのは、恐らくこの漫画の中で最も人気があるキャラと言っても過言ではない「ポップ」というキャラの立ち位置です。
知らない人向けに簡単に説明すると、このポップというキャラは登場当初は臆病で無責任で、主人公を置いて勝手に逃げ出したりするなどする典型的なへたれキャラでした。しかし物語が進むにつ入れて徐々に芯が強くなり、いつしかパーティの中でも誰よりも沈着で責任感あるキャラへと変わって行きます。
なんでもWikipediaの解説を見ると原作者もこのポップが作品の中で重要なキャラになると初めから認識していたそうで、担当編集者から「もう殺しちゃいなよ」などとストーリー構成で指示を受けても、彼というキャラクターがこの漫画でどれだけ必要なのかを何度も訴えて育てていったらしいです。
それでこのポップの見方が私の中でどのように変わったのかというと、子供の頃は漫画で描かれているまんまに、「最初は頼りなかったけど、すごく成長したキャラだな」という認識でしたが、大人となった今だと、「ポップのように困難に直面しても、逃げ出さずに立ち向かえるだろうか?」という事ばかりが頭をよぎります。
この漫画はジャンプお得意のヒーロー物ということで主人公のダイを初めとしたキャラクター達はそれがさも当然かのように勇敢に戦い続けるのですが、ポップはそんな中でも最も一般人の感覚に近く、強大な敵に対して素直に怖れや恐怖を露にします。もちろん漫画を読む側は気楽なものですが、仮にポップの立場に自分が立った場合、ポップのように恐怖を感じながらもそれを乗り越えて行動できるのかと読み返してみて思うようになりました。
原作者も恐らく、「臆病者だからこそ勇気がいる」ということをこのポップというキャラを通して読者に伝えようとしていたのかと思います。特に作中でポップは、記憶を一時失った親友のダイを守るために一度自爆を行って命を落としていますが、ジャンプだと甦れるからよかったものの、あれほどの決断や行為を自分の親友に対しても行えるかと言ったら、それがどれだけ価値ある行為だと分かっていとてもじゃないですが自信がありません。
そのポップが初めて勇気を出して行動に移す際、いかにもな小悪党キャラの「まぞっほ」から諭されるシーンがあるのですが、その時のまぞっほのセリフをちょっとここで引用させてもらいます。
「確かにワシも昔は正義の魔法使いに憧れた。でも、あかんかった。自分よりも強い者に会うと震え上がっちまって逃げ出した。 そして今はこんなざまじゃ」
「仲間を見捨てるような者でもつとまるのかね かの有名なアバンの使徒というのは?」
「勇者とは勇気ある者ッ!! そして真の勇気とは打算なきものっ!! 相手の強さによって出したりひっこめたりするのは本当の勇気じゃなぁいっ!!!」
「小悪党にゃあなりたくなかろう…?」
(サイト:悪の華「悪役名簿」様より引用)
このまぞっほのセリフを読み返した時、自分はポップよりもまぞっほに近くなってしまったのかもなぁという気がして、ポップが如何にすごい奴だったのかを改めて思い知りました。まぁまぞっほも、決して悪くはないんだけど。
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2010年5月27日木曜日
2010年5月26日水曜日
新党改革、鳩山邦夫氏への接近について
・新党改革、鳩山邦夫氏の長男を擁立へ(産経新聞)
今日は社会学関連のネタでも書こうと思っていたらこんなニュースです。結論から言えば、非常に呆れさせられたニュースです。
上記リンクに貼ったニュースの内容は、桝添氏が代表を務める新党改革が次回の参議院選挙に鳩山邦夫氏の長男を擁立すると発表したことを報じるニュースです。このニュースを見る上でいくつかポイントがあるので、幾つかおさらいしましょう。
まず一番重要なポイントは、桝添氏が自民党を離党した際にすでに離党していた鳩山邦夫氏と距離を置く発言をしていたことです。邦夫氏は離党の際、「自らが坂本竜馬のように火の玉となって桝添氏と与謝野氏を結びつける」と発言していましたが、呼びかけられた桝添氏、与謝野氏はというと邦夫氏が鳩山由紀夫首相同様に実母から毎年多額の偽装献金を受け取っていた事から世の批判を受けるとし、どちらも新党を立ち上げたものの邦夫氏に参加を呼びかける事はなく、むしろ思想や心情が異なるなどといっては距離を置く発言を繰り返しました。これはこれで、邦夫氏が見事に火の玉となったとも見れますが。
それが今回、実質桝添氏が率いている新党改革が何故邦夫氏の長男をここに至って擁立するのか。邦夫氏の長男はこれまで邦夫氏の秘書をするなどして兼ねてから政界入りを狙っていたようですがそれがどうして自民党でも無党派でもなく桝添氏の党から出馬するのか、これまでの桝添氏の邦夫氏への態度を見るならばどうにも腑に落ちません。
結論を言うと、桝添氏の真の狙いは鳩山家が持つ潤沢な資金だと私は見ております。
かねてより評論家らの間では、桝添氏も与謝野氏も新党を立ち挙げてからは邦夫氏と距離を置く発言をしているものの、内心では党運営を行う上で金がかかるために邦夫氏が持つ膨大な資金を欲しがっているのではと言われていました。実際に現与党の民主党も結党間もない頃は安定した収入源を持っていなかったため、運営面で鳩山由紀夫、邦夫兄弟が拠出する資金に負う所が大きかったそうです。
私の見立てでは桝添氏は偽装献金問題があるために表立って邦夫氏を引き入れる事はしないものの、彼の長男を擁立して議員にすることで邦夫氏に恩を売り、党運営の資金を迂回なり直接なりで鳩山家から得ようとしているのではないかと思います。それこそ、かつて邦夫氏が実母から金を受け取ってその金で民主党を支えたように。
私は政治の世界は奇麗事ばかりではやって行けない世界で、ある程度清濁を合わせ飲まねばならないとものだとは考えています。しかしこの鳩山家の資産については現時点では明らかに別問題で、ほんの少し前に自民党時代の与謝野氏が「平成の脱税王」と鳩山由紀夫首相を非難したほどその問題性は比較にならず、また今の民主党の混迷ぶりも元を正せばこの鳩山家の資産にあることを考えると今回の桝添氏の邦夫氏長男の擁立は承服しがたいです。
先日にたまたま見た「太田総理」という番組にてかつてタレント候補として民主党から出馬して見事当選した大橋巨泉氏が出演していましたが、その際に大橋氏は鳩山由紀夫首相について、当時から民主党議員らは由紀夫氏はその日に三回人に会ったら三回意見を変えるほど優柔不断でリーダーとしては問題のある人物だと理解していながらも、民主党結党当初に多額の資金を出した事から誰も逆らえず、金の力で地位を買っていたような人物だと評してましたが、私もこれを聞いてなかなか上手い人物評だと思いました。なお、その結党資金はどこからでていたかとなるとそれはやはり実母から送られてきた物で、由紀夫氏自身がそれを知らなかったわけがないとも大橋氏は述べていました。
言ってしまえば由紀夫氏はリーダーとなれるような人物でないながらも、鳩山家の資産があったがゆえにそれなりの地位に昇ったという事です。今の由紀夫氏の仕事ぶりを見ているとまさにその通りだという気がするのですが、今回の新党改革の邦夫氏長男擁立でまた同じことが繰り返されやしないかと感じ、先立つものがないとはいえ、いくらなんでもこの時期に下心丸出しの行動に出た桝添氏に対し如何なものかと思う次第です。
それにしても、世の中やっぱ金かよ( ゚д゚)、ペッ
今日は社会学関連のネタでも書こうと思っていたらこんなニュースです。結論から言えば、非常に呆れさせられたニュースです。
上記リンクに貼ったニュースの内容は、桝添氏が代表を務める新党改革が次回の参議院選挙に鳩山邦夫氏の長男を擁立すると発表したことを報じるニュースです。このニュースを見る上でいくつかポイントがあるので、幾つかおさらいしましょう。
まず一番重要なポイントは、桝添氏が自民党を離党した際にすでに離党していた鳩山邦夫氏と距離を置く発言をしていたことです。邦夫氏は離党の際、「自らが坂本竜馬のように火の玉となって桝添氏と与謝野氏を結びつける」と発言していましたが、呼びかけられた桝添氏、与謝野氏はというと邦夫氏が鳩山由紀夫首相同様に実母から毎年多額の偽装献金を受け取っていた事から世の批判を受けるとし、どちらも新党を立ち上げたものの邦夫氏に参加を呼びかける事はなく、むしろ思想や心情が異なるなどといっては距離を置く発言を繰り返しました。これはこれで、邦夫氏が見事に火の玉となったとも見れますが。
それが今回、実質桝添氏が率いている新党改革が何故邦夫氏の長男をここに至って擁立するのか。邦夫氏の長男はこれまで邦夫氏の秘書をするなどして兼ねてから政界入りを狙っていたようですがそれがどうして自民党でも無党派でもなく桝添氏の党から出馬するのか、これまでの桝添氏の邦夫氏への態度を見るならばどうにも腑に落ちません。
結論を言うと、桝添氏の真の狙いは鳩山家が持つ潤沢な資金だと私は見ております。
かねてより評論家らの間では、桝添氏も与謝野氏も新党を立ち挙げてからは邦夫氏と距離を置く発言をしているものの、内心では党運営を行う上で金がかかるために邦夫氏が持つ膨大な資金を欲しがっているのではと言われていました。実際に現与党の民主党も結党間もない頃は安定した収入源を持っていなかったため、運営面で鳩山由紀夫、邦夫兄弟が拠出する資金に負う所が大きかったそうです。
私の見立てでは桝添氏は偽装献金問題があるために表立って邦夫氏を引き入れる事はしないものの、彼の長男を擁立して議員にすることで邦夫氏に恩を売り、党運営の資金を迂回なり直接なりで鳩山家から得ようとしているのではないかと思います。それこそ、かつて邦夫氏が実母から金を受け取ってその金で民主党を支えたように。
私は政治の世界は奇麗事ばかりではやって行けない世界で、ある程度清濁を合わせ飲まねばならないとものだとは考えています。しかしこの鳩山家の資産については現時点では明らかに別問題で、ほんの少し前に自民党時代の与謝野氏が「平成の脱税王」と鳩山由紀夫首相を非難したほどその問題性は比較にならず、また今の民主党の混迷ぶりも元を正せばこの鳩山家の資産にあることを考えると今回の桝添氏の邦夫氏長男の擁立は承服しがたいです。
先日にたまたま見た「太田総理」という番組にてかつてタレント候補として民主党から出馬して見事当選した大橋巨泉氏が出演していましたが、その際に大橋氏は鳩山由紀夫首相について、当時から民主党議員らは由紀夫氏はその日に三回人に会ったら三回意見を変えるほど優柔不断でリーダーとしては問題のある人物だと理解していながらも、民主党結党当初に多額の資金を出した事から誰も逆らえず、金の力で地位を買っていたような人物だと評してましたが、私もこれを聞いてなかなか上手い人物評だと思いました。なお、その結党資金はどこからでていたかとなるとそれはやはり実母から送られてきた物で、由紀夫氏自身がそれを知らなかったわけがないとも大橋氏は述べていました。
言ってしまえば由紀夫氏はリーダーとなれるような人物でないながらも、鳩山家の資産があったがゆえにそれなりの地位に昇ったという事です。今の由紀夫氏の仕事ぶりを見ているとまさにその通りだという気がするのですが、今回の新党改革の邦夫氏長男擁立でまた同じことが繰り返されやしないかと感じ、先立つものがないとはいえ、いくらなんでもこの時期に下心丸出しの行動に出た桝添氏に対し如何なものかと思う次第です。
それにしても、世の中やっぱ金かよ( ゚д゚)、ペッ
2010年5月25日火曜日
北朝鮮、韓国艦撃沈事件について
すでに各ニュースでも報じられていますが、先日起きた韓国海軍哨戒艦の沈没事件の原因が北朝鮮による魚雷攻撃によるものと韓国を初めとした調査団が発表し、韓国の李明博大統領、北朝鮮の金正日総書記がそれぞれ互いに非難する声明を出して俄かに朝鮮事情が慌しくなって来ました。このニュースについて昨晩に友人に意見を求められたので、今日はそれに補足する形でこの問題に対する私の意見を紹介しようと思います。
まず発端となった韓国軍艦の沈没が北朝鮮によるものかについては、紛れもない事実とみて間違いないでしょう。この沈没原因の調査は韓国のみならずアメリカを初めとした複数国によって組織された調査団によって報告されたもので、調査団が発表した北朝鮮製魚雷設計図と現場に残っていた遺留物が一致していたという事実、これまでの北朝鮮の前科、そしてなによりも北朝鮮贔屓の中国政府が「各国に慎重な対応を求める」と、玉虫色の声明を出したこと一つとっても判断するに十分でしょう。
ではどうして北朝鮮はこんな簡単にばれるような、大それた軍事行動を取ったのでしょうか。今回の北朝鮮の目的について北朝鮮関係の各学者らは、世代交代に当たって何かしら大きな軍事行動を取って示しを付けようとしたのではないかと述べていますが、普通に考えれば馬鹿馬鹿しい限りですがあの国だったら本気でやりかねず、私もこの説を支持します。
また敢えて深読みするのであれば、復帰間近と言われていた六カ国会議においてなにかしら狙いを持って起こしたのかもしれません。六カ国会議そのものを拒否しようとしたのかもしれませんし、仮に参加するとしても今回の軍事行動を以って何かしらの譲歩を迫るとか、そういった思慮が働いたと考える事もできます。
肝心の今後については、はっきり言って国際諸国が北朝鮮を追い込む事は難しいかと私は思います。というのも現在どの国も、それぞれがそれぞれなりにすねに傷を抱えてて思い切った行動が取れないからです。
まず遠く離れた欧州諸国はそもそもアジア情勢に対して興味が薄く、その上ギリシャに端を発した金融問題で頭が一杯です。そして今回の事件の当時者でもある韓国も朝鮮事情が荒れるのではという懸念から昨日今日と株価が下がり、折角リーマンショックから立ち直って調子よくいっている所に水を差しかねないと慎重になるべきだという意見が出てきています。
そして北朝鮮問題の最大のキーマンである中国も、さすがに今回のバレバレな軍事行動をかばい立てる事こそしなかったものの、現在上海万博が開催中という事もあって何が何でも隣国で戦争などといった有事にならないように押さえ込みにかかる事は想像に難くありません。もう一方のキーマンである米国も、そんな中国を押し切ってほど北朝鮮に圧力をかけるとは思えず、またオバマ政権自体が内政やアフガニスタン問題でただでさえ八方塞がりな状態です。
最後に日本についてはなにも言う事がなく、北朝鮮にだけは強気だった安部政権であれば話しは別でしたが、今の政権に独自の外交を期待するのはまず無理でしょう。せいぜい、国連での非難決議に賛成票を投じるだけに終わるでしょう。
恐らく北朝鮮も、各国がそれぞれこのような状態ゆえに今回のような大それた行動をとっても何も対策が取れない事を知って決断したかと思います。
ただあくまで素人の意見として言わせてもらうならば、中国政府は内心、今回の北朝鮮の行動に対して怒り心頭に来ているのではないかと思います。彼らとしては何が何でも成功させたい上海万博の開催直後にわざわざ火の粉を浴びせかけるような行動を、しかも今月に金正日総書記が訪中しているにもかかわらず取ったというのは侮辱以外の何者でもないと受け取っているはずです。
北朝鮮としてもなんでもかんでも中国の言う事を聞いていればイニシアチブをすべて握られるという懸念から、数年前から敢えて中国の意向とは真逆の行動を取るようになって来ております。この北朝鮮の動きに中国がどこまで我慢するか、最短だと万博が閉会する今秋が頃合で、この問題で何かしら動きがあるとしたらその時期かというのが私の結論です。
まず発端となった韓国軍艦の沈没が北朝鮮によるものかについては、紛れもない事実とみて間違いないでしょう。この沈没原因の調査は韓国のみならずアメリカを初めとした複数国によって組織された調査団によって報告されたもので、調査団が発表した北朝鮮製魚雷設計図と現場に残っていた遺留物が一致していたという事実、これまでの北朝鮮の前科、そしてなによりも北朝鮮贔屓の中国政府が「各国に慎重な対応を求める」と、玉虫色の声明を出したこと一つとっても判断するに十分でしょう。
ではどうして北朝鮮はこんな簡単にばれるような、大それた軍事行動を取ったのでしょうか。今回の北朝鮮の目的について北朝鮮関係の各学者らは、世代交代に当たって何かしら大きな軍事行動を取って示しを付けようとしたのではないかと述べていますが、普通に考えれば馬鹿馬鹿しい限りですがあの国だったら本気でやりかねず、私もこの説を支持します。
また敢えて深読みするのであれば、復帰間近と言われていた六カ国会議においてなにかしら狙いを持って起こしたのかもしれません。六カ国会議そのものを拒否しようとしたのかもしれませんし、仮に参加するとしても今回の軍事行動を以って何かしらの譲歩を迫るとか、そういった思慮が働いたと考える事もできます。
肝心の今後については、はっきり言って国際諸国が北朝鮮を追い込む事は難しいかと私は思います。というのも現在どの国も、それぞれがそれぞれなりにすねに傷を抱えてて思い切った行動が取れないからです。
まず遠く離れた欧州諸国はそもそもアジア情勢に対して興味が薄く、その上ギリシャに端を発した金融問題で頭が一杯です。そして今回の事件の当時者でもある韓国も朝鮮事情が荒れるのではという懸念から昨日今日と株価が下がり、折角リーマンショックから立ち直って調子よくいっている所に水を差しかねないと慎重になるべきだという意見が出てきています。
そして北朝鮮問題の最大のキーマンである中国も、さすがに今回のバレバレな軍事行動をかばい立てる事こそしなかったものの、現在上海万博が開催中という事もあって何が何でも隣国で戦争などといった有事にならないように押さえ込みにかかる事は想像に難くありません。もう一方のキーマンである米国も、そんな中国を押し切ってほど北朝鮮に圧力をかけるとは思えず、またオバマ政権自体が内政やアフガニスタン問題でただでさえ八方塞がりな状態です。
最後に日本についてはなにも言う事がなく、北朝鮮にだけは強気だった安部政権であれば話しは別でしたが、今の政権に独自の外交を期待するのはまず無理でしょう。せいぜい、国連での非難決議に賛成票を投じるだけに終わるでしょう。
恐らく北朝鮮も、各国がそれぞれこのような状態ゆえに今回のような大それた行動をとっても何も対策が取れない事を知って決断したかと思います。
ただあくまで素人の意見として言わせてもらうならば、中国政府は内心、今回の北朝鮮の行動に対して怒り心頭に来ているのではないかと思います。彼らとしては何が何でも成功させたい上海万博の開催直後にわざわざ火の粉を浴びせかけるような行動を、しかも今月に金正日総書記が訪中しているにもかかわらず取ったというのは侮辱以外の何者でもないと受け取っているはずです。
北朝鮮としてもなんでもかんでも中国の言う事を聞いていればイニシアチブをすべて握られるという懸念から、数年前から敢えて中国の意向とは真逆の行動を取るようになって来ております。この北朝鮮の動きに中国がどこまで我慢するか、最短だと万博が閉会する今秋が頃合で、この問題で何かしら動きがあるとしたらその時期かというのが私の結論です。
2010年5月24日月曜日
大学生犯罪の一般化
ちょっと前にどの番組かまでは忘れましたが、あるゲストが昭和期に起こった「吉展ちゃん誘拐殺人事件」を引用し、仮に今このような誘拐殺人事件が起きたとしても当時のように大きく騒がれないほど、現代はこのような猟奇事件が一般化して来ていると言っていました。このゲストの発言を聞いて私も素直にその通りだと感じ、凶悪犯罪件数が増えているかどうかについてはまだ検討の余地がありますが、かつてなら連日連夜取り上げられていたような猟奇事件のワイドショーにおける賞味期限は確実に早くなっては来ていると思います。
ただこうした猟奇事件以上に私が一般化し過ぎて問題ではないかと感じるのが、今日の本題となっている大学生による犯罪です。
一応、日本の最高学府とされている大学に通う人間は普通の感覚で言えばある程度選抜された学識者と見られるべきなのですが、すでに大学全入時代を向かえている事もあって大学生と言っても日本ではあまり泊がつかなくなっております。それでもかつての大学生はエリートとして扱われており、戦後直後に起きた「光クラブ事件」や「日大ギャング事件」といったいわゆるアプレゲール事件の当時の報道は、「どうして学識もあり、将来を約束されているような学生がこのような犯罪に手を染めたのか」、といった論調で以って報じられたと聞いております。
翻ってみて現在、たとえ大学生が詐欺や殺人事件を起こしたとしても余程の有名大学でなければニュースにすらなりません。まだオウム事件の頃は、「これだけのエリートが何故?」という議論が当時ありましたが、現在に至っては数年前に早稲田大学の学生を中心とした振り込め詐欺グループが逮捕された際に、
「早稲田の学生らだけあって、(詐欺)電話での対応マニュアルまで作られていた」
という報道がされていました。なんていうか、反応に困るんだけど。
他の人がどう思うかは分かりませんが、意識しない所で当たり前でなかったこのような概念が当たり前になっているという事に、私は大きく問題がある気がします。大学生は犯罪など起こすわけがない、という概念を持っている社会と、大学生でも変わらず犯罪を起こす、という概念の社会を比べるなら、やはりどうみたって前者の社会の方がまともそうに思えますし、目指すべき社会の形だと思います。実態はどうであれ。
去年の年末に私は、ほぼ毎日のように東京のどっかしらの鉄道路線が人身事故で止まっていたことについてどこも報じないばかりか、誰もおかしいとは言わなかったことに、今の日本社会はどこか異常なのではないかと書きましたが、この所の犯罪に対する感覚もあってはならないほど麻痺し過ぎてやしないかという気がします。恐らくこのまま行けば、数年後には児童虐待に対しても今ほど報じられる事もなくなるかと思います。
作家の渡辺淳一氏(勝手にナベジュンって略しているけど)はその著書の「鈍感力」において、気にしなくていいものを気にしないというのは一つの才能であり能力だと書きましたが、その一方で本当に気にしなければならないものに気がつかない、気にしないというのは鈍感力ではなくただの鈍感であって、あってはならない事だと述べていました。私はよく人から何事も気にしすぎだと言われていますが、今日ここで書いた今の日本社会の風潮に対する懸念も杞憂なのかどうか、悩みどころです。
ただこうした猟奇事件以上に私が一般化し過ぎて問題ではないかと感じるのが、今日の本題となっている大学生による犯罪です。
一応、日本の最高学府とされている大学に通う人間は普通の感覚で言えばある程度選抜された学識者と見られるべきなのですが、すでに大学全入時代を向かえている事もあって大学生と言っても日本ではあまり泊がつかなくなっております。それでもかつての大学生はエリートとして扱われており、戦後直後に起きた「光クラブ事件」や「日大ギャング事件」といったいわゆるアプレゲール事件の当時の報道は、「どうして学識もあり、将来を約束されているような学生がこのような犯罪に手を染めたのか」、といった論調で以って報じられたと聞いております。
翻ってみて現在、たとえ大学生が詐欺や殺人事件を起こしたとしても余程の有名大学でなければニュースにすらなりません。まだオウム事件の頃は、「これだけのエリートが何故?」という議論が当時ありましたが、現在に至っては数年前に早稲田大学の学生を中心とした振り込め詐欺グループが逮捕された際に、
「早稲田の学生らだけあって、(詐欺)電話での対応マニュアルまで作られていた」
という報道がされていました。なんていうか、反応に困るんだけど。
他の人がどう思うかは分かりませんが、意識しない所で当たり前でなかったこのような概念が当たり前になっているという事に、私は大きく問題がある気がします。大学生は犯罪など起こすわけがない、という概念を持っている社会と、大学生でも変わらず犯罪を起こす、という概念の社会を比べるなら、やはりどうみたって前者の社会の方がまともそうに思えますし、目指すべき社会の形だと思います。実態はどうであれ。
去年の年末に私は、ほぼ毎日のように東京のどっかしらの鉄道路線が人身事故で止まっていたことについてどこも報じないばかりか、誰もおかしいとは言わなかったことに、今の日本社会はどこか異常なのではないかと書きましたが、この所の犯罪に対する感覚もあってはならないほど麻痺し過ぎてやしないかという気がします。恐らくこのまま行けば、数年後には児童虐待に対しても今ほど報じられる事もなくなるかと思います。
作家の渡辺淳一氏(勝手にナベジュンって略しているけど)はその著書の「鈍感力」において、気にしなくていいものを気にしないというのは一つの才能であり能力だと書きましたが、その一方で本当に気にしなければならないものに気がつかない、気にしないというのは鈍感力ではなくただの鈍感であって、あってはならない事だと述べていました。私はよく人から何事も気にしすぎだと言われていますが、今日ここで書いた今の日本社会の風潮に対する懸念も杞憂なのかどうか、悩みどころです。
2010年5月23日日曜日
社会学とは?
よく私が自分の専門科目が社会学だと話すと、「社会学って何?」とよく聞かれます。これは何も私に限らず社会学に携わるものなら皆経験している事だと思いますが、どうも社会学は他の学問と比べて世間一般へ認知が低いようです。実際に私も大学に入学するまで社会学がどういう学問なのか全くと言っていい程認知しておらず、取り扱う分野が他の学問より広そうだという考えだけで選択しました。ちなみに後で聞いたら知り合いの中国人もそうだったようです。
そんな社会学の定義は曖昧な学問分野ということもあって答える人によって違うでしょうが、敢えて私なりの定義を言うと、「集団人格の心理や行動を主な対象として研究する学問」、といったところです。
もう少しこの定義を掘り下げて説明すると、まず前提として「人間は集団となると別の人格を持つ」という考え方が社会学にはあります。
簡単な例を挙げると、人間というのは一人だったらまずしないような行動を集団になるとどんどんとやってしまうことがあります。例えば野球場でのチームへの応援も自分一人だけなら太鼓叩いて応援するような人となると殆んどいないでしょうが、これが十人、百人単位のファンクラブであれば周りの目も気にせず意気揚々と行えてしまいます。同様に小中学校でのいたずらも、自分一人では行わないようなくだらない行為でも複数人で計画するのであれば実行する確率は一気に跳ね上がります。
我々社会学一派はこのように、人間というのは集団となると個人とは別の人格を持つと前提しております。たとえばAさんという人がいて、この人はこの人なりの人格を持っていますが、Aさんが加入している団体においてはAさんを含めた構成員全員が持つ個々の人格とは異なる、その団体の人格というものがあるというような感じです。
唯一例外があるとしたら、社長の気分次第でどうにでも決定が覆るワンマン企業くらいなもので、そのような集団の人格は限りなく社長個人の人格と同一なものとみなします。
このような個人から独立した、集団の人格を主な対象としてあれこれ研究するのが社会学なのですが、見方によっては心理学の中の「集団心理学」なのではないかと思われる人もいるかと思います。実際に社会学と集団心理学の区別はつき辛く、社会学のテキストには社会学者として書かれている研究者が心理学のテキストでは心理学者という肩書きに変わって載っている事も多いですし、ぶっちゃけ勉強する人物は集団心理学とかなりダブります。レオン・フェスティンガーなんてその典型だし。
さすがに社会学ではフロイトやユングといった心理学の大家は取り扱いませんし、心理学もエミール・デュルケイムは取り上げないでしょうが、近現代の研究者だとまるで綱引きをするが如くに奪い合っているような状態です。
敢えて私独自の社会学と集団心理学の違いを説明させてもらうならば、やっぱりアプローチの仕方が両者で異なっているのではないかという気がします。
これは私の体験ですが、以前に日本の自殺について調べている際、97年から98年にかけて自殺者数が約23,000人から約31,000人(統計によって多少前後するが)に増加していることに気がつきました。このデータを見た私は咄嗟に、「この一年で新たに現れた8,000人の自殺者というのはどういう人物群なのだろうか」と考えました。
多分、というより普通こんなデータを見たら、「どうして8,000人も自殺者が増えたのだろうと」考えると思うのですが、私は初見でいきなり、「98年の自殺者31,000人のうち前年度と同じ数の23,000人は従来からの原因で自殺したとして、増加した8,000人はこの一年のなにかしらの変化によって新たに現れた自殺者なのだろう」と考えました。前者が自殺者が増えたと考えるのに対し、後者は自殺者が新たに現れたというようなアプローチですが、私は意図せずに後者のような考え方をするのがスタンダードとなっております。実際には98年から自殺者のカウント方法が変わった事が原因だと言われておりますが。
勝手な当て推量で語って申し訳ないのですが、集団心理学は個々の人格が合わさって集団という一つの人格が出来上がるというアプローチを採るのに対して、社会学は一定数の人間が集まると個々の人格が全く無視されて新たに、独立した集団という一つの人格が出来上がるように考えている気がします。極端な例を挙げると、家庭では皆良き父親であったナチスの幹部らがユダヤ人虐殺を主導していたといったように。
最近書こうと思う内容、並びに今日も起こった頭痛が頻発しているのでしばらく社会学関係を中心に書いてこうと思います。このところ本気で自分の健康に不安感じているので、いい突破口になればと願います(;´Д`)
そんな社会学の定義は曖昧な学問分野ということもあって答える人によって違うでしょうが、敢えて私なりの定義を言うと、「集団人格の心理や行動を主な対象として研究する学問」、といったところです。
もう少しこの定義を掘り下げて説明すると、まず前提として「人間は集団となると別の人格を持つ」という考え方が社会学にはあります。
簡単な例を挙げると、人間というのは一人だったらまずしないような行動を集団になるとどんどんとやってしまうことがあります。例えば野球場でのチームへの応援も自分一人だけなら太鼓叩いて応援するような人となると殆んどいないでしょうが、これが十人、百人単位のファンクラブであれば周りの目も気にせず意気揚々と行えてしまいます。同様に小中学校でのいたずらも、自分一人では行わないようなくだらない行為でも複数人で計画するのであれば実行する確率は一気に跳ね上がります。
我々社会学一派はこのように、人間というのは集団となると個人とは別の人格を持つと前提しております。たとえばAさんという人がいて、この人はこの人なりの人格を持っていますが、Aさんが加入している団体においてはAさんを含めた構成員全員が持つ個々の人格とは異なる、その団体の人格というものがあるというような感じです。
唯一例外があるとしたら、社長の気分次第でどうにでも決定が覆るワンマン企業くらいなもので、そのような集団の人格は限りなく社長個人の人格と同一なものとみなします。
このような個人から独立した、集団の人格を主な対象としてあれこれ研究するのが社会学なのですが、見方によっては心理学の中の「集団心理学」なのではないかと思われる人もいるかと思います。実際に社会学と集団心理学の区別はつき辛く、社会学のテキストには社会学者として書かれている研究者が心理学のテキストでは心理学者という肩書きに変わって載っている事も多いですし、ぶっちゃけ勉強する人物は集団心理学とかなりダブります。レオン・フェスティンガーなんてその典型だし。
さすがに社会学ではフロイトやユングといった心理学の大家は取り扱いませんし、心理学もエミール・デュルケイムは取り上げないでしょうが、近現代の研究者だとまるで綱引きをするが如くに奪い合っているような状態です。
敢えて私独自の社会学と集団心理学の違いを説明させてもらうならば、やっぱりアプローチの仕方が両者で異なっているのではないかという気がします。
これは私の体験ですが、以前に日本の自殺について調べている際、97年から98年にかけて自殺者数が約23,000人から約31,000人(統計によって多少前後するが)に増加していることに気がつきました。このデータを見た私は咄嗟に、「この一年で新たに現れた8,000人の自殺者というのはどういう人物群なのだろうか」と考えました。
多分、というより普通こんなデータを見たら、「どうして8,000人も自殺者が増えたのだろうと」考えると思うのですが、私は初見でいきなり、「98年の自殺者31,000人のうち前年度と同じ数の23,000人は従来からの原因で自殺したとして、増加した8,000人はこの一年のなにかしらの変化によって新たに現れた自殺者なのだろう」と考えました。前者が自殺者が増えたと考えるのに対し、後者は自殺者が新たに現れたというようなアプローチですが、私は意図せずに後者のような考え方をするのがスタンダードとなっております。実際には98年から自殺者のカウント方法が変わった事が原因だと言われておりますが。
勝手な当て推量で語って申し訳ないのですが、集団心理学は個々の人格が合わさって集団という一つの人格が出来上がるというアプローチを採るのに対して、社会学は一定数の人間が集まると個々の人格が全く無視されて新たに、独立した集団という一つの人格が出来上がるように考えている気がします。極端な例を挙げると、家庭では皆良き父親であったナチスの幹部らがユダヤ人虐殺を主導していたといったように。
最近書こうと思う内容、並びに今日も起こった頭痛が頻発しているのでしばらく社会学関係を中心に書いてこうと思います。このところ本気で自分の健康に不安感じているので、いい突破口になればと願います(;´Д`)
またも佐野眞一氏講演会
去年も行ってきましたが、昨日ノ某所で行われたンフィクション作家の佐野眞一氏の講演会に友人と一緒に参加して来ました。前もって予想はしていましたが、一般参加者で若い世代となると私とその友人を除くと数人程度で、ほとんどがお年を召した方ばかりでした。
今回の佐野氏の講演のテーマは平成以降の総理大臣についてで、全般的に政治関連の話題が多かったです。
まず佐野氏が言うには自分は昭和生まれの人間であってこれまで自らが取り上げてきた内容はダイエーの中内功など昭和の人物が多く、時代としては昭和を扱って来はしたが、すでに平成に入って二十年が過ぎており一つの時代として歴史的に見るの十分なほどの年月を過ぎていると切り出しました。そう踏まえた上で佐野氏は、平成期の総理大臣の数は他の時代と比べて明らかに多く、どの首相も弱い政権基盤ゆえに短い任期で終わってしまう傾向があるとして、そのような流れを作る事となった悪い意味でのターニングポイントが二回あったと述べました。
まず最初のターニングポイントは、平成以降に初めて誕生した宇野宗佑内閣だったと佐野氏は言いました。宇野内閣は詳しくはWikipediaを見てもらえば分かりますが、佐野氏曰く愛人への給金を渋ったがゆえに造反を起こされて、スキャンダルによって発足からわずか二ヶ月で退陣を余儀なくされた内閣です。この宇野宗佑はそもそも首相となれるほどの政治家ではなかったものの、前任の竹下内閣を襲ったリクルート事件によって自民党内の主要政治家はどれもすねに傷を抱えており、唯一この事件の煽りを受けなかったことから首相に就任したと通説では語られています。
しかし佐野氏が言うに、竹下登退陣後に当時のキングメーカーであった金丸信は、当時自民党が非常に厳しい立場に置かれている事から知名度も実力もあり、宇野同様にリクルート事件に関わっていなかった元首相の福田赳夫を再登板させるべきと考えてあちこちへ働きかけていたそうなのですが、この金丸の動きに待ったをかけたのが福田赳夫と犬猿の中だった中曽根康弘氏で、なかばねじ込む形で自派の宇野宗佑を次期総理にねじ込んだそうです。結果は自民野党転落の第一歩を踏んだわけですが。
この宇野宗佑に続く第二のターニングポイントは、森喜朗内閣だそうです。森内閣については私も前から佐野氏とほぼ同じ意見を持っており、密室で作られた内閣だけあって空転に空転を重ねてダメになった内閣という印象しかありません。あのえひめ丸の事故も、今考えてもどうしてまだ議員を続けられるのか不思議なくらいに唖然とする対応だったし。
ただ佐野氏は、この時の自民党にはまだ復元力があったとして、まさにジョーカーとも言うべき小泉純一郎氏をこの森内閣の後に持ってきて延命を図ったと指摘しました。しかしその小泉内閣以降は森内閣の誕生同様、支持率が落ち込むたびに首相を取り替えればなんとなかるという思考ゆえに総理大臣を支える事をせず、自ら崩壊の道を歩んで行ったとまとめました。
そんな佐野氏が平成以降の総理大臣で印象に残った人物として、小渕敬三と小泉純一郎を挙げておりました。小泉氏については異色の総理大臣としてそれほど多く語りませんでしたが、小渕氏についてはいろいろと因縁もあって詳しくあれこれ語っていました。
特に今の鳩山政権で問題となっていて、今日も訪問して大反発を食った沖縄と小渕のこだわりについて詳しく話し、小渕が学生時代に沖縄を訪れて感じた体験から沖縄サミットを強行したことなどを話していました。
最後に今の鳩山由紀夫首相については、ちょっと前に自分で本を書いたのもあってそれほど多く時間をかけて語ることはありませんでした。ただ鳩山一族については簡単に、
「鳩山家は四代続けて政治家となった、嫌な人間の一族だ。特に一番嫌な奴だったのは鳩山一郎の父親の鳩山和夫だ」
と話していました。私から簡単に付け加えておくと、鳩山和夫というのは留学から帰国後に日本で初めて弁護士業を起こして政界では衆議院議長を務めた人物なのですが、表では欧米に倣って日本も一夫一妻制を採るべきだと言っておきながらも、自分はちゃっかり愛人を沢山囲っては隠し子も沢山作っていたという人物です。本の中で佐野氏は、鳩山家と言うのは平気で自分の発言とは逆のことを行える一族だとしております。
今回の佐野氏の講演のテーマは平成以降の総理大臣についてで、全般的に政治関連の話題が多かったです。
まず佐野氏が言うには自分は昭和生まれの人間であってこれまで自らが取り上げてきた内容はダイエーの中内功など昭和の人物が多く、時代としては昭和を扱って来はしたが、すでに平成に入って二十年が過ぎており一つの時代として歴史的に見るの十分なほどの年月を過ぎていると切り出しました。そう踏まえた上で佐野氏は、平成期の総理大臣の数は他の時代と比べて明らかに多く、どの首相も弱い政権基盤ゆえに短い任期で終わってしまう傾向があるとして、そのような流れを作る事となった悪い意味でのターニングポイントが二回あったと述べました。
まず最初のターニングポイントは、平成以降に初めて誕生した宇野宗佑内閣だったと佐野氏は言いました。宇野内閣は詳しくはWikipediaを見てもらえば分かりますが、佐野氏曰く愛人への給金を渋ったがゆえに造反を起こされて、スキャンダルによって発足からわずか二ヶ月で退陣を余儀なくされた内閣です。この宇野宗佑はそもそも首相となれるほどの政治家ではなかったものの、前任の竹下内閣を襲ったリクルート事件によって自民党内の主要政治家はどれもすねに傷を抱えており、唯一この事件の煽りを受けなかったことから首相に就任したと通説では語られています。
しかし佐野氏が言うに、竹下登退陣後に当時のキングメーカーであった金丸信は、当時自民党が非常に厳しい立場に置かれている事から知名度も実力もあり、宇野同様にリクルート事件に関わっていなかった元首相の福田赳夫を再登板させるべきと考えてあちこちへ働きかけていたそうなのですが、この金丸の動きに待ったをかけたのが福田赳夫と犬猿の中だった中曽根康弘氏で、なかばねじ込む形で自派の宇野宗佑を次期総理にねじ込んだそうです。結果は自民野党転落の第一歩を踏んだわけですが。
この宇野宗佑に続く第二のターニングポイントは、森喜朗内閣だそうです。森内閣については私も前から佐野氏とほぼ同じ意見を持っており、密室で作られた内閣だけあって空転に空転を重ねてダメになった内閣という印象しかありません。あのえひめ丸の事故も、今考えてもどうしてまだ議員を続けられるのか不思議なくらいに唖然とする対応だったし。
ただ佐野氏は、この時の自民党にはまだ復元力があったとして、まさにジョーカーとも言うべき小泉純一郎氏をこの森内閣の後に持ってきて延命を図ったと指摘しました。しかしその小泉内閣以降は森内閣の誕生同様、支持率が落ち込むたびに首相を取り替えればなんとなかるという思考ゆえに総理大臣を支える事をせず、自ら崩壊の道を歩んで行ったとまとめました。
そんな佐野氏が平成以降の総理大臣で印象に残った人物として、小渕敬三と小泉純一郎を挙げておりました。小泉氏については異色の総理大臣としてそれほど多く語りませんでしたが、小渕氏についてはいろいろと因縁もあって詳しくあれこれ語っていました。
特に今の鳩山政権で問題となっていて、今日も訪問して大反発を食った沖縄と小渕のこだわりについて詳しく話し、小渕が学生時代に沖縄を訪れて感じた体験から沖縄サミットを強行したことなどを話していました。
最後に今の鳩山由紀夫首相については、ちょっと前に自分で本を書いたのもあってそれほど多く時間をかけて語ることはありませんでした。ただ鳩山一族については簡単に、
「鳩山家は四代続けて政治家となった、嫌な人間の一族だ。特に一番嫌な奴だったのは鳩山一郎の父親の鳩山和夫だ」
と話していました。私から簡単に付け加えておくと、鳩山和夫というのは留学から帰国後に日本で初めて弁護士業を起こして政界では衆議院議長を務めた人物なのですが、表では欧米に倣って日本も一夫一妻制を採るべきだと言っておきながらも、自分はちゃっかり愛人を沢山囲っては隠し子も沢山作っていたという人物です。本の中で佐野氏は、鳩山家と言うのは平気で自分の発言とは逆のことを行える一族だとしております。
2010年5月20日木曜日
徳之島移設案への経緯について
・普天間移設:徳之島受け入れ7条件「すべてのむ」官房長官(毎日新聞)
本日、平野官房長官が沖縄米軍基地移設案の候補地となっている徳之島の基地移設賛成派と会い、移設受け入れのかわりとしても止められた借金の棒引き、健康保険税の免除などの条件をすべて受け入れると話した事が報じられました。なおこの会談について平野氏は参加者に「口外するな」と言っていたそうですが、どうやらあっさりばらされたようです。
今更といえばそうですが、この徳之島移設案はどうも平野氏が発案して鳩山首相に吹き込んだ事から始まったように私は思います。私が知る限り沖縄の米軍基地移設候補地として初めて徳之島が上がったのは社民党が候補地の一つとして挙げた時だったと思いますが、この社民党の発言を受けてか、もしくはそれ以前から考えていたのかまでは分かりませんが、目下民主党内でこの徳之島移設に一番こだわっているのは町長らと何度も会っている平野氏で間違いありません。
私の見立てだと、恐らく鳩山首相は何の考えも持たずに県外移設を打ち出してその移設候補地などは全く頭になかったかと思います。そんな鳩山首相に対して候補地として米軍も納得でき、かつ現地住民も説得できる地だとして平野氏が吹き込んだのが徳之島で、何かしら自分の地位や利権が絡んでいるのかもしれませんし言った手前もう後には引けないから頑張っているだけかもしれませんが、このような経緯があることからもはやなりふりかまわずこの案で推し進めようとしているように見えます。
そういった平野氏の努力が実ったとも言うべきなのか、報道されている情報ですと当初は反対一色だった徳之島住民側も、政府からの援助が見込めるならば受け入れるべきだと言う賛成派が徐々に人数を増やして来ているそうです。今日の平野氏と賛成派住民の会談も恐らくは徳之島の内部分裂策の一環でしょうが、私はたとえ徳之島住民が基地受け入れを認めたとしても、アメリカ側は決してこの案を受け入れる事はないと思います。防衛上の問題はさる事より支持率の低迷している民主党政権の足元を見てこれまで以上に強気に外交で出てくる可能性もあり、最悪の結末は徳之島の住民同士で妙なしこりが残って終わりでしょう。
ちなみに民主党のキーマンである小沢一郎幹事長は、米軍の普天間移設が決定した直後に元防衛長官の久間章生と一緒に移設地周辺の不動産を買い漁ったそうなのでこの徳之島移設案に表立って賛成する事はないでしょう。こういうところはわかりやすくて助かる。
本日、平野官房長官が沖縄米軍基地移設案の候補地となっている徳之島の基地移設賛成派と会い、移設受け入れのかわりとしても止められた借金の棒引き、健康保険税の免除などの条件をすべて受け入れると話した事が報じられました。なおこの会談について平野氏は参加者に「口外するな」と言っていたそうですが、どうやらあっさりばらされたようです。
今更といえばそうですが、この徳之島移設案はどうも平野氏が発案して鳩山首相に吹き込んだ事から始まったように私は思います。私が知る限り沖縄の米軍基地移設候補地として初めて徳之島が上がったのは社民党が候補地の一つとして挙げた時だったと思いますが、この社民党の発言を受けてか、もしくはそれ以前から考えていたのかまでは分かりませんが、目下民主党内でこの徳之島移設に一番こだわっているのは町長らと何度も会っている平野氏で間違いありません。
私の見立てだと、恐らく鳩山首相は何の考えも持たずに県外移設を打ち出してその移設候補地などは全く頭になかったかと思います。そんな鳩山首相に対して候補地として米軍も納得でき、かつ現地住民も説得できる地だとして平野氏が吹き込んだのが徳之島で、何かしら自分の地位や利権が絡んでいるのかもしれませんし言った手前もう後には引けないから頑張っているだけかもしれませんが、このような経緯があることからもはやなりふりかまわずこの案で推し進めようとしているように見えます。
そういった平野氏の努力が実ったとも言うべきなのか、報道されている情報ですと当初は反対一色だった徳之島住民側も、政府からの援助が見込めるならば受け入れるべきだと言う賛成派が徐々に人数を増やして来ているそうです。今日の平野氏と賛成派住民の会談も恐らくは徳之島の内部分裂策の一環でしょうが、私はたとえ徳之島住民が基地受け入れを認めたとしても、アメリカ側は決してこの案を受け入れる事はないと思います。防衛上の問題はさる事より支持率の低迷している民主党政権の足元を見てこれまで以上に強気に外交で出てくる可能性もあり、最悪の結末は徳之島の住民同士で妙なしこりが残って終わりでしょう。
ちなみに民主党のキーマンである小沢一郎幹事長は、米軍の普天間移設が決定した直後に元防衛長官の久間章生と一緒に移設地周辺の不動産を買い漁ったそうなのでこの徳之島移設案に表立って賛成する事はないでしょう。こういうところはわかりやすくて助かる。
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