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2008年4月3日木曜日

なぜ中国をかばうのか

 何もここで取り上げなくとも、各所でチベットの暴動問題に端を発した五輪開会式ボイコットの議論がかまびすしく行われています。しかしこれらの動きに対して反動ももちろんあり、主に政治家などが中国をかばうような発言をして、それに対してネット上ではあれこれ非難の応酬が続いています。

 さて今日のお題の中国をかばうですが、2ちゃんねる等を見ていると自民党の加藤紘一議員などは「媚中派」等といわれて常に批判されていますが、私は以前に友人から、「なぜ自民党の政治家達はあれほど中国のことを良く言うのかな」という質問をされたことがあります。これに対する回答は実ははっきりしていて、私が見るに中国の文化力にあると思います。

 以前、あるアメリカ在住の中国人が自身のブログにて、「日中戦争は中国共産党も日本軍と同罪だ」という内容の記事を発表したことがありました。この人が言うに、「日本軍は中国で散々虐殺をやってきたが、共産党も戦時中に国民党と内戦したりして同じ中国人を大量に虐殺した。日本は言うまでもなく有罪だが、それならば共産党も同罪だ」という内容で、発表された当初は予想通りに中国国内から激しく批判されました。
 しかしこのブログはその後、「たとえ日本が中国全土を占領したとしても、結局は中国化しただろう」というようにまとめており、かなり重要なポイントをついていました。

 かつて、中国において漢民族を支配した異民族はたくさんいました。それこそモンゴル人や満州人、マイナーどころだと契丹人など。こうした異民族はそれぞれ中国国内に王朝なども作りましたが、結局は滅んで今は中国国内の少数民族としてそれぞれ扱われています。彼らが滅んでしまったのはなぜか、それは中国の文化に次第に染まっていってしまったことにあると指摘されています。
 それこそ「元」を作ったモンゴル人など、当初でこそ中国人お構いなしに彼らが使っていた言語を宮廷で話して独自の文字などを作ったのですが、時間の経過とともにそれらは段々と用いられなくなり、最後にはみんなで中国語と漢字を使うようになっていきました。満州人も同様で、彼らなんて後期には満州語までわからなくなったとまで言われています。

 このように、中国の文化力というのは他の文化を自然消滅させるほどにあくが強いとされています。そのため征服した王朝は知らず知らずのうちに中国人化してしまい、最後には内部崩壊を起こして中国人の基に天下は帰ってくると言われています。
 なぜこれほど強いのかは単純で、中国語と漢字を使う漢民族の人数が果てしなく多いからでしょう。まぁそれ以外にも文化的な色々な要素がたくさんあるでしょうが、私自身、この中国文化の強さを実際に目の当たりにしています。中国に来る日本人留学生は大体三ヶ月もすると、最初は中国のマナーの悪さなどを批判するのですが、最後には歴史のある国だとか、やはりたいした所だなどと、急に褒め始めたりします。

 よく国会議員のぶら下がり新聞記者などは、人間的魅力にあふれる国会議員について回るうちに、いつの間にかその議員を贔屓した目で見るようになり、中立的な記事が書けなくなるようでそのことを「政治家に淫する」というらしいのですが、どうも中国についてもそんな気がします。現自民党の「媚中派」と呼ばれる政治家も、政策やら使節やらで中国と関わっていくうちにそれこそ段々と「淫して」、現在のように異様にかばい立てするようになったのだと考えています。ちなみに、加藤紘一議員は外務省時代はチャイナスクール、つまり中国方面の外交官だったという経歴の持ち主です。

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