2008年4月15日火曜日

中国のチベット問題について

 最近やけに人から聞かれるので、このチベット問題について私の意見を載せておきます。

 人に聞かれる点は、なぜ中国はチベットを中国の領土としようとするのかで、チベットと漢族の中国は文化的にも歴史的にも背景が異なるのに、なぜ同じ中国とするのかというように聞かれますが、その回答は実は簡単で、単純に中華思想から来るものです。
 中国の中華思想はわざわざここで説明するまでもなく、漢族の文化や歴史が世界で最高だ、ひいては中国は世界で最も偉大な国だと考える思想で、まぁ隣国にとってすれば厄介この上ない代物なのですが、この世界最高という考え方のほかに、「大きいことはいいことだ」と、昔のグリコでやってたCM張りの考え方も含んでいます。今でこそ一人っ子政策の下で人口を抑制していますが、昔の中国はそれこそ生めよ増やせよで、毛沢東も人口がこのまま行くと大変なことになるといった学者に対して、「人口が多ければいいことづくめじゃないか」といって、当時から餓死者が出ていたにも関わらずに相手にしなかったくらいです。

 この考え方はそのまま領土にも当てはまり、領土はでかければでかいほどいいという考え方が未だに根強いと私は見ています。はっきり言って、恐らく素人目でもわかるくらいに、中国政府の反乱を無理やり抑え、チベットを占領し続けるコストはチベットから得られる収入やメリットと比べても遙かに高いでしょう。いわばチベットを占領することで中国は余計な出費を払っているということですが、それでも先ほどの中華思想からチベットを分離や委任統治させることはありえないでしょう。
 特に、現首席の胡錦濤氏は江沢民が香港返還によって歴史に名を残したのならば、自分は台湾を帰属させて歴史に名を残したいがために台湾に対して辛辣だと言われるくらいですから、チベットを離して領土を失ったという評価は絶対に拒否するでしょう。

 ただこのチベットに対する考え方は中国人の中でも分かれそうです。私の上海人の友人は、外国のオリンピックボイコットなどの批判についてうれしく思わず、それならばいっその事チベットなんて独立させてしまえと言っており、多分大半の日本人に近い考え方を持っているように思えます。恐らく彼に限らず、都市部に住んでいる中国人は少なからずそう思っていることでしょう。

 ただ、中国政府がチベット独立を認めない気持ちは私にも痛いほどわかります。というのも、中国国内、漢族の文化圏の中ですら分離独立の意識は未だ根強いからです。言ってしまえば広東や福建などの南方や、内陸部の人間達は反北京の意識が強いといいますし、それこそチベットの独立を認めてしまえば、一挙にこれらの地域からチベット以上に激しく独立運動を展開しているウイグル自治区の人間らは勢いづくでしょう。現政府もそれを認識し、抑えるだけでなくソフトランディングする手法を考えていないわけではないらしいです。

 と、ちょっと今日は専門的なネタを展開しました。まぁ自分の真骨頂だけど。

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