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2009年3月7日土曜日

西松建設事件について続報

 このところ書く話題が多すぎて、ちょっと現実逃避をし始めてきています。そのせいか今日は先週から始めた「俺の屍を越えてゆけ」を延々とやってました。面白いんだよなぁ、このゲーム。

 それはともかく、また西松建設がらみの小沢氏秘書献金疑惑事件について私の見解を紹介します。事件から約一週間経ち、前回の記事を書いてからまた続々と情報が出てきましたが、そうした情報を総合した上での私の現在の見解はというと、やはり今回の事件は国策捜査であるという確信が強くなってきました。

 一つ一つ関連情報をあげて説明をしていきますが、まずは今回の小沢氏の公設秘書の逮捕理由ですが、これは報道でも言われているように虚偽文書記載によるものです。ダミーの団体を通しているとはいえ西松建設側からの政治献金であることがわかっているにもかかわらず帳簿にはそのように書かなかった、というのが公設秘書の大久保氏の逮捕理由ですが、本来、というよりこれまで一度もこのような虚偽文書記載でいきなり逮捕という事例はありません。あったとしても関係者の事情聴取や任意同行くらいなものでいきなりの逮捕は前例のない異常な捜査で、一部報道で今回の逮捕は後に続く大きな事件の布石だという主張がありますが、未だにその大きな事件の背景が見えてこないと言うのは問題だと思いますし、ましてやそれを検察も示さないと言うのはちょっとどうかと思い、やっぱりひとまず逮捕して無理やり汚職事件に結び付けようとしているのではないかという疑念を覚えます。

 次におかしな点は、何故小沢氏の秘書だけが逮捕されたのかです。
 今回の大久保氏の逮捕理由は本来やってはいけないことになっている、政治家の資金管理団体は企業から直接受けてはならない献金を受けたからということになってますが、恐らく今回の西松建設の例のような迂回献金なんてどの政治家も受けているでしょうし、現に小沢氏へ献金を行っていた西松建設OBが代表を務めていた政治団体からは自民党の森元首相、二階議員を始めとした多くの議員が献金を受けていましたし、何も西松建設系の団体に限らなければほぼすべての議員がこのような迂回献金を受けているでしょう。にもかかわらず、今回逮捕、事件化したのは小沢氏だけです。

 この点について私の友人が実に鋭いツッコミを言っていましたが、テレビなどで報道されているように何故小沢氏だけが捜査される事になったかという理由が、その政治団体から一番献金を受けていた(報道では約四千九百万円)というのであれば、じゃあ額が少なければいいのかという話になってきます。少なくとも迂回献金の事実だけで逮捕に至るほど捜査されるのであれば、森元総理をはじめとした他の議員も一緒に捜査されていなければおかしいことになります。

 この点に関して昨日今日と実に興味深い報道が出ていますが、こうした自民党の議員も問題の政治団体から献金を受けていた事実に対してある政府高官が、「自民党にまでは捜査は発展しない」と、何故この段階でそんなことがいえるのか、やはり裏でつるんでいるのではと思わせる発言をしていたようで、今日の朝日新聞の夕刊によるとどうもこの発言をした政府高官というのは漆間巌氏だったようです。リンク先のウィキペディアの記事をみればわかりますが、発言をしたのが漆間氏と聞いて私は「あぁ、こいつならやりかねない」と思いました。
 またこの発言について国策捜査の被害者の鈴木宗雄氏(加害者は福田康夫氏)も昨日のテレビ番組にて、「(検察と)権力側がつるんでいると言う話になる」と批判しています。

 そして私が今回の事件を特に国策捜査だと思わせる一番の理由ですが、今回の事件報道の情報ソースがどれも官公庁発表、つまり全部が全部検察発表という点です。
 大体一昨日くらいから、「迂回献金は小沢氏側からの指示」や「違法と認識しつつ実行した」などといった供述が出たなどと報道されていますが、これらの供述はすべて「西松建設関係者から」とつけて新聞やテレビなどで報道されていますが、こうした捜査情報を持っているのは検察だけです。更に言えば「西松建設側」と呼ばれる供述者というのは間違いなく大久保氏と一緒に逮捕された西松建設の元社員、もしくは今回の事件以前の海外送金などの事件で逮捕された西松建設関係者たちでしょう。

 この辺なんかは国策捜査というものがどんなものかを知っていなければ実感しづらいのですが、逮捕拘留することで被疑者を他の関係者から引き離した上で、日本の検察は自分たちの捜査の筋書き通りに話すのならば執行猶予をつけるなどと持ちかけては、特に家族を置いて拘留されている人物などに供述を強制させるそうです。佐藤優氏の「国家の罠」を読めばこうしたくだりが理解しやすいのですが、どんなにタフな人間でも一日十数時間も取調べを受けて、外からの情報が遮断される環境におかれると抵抗する力をほどなく失い、大抵の人間は検察の筋書きに乗って検察の都合のいい供述調書にサインをしてしまうそうです。なおこうしたことについて社会学でも「囚人のジレンマ」という有名な理論があります。
 それで話は戻りますが、今回の事件の報道、それも小沢氏側に不利な供述などの情報はどうも検察側からしか発表されておらず、塀の外側ことシャバの世界での関係者の供述や証言というものが私が見渡す限りほとんどなく、しかもバンバンと普通は表に出ないような操作情報が流れているのでいわば検察によって事件報道が作られているような状況にあるのではないかと見ています。このあたりも、国策捜査において典型的な経過です。

 最後に止めのおまけを一つ。実は誰かが言うだろうと思ってたから敢えて今まで私は言わなかったのですが、贈収賄罪が適用されるには当たり前のことですが「お金を受け取る側」と「お金を払う側」という二つのキャラクターが必要で、なおかつ「お金を受け取る側」がその賄賂を受けたことにより「お金を払う側」に対して何らかの見返り行動を行うということが絶対条件として必要になります。
 そこで冷静に考えて見ましょう。小沢氏は確かに有力な政治家ではありますが、与党ではなく野党の党首です。そんな野党の人間がいくら賄賂を受けたとしても、西松建設がほしがるような公共事業の工事を受注させることができるかと言ったら非常に疑問です。それで言うならむしろ、与党である自民党の中で献金を受けた議員の方が贈収賄の構図としては成り立ちやすいのではないでしょうか。それでも、今回逮捕されたのは小沢氏周辺だけです。

 いくつか情報を見ていると、今回の秘書の逮捕はあくまで前段階で、検察はもっと大きな事件とその証拠を握っており、今回の逮捕をてこに大きな捜査へと発展していくのだという主張がいくつか見受けられますが、それならば何故その大きな事件を始めから捜査しないのか。また今回この献金の事実だけで逮捕するなら他の自民党議員はどうなるのか。その上今回迂回献金をしていたという団体は数年前に海産さているにもかかわらず、何故今になって事件化したのか。

 こうした点を総合して、私はやはり今回の事件は自民党による国策捜査だとにらむに至りました。かつて国策捜査を受けた佐藤優氏は、本来国家というのは非常に力のある存在で、いわば逮捕をしてから事件を作るというような国策捜査が行われること自体、国家が弱ってきている証拠だとかつて述べています。
 前回にも書いたとおりに私は正直に言って小沢氏が嫌いです。ですがこのような国策捜査は決して将来の日本のためにならないし、こんな行為を仮に自民党がやっていると言うのなら絶対に許すことは出来ません。これまた佐藤氏の話ですが、ロシア人というのは政治家はみんなクソッタレで、選挙と言うのはクソッタレどもの中から一番マシなクソッタレを選ぶ行為だと考えているそうです。この考えに則るのなら、まだ私は小沢氏の方がまだマシなクソッタレなんじゃないかと覚えます。

 今回の事件はいろいろと考えさせられることがあるので、ちょっと勉強しなおそうとかつて国策捜査を受けた堀江貴文氏と佐藤優氏の本を二冊、本日買ってきました。堀江氏の本はすぐ見つかると思っていたのに、本屋を探して五軒目でようやく見つけましたが、期待に違わずなかなか面白い内容なので、明日にでも紹介しようと思います。

4 件のコメント:

私のブログ (My Blog) さんのコメント...

導入、インドラメイン私パレンバン、インドネシア国から来た。
あなたと私は非常に満足している。
あなたのブログとても良いです。
私たちは友達になることを期待

花園祐 さんのコメント...

Thank you for response.
If you don't accustom to use Japanese language, please feel free to use English.
I'm very happy to hear your prising words for my blog.

ホリ さんのコメント...

連日のこのような報道に僕は「どうでも良い」と考えてしまいます。
日本では内憂外患の内の部分が問題になりすぎ、世界からの日本の立場(外)の報道があまりなされていないのに不満があります。

そんな中でも先日発表された「日本独自の宇宙計画」というのは嬉しかったです。
日本人は過去の日本人を知り本物の日本人であって欲しいです。

花園祐 さんのコメント...

 私なんかはこういう見えづらい対象を限られた情報で予想する作業が好きでしょっちゅうこういうこと書いていますが、大半の人はホリさんどうように「どうでも良い」と思うでしょうね。

 なんでも2025年に月面着陸を目指すようですが、なかなか夢があって私もいいと思います。ちょうど昨日に記事を書いたホリエモンの本でも、「コスト意識のない国が宇宙開発をすると膨大な無駄遣いをしてしまうのだから、民間だからこそ宇宙開発をやらなければならない」と言ってて、多少なるほどと思わせられました。