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2009年3月19日木曜日

WBCの日本代表と原監督について

 現在行われている野球の国際対抗戦ことWBCにて、本日のキューバ対日本の試合は見事日本は勝利を飾ることが出来ました。前回の韓国戦で敗北したことで、「さすがに二度もキューバには勝てないだろう」というあきらめムードの中でさすがは仙台の「理想のお父さんランキング」で一位を取った岩隈投手、ここぞというところで完璧な投球を見せていただき、あの強打のキューバ打線を見事交代した杉内投手とで完封に抑えてくれました。
 実際の試合を私はリアルタイムで見たわけでなくニュースでのVTRだけですが、本人も言うだけあって今日の岩隈投手のフォークは恐ろしくキレていて、怪我さえしなければという評判通りの大エースぶりでした。

 さてそんなWBCですが、今日はようやくヒットが出ましたがここ数試合のイチロー選手の不調ぶりに原監督はともかく周囲は厳しく見ていたようで、なんでも「イチローを使うな」という手紙や意見があちこちから寄せられていたそうです。
 私が思うに、ここ一週間ほど原監督にとってはそうした周囲の声との板ばさみで相当大変だったんじゃないかと考えています。というのも明らかにイチロー選手は不調ではありましたが、ここでスタメンから外してもしその試合で負けようものなら、「イチローを使わなかったから負けたんだ」と言われ、逆に今日の試合みたいにスタメンで使ってまたもノーヒットで負けてもいたら、「あんだけ不調のイチローをなんで代えなかったんだ」と、こっちでもあれこれ文句を言われていたと思います。

 そういった状況の中で、あくまでイチローを固定し続けた原監督の胸中はいろいろ複雑であったのではないかと想像し、それだけに今日の勝利は日本人として喜ぶ一方、原監督に対して「本当によかったね」と、ほっとした気持ちを強く覚えました。前回の北京五輪での星野監督もそうでしたが、チームの全責任を担う立場ゆえにいろいろと気苦労が見ていて多いのではないかと心配しています。
 思えばこのWBCが開催される以前も、選出されたメンバー中に巨人の選手が最多であったことからある週刊誌などは「自チームへのえこ贔屓だ!」などと強く批判していましたが、この点も私は致し方なかった決断だと考えています。というのもプロ野球チームは今はどこもキャンプのシーズンで、この時期に主力選手がチームを離れてWBCに参加するというのは選手個人の調整はもとより、チーム全体でも相当な悪影響を及ぼすことはまず確実です。おまけに前回のWBCでソフトバンクの川崎選手に起こったように、もしも試合中に選手が怪我などしたら所属チームはたまったもんじゃないでしょう。

 これがまだ非現役の監督であるのならまだしも、今回の原監督のように現役監督であればそのような問題が起きれば陰謀論とか責任論が大きくなるのは目に見えています。そのため選手離脱による他チームからの批判を受けないためにも、手本とする形で巨人の選手を一番多く招集したのではないかと私は思い、またもしこのような決断であれば見事な決断だとも思います。

 とはいえ今日の勝利といい、今大会の模様は不況で暗いニュースばかりの今の日本にとって数少ない明るいニュースで、今日もネット速報で日本の勝利が伝えられるや私と私の周囲にいた人間もみんなで大喜びしました。社会というのは、特に現代のように情報伝達が早い時代において流通するニュースが明るいか暗いかで大きく性格を変え、私も連載で紹介した「失われた十年」においては暗いニュースが蔓延したことが経済的にも社会的にも目に見える形で日本人は余計な損失を出してしまったような側面もありました。
 そういう意味で、今大会は久々に日本人を元気付けるいい契機となっており、一日本人として明日の勧告線を含めて強く応援して行きたいと考えています。とはいえあんまりにも期待をかけ過ぎて負けてしまった場合に強く批判するのはよくないので、冷静さと落ち着きを持って日本人には熱烈に応援してもらいたいと思います。

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