・大学生、マニフェスト「読まない」理由は…(読売新聞)
リンクに貼ったニュースは、現代の大学生の76.9%が次の総選挙に対して高い関心を持つものの、55.8%もの学生がマニフェストを読むつもりがないと回答したことを報じているニュースです。私は常々、大学生たるものは最低限日本の政治について一定の知識を持たなければならないと口うるさく後輩たちに言い続けてきましたが、このマニフェストについては率直に私も読んでもしょうがないという気がして、この調査結果についてもなんとなく納得した気になりました。そういう風に思うのも、私もマニフェストを読まないからです。
昨日街頭で配っていたので初めて民主党のマニフェストを手に入れて読みましたが、結論から言うと特に真新しい情報は何も得られませんでした。記載されている内容の大体がすでに報道されているもので、密かに期待していた、仮に民主党が与党となったらどのような人事で内閣を組むのかについても一切記載されておりませんでした。そりゃ確かに連立とか組む関係から選挙次第で変わってくる可能性があるのは分かりますが、党としての希望人事も書かずにこれで政権交代をすると言われてもちょっと私には腑に落ちません。
さてこのマニフェスト、欧米では結構昔からあったそうですが日本では2000年代に入ったあたりから民主党が広め始め、なんだかんだいって政党がお互いのマニフェストに悪口を言い合うくらいにまで一般化しました。しかし私はこれだけ政治関係の記事を書いていながらも、実は今まで一度もマニフェストを読んだことがありませんでした。その理由というのも、本来政治家はこんなものに頼らずにテレビなどのメディアを通して選挙中であろうとなかろうと常に自分の考える政策内容を有権者に伝え、最低限恐らくほかの人より政治関係の情報を常に集めている自分のところにまで具体的な内容が伝わらないのであれば、政党としていろんな意味で駄目だろうと考えて敢えて今まで手に取りませんでした。もっとも、今回初めて民主党のマニフェストを読んでそもそも読むに値しないというのが分かりましたが。
それで本題ですが、何故私を含めた他の有権者もマニフェストに興味を持たないかについて、私はやっぱり内容がくだらないからに尽きると思います。そんな今回の選挙で各政党が出しているマニフェストにおいて特に私がくだらないと思うのは、児童手当についての記述です。
この児童手当については少子化対策として民主党が確かに早くに導入を訴えてきた政策ですが、解散するや自民党、公明党も相乗りとばかりに、民主党とは額や実施時期に差があるものの自分たちも全く同じ政策をマニフェストに盛り込んできました。この与野党が政策相乗りな状態について私は、同じ感覚を共有しているのなら最大公約数に当たる辺り、来年度からの実施で子供一人につき月額一万円支給をとっとと始めればいいじゃないかと言いたくなる内容です。
この児童手当のように、報道で聞く限り今回の各党のマニフェストは同じ方向の政策のほんのわずかな差を比べ合っているだけだと言わざるを得ません。消費税の増税についてはみんなで口を濁し、高速道路料金も無料か千円か、環境対策は具体的な内容なしに無茶な目標をお互いに立て、外交はとりあえず北朝鮮を敵にしてといった具合でしょうか。
言ってしまえばどの政策も今必要と言われている政策ばかりで、五年後十年後に必要になるから信じてくれと言うような政策は政策はあまり見当たりません。そのような政策はせいぜい言って、農業対策くらいかなぁ。
私としてはそんなええかっこしい事ばかり書くくらいなら、それぞれの政党の持ち味を大胆に出したマニフェストを見せてもらいたかったです。例えば民主党なんかはこの前の西松事件で小沢元代表がとっちめられたこともあり、六月に逮捕されてから急激に音沙汰がなくなった厚生労働省の局長逮捕など、検察の捜査に対して違法性や問題性はないか徹底的に検証するくらい言ってもらいたかったです。ちょうどこの前に始まった裁判員制度で国民が司法に注目しているのだから、強く主張しておけばそこそこ私は評価したのですが。
逆に自民党としては民主党と比べて党内ががっちり固まっていると、百人乗っても大丈夫とイナバ物置の上で集合写真でも撮ってたりしたらよかったんじゃないでしょうか。退陣を迫った中川秀直氏だけは外していれば、なおいいんですが。
2 件のコメント:
そうですね。マニフェストは読むに値しないと思います。僕は民主党のマニフェストしか読んでないのですが、内容があまりにもひどすぎて他の政党のマニフェストを読む気がしません。
しかし、政党の公約を載せるべきマニフェストがそれでは、有権者はどうやって政党の方針を知るのでしょうか。それは花園のおっしゃるように、いろいろなメディアで少しずつ情報を集めていくしかないように思います。
このマニフェストの至らなさは、政治から若者が離れる原因のひとつだと思います。
言ってしまえば、今のどの政党も選挙で勝つために選挙後にどのような政策を主張するか核心に迫るものほど見せず、有権者としては政党がカードを隠している状態で投票しなければならないような状況だと思います。
政治に強い人間ならどんなカードを隠しているのかがある程度分かりますが、それでも確実だとは言い切れません。だから少しでもみんなにも分かるよう、こういうブログをがんばって書いている次第です。
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