すでに各所で報じられていますが、本日小沢一郎民主党幹事長の政治団体「陸山会」と鹿島建設の事務所などが、かねてより以前に購入した四億円の土地購入資金の入手経路に関する疑惑から東京地検特捜部の家宅捜索を受けました。私は小沢氏の疑惑についてある意味発端となった去年の西松建設による政治献金疑惑はそれほど問題性はないと見ていましたが、今回のこの土地購入資金の疑惑は前回に書いた「小沢一郎、政党助成金私的流用疑惑について」の記事で書いたように私は小沢氏は政党助成金の流用を行ったと見ており、仮にそうであれば悪質性は非常に高く、今後検察に逮捕されることとなっても仕方がないと考えております。
さてこの以前の記事にて私は文芸春秋一月号の記事を引用しましたが、昨年末の天皇の特例会見問題で私は小沢氏は菊の尻尾を踏んだと評しましたが、やはりというか右翼系雑誌の文芸春秋は今月二月号においてこれでもかと言わんばかりに小沢氏への批判記事を並び立ててきました。中にはやや感情的なだけとも見れる内容も含まれているのですが、ちょうど今回の家宅捜索に関係する記事として田村建雄氏の、「消えた五箱のダンボール」という記事は非常に面白く、折角ですのでこの場にて引用、並びに紹介をしておこうと思います。
まずこの記事全体の内容ですが、ほとんどの部分は今回の小沢氏の疑惑で検察にもマークされており、すでに何度も事情聴取を受けている石川知裕民主党衆議院議員の元秘書である金沢敬氏(実名、顔写真もあり)のインタビューで作られています。この金沢氏はこのところあちこちでこの小沢氏、並びに石川氏の疑惑について証言しており、私の友人によると今日の夕方のニュースでも早速登場して語っていたそうです。
簡単にこの金沢氏のことを説明すると、この人は北海道で不動産業を営む会社社長で、自身も国会議員になりたいと思っていたことから伝手の出来た年下の石川議員の秘書となり、主に北海道で彼の活動を手伝っていたそうです。
そんな金沢氏がどのようにして今回の疑惑に関わったのかというと、去年三月に西松建設絡みの違法献金疑惑で小沢氏の周辺に捜査が及んだ際、石川氏の東京の事務所にも検察が捜査資料の押収にやってきました。その際に金沢氏は検察がやってくる前に、石川氏らとともに検察に見つかったらまずい資料をあらかじめ移動して隠す作業を手伝ったそうです。
本当に知らないのか、それとも敢えてぼかしているのかまではわかりませんが、インタビュー記事において最も重要な資料とされるものを隠した際に、以下のような会話をしたと証言しております。
「ダンボールの中には鹿島の資料も入っているし、西松建設なんか問題じゃないよな」
「西松なんて一番金額がちっちゃいんですよね」
この会話の前には見つかったらまずい名刺を抜き取る作業の場面も書かれているのですが、西松建設関係の「ナ行」とともに鹿島建設の「カ行」の名刺を中心に四、五十枚取り除いたと金沢氏は述懐しております。
こうしたことのあった後、金沢氏は結局選挙での民主党の公認が得られないことがわかり、自分が石川議員にいい金づるとして利用されているのがわかったとして袂をわかったそうなのですが、このインタビューには自分も証拠隠滅に関わったという負い目と公共の利益の観点から実名での報道に応じたとしています。
言ってることは全くわからないでもないですが、それでも私の目からするとこの金沢氏の証言は選挙での公認が得られなかった意趣返しために行っているように見えますし、またそうであれば実際にはなかったことも言って石川氏、小沢氏を敢えて不利な立場に追い込もうとする可能性も捨て切れません。ですのでこれらの証言をまるごと鵜呑みにするのは危険なのですが、西松建設絡みの捜査の時点で証言通りこれだけばたばたとしていたとなると、どうも検察は去年三月の段階で今回の鹿島建設と合わせて捜査を行っていたのではないかという気がしてきました。
またまた仮定の話ですが、もし本当にここまでの視野を初めから持って検察があの時に捜査をしていたのであれば、当時は私も国策捜査だと検察を強く批判しましたが、その認識を改めてなかなかしっかり仕事をしているのではないかと見直そうと思います。
その逆に、西松建設の件で無理やり捜査していく途中でこの鹿島の問題に気がついて今回の捜査に至ったのであれば、どうして前捜査の段階でそこまで掘れなかったのか、一度にまとめて調べることはできなかったのかとまたまた批判することになります。
どちらにしろ、さすがの小沢氏も今回はタダじゃ済まないでしょう。この一連の捜査を鳩山首相が裏で支持しているのであれば、いろんな意味で楽しいのですが。
最後に、引用ばかりして私も負い目を感じるので、この記事で興味をもたれた方は是非今月の文芸春秋を購入して元の記事を読んでくださいo(_ _)o
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