2010年1月14日木曜日

朝日新聞のこんにゃくゼリー報道について

 今日は夕食時に朝日新聞の朝刊と夕刊を合わせて読んでいたのですが、夕刊の一言コラム「素粒子」にてハイチで起こった大地震について言及してあり、同じく地震国である日本も救援に手を貸すべきだという意見が挙げられていました。型通りといえば型通りの意見ですがちょうど十五年前のこの時期に阪神大震災が起きたことを思い出すといろいろ考えさせられ、いつもとんちんかんなことを言ってるけどたまにはやるじゃんとすこし感心しました。

 そのままの勢いで朝刊も手に取りまず社説面に目をやると、性同一性障害から性別を女性から男性へと変えた夫と妻が第三者からの精子提供による人工授精で産んだ子が嫡出子として認められなかった問題を取り上げており、今後嫡出子として認められるように方針を変えていくといった千葉法相を大きく持ち上げる内容が書かれていました。この問題も内容の割にはあまり大きく報じられていない気がしたので、なかなかいいところをついているように感じました。

 こんな具合で今日の朝日新聞は手放しでいい内容だったとまとめられるかと思っていたのですが、社会面にてこんな見出しの記事があるのを見て一変しました。

「こんにゃくゼリー危険度 餅に次ぐ事故頻度と推測」

 当初の朝日新聞のネット配信の記事では、「こんにゃくゼリー 事故頻度、アメと同等 食品安全委」という見出しだったのですが、一体どこをどう間違えてこんな風に変わってしまったのかいろいろと残念でなりません。
 いちいち説明するまでもないですが、このニュースの内容はそれぞれの食品の喉を詰まらせる頻度を分析した所、最も喉を詰まらせる食べ物が餅だとわかり、その他の食品の頻度とまとめると以下のようであったと報じられています。なおこの頻度は一億人が一口食べるとして、喉を詰まらせて窒息死する人数として計測されています。

・餅:7.6人
・アメ:2.6人
・こんにゃくゼリー:0.33人
・パン:0.25人
・肉類:0.15人


 こうやって並べるとこんにゃくゼリーは喉を詰まらせない食べ物だと十分に言えそうなのですが、さすがは食品安全委員会というか、「こんにゃく入り以外を含めたゼリー」という項目をわざわざ用意しており、こちらの頻度は、「最大で5.9人」であるとして、餅に次ぐ危険度だとまとめられています。

 こういうのもなんですが、これは明らかな統計トリックです。私自身も過去に幾度かこの様な処理をして都合のいい統計データを出していたから言えるのですが、この調査自体がこんにゃくゼリーを悪者にしようとしてなされている可能性すらあります。

 まず問題なのは「こんにゃく入り以外を含めたゼリー」とありますが、一体どこからどこまでをこの枠に収めているのかという定義が見当たりません。場合によっては「ゼリー状の物質」ということで固形シャーベットも含まれているかもしれませんし、第一こんにゃくゼリーの危険度を測るのであれば0.33人というデータだけで十分でこんなわけのわからない項目を用意する必要もありません。

 そして極め付けが、これは朝日新聞の記事中の記述ですので答申で出したのかまではわかりませんが、「最大で5.9人」というこの記述です。最大というからには最低は一体どの程度なのか、そもそも最大と最低って結果に幅があるのかということになってしまいます。
 おそらくこれは「こんにゃく入り以外を含めたゼリー」の項目に含める食品の適用範囲が、幾段か設けられているのかと思います。適用範囲が広けりゃ頻度も上がるのは当たり前で、そうやって幅のある統計を作っておくとイザって時にいい逃げ道になります。

 そうした記事中の内容もさることながら、見出しにおいても「アメと同程度」と書くにしろ「餅に次ぐ」と書くにしろ、どちらも誤解を招きかねないようなひどい見出しです。アメの頻度が2.6人に対してこんにゃくゼリーは0.33で、どうしてこれが同程度なのか、むしろパンの0.25人の方が絶対値的に近いのではと考えさせられます。
 さらに「餅に次ぐ」に至っては明らかに数値に隔たりがあり、恐らく「こんにゃく入り以外も含めたゼリー」の頻度に対して言っているのかと思いますが、それでもこの見出しだとこんにゃくゼリー単体が餅と同じくらい喉に詰まらせてしまうと普通に読んだら思うでしょう。

 それにしても朝日新聞はどうして記事中の内容、執筆者は同じなのにネットと紙面で見出しを変えたのかがかえって気になります。なおこの件でネットで検索をかけたら先に読売新聞の方が引っかかり、こっちも同じ見出しですが記事の内容はさらに薄くてより悪質です。

こんにゃく入りゼリー「餅に次ぐ窒息事故頻度」

 かばうつもりではないですが、こんにゃくゼリーを販売しているマンナンライフはこんなに官民揃って叩かれるなんて、なにか恨みでも買ったのでしょうかね?

2 件のコメント:

  1.  これはんにゃくゼリーを悪く言いすぎですね。花園さんのこういう記事を読むたびに、メディアの情報を鵜呑みにしてはいけないと思わされます。

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  2.  どうでもいい話ですが、私は今までこんにゃくゼリーで喉を詰まらせたことは一度もないのですが、何故かゆでた細長いイカを過去三度も喉に詰まらせたことがあります。吐き出そうにも詰まってるし、喉から直接引き抜こうとしてもイカだから伸びるしで、本気で死ぬんじゃないかとめちゃくちゃ焦りました。まぁ最終的にはどれも引き抜けて無事でしたが……。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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