2010年1月8日金曜日

日本アニメキャラ傑作選~カテジナ・ルース~

 「日本漫画キャラ傑作選」という題でこれまでにもいくつか記事は書いているのですが、アニメキャラの方では特に項目を設けていなかったのは今思うとすこし失敗だったような気がします。これだったら「日本アニメ、漫画キャラ傑作選」のがよかったかもしれません。
 そういうわけで今日のこの記事はアニメにおけるキャラクター一人を取り扱う記事として一発目になるのですが、その一発目によりにもよってこのキャラクターを選ぶ辺り、なんか自分に対していろいろと考えさせられます。

 そんな考えさせられるキャラクターこと「カテジナ・ルース」というキャラクターは、「機動戦士Vガンダム」に登場する女性キャラクターの一人です。このVガンダムは数あるガンダムシリーズの中でも際立って女性キャラクターが多く登場する作品なのですが、恐らく誰に聞いても一番印象に残ったのはとなるとこのカテジナの名前が出てくるかと思われます。

 ではそんなカテジナ、っていうよりもカテジナさんは一体どういうキャラクターなのか、簡単に作品の中での立ち位置の変化を時系列で紹介します。

・年下の主人公のメールフレンドで、資産家の家の正義感の強いお嬢様として登場
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・戦災から脱出中に主人公のライバルキャラの不意打ちを受け、敵軍の捕虜となる
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・自分をさらったライバルキャラの秘書官となり、主人公と再会する
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・秘書官からいつの間にか敵軍のMSパイロットになる
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・一パイロットからいつの間にかエースとなって部隊を指揮し始める
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・まさかまさかでこの作品におけるラスボスとして主人公の前に立ち塞がる

 なんていうか、こうして書き起こすと荒唐無稽もいいような流転ぶりな気もします。登場当初は戦争行為自体に批判的だったのが敵軍で活動するようになるあたりからはどんどんと好戦的になり、弱気になる主人公のライバルキャラに対して何度も叱咤激励をかけて操りだすなど、気が強いというか癇が強いという性格こそストーリー上一貫しているもののその激変振りには当時の視聴者も目を丸くしたかと思います。
 特に後半に至っては敵軍の中でも圧倒的強さを誇るエースパイロットなり、さながら三国無双における呂布のような鬼人の如き活躍で物語開始当初より登場してきた主人公の仲間達を次々と殺害していき、それに合わせて本人の発言や行動もどんどんとねじがぶっ飛んだような、敵機の撃墜に高笑いをしたり、部下にありえない作戦を命じたりするようになるなど人格が破綻していくように描かれています。

 そんなカテジナさんに対して主人公のウッソ・エヴィンは当初より片思いをしていただけあって戦場で何度も説得を試みるのですが、時とともに人格が破綻していくカテジナさんにはまさに馬の耳に念仏で、終いには何度も、「おかしいですよ、カテジナさん」と言うもんだから「おかしいですよ」が「カテジナさん」の枕詞としてガンダムファンの中で定着するとともに、作中のぶっ飛びぶりから「ガンダムシリーズ、最恐の女性キャラ」と君臨することとなりました。

 実は私にとってこのVガンダムこそが初めて視聴したガンダム作品だったのですが、小学生だった私は作品中に出てくるMSをかっこいいとか思うよりもこのカテジナさんという強烈なキャラクターばかりが印象に残り、とにもかくにもいろんな意味でキレまくっているカテジナさんを見て、「大人の女の人ってこんなに恐いものなのか(゚Д゚;)」と子供心に思ったほどでした。

 その後、成人した後に改めて私はこのVガンダムは見返して見たのですが、もしかしたら私がカテジナさんに感じた恐怖というのは彼女の中にある対象のない憎悪だったのではないかと最近思うようになりました。詳しくは作品を視聴してもらえばわかるかと思いますが、当初は主人公らと行動を共にしていたのに途中から敵軍で、しかもパイロットとして活動するなど一体何を目的として何のために戦っているのか見ていて全くわからず、それでもまだ途中までは敵軍の中にいる主人公のライバルキャラであるクロノクル・アシャーへの好意から戦っているようにも見えるのですが終盤に入るとそんなのお構いなしで、ウッソとクロノクルが戦い合う姿を見て自分を奪い合っているなどと一人恍惚にはいったりします。

 小説の中では自分の父親が不倫をしていた事から対して一定の人間不信を持っていたというように幾ばくかの理由付けがなされていますが、それでもどうしてそこまではっきりとした目的や理由なく戦闘に執着できるのか、他人を憎悪できるのかがこのキャラには全く見えてきません。しかもその憎悪の対象というのも本当に見境がなく、何故そこまで怒れるのか、人を憎めるのか、カテジナさんの対象のない激しい憎悪こそが私に強い恐怖感をもたらせた要因だったのではないかとこの前から思うようになりました。

 ただこの対象の存在しない憎悪ですが、これは決してカテジナさんだけのものではないとも思います。もちろん彼女の場合は際立ってはいますが、一程度の人間にはそれ相応に備わっている憎悪感じゃないかと思います。私自身、むしゃくしゃした際に誰彼かまわず八つ当たりをしたいと思うこともありますし、三年前から一昨年までに頻発した通り魔事件などはっきりとした対象なき殺人も現に起こっています。また突き詰めて言えば、関係ない人間を巻き込んでもかまわないという自爆テロといったテロリスト活動もこの類に属するでしょう。

 このカテジナさんの声優をアニメで演じたのは現在ケロロ軍曹役で大活躍している渡辺久美子氏ですが、恐らく渡辺氏でなければこのカテジナさんは成立し得ないと思うくらいに見事なはまり役でした。ただ渡辺氏もウィキペディアによると、「あんな悪い女、見たことねぇ( ゚д゚)、ペッ」とカテジナさんのことを評しているそうです。
 最近とみに思うのは、このカテジナさんのような邪悪の塊のようなキャラクターを見かけないことです。邪悪なキャラクターではありますが、者を考えるという意味では私にとって非常にいい影響、もとい女は恐いという事を教えてくれたキャラクターゆえに、こうして記事にしようと思ったわけです。

2 件のコメント:

  1.  カテジナさんはなんであんなのになってしまったんでしょうね。はじめはあんなにおしとやかだったのに。戦場を目の当たりにして新しい世界の扉を開いてしまったんでしょうね・・・。

     カテジナは最後両目が見えなくなってしまうのですが、それ以上にかわいそうなのはウッソですよね。あんなにたくさんの仲間が初恋の人に殺されれば精神を病んでしまってもおかしくないのに。強い子です。

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  2.  まぁウッソの場合は幼馴染のシャクティがいるのにあれだけやらかしてたんですから、私はそんなに可哀想だとは思いませんね(´∀`)

     ゲームや小説だとカテジナさんがどんどんおかしくなっていったのは強化人間にされたからという理由付けがされていますが、かえってそういう理由付けなくああいう風に自らなっていったという解釈の方が私は好きです。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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