2010年1月10日日曜日

組織の腐敗とは

 以前に組織論と称して、集団を大中小それぞれに区分した上でどのような構成が最も効率的に活動できるのか等をいろいろ考えていたことがありました。別に社会学の定義を出さなくとも、大体5人以上の構成員を持った集団ができるとその5人の思考や人格とは別に集団という独立した擬似人格というものが生まれ、そういったものを社会学や集団心理学は取り扱うのである意味専門にあったことを構想していたと思えます。

 もちろん集団を如何に機能的にするかはその集団がどのような目的を持っていてどのような状況にいるかによって変わるので一概に言い切れるものはないのですが、唯一と言っていいくらい言い切れる法則として、比較的大規模な組織は基本的に腐敗していくものだと考えました。
 たとえ組織の結成当初はどれだけ崇高な志を持って結成されていたとしても、またその精神を綱領なり憲法にて書いておいたとしても、組織ごとに速度に差はあってもいつかは腐敗して汚職や不正行為といったような本来の目的とはかけ離れた行動を取るようになると言えると思います。日本政府の官僚組織を引き合いに出すまでもなくソ連や中国共産党、日本の仏教は奈良時代や平安時代に結構好き勝手やったやんちゃな時期を終えているのか現代では大分大人しくなりましたが。

 ではこの組織の腐敗化を根絶できないにしても、いかにすればその腐敗するのを抑えて高いモラルを保てるのか、いわば組織に対する防腐剤のような手段はないのかですが、いろいろあるでしょうが敢えて最も効率のいいものを私が挙げるとしたら、換骨奪胎こと組織の外見を維持して中身を挿げ替える手段が唯一の方法ではないかと思います。言うなれば、名前だけ残して古い組織を潰し、新しい組織に変えてしまうというやり方です。

 そのように中身がすげ変わった代表的な組織をいくつか歴史上の中で取り上げると、まずは日本の鎌倉幕府でしょう。当初は源頼朝の専制色の強かった武士団でしたが、頼朝の死後に彼の子である頼家と実朝が早くに亡くなると有力御家人の合議制へと変わり、さらには北条義時と政子の活動によって三代目執権の北条泰時の題に至って再び執権による専制色の強い組織へと舞い戻っております。
 はっきり言って鎌倉幕府は設立してまもなく起こった天皇家の巻き返しこと承久の乱の際は非常にピンチでしたが、最初の合議制の移行が比較的うまくいったために乗り切れた感があります。

 この様な組織の中身が入れ替わると言う事例は何も昔に限らず現代でも起きており、また一例を出すと元松下電器こと現パナソニックなんかその例だと思います。
 松下は失われた十年末期に深刻な経営不振に陥り、その際に社長に就任した中村邦夫氏(現会長)がドラスティックな改革を行い、見事経営を立て直しました。なおその際の社内改革は苛烈を極め、当時から中村氏は「幸之助精神の破壊者」と呼ばれていました。そして実際に人伝に聞くと現在のパナソニックはすっかり以前とは社風が変わり、松下幸之助の会社であった松下電器は中村邦夫のパナソニックに名前だけでなく組織全体が変わったと評されております。それがいいかどうかは別として。

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