2010年1月15日金曜日

石川知裕議員の逮捕と田中角栄の言葉

 いつも電車に乗っている間にその日のブログに書く内容を決めているのですが、今日は何を書こうか、また「時間の概念」の続きでも書こうかとあらかじめ考えていたものの、夜になってまたアクセス数を稼げそうなニュースが入ってきてしまいました。

石川知裕議員を逮捕 4億円不記載 東京地検特捜部(産経新聞)

 上記ニュースで報じられているように、かねてから持たれていた小沢氏の秘書時代に提出されていた政治資金収支報告書の収入不記載疑惑から、石川知裕議員が今夜東京地検によって逮捕されました。この石川議員、並びに小沢一郎民主党幹事長の疑惑については私もこれまで何度か記事にして状況を追ってきていたので、まずはこれまでの記事のリンクを貼っておきます。

小沢一郎、政党助成金私的流用疑惑について
小沢一郎政治団体、家宅捜索について

 簡単におさらいすると、この事件は小沢氏の政治団体「陸山会」がかつて購入した四億円の土地の購入経緯について、その購入資金の出所がはっきりしなかったことから当時小沢氏の秘書であった石川議員などへも疑惑が持たれ、ゼネコン(鹿島建設)からの献金で購入したのではないかと現在は主に報じられています。

 しかし私の予想はというと、もちろんゼネコンからの献金もあったのかもしれませんが、それ以上にこの購入資金の出所とされている小沢氏の財布に何故それほどの資金をぽんと出せたかに注目しており、それは文芸春秋一月号にて報じられたようにかつて小沢氏が率いていた自由党が国から受け取っていた政党助成金をまんま着服していたのではないかと見ております。この政党助成金の着服について詳しくは上記の「小沢一郎、政党助成金私的流用疑惑について」の記事を読んでもらいたいのですが、先日に放送されたテレビ朝日の「テレビタックル」にて三宅久之氏もこの記事について言及しており、藤井裕久前財務省の突然の辞任はこの小沢氏の政党助成金の着服にあたり迂回ルートとして藤井氏の口座が使われていたことが原因だろうと述べていましたが、三宅氏が言うほどなのだからと私もちょっと自信を持ちました。

 今回の石川氏の逮捕理由についてテレビや新聞はやはり鹿島建設との絡みの疑惑と報じていますが、私は鹿島建設の問題はあくまで入り口こと突破口で、検察の本当の狙いはやはり先程の政党助成金の着服の件だと思います。あまり知りもしないでいろいろ言うべきではないのですが、今月の文芸春秋に載ってある石川議員の元秘書の金沢敬氏のインタビュー記事を見る限りだと石川議員は性格的にやや軽いきらいがあり、おまけにすぐ動揺する素振りもあるので検察にしめられたら案外すぐに全部吐くんじゃないかと思います。

 それにしてもこの一連の事件で私がつくづく感じたのは、どうして小沢氏はここまで資金集めに執心したのだろうかということです。もちろんお金はあって困るものじゃないし、将来どんな風に政治が展開するかもわからないのだから集めておくに越したことはありませんが、小沢氏ほど名の知られた政治家であれば普通に議員活動を行っていく上で資金に困ることはないだろうし、今回のゼネコンからの献金といい政党助成金の件といい、あの手この手でここまで資金を集める必要は正直な所なかったのではないかという気がします。

 私が思うに、小沢氏のこうしたある種の政治資金への異常な執心癖は彼の父親代わりだった田中角栄元首相の影響によるものではないかと思います。言うまでもなく田中角栄も政治資金集めにおいてやや常軌を逸しているかのようなほど執心し、各ゼネコンや団体から献金を受け付けるのは当然であの手この手でそれこそ金の亡者の如くかき集めておりましたが、ついにはそれが自らの仇となってロッキード事件での逮捕によって自らの政治生命を大きく縮めてしまいました。

 ただ田中角栄はこの自身の執心癖をいくらか自覚していた節があり、田中角栄の政治秘書をやっていた鳩山邦夫氏が佐野眞一氏によるインタビューにおいてこんなことを述べています。
 なんでも当時秘書をしていた邦夫氏に対して田中角栄は今のうちに自分を反面教師としてよく見ておけといったそうなのですが、当時は田中角栄の人気も絶頂の頃で、一体どこを反面教師にするところがあるのですかと邦夫氏が聞くと、

「俺はこの地位に来るまで相当無理をしてきた。苦労は重ねた方がいいとは言うが、無用な苦労は重ねないに越したことはないんだ。そういうところをちゃんと見ておけ」

 こうしたやり取りのあった後にロッキード事件が起こり、邦夫氏はこの事件を目にしてあの時の言葉はまさにこのことを指していたのではないかと佐野氏に話しています。
 ちょっと解説を加えておくと、要するに田中角栄は自身が政界でのし上がるためにあの手この手、違法合法を問わずに資金をかき集めて見事総理の椅子を射止めましたが、そうした行為がいつかは自分の命取りになることが自身でもわかっており、今もいろいろ騒がせている鳩山家という資金に苦労しない出自の邦夫氏にはそうやって無理して資金集めに奔走するなと言い聞かせたということです。

 なかなか含蓄のある教えでこれ以上ない反面教師と言えるのですが、惜しむらくは田中角栄はこの教訓を教える相手を間違えていたということです。田中角栄は自分の早死にした息子と出生年が同じだったことから特に小沢氏を可愛がっていたそうで、小沢氏も竹下派クーデターの際に裏切りますが、それまでは非常に慕って文字通り親子同然の仲だったそうです。
 そんな関係だった小沢氏が民主党が与党についてからというものは影で政権を操る闇将軍と呼ばれ、権力絶頂のこの時期にまさに第二のロッキード事件とも呼べるような疑惑が持ち上がっているのは一つの歴史の巡り合せかもしれません。

 最後にすでに四日前の記事ですが、松浪健四郎氏が小沢氏を評している記事があるので紹介しておきます。なかなか読んでてなるほどと思わせられるところがあるので、興味のある方は是非一読をお勧めします。それにしてもこの人って、ポツリと面白いことを語ることが多いな。

【松浪健四郎が語る】(3完)小沢氏は「和製金正日」(産経新聞)

  参考文献
「鳩山一族 その金脈と血脈」 佐野眞一著 文春新書

2 件のコメント:

  1. 田中角栄は莫大な政治資金を集めたがその資金の大半は子分の政治家の政治資金となっただけでなく他派閥代議士や社会党の代議士にも配られていたのは有名。その愛弟子小沢が違法性のある集金をしたとは考えにくい。
    今回の件は特捜佐久間達哉の暴走とみるべきではないか。立件した長銀事件を無罪にしてしまっただけでなく福島県知事汚職事件も高裁でほぼひっくり返される。特に注目されるのは特捜佐久間の福島県知事汚職事件の立件では水谷建設が前田建設の意向で賄賂を行い佐藤知事の天の声を出させたとのことです。今回はまたいわくつきの水谷建設が鹿島の意向で裏金を送り天の声を期待したとされることです。驚くほどのワンパターン!あまりに単純すぎる構図!

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  2.  匿名さん、コメントありがとうございます。

     実は似たようなコメントを別にも受け取っていますが、私自身はテレビや新聞で主に報じられている鹿島建設の裏金の件はあまり重要視しておりません。それよりもこの記事にもリンクを貼っている政党助成金の流用疑惑が検察の本当の狙いで、鹿島の件はあくまで取っ掛かりに使っただけではないかと思います。

     昨日の報道では逮捕された石川議員は土地購入の原資は小沢氏の父親の遺産からと供述したと報じられていますが、仮にそうだとしたら何故今の今までそうした説明をしないのか、またその遺産は取得時にどれだけの額が引き継がれたのかという説明がないのもやや不自然に感じます。

     私もこのところの検察の横暴にはいろいろ頭に来ることがありますが、今回の件についてはこの部分の捜査であれば支持したいと考えております。逆にゼネコン関係の裏金で捜査が終了しようものなら、そうも行きませんけど。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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