2011年5月6日金曜日

ビンラディンの死について

 大分時期が経ってすでに今更という感じもしないまでもありませんが、一応国際政治がメインのブログということもあるので記事を書かせてもらいます。すでに各所で報道されているように、先週日曜にニューヨーク同時多発テロの首謀者であり国際テロ組織アルカイダの首領であったオサマ・ビンラディンが米軍の特殊部隊によって殺害されたと報じられました。この事実はアメリカのオバマ大統領も正式に発表しており、また事件後にアルカイダらが「ビンラディン生存」との声明を発表しないことからほぼ間違いないものかと思われます。

 今回このビンラディン殺害のニュースを受けて真っ先に頭に浮かんだのは、恐らくイギリスに配慮して作戦の実行日を決めたのだろうということでした。というのも作戦が実行された前日土曜日にはウィリアム王子の結婚式があり、ロンドンでは王室へのテロを警戒して厳戒態勢が敷かれていましたが、仮に結婚式以前に殺害を実行していたらアルカイダなどからの報復テロがこの結婚式に向かう恐れがあるため敢えてこの結婚式の後こと翌日に作戦を実行したのだろうと私は考えました。
 この次に私が考えたのは、何故生け捕らずに即殺害したかということです。かつてのイラクのフセイン大統領の際は生け捕りにして裁判を実施したことを考えるとちょっと差を感じてしまいますが、突入時の状況と潜伏地がパキスタンだったということ、スパッと決めた方が後々の影響がいいなどという理由で恐らく始めから発見即殺害が命令されていたかと思います。現在このビンラディンの殺害について、彼は降伏していたなどや、抵抗をしていたからなどと正当性について議論されていますが、お互いそういう世界にいる人間同士なんだから殺す殺さないでいちいち議論するのはやや不毛な気がします。メキシコとかでは市民が死んでも一桁ではニュースにならないんだし。

 そうした雑感の上に今後のテロとの戦いはどうなるかという予想についてですが、これについては他の評論家もオバマ大統領も口にしているように今回のビンラディンの死はあくまで通過点に過ぎず、今後も厳しい戦いが続くかと思われます。さすがに指導者を失ったアルカイダは痛手は痛手でしょうが、もともとこういったテロ組織というのはトップダウンの号令一下で動くような組織ではなく細かい集団が寄り集まってそれぞれ個別に動くことが多く、実質ビンラディン氏も近年はあまり指示や指導をしていなかったとも言われております。すでに報復と見られる自爆テロが中東で発生しているように今後もアルカイダを初めとしたテロ集団の活動が続くでしょうが、ただそれでも象徴ともいえるビンラディン氏の死は米国にとって大きな成果とは言えるでしょう。

 それと多少今回の内容から少し外れるかもしれませんが以前に作家の塩野七生氏がコラムに書いてた話で、アメリカが何故他国から憎まれるのかというと他国への出兵とか独善的な態度などといったそういったものではなく、九割以上は世界で一番金持ちな国への嫉妬にあると塩野氏の知り合いが言ったそうです。それを引用して塩野氏は、そういえば東洋にも他国に散々ODAを払っておきながら全く感謝されないどころか、むしろそのODAを最大限享受している国から憎まれている国があると書き、ただお金を配るという援助の仕方ではかえって反発を生みかねないとまとめていました。
 時期にして約七年位前のコラムですが、実は今回の東日本大震災を受けて何故だか急にこの話を思い出した矢先でした。今回の震災を受けて日本は本当にいろんな国から援助をいただき、先人の行為がこうして返って来たのだと日本人として誇りに思うとともに援助をしてくれた国には深く感謝の気持ちを覚えたのですが、自分でも小汚く思いますが中国や韓国なんかはそれこそ日本が大打撃を受けたからこそ変な嫉妬をなくして援助してくれたのではないかと訝る気持ちもありました。それを推しても、感謝に絶えない援助であったことに間違いありませんが。

 嫉妬というと一般的には男女間で発生する感情だと思われがちですが、実際には同姓間の方が多いのではないかと思います。特に男の嫉妬は見苦しいことこの上なく、佐藤優氏なんかも外務省内の嫉妬の嵐には辟易したなどと何度も書いているほどです。私自身はこれまで嫉妬の対象となることはほとんどありませんでしたが、学生時代にお金がなくて食事にも事欠く有様だった頃にコンパに出かけるほかの学生を見た際には情けない限りですがそのようなみっともない感情を覚えたことがあります。
 もちろん嫉妬する人間の方が問題あるに決まってますが、多かれ少なかれそのような人間はどこにでも存在するもので、余計な恨みを買わないためには人に見えないところで贅沢をするというのは一つの選択だと思います。国際社会ではそれも難しいですが、お金があるように見せる援助は逆効果になりかねないことは肝に銘じておいたほうがいいかもしれません。それともう一つ、テロという言葉は英語のTerrorという恐怖という言葉が語源ですが、実際にはここで書いた嫉妬の感情の方が底深いんじゃないかなぁという気がします。

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