2008年6月11日水曜日

首相問責決議案可決について

 本日参議院にて提出された首相問責決議案が民主党を筆頭とした野党によって可決されました。与党の自民党側では、衆議院ならいざ知らず参議院では法的拘束力がないとして、静観する構えを見せております。

 この問責決議案が可決されたことについて、世論も思っていた以上に反応を示しませんでした。ニュースでも相変わらず秋葉原での通り魔事件をトップニュースに持って来ましたし、政界もこれと言って新たな動きを見せていません。
 私が思うに、今回民主党が問責決議案を出したのは焦りの現われとも取れるでしょう。四月頃はそれこそ後期高齢者保険制度など与党を攻める材料がたくさんあったものの、ここ数日はこれというものもなく、ニュースも国会の会期中にもかかわらず幾分報道が少なかった気もします。このままでは今月末の国会閉会まで逃げられてしまい民主党もまた埋もれてしまうのでは、そのような焦りから再び耳目を集めるために打ったのが今回の問責決議案でしょうが、狙いどころと気持ちはわかるのですが、生憎と世間は無関心なままでした。

 逆を言えば、当初でこそ散々叩かれたものの、福田政権はここまでよく持ちこたえたと言えます。これが安部氏だったら、多分また病院に担ぎ込まれてたんじゃないかな。さすがに海上自衛隊の艦船と漁師船が衝突した事件が起きた際は白髪が一気に増え、憔悴した表情を浮かべていましたが、何とか当初の予定通りにサミットまでは持ちこたえて見せました。
 とはいえ、今後の政権運営も安定とは言いがたいでしょう。水面下では麻生氏がポスト福田を狙いすぎて、おとといに森、青木の両重鎮に釘を刺されましたし、元首相の小泉氏も着々と動いております。

 ここで簡単に現在の政界構図をまとめておきます。

1、新右翼派(ジャパンネオコン)
 安部前首相、麻生、与謝野、中川昭一、中川秀直(+鳩山邦夫?)
2、新自由派(ネオリベラリズム)
 小泉元首相、前原誠二、小池百合子、小泉チルドレン(+山本一太、武部?)
3、旧自民党派(オールドコンサベーティブ)
 福田現首相、小沢、谷垣、森、青木、古賀、国民新党、

 といったところでしょうか。言うまでもなく現時点で一番力があるのは三番目の旧自民党派です。私が見る限り恐らく、福田首相と小沢氏はまだ連立をあきらめてはいないと思います。しかし国民の支持というのなら、旧自民党派が道路問題などで嫌われているのもあり、一番目の新右翼派が最も支持が厚いでしょう。この連中は前回苦渋をなめたものの、次の総裁選では麻生氏を出して国民の支持を背景に形勢挽回を狙っていると思いますが、それすらも逆追い落とす可能性があるのは二番目の新自由派でしょう。未だに小泉元首相の影響力は強く、また小泉チルドレンを抱えている事を考えると、未だ派閥として表出していないものの、現れたら一気に国民の支持とともにイニシアチブを掻っ攫っていく可能性が高いと言えます。ちなみに、小泉氏の意中の後継者はまず間違いなく民主党の前原誠二氏でしょう。小池百合子氏はかつての田中真紀子程度にしか思っていないかもしれません。

 もしかしたら、なぜ新右翼派と新自由派が一緒じゃないのかと思う人がおられるかもしれませんが、この二つの勢力は政策的に大きな隔たりがあり、かつては同じ道を歩んだものの、もう共に手を携える事はないと思います。というのも、新右翼派はなんだかんだ言って「大きな政府」を目指しています。防衛庁の省への格上げもそのひとつですし、麻生氏を筆頭とするグループは旧自民党派ほどではないにしろ増税を考えているとも言われております。それに対して新自由派はやはり「小さな政府」を標榜しており、特に小泉氏は安部政権にて自分の行った改革を逆行するような政策(大きな政府寄りの政策)が取られた事に激怒していると言われ、さらにそれに輪をかけたような政策を採りかねない麻生氏に対し、穏やかならぬ気持ちを抱いていると報道されています。

 今後の政界を占うのならば、やはり主役となるのはこれら自民党の面々でしょう。この自民党内の争いの方が傍目にも面白いので、やっぱり小沢氏は連立話がこない限り、主役にはならないんじゃないかと思います。
 久々にまとまった政治記事書いたなぁ。

2 件のコメント:

  1.  なるほど。政界の動きはよくわからないことがたくさんあるので勉強になります。

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  2.  この記事は結構秀逸な感がある。あれこれ断片的に政界を解説する記事は多いけど、ここまでまとまっているのはそうないと思う。
     何か聞きたい内容があればリクエストを言ってね。最近、ちょっと書くネタに困ってるし。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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