前々から書こうとしていた内容でしたが、情報が整理される段階をまっていたので、やや遅れた感じでの今日の投稿です。
さてその四川大地震ですが、大きな被害となっているようです。ただ日本の側とすれば、今回災害救助隊が派遣され、そして現地の中国人に高く評価されたのは前向きに見るべきでしょう。というのも、今回の券でどうやら中国のトップ、胡錦濤(フーチンタオ)ことチンタオさんが日本との関係修繕に大分本気であるということがわかりました。
これまで日本は中国に対して相当な額のODA、政府開発援助を行ってきました。このODAから支出された予算を使い、中国では各地の地下鉄や鉄道が整備されたという歴史があるのですが、これまで中国国内にはそういった事実は一切報道されてきませんでした。その理由というのも言うまでもなく、中国が日本の援助で作ったというより、自力で作ったと言った方がカッコがつくからと、他でも言われているように日本をヒール役にすえておき、いざというときの国民のガス抜きに使うためです。
ですから当初私は、今回日本の災害救助隊が派遣されたとしても、あまり活動は報道されないのではないかと危惧していました。ところが実際は大々的に報道され、向こうの各新聞のアンケートでも好感を持つようになったという結果が大勢を占めるようになりました。
よく、中国人は人の恩がわからない民族だなどと誹謗する人もいますが、これまで日本に対してODAの額に比べて反感を抱き続けてきた理由は他でもなく、現地で悪く報道しかされなかったという理由以外ありません。逆を言えば、今回こういった報道を許したことから、前々から謀りかねていたのですが、少なくとも現段階で、中国政府はにほんのとの関係修復を真剣に考えていると思ってもいいと思います。まぁ、思い当たる節もありますし……。
逆に、今回のこの過程でお粗末だったのはタイトルにもある自衛隊派遣についてです。
当初、中国政府から要請があったと官房長官までもが発表したにもかかわらず、実際には中国の少佐クラスの一官僚が、「自衛隊が来てくれたらうれしいなぁ」と言ったのを過剰に外務省が反応してしまったというオチのようです。そんなんだから自衛隊派遣提案が報道された当初、日本のメディアも日本政府発表を鵜呑みにしてしまい、中国側の秦剛報道官が、「日本から自衛隊派遣の提案があった」と発表した際に、「中国側は自分たちから自衛隊を要請したことを隠して発表した」、というように、夕方のニュース番組等で報道してしまいましたが、結果を見ると中国政府の発表の方が正しかったようです。しょうがないとはいえ、マスコミももうちょい気をつけろよなぁ。
ではなぜ今回日本側がフライングとも取れる失敗を犯してしまったのでしょうか。まず一つ目の理由として最初の災害救助隊派遣が予想以上に向こうで受けたという背景があるでしょう。それだったら、人助けとして自衛隊とかも派遣しても問題ないのでは、そういう風に少なからず思っていた背景が大きいのではと私は予想します。
二つ目の理由は単純に、外務省や政府が功を焦ったからでしょう。それこそ自衛隊を派遣して災害救助を行えば、昔の敵は今の友とばかりに日中の関係修復を内外にアピールでき、政府としても支持率アップにつながることが予想されます。特にこのところ福田政権はいいところが全くありませんし、ここでポイントを稼いでおきたかったのが本音でしょう。そして外務省としても、よく取りざたされるのはチャイナスクール(ここの自民党の領袖は加藤紘一)ですが、外交的な歴史の一ページに関わるというのは非常にうれしいことらしく、むしろ率先的にこのフライングに乗っかったと見るべきでしょう。それにしても、少佐クラスの人間の言うことを真に受けるとは……。
現時点で日本側、中国側の双方が日本の「中国側から要請があった」という発表は誤報だったと示しており、その誤報が生まれた背景などもきちんと報道されていることからこの事実に間違いはないと考えています。確かに陰謀めいたように考えることもできますが、というよりむしろ陰謀があって誤報と発表するより他がなかったと信じたいくらいですが、今回は非常にお粗末な三文芝居を日本が一人で演じたようです。
追伸
フジテレビがやっている「ニュースJAPAN」にてこの前、社民党の福島瑞穂党首がこの中国への自衛隊派遣について記者会見で「反対です」と言った後、記者会見も終わってもうカメラが回っていないと勘違いしたのか周りの社民党の人達に、「まぁいいや、社民党そういう所で突っ張とかないと」と、もらしたのをしっかり写され、放映されてました。やるなぁフジテレビ。
2 件のコメント:
なるほど、そういう事実があったんですね。チンタオさんは日本との関係修繕に本気のようですし、日本はしばらくは隣国と仲良くやっていけるかもしれませんね。
今年いっぱいはうまくいくと思います。実質、日本の貿易相手国としては中国は一意ですし、今後は切っても切れない関係になって行くかもしれませんね。
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