本日、前回に記事を書いた「中国バス爆破事件」のニュースに続報が入りました。それによると、どうやらイスラム教テロリスト団体から犯行声明が発表され、以前に起こった上海バス炎上事件も、この団体が起こしたものだと発表されました。テロリストの声明によると、彼らは北京政府に対して再三オリンピックの中止を呼びかけたにもかかわらず応じないために事件を起こし、今後も事件を起こすと、主張しています。
実は以前、北京に駐在して十年以上になる会社員の方からこんな話を聞いていました。
「中国はイスラム教と仲がいいんだ。だからテロなんて起こらない」
この人の言う通り、確かに中国はイスラム教国家とは非常に仲がいいのは事実です。特にパキスタンとはインドという共通敵をお互いに抱えているため日ごろから仲が良く、去年十月に新華社が行ったアンケートによると、全体の28%がパキスタンを好きな国に挙げ、見事一位に輝いています(ちなみに二位はロシア、三位は日本。逆に嫌いな国は一位韓国、二位日本、三位インドネシア)。そのほかの中東諸国とも比較的関係は良く、確かに表面上はイスラム教となんら対立していないように見えます。
しかし、ここではっきり言いますが現中国はイスラム教とは激しい対立関係にあります。その理由と言うのもウイグル族自治区の問題です。
このウイグル族というのは中国国内の少数民族のひとつで、中国の北西部に「新疆ウイグル自治区」という地域に住んでお、チベット族同様に北京政府によって激しい弾圧を受けつつも、現在もなお抵抗運動を続けております。ただチベット族と違う点は、ダライ・ラマ氏のように国際的に知名度の高い指導者が目下のところいないため、チベット族ほどその弾圧のニュースが取り上げられていないように思えます。
ここまで書けばわかると思いますが、このウイグル族の宗教はイスラム教です。そのためイスラム教徒のネットーワークを利用し、中国国内のあちこちで激しいテロ活動を行っていると聞いております。聞いていると書いたのは、このような抵抗運動やテロ活動に対して北京政府は徹底的に情報統制を行って報道させず、私自身も伝聞でしか事実を聞いていないからです。それでも、地域的にも宗教的にも、このようなテロが起こりやすい地域にあり、日本でのウイグル人活動家の話を聞いていると弾圧もテロ活動も事実だと考えております。
以上の経緯を踏んで、案の定イスラム教徒が今回のテロ事件に関わっていたという事になります。もっとも前回の記事では遠慮して細かく書きませんでしたが、まだ確定というわけではないですが当初の私の予想通りです。
国際政治と言うのは基本的には国が主人公ではありますが、宗教団体も大きなプレイヤーの一人であります。国と国との関係を見るだけでなくその国と宗教勢力の関係も見る事が、特に9.11いこうの現在においては重要になってきます。
2 件のコメント:
イスラム教のテロリスト集団も北京オリンピックを狙っているのか。やっぱやばいな中国は。いろいろと問題は起きると思うけど、なんとか無事に終わってほしいですね。しかし、他民族間の争いとか中国だけじゃなく他の国でも起きているから、とりあえず日本に生まれてよかったなと思います。まあ、中国はむやみやたらと領地広げようとした付けを払わされているのかもしれないけど。
でもそれに他の国が巻き込まれるのはやはりおかしいので警備は強化してほしいですね。なんなら、日本から自衛隊とか出してもいいと思うし。
まあでも、中国は卓球とかひどいけど、他国は完全アウェーの雰囲気のなかやらなければいけないので、もっと紳士な国でやったほうが絶対いいと思います。政治てきなものでスポーツに影響を与えてはいけないと思います。理想論なのはわかっているけど。
意外かもしれませんが、北京は確かにテロの起こる可能性はありますが、治安なんかは東京なんかよりずっといいですよ。そこら中に若くてデカイ警官が立っているし、街中も非常に安心して歩けられました。
中国でも都市部、上海の人間なんかは自国民のあまりの熱狂振りに批判的です。それでもまぁ、北京でやるんだから「熱狂した観客が~」という事件はしょっちゅう起こるでしょうね。まぁいろんな意味で、今からでも非常に楽しみです。
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