2008年7月17日木曜日

格差社会を読み解く、経済学の系譜

 最近筆が乗らず、あまりたいした事書いていないので補填とばかりに現在の経済学の系譜を書いておきます。明日からちょっと所用で、しばらくブログがかけなくなりそうですし。

 まず経済学は大きく分けて二つに分かれます。経済学の祖であるアダム・スミスの源流を受ける資本主義経済学と、カール・マルクスを祖とする共産主義経済学です。もっとも、後者は勉強する学生も減り、二十世紀に起こった共産主義国もほぼすべてその綱領を放棄してますので、最近ではちょっとマイナーです。

 では前者はというと、こっちはこっちで今、二つの大きな流派に分かれています。まず、二十世紀中ごろに出現して各国で採用された、国家の経済への介入を謳うをケインズ主義と、その逆にすべての国家などによる規制の排除を謳う新自由主義、通称ネオリベラリズムの二つです。この新自由主義の代表格、というより親玉とも呼べたのが私のブログでも何度か出したミルトン・フリードマンです。

 このフリードマンが主張したのは、所得が大きい層、つまり金持ちががどんどん大きくなれば、そいつらの使うお金は最終的に貧困層にまで落ちてきて、みんなで豊かになれるというのが主な綱領です。この過程のことを新自由主義者は「トリクル・ダウン」、日本語に直すと、「水の滴り」と呼んで、実際に取る政策は大企業がもっと大きくなれるように規制を排除する、近年日本で取られた政策です。

 しかし読んでてわかると思いますが、私はこのやり方に疑問を持っています。すでにこれまでこのフリードマンの考えに則り政策を行った国はたくさんありますが、はっきり言って一つもこのトリクル・ダウンが起こった国はありません。どの国も格差が広がり、最終的には破綻した国の方が明らかに多いです。

 かといって、ケインズ主義も必ずしも正しいというつもりはありません。まぁその辺は今度に深くやるとして、ここで私が言いたい内容は、フリードマンの背後にはハイエクという人物がいます。このハイエクという人は今言ったケインズとめちゃくちゃ対立してたそうですし、案外フリードマンを読み解くより、このハイエクを読み解く方が、今のこの格差社会を読み解くのに役立つのではないかと思ってます。そういいつつ、「ケインズとハイエク」という本を難しさのあまり私は途中で投げ出したのですが。もし興味のある方は、この辺のことを勉強するといいかもしれません。

4 件のコメント:

  1.  経済の問題は難しいですよね。お金っていうものを作らないわけにはいかないけど、流石に不便だから。全部カードとかで払うようにしたらどうなるかな。貯金大国でお金を出し渋っている日本人にお金を出させることができるかもしれませんよ。

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  2.  いや、その考えはちょっと危険です。というのも、カードで全部やっていて起こったのが、今回のサブプライム問題なのですから。
     さらにデータを提示すると、今の日本人は貯金額で言うと数十年前と比べて半分以下に落ち込み、先進国の中でも決して高い位置にいるわけではありません。見かけ上、貯蓄額はそんなに落ちてはいませんが、階層ごとにみるとその傾向は顕著で、金持ちほど貯蓄を増やし、貧乏人ほど減らしている状況なので、日本人はもうこれ以上消費をあおらなくてもいいと私は考えています。

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  3. 古典派を支持する人たちは、今のような半端な改革だからトリクルダウンが十分おきない、徹底して規制をなくせば起きる、といっています。

    どっちが本当か、徹底してやってみないとわからない気もします。ブッシュ政権も民主党の議会のフィリバスターのために徹底できませんでしたから。

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  4.  匿名様、コメントありがとうございます。結構古い記事ですがこうして読んでいただける方がおられるだけでなくコメントまでいただき、とてもうれしく思います。

     言われてみると確かに、完全完璧な自由経済になれば、世界的な分業も出来てそれはそれで可能性のある経済体制に思えます。しかし私は今の世界では未だ国家の利害感が強く、そのような方向へ世界が進むには後最低でも後200年は必要だと思っています。

     そしてご指摘の通り、ブッシュ政権は議会では野党が多数派を占める今の日本のようなねじれ状態が続いたのはわかるのですが、それを推してもアメリカ、ひいては新古典派の主張者たちの政策を忠実に実行したところで今のような失敗した経済になったと私は思います。
     というのも、アメリカは口では自由競争を主張していながらも、著作権や特許権を盾に実質的には世界的にも異常なほど保護主義的な政策を取っていたからです。こうした保護主義的な政策がもしないとすると、アメリカが競争力を持つ産業は航空宇宙産業と農業くらいしかないと考えています。あとは製薬産業とかIT産業などの特許産業だし。

     トリクルダウンの失敗についてはチリのピノチェト政権下の政策が最もよいモデルケースで、提唱者のフリードマン自体、「あれは失敗だった」と認めています。こういったことを考慮すると、まず人間本来の行動価値観から言って完全に自由な市場で成り立つというのはないのではないかと、私は考えています。

     今後も何かお気づきになられればまたご指摘ください。重ねて申し上げますが、コメントありがとうございました。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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