2008年7月3日木曜日

反社会的という言葉について

 以前ある番組でロック歌手が、
「ロック音楽は反社会の象徴だった。しかし、今では売り上げを見込むため、逆に大衆に迎合される物へと変えられてしまった。今のロックに、自分が愛していた魂はない」
 と、述べていましたが、私はあまり音楽に関心こそなけれども、この言葉にはなにか心動かされるものがありました。
 そもそも、反社会というのはどういった基準で「反社会的」とレッテルがつけられるのでしょうか。単純に言って、以前の記事でも書きましたが、発言力の強い上の世代が自分たちの流儀、作法と異なる者に対してレッテルを貼っている気がします。

 それにしてもこの「反社会的」という言葉ですが、言葉の持つイメージこそ悪いけれども、なんだかんだ言って私は非常に強いパワーを感じます。というのも古くは織田信長といった、少年時代はうつけと呼ばれつつも、合理的な思考の元に古くからの無駄な因習や価値観を打ち破り、新たな時代の機種となった人物もいます。これは何も私だけが言っているわけじゃないですが、古くからの殻を破るのは若者だという言葉があり、その若者の力の原動力というのは、すでにあるその世界を疑う、この反社会性にあると思います。

 ところで話は変わりますが、最近このロック音楽ではないですが、私自身が、「ああ、もう反社会的じゃなくなったな」と思うものがあります。何を隠そう、漫画です。

 昔はそれこそ、「漫画を読むくらいなら本を読め」と口をすっぱくして言われ、ドラえもんの中でも親に隠れて漫画を読むシーンが書かれていました。
 それと、これは小林よしのり氏の「ゴーマニズム宣言」の中で書かれていた内容ですが、かつて評論家の西部邁氏が、「漫画は電車の中で読むべきものではない」と言ったことに対し、小林氏は漫画家という立場から当初は激しく怒りを感じたものの、後になって西部氏の意を理解し、「西部さん、あなたの言うとおり漫画は電車の中で読むべきものじゃないですよ」と言い、和解したという話がありました。この話も知った当初は別になんとも思いませんでしたが、このごろになってよく思い出すようになってきました。

 前述の通りに、反社会性というものは既成の概念に対して疑いの目を向ける、いわば監視役のような役割を果たします。そのため、逆に「社会性」に取り込まれる、さきほどのロック音楽の例に照らすと「大衆に迎合」すると、社会に対しての問題提起力が落ちてしまいます。そういう意味でやはり、漫画はメインカルチャーではなくサブカルチャーとしての立場を守り、人目をしのんでこそこそ読むものじゃなくちゃいけない気がします。

2 件のコメント:

  1.  前に読んだ小説の中に音楽で「プロになるのを目指していていたが、プロになったのはいいものの自分の音楽ができないもどかしさが常につきまとうという結果をまねいた」という内容が含まれていました。
     このような内容から、アーティストは大衆化を望んではいけないと思います。大衆化するということは、金儲けのために作品を造るということだと僕は思います。金儲けや自分の名誉のためにするのではなくて、ただ単にアーティストの感性に任せたものを作ろうと努力することが大切だと思います。アーティストという、感性の部分を訓練した人達が作り出した作品をダイレクトに僕達に提供することができれば、僕達はよりよい作品が手に入るし、アーティストは自分の思いや伝えたいことを僕達に伝えられると思います。
     漫画家も作品を作っているということからアーティストの部類に入ると思います。だから、漫画にもおなじことが言えます。
     しかし、現実はそうはいかないもんですよね。

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  2.  私も作家やエッセイストとして何度かプロを目指した時期がありましたが、やはりプロになった時、お世話になっている会社や個人が大きな事件を起こした際、自分は果たして非難できるか、好きな表現を何でも書けるのかと考え、大いに悩んだ事があります。

     実は、そういった問題を一挙に解決するのが、こういったブログかと思ってます。なぜ私がプロになりたかったかというと、お金儲けしたいとか文章を書くことに集中したいからではなく、ただ単に自分の文章をできるだけ多くの人に読んでもらいたいという一心でした。幸い今の時代は紙媒体にとどまらず、このブログのように無料で誰にでも公開できる媒体があるため、誰に気兼ねすることなく書くことができるようなりました。後はもう少し、閲覧者が増えてくれれば言うことないのに……。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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