前回に書いたグローバリズムに対する記事に寄せられたコメントの中で、今日のお題のIMFについて言及する方がいたので、今日はちょっと、このWTOに並ぶショッカーにも引けをとらない悪の組織IMFについて書いていこうと思います。
さて皆さんはIMFと聞いて何を想像するでしょうか。恐らく大半の方は、中学校時代に暗記させられた「国際通貨基金」という日本語名を想像されると思います。やっていることはその名の如く、発展途上国に対して低利で資金を融資する国際組織のことです。出資比率で言うならアメリカが一番で、日本は確か二番だったけな。
これだけみるなら立派な組織そうに見えますが、ところどっこいやることは非常にえげつないです。すでに前回の記事でも書きましたが、このIMFの所業について詳しく聞きたいという方は韓国人に聞くのが一番いいです。私自身、韓国人留学生の方から熱を持って話をされ、IMFのイメージと実際の姿に非常に驚かされました。
まずこのIMFを語る上で外せないのが、出資比率でアメリカが一番多いということです。そのため組織の理事もアメリカ人が一番多く、実質融資先を決めるのはアメリカ政府だということになります。そしてその融資の方向というのも、基本的にはアメリカの利益を誘導する方向にしか使われません。
それがもっとも目に見える形で行われたのが韓国の例です。韓国はアジア通貨危機の際に自国通貨のウォンが大きく価値を下げてしまい、IMFに融資を申し込みました。その希望に答えIMFは韓国に融資を行いましたが、もちろんタダというわけじゃありません。これは韓国に限る話じゃありませんが、IMFは融資をする代わりに、その国の経済政策を実際にIMFに運営させることを条件にしてきます。
その結果IMFによって採られた経済政策は新自由主義、今で言う小泉改革のような政策を採りました。企業の人員を徹底的に削って失業者を大量に作り、残った社員も人員が減った分、それまでとは倍くらいの労働を背負わねばならなくなりました。
それでも社員が減った分、企業としては業績は増えます。しかし、本当に笑ったのは日本同様ごく一部の金持ちだけで、社会は混乱させるだけ混乱させられたと、「IMF時代」という言葉を使ってその頃のひどい有様をその韓国人留学生の友人は言っていました。
基本的に経済というのは物を作っても、それが消費されなければ意味がありません。なので、IMFが基本的に指導下の国に行わせるのは、アメリカで作っても余ってしまうもの、それこそたとえば食料などをその国に買わせるようにします。やり方は簡単です。食料輸入に対する関税を引き下げるだけでいいのです。現実に日本は何度もアメリカから圧迫を食らい、食料の輸入自由化をやらされて日本の農家は今も続く地方格差の問題を突きつけられました。そうしてその国の農家が潰れて誰も食料を作らなくなった頃を見計らい、一気にその国に売る食料の値段を吊り上げればいいのです。そうすれば、文字通りぼろもうけという異なりますし、実際に今アメリカが南米で行っているのはこういうやり方です。
さらにいうと、詳しく研究はしていないのですが、恐らく韓国も「IMF時代」に相当農家が攻撃されたのだと思います。というのも、2005年に香港で行われたWTOの会合の際、韓国農家の集団が反対デモを行い、催涙弾が使用されるなど大きな騒動にまで発展しています。
さらに前述の友人に言わせると、韓国の農村の荒廃ぶりは日本の比ではないらしいです。このように、IMFは国際組織というより、アメリカ政府の支部と考えるべきです。
なんかここまできちゃったし、そろそろ新自由主義政策の解説でもやろうかな。めちゃくちゃややこしくなるけどさ。
2 件のコメント:
IMFだめなんだなー。そうか、結局国際機関っていうのは、アメリカの私物化しているってことか。経済は、自分の国で何とかしろということかな。新自由主義政策また、読ませてもらいます。
確かに今の時代、昔みたいに鎖国はできっこありませんが、ある産業を全部他国に依存するという事は、生殺与奪権をみすみす与える事になりますので、日本も食料政策では他山の石ではありません。
このIMFもそうですが、国連もなんだかんだ言ってアメリカの出資金が最も多いです。こうした国際組織を利用する一方で、過剰な期待はするべきではないと考えています。
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