今朝ちょっと道に迷って自転車走りまわしたら、一気に日焼けしました。おまけに光化学スモッグも出てたのか、息を吸い込むと咳が出ます。最近の子供は夏に虫取りしなくなったと言いますが、普通に危険だからやらないんじゃないかとも思います。
さて前回に、「日本の若者の発言力 その一」という記事で日本の若者の置かれている状況や私個人の不満点を書きましたが、今回はそれに関連する話として、続編ではないですが日本の大学生の状況について書きます。
よく最近の子供の学力の低下というニュースに関連し、大学生も勉強しなくなったとよく報じられますが、私ははっきり言ってそんなことないと思います。確かに理系は高校卒業レベルでの学力低下がひどいらしいですが、すぱっと書いちゃうと、今大学生に起こっているのは学力の低下ではなく学力の二極化だと思います。
そういう風に思うのも、五年前に大学で教えている恩師に聞いたところ、このごろの学生は確かに何かをやらかすような面白い子は減ったが、その分真面目に授業に出席する子が増えてきたと言っており、この恩師以外にも何人かの教員からも同じような話を聞きました。また、このまえ勲章をもらったさる偉いご老人も、自分らの時代と比べて今の学生は勉強に追われていて可哀相だという風に言っていました。
実際に私も、今大学で教員やっている連中は大学闘争の頃に訳わかんないこと言っては、大学封鎖やらテスト禁止などをやらかしてほとんど学校に来てなかっただろうし、そんな時代の連中に比べて、今の学生はどれだけ勉強してるんだと、前回の記事同様に勝手なレッテルを貼られているんじゃないかと思っております。
とはいえ、いわゆる「Fランク大学」の現状は話で聞く限りでもその荒れ具合にすさまじいものがありますが、それは大学定員の拡充と少子化によって起こった、大学進学率の増加による、あまり向学心のない人間でも大学に入れるようになった結果だということで、上位の大学に通っている学生については結構勉強している、つまり学生の二極化が実情にあった真実だと考えています。
さらに言うと、最近佐藤優氏についでうちのブログの検索ワードに引っかかりやすくなっている宇沢弘文氏もその著書の中で、
「以前、名の知られた先生が東大で特別講義を行った際、予想を遙かに超える学生が集まった。なんだかんだ言って、今の学生は勉強しなくなったというより、我々教員の側が学生の要望に答えられる授業を行っていないのかもしれない」(文章の抜き出しにあらず)
というような内容の記述を書いていましたが、私もこれに思い当たる節があり、私が学生の頃に登録者が集中する人気な授業というのはやっぱり聞いていて面白い授業ばかりでした。まぁマイナーだった、ツッチーと一緒に受けてたK先生の授業が一番面白かったんだけど、やっぱり学生も本当は勉強したいと考えている人は潜在的にかなり多いと思います。しかしあまり知的刺激を受けるような授業が少なくて、そのために大学に来ず、こういう風な低下したとか言われているのではないかと考えています。
そういった、意義ある授業が大学にないため、私の周りでも結構大学に失望したという向学心の高い人間が数多くいました。そういった姿を見ていると、今の大学生は世間で言われているのとは逆にやはり向学心が高く、非常にやる気はあるのですがその一方、勉強の仕方を知らないんじゃないかという気はします。
というのも、以前に地元の後輩に口うるさく専門の国際政治の話を私が行っていると、二人の後輩は目を輝かせて話を聞いてました。そして、
「僕も花園さんみたいに政治のこととか勉強したいと思っているんですが、教えてくれる人がいないんですよ」
俺もいないから独学でやってきてんだ、甘ったれるんじゃねぇ馬鹿野郎っ!!……と、本当は言いたかったですが、その場では言葉を飲み込みました。
このように、やる気はあるもののどう学べばいいか、どっから入っていけばいいのかがわからない人間は確かに増えている気がします。まぁこの後輩たちの言うことにも一理あり、本来は大学こそが学生に何かしら刺激してやったり、課題を与えて無理やりやらせたり、いい本を紹介してあげたりする場なのですが、生憎そういう授業というのはほとんど行われていない気がします。
そういう意味で、このブログは私の友人との連絡網みたいな形でもありますが、一番の目的は知的好奇心に植えている、向学心の高い大学生に、「こういう考え方、情報があるよ」と教えてあげ、何かしらの知識の種にしてあげることにあります。
4 件のコメント:
「自分らの時代と比べて今の学生は勉強に追われていて可哀相だという風に言っていました。」と書いてありますが、その人が言っている、今の学生は勉強に追われているってどういうことですか?
ちなみに、僕は工学部の教授に「円周率を3で計算してきた子たちがものづくりをしたら大変なことになりそうだよね。」といわれました。たしかに大丈夫かなと思います。理系の学力低下は深刻ですね。台形の面積とか求められないみたいだし。
台形の面積を今の小学生は求めない話は、実はデマだという話を聞きます。まぁ中学受験をする小学生が増えていて、入学試験で出ないことはありえないので、恐らくそうだと私も考えています。
今の学生は勉強に追われて、という話の意味は、単純に授業への出席が厳しく義務付けられた事を言っています。そりゃ高校生に比べりゃ授業に出ていませんが、それでも昔よりは出されるようになり、おまけに今の学生は二回生になった頃くらいから就職対策のために資格の勉強やらインターンシップをやるようになり、自分で学びたい勉強を自由にする時間がなくなっていることを指摘していました。
私も、ようやく自分で勉強できる態勢ができ始めた頃に以上のような状況になり、不満を感じていました。
「K先生の講義が一番楽しかった」
同感です。学生の意欲をうまく引き出しているなあ、と感じる講義でした。また、私たちの大学の教育方針が基本的に、「放任」だったことも理由の一つかもしれませんね。他大学の学生と比べて私たちは自分の時間を自由に使えているなあ、と常日ごろから感じていました。いずれにしてもK先生の講義はすごく思い出に残っています。
タツローさん、コメントありがとうございます。
まぁK先生については、合う人と合わない人の差が激しい先生だと友人は言っていましたし、私もそう思います。もし暇があれば、この授業のことも含めてまた学生時代を振り返るエッセイなんか今書こうと考えています。
あとうちらの大学の教育方針が「放任」だったことについて、以前友人が受けた授業では、
「キリスト教は虐殺を繰り返して信徒を増やしていった」
などと言う教師もおり、放任を通り越しておいおい大丈夫かよとも思ったことがありました。
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