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2019年1月2日水曜日

ゴミ記事リターンズ

 室温がまだ13度あったころは幸せだったなぁと、10度を切るか切らないかの瀬戸際にあってつくづく思います。なお昨日から鼻水に血が混じるようになっていますが、それでも暖房は絶対につけません。
 さて2019年一発目の記事は何にするべきかと考えていたら昨年末に書いた自分の記事がアップされたのでこちらの紹介をしようと思います。

本当にできるの? 中国で始まったゴミの分別(JBpress)

 こちらの記事は見てわかる通りに、先月にこのブログで書いた上海市内でのごみの分別事情について加筆修正を行ったものです。最初にブログで書いた時点でも友人からは反応が良かったのですが、そのあと上海を訪問してきたJBpress編集長からも、「あのブログの記事を出してはどうか?」と直接打診されました。

 内容的には申し分なく、中国のローカル事情を紹介する上で他に先行報道もなかったことから確かにうってつけだと思って記事化を決めたのですが、内容をもっと仕上げるために追加取材が必要、具体的には中国のごみ排出量は具体的にどれくらいなのか、あとゴミ捨て場の写真などもそろえる必要があり、この辺の作業に着手しました。
 これらの取材作業中、日本のごみ事情について書かれた記事に日本のごみ処理場に関する内容が少し触れられてあり、ここに気付いたおかげで割とこの記事はいい感じにまとまりました。元々、香港時代の取材で日本のごみ処理プラントビジネスがアジアでも展開されており、営業にもかなり力が入っているということをIHIの担当者から聞いていたこともあり、すぐに反応できたのだと思います。

 ごみ処理プラント関連の事情については記事にもある通り、このところ日系メーカー、特に川崎重工が大量に受注するなど好調という事実も得られたので、これを一気に記事に組み込みました。結果として、自分のJBpressのコラムとしては過去最高級に完成度の高いコラムになったのではないかと自負しています。

 一体この記事の何が優れているのかというと、身近な問題から大きな問題へのつなげ方がいいという点に尽きます。人にもよると思いますが、私はコラムという記事は基本、身近で誰もが共感できる話題から政治や経済といった大きな問題をつなげ、これらを考えるきっかけとする記事種類だと考えています。この流れが抜群に上手いのがJBpressでも書いているアン・ヨンヒ氏で、いつもアン氏の記事を見ながら「俺もこういうのを書きてぇなぁ」と内心思っていましたが、今回のゴミ記事はそうした公正にやや近づけられたのではないかと思います。
 具体的には

・誰もが身近なごみ分別の中国事情
・日本と中国のごみ排出量比較
・日系プラントメーカーの受注増

 という三段階構成となっており、しかも多分抵抗なくすっと次の構成に移れるくらい自然に話題を繋げられています。なお文字数に関しても、特に文字数修正などをすることもなく書き上げた時点で規定の3000字にほぼピッタリという出来栄えでした。
 ドラフトを最初に見せた友人も大絶賛してくれ、特にプラント関連の事実については全く知らなかったようで新鮮に感じたそうです。まぁこんだけ受注していることは私も知りませんでしたが。

 ただ、NewsPicksのコメントを見ていると、ごみ処理プラントに関しては中国系メーカーも躍進していて競争が激しく、必ずしも日系に優位があるわけではないという指摘がありました。この辺はさすがに専門分野というわけではないので実態はどうなのか自信がなく、この人の言う通りなのかなとは思いつつも、受注数は増加傾向にあるのは事実なのでどうにか許してもらいたいところです。
 ついでに書くと、記事中にも書いてある通りに私は日本の環境技術は金をかけるか否か程度のもので評価していませんが、ごみ処理プラントに関しては前から高く評価していました。ガスコージェネ発電を筆頭に、ごみ処理しながら発電するというエネルギーリユース技術もさることながら、ダイオキシン対策で培った高火力で有害物質を残さず燃やせる高い焼却力を持つなど、こうしたプラントの建設運営実績はもっと世界に誇ってもいいものだと考えています。あくまで、素人目線ですが。

 なおNewsPicksのコメントはやはり目の肥えた読者が多いせいか、分別の効果やごみ焼却ビジネス、政策実行能力などについてのコメントが多くて楽しめます。逆にヤフコメの方は、個人的に凄い残念だったのですがごみ焼却ビジネスに関して言及する人がほとんどおらず、「どうせ中国人にはできない」という相も変わらずな意見ばかりでした。まぁいつもと比べると、「中国の行動は世界の環境改善につながるのだから応援しよう」的なコメントも多かったですが。
 ただ、そんなヤフコメの中でも、このコメントには目を引かされました。

nato_

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性根はなかなか変わらないが、中国式(良くも悪くも一党独裁による強権)で押さえつける方法なら、世代交代くらいの期間で変わるかもしれない
ただ、性根や素行が悪いままに移住した世代は、空白の世代として同胞からもうとまれるかな(最近の横浜 中華街、世代間格差が明確)

荒れた時代には、
ケンシロウよりラオウの方が統制できる


うかうかしてると、
ITどころか素行まで追い抜かれるかもね

 私が目を引いたのは太字箇所で、日本と中国の政策の差をこれだけわかりやすく説明する例えは今まで見たことがありません。確かに、中国(修羅の国)ではケンシロウが愛を説くよりも、ラオウが力で支配する方がなんとなく全体としてうまくいきそうな気がしてなりません。丸ごと引用しましたが、このコメントをしてくれた方にはいい視点を提供いただき、この場ながら感謝申し上げます。

4 件のコメント:

片倉(焼くとタイプ) さんのコメント...

ジャギは「今は悪魔がほほ笑む時代なんだ」と言っていましたが、荒れた時代になっても、
悪魔が微笑むような事態にはなってほしくないですね。

サカタ さんのコメント...

JBpressの記事読みました。分かりやすい編集の仕方がしてあって読みやすかったです。中国の日本メディアが言う印象は現実離れしている、若しくは一地域だけを切り取っているだけなのですね。花園さんの記事を見ているとよくそう思います。日本の記事でもそうですが、海外情勢でもニュースの内容を鵜呑みにするのはよくないですね。

花園祐 さんのコメント...

 こうしてみると北斗の拳は名言に溢れていますよね。いつの時代でも使える言葉が多すぎる。

花園祐 さんのコメント...

 JBpressの編集方法は自分の文章と比べると、恐らくスマホ読者向けに短く短文で何度も区切る傾向がありますね。一応、向こうに合わせてドラフト段階で短く区切るよう私も対応していますが、それでもさらに短くされちゃいます。
 自分も決して中国の実態をきちんと報じているかと言われればそんな自信はありませんが、他の連中に比べたらマシだし、自分の活動が海外報道の質の維持をいくらか担保しているという自負があります。