2008年10月8日水曜日

世界同時株安と日経平均一万円割れについて

 昨日、一昨日と文化大革命の連載が終わった反動からくだけた記事が続きましたが、またぞろ固い記事を復活させてこうと思います。

 本日、日本の株価指標とされている日経平均株価の終値が、確か四年ぶりに一万円を割りました。つい二ヶ月前と比べるなら2000円以上も下がっており、資産価値の下落だけでみるならば、確かに大きな景気後退とみるべき事件でしょう。もちろんそんなもんだから、今日はどこのニュースでも日本人のノーベル賞の受賞ニュースより先に報道して、本当に大変なことになったとばかりに大騒ぎしています。

 しかしここで言わせてもらいますが、先月のリーマンブラザーズ社が破綻した時点で日経平均が一万円を割ることは誰がどう見たって確実なことだったと思います。なぜなら今の日本の株式市場の大口取引先はどこもアメリカの投資会社たちで、本体のアメリカの景気が悪化すれば当然日本の株価も下がることは必定です。なのでどうせ年内にはまず確実に一万円を割ることは間違いないとみていたので、私としてはそれほど大騒ぎするような話だと思えないのが正直な感想です。逆にもし経済人や評論家でありながらこうなることがわかっていなかったら、廃業しろとまでは言いませんが未熟な価値観を改めるべきでしょう。

 問題はこの後です。株価の下落とともに進んだ為替価格の変動は確かに日本にとって大きな影響をこれから与えてきます。今日は一時的にとはいえ1ドル価格が100円を割りましたし、この為替価格は輸出産業がメインの企業(主にメーカー)にとって為替価格の1円の変動は100メートル走における一秒の差並みに大きな意味を持ってくる数字です。さっきNHKがやってましたけど、トヨタ自動車では為替が1円円高するごとに400億円、ソニーは40億円の売り上げ低下になるそうです。じゃあイチローの給料はどれくらい変わるんだろう。

 これだけをみるのならば確かにこの世界同時株安は日本にとって大きな損失を与えているかのように見えますが、私がこの一週間のニュースを見ていて非常に残念なのは、世界同時株安と言いながらも日本とアメリカの情報しか発信されていない点です。世界同時株安なんだったら日本とアメリカ以外の国も相当打撃を被っているはずなのに、どの国がどれほど影響を受けているかと言う情報は全く持って皆無です。私自身がこのところペルソナ3とフロントミッションで忙しいのもあってあまり調べていないのもありますが、もっとマスメディアは大事なことなんだから自主的に情報を配信してもらいたいものです。

 個人的に一番気になっているのは欧州、それもイギリスです。何故ならイギリスが世界で最もアメリカに追従して金融市場主義とも取れる新自由主義経済の路線を敷いていたからです。そのため本家のアメリカがこうも崩れたのならイギリスはどれほどダメージを受けたのか、やっぱり破綻しているのかというのが気になります。
 同様にEU諸国もです。EUはEUでアメリカの路線とは対決するように独自の経済体制を模索していましたが、なんだかんだいってどこもこの世界同時株安で大打撃を被っているという情報ばかり聞こえてきます。特にドイツではあまりの影響ぶりに、政府が個人の預金を金融機関が破綻した場合でも全額保障するとまで発表していますし、もっと詳しい情報が知りたいです。

 なお、一昨日にちらっとだけ見たどっかのネットの記事によると、意外と日本はリーマンショック以降の株価の下落率は低い方でした。その記事によると一番下落率が大きいのは、これなんてほかのどこも報道していないけどインドだと紹介していましたが、どうも裏を取ってみると本当っぽいです。新興国ってのはどこも財政的な力に欠けるところが多いので、この事実にも素直にうなずけます。
 あと先ほどのイギリスと同様に、ひたすら株価至上主義で戦ってきたお隣韓国もえらいことになっているようです。これまで国際的に貸しの多い債権国だったのがいつの間にか借金している債務国に転落しているし、雇用問題も置き去りで結構大変そうです。

 で、同じくアジアを見てみると中国の話もこのところあまり聞きません。なのでせっかくだから自分で「新京報」という北京の新聞サイトを除いてみると、今日の記事ではアメリカの大幅な株安を伝え中国でもA株というくくりの証券市場が価格を下げていると言いながらも、まだ大きな影響はなく未だ中国は世界市場の中で「オアシス」のようなもんだと、まるで他人事のように楽観視しています。まぁ、主要銘柄は皆共産党などの特権階級が握っているから、あんまり下がらないってのもわかるけどね。

 恐らく、今回の株安で一番危険なのは日本を除くアジア市場だと思います。タイでは今でも政治的混乱が続いており、インド、韓国は上記のように大きなダメージを受け、でもって欧州みたいに複数ヶ国で連携して何か対応するということがありえない点から、かつての「アジア通貨危機」みたいなことになってくるのではないかと心配しております。杞憂で済めばいいのですが。
 世間では株価が下がっていることから、その分現物市場がこれから値上がりするなどと言っては金塊を買っとけなどあれこれ意見が出ていますが、現状ではまだ不透明なので私はお勧めできません。実際に原油価格は下落の一途を辿っており、そもそも回す資金自体が世界市場から突然いなくなったのだから、掘った土が横に盛られるわけでもないので上がらないのが普通なんじゃないでしょうか。

 と、素人ながらあれこれ意見を書いてみました。結論を言うと、日本は損害を受けつつも他国よりはまだいくらかマシな状況にあるのではというのが私の意見です。しかし唯一の懸念は、前にちょこっと匂わせた銀行の貸し渋り問題です。こっちは結構表面化しており情報も集まってくるので、また明日にでも解説します。

2 件のコメント:

  1. そうですね。日本は欧米に比べるとまだマシだと思います。東証が1000円下落した日の前に書かれたフランスのル・モンド紙でも、「「サムライの復讐」と題された記事が載ってました。ブログに記事を上げていますので、よろしければ、ご覧下さい。

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  2. sophieさん、もちろん。いつも読ませてもらっていますよ。
     海外から日本をどう見ているかというのはなかなか国内にいるとわからないので、非常に助かります。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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