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2008年10月12日日曜日

毎日新聞、猥褻ネット記事問題の自社検証について

毎日新聞、猥褻ネット記事問題の自社検証のページ

 忘れた頃に後日談を掘り返すというのが、私のブログの一つの趣旨にもなっております。掘り返される側にはたまったものじゃないでしょうが、問題発生後に期間を置いて再検証を行うことこそが問題解決において非常に重要だと考えているため、人に嫌がられようがどんどんと取り上げていくつもりです。
 そんなわけで、今回取り上げるのは以前に私も「毎日新聞の今後」の記事の中で取り上げたことがある、毎日新聞の英文サイトコラム「WaiWai」の猥褻記事問題です。それにしても、前回の記事は我ながら硬派な記事を書いてますね。

 こうしてみると問題発覚から実に三ヶ月も過ぎております。光陰矢のごとしとは言いますが、あの頃時事問題として取り上げた記事を再検証にて再び使うことになろうとは三ヶ月前には思いもよりませんでした。
 今回、こうして取り上げる気になったのは一番最初にリンクに貼った様に、毎日新聞社のホームページ「毎日jp」にてこの問題の検証記事が一通り出揃ったのが理由です。毎日は問題発覚当初に自社内調査を進めると公表していましたが、それがここにきてひとまず完成したと見て、改めて毎日がこの問題に対してどれだけ反省をしているのか、また再発防止策を用意できたのかということが検証する舞台が整ったと受け止めて、前からやろうと温めていたネタです。

 それでは早速、この毎日の自社検証について私が気になった点を上げていくことにします。
 まず第一に、なんというかこの一連の記事の文章がとてつもなく稚拙です。文章の終わりはほぼすべて「~でした」で終わるという、初心者が陥りやすい「た止め」です。さらに記事ごとに露骨に表現方法が違っているから恐らく複数の人が書いているのだと思いますけど、執筆記者名も書いていないし、毎日新聞社名義で記事出していますが本当にチェックとかしているのか、文体の一致を行っているのか一ブロガーの立場からすると非常に疑問です。

 特に一番へんてこりんな記事は「役員・記者ら処分 英文サイトに不適切コラム」の中の文章で、まぁ内容が事実報告というのはよくわかるのですが、それにしても文章が一連の記事の中でこれだけ「敬体」ではなく「常体」で、ちょっと気にしすぎかもしれませんがなんとなく上から目線でえらそうな感じがします。何を以ってこの記事だけ常体で行こうとしたのか、また文体の一致くらい編集部で行わなかったのか、素人の記事なら何も言いませんが一応プロの記事なので厳しくここで追求しておきます。 

 第二に、反省点として毎日新聞自らが上げている、「女性の視点の欠如」ですが、私個人の意見だとこんなのを反省点として挙げてる時点で正気の沙汰じゃないと思います。毎日はこの反省点について、女性に対して配慮の欠ける猥褻な記事を載せていた事から、二度とそういうことのないように女性の目線からチェックするため新たな編集部にも女性を入れたと言っていますが、別に女性の視点でなくとも、男の私から見ても異常な記事ばっかりだったので、なにもわざわざここで女性を持ち上げて言うべきことじゃないと思います。
 敢えてこの反省点を私なりに言うなら、
「常識的な視点の欠如があったため、新たな編集部には常識的な目線からチェックするために常識人を入れた」
 と、言いますね。皮肉っぽい言い方ですが別に間違ったことを言っているわけでなく、実際に当時のWaiWaiの編集部には常識人がいなかったと私は受け取っていますよ。

 そして第三に、一番重要な編集部のチェックの不備です。
 この点については「英文サイト問題検証(2) 読者受けを意識 過激に」の中で言い訳が述べられていますが、つまるところ「編集長が忙しくてチェックできなかった」というのが理由として挙げられていますが、プロの編集者がこんな理由を挙げること自体異常です。いくら英文だからといっても、記事内容のトピックスだけでも日本語でチェックするだけで問題がわかるほどの猥褻記事だというのに、それすらももチェックしなかったというのは職務放棄と言われてもしょうがないでしょう。それにもしこの「忙しい」を理由に挙げるのなら、一応は検証記事なので当時のタイムスケジュールくらいは提出するのが普通でしょう。それでもし本当に激務に激務を重ねていたのであればまぁ納得しないまでも同情はしてあげられます。その場合、編集チェックに必要な人員を割かなかった人事の責任になるのですが。

 でもって第四。これは一番批判の多い、外部からの問題の指摘に何故対応しなかったのかという点です。
 このことについては「英文サイト問題検証(3) 外部の指摘 生かせず」の中で書かれていますが、この中で外部から問題の内容に対して批判するメールが二通来ていたと書かれていますが、二通って、発覚のかなり以前より問題になっていたことを考えると非常に少ない量に思えます。しかもそのうちの一通は「米国在住の大学勤務の日本女性」と、わけのわからない肩書きを取り付けて無駄に権威付けを行おうとしていますし、本気で反省しているのかとちょっと疑いたくなります。
 私が見ている限り、恐らく批判するメールは実際にはこれよりずっと多いだろうし、また問題性を指摘するネットの情報もかなり溢れていたことから、まず間違いなく編集部はこういった外部の声を意識的に黙殺していたと予想します。根拠は外部から来た批判メール数を二通としている点と、そのうちの一通を権威ある人間からとしている点です。何故黙殺したのかが書かれていないので、非常に私は不満です。

 現在もこの「毎日jp」は、確認したところ二社ほど他社からの広告が入っていましたが、それでも広告欄が大きく空けられたままという異様な状態が続いています。
 こうして私が気になる点が四つも挙げられること自体、毎日新聞は本当に反省しているのか非常に疑わしく思えます。猥褻記事を書いていた外国人記者も懲戒停職三ヶ月という、私の目からしたら何故解雇ではないのかというくらい甘い処分ですし、事の重大さがまだわかっていないんじゃないかと思います。

 これまではまだ同情する気持ちもありましたが、こうして検証記事を読み返すにつれ、この際だから潰れてしまえとまで思うようになりました。私の言いたいことは以上です。

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