この所の各報道機関の政治系記事は普天間問題が全く進展しないなどといった事から民主党に対して批判的で、この与党民主党に対して野党はどうすれば次の参議院選挙で過半数割れに追い込む事ができるのかという視点で書かれているものばかりが目に入ります。そこで今日は、別に私は今の民主党を支持しているわけではないのですが敢えて逆の視点で、民主党は何をすれば支持率を挙げて次回参議院選を勝ちぬけるのかを考えてみようと思います。
まず結論から言えば、民主党が支持率を回復するのに最も良い手段というのは小沢一郎氏の幹事長職を解任する事です。タイムリーに今日、検察が先月の審査会の議決を受けて小沢氏に聴取を要請しましたが、普天間問題に次いで民主党の支持率を下げる要因は間違いなく小沢氏の資金問題でしょう。
渡部恒三氏などは長い付き合いもある事から堂々とテレビカメラの前でも小沢氏に辞任要求をしては鳩山首相に決断を求めているのですが、肝心の鳩山首相も小沢氏同様に自身の資金管理団体の問題、しかもその責任をすべて元秘書に擦り付けたことから事実上解任する事は不可能だと見ております。仮に鳩山首相が小沢氏を解任すれば自分のことを棚にあげておきながらと、野党や国民のみならず民主党内からも批判される可能性もあり、そうなった場合はよっぽど鷹の爪を隠していない限りは政権の維持は完全に不可能となるでしょう。
このように、支持率を回復するには小沢氏の解任が必要、しかし鳩山首相は解任が出来ないという、小沢―鳩山の相互補完構造が成り立っているとします。となると民主党としてこの際、小沢氏と一緒に鳩山首相を退陣させるしかないように思えます。
先月までは各評論家らからこのような案、いわゆる五月政局こと普天間問題の決着と引き換えに鳩山首相は退陣するのではという声がささやかれましたが、五月も三分の一が過ぎた今になっても鳩山首相は一切退陣する素振りを見せないどころか、米国に対して約束した五月決着も反古にするかのような発言もこのところ目立ちます。
こういった背景から私が気になっているのが、民主党内の議員は倒閣を考えないのかという事です。小沢氏に対する辞任要求は確かに少数ながらも、先ほどの渡辺氏や副幹事長の生方氏など何名か声を上げているものの、さすがに鳩山首相に退陣を要求する民主党議員はまだ出てきていません。自民党ではかつての安部、福田、麻生政権、そして現在の谷垣体制に対して公然と退陣要求する議員がごろごろいますが、民主党は結束力が強いと言うべきか、議員一人一人の後ろ盾が弱いのか上層部批判がやはり少ない気がします。
ではこれまた仮の話で、鳩山首相が自ら辞任した場合は誰が民主党の党首、ひいては首相となるのがベストかとなると、これまた結構悩ませられる話です。
もし支持率回復だけを目指すのであれば最有力なのは、政権からやや遠ざかった位置にいて小沢氏を度々批判している仙石良人氏なように思えますが、どうもこの人は組織を引っ張る人間としてはいまいち頼りない気がします。ではかつて党首を務めた経験のある菅直人氏ではというと、かつての「イラ菅」から「アホ菅」とこのところは揶揄されるほど人気も低迷しており、周囲の民主党議員からもどうもあまり支持されていないように見えます。
では外務大臣の岡田克也氏はというと、なんかこのところ急激に老けてしまってテレビ映りの悪さが私は気になります。能力的にも真面目なんだけどそれだけという感じで、党首時代の郵政選挙の大敗もあってイメージ的には非常に苦しい気がします。それならばその岡田氏の後を継いだ国土交通大臣の前原誠司氏ならばどうかですが、顔もイケメンということもあってイメージ的には今の民主党内で最も力を発揮するでしょうが、多分なったらなったで小沢氏を初めとする現上層部から物凄い嫌がらせを受けて党内を維持する事が出来ない可能性があります。更に言えば、かつての偽メール騒動もあるからイメージが良くても支持率には必ずしも結びつかないとも考えられます
いちおう他にもポスト鳩山としては枝野幸男氏もいますが、どれも選挙で戦っていけるかとなるとどれも一癖足りない面子ばかりです。まして自民党時代に散々党首の代替わりがあって民主党が行っても今じゃあまり効果も見込めないでしょう。
となると政策で挽回するより他がないのですが、子供手当ても第二次仕分けもすでに終わり、残った普天間問題はまだまだ支持率を下げる要因としかならないため、もう大分手遅れな感があります。何でもやっていいというのであれば残るはネガティブキャンペーンしかなく、ちょっと前に「あいつは部落だから首相には出来ない」と麻生が言っていた野中広務氏が官房機密費の使途(与野党問わず議員に配り、評論家らにも渡していた)を口にしていましたが、あれを洗いざらい公開すれば少しは効果があるかもしれません。
3 件のコメント:
記事の主題からは少し外れますが、最近の大手マスコミによる民主党批判(自民党政権より批判しやすい?)の背景として、民主党政策集INDEX2009の中の【通信・放送行政の改革】【電波の有効利用】などの項目に関して、大手マスコミの既得権益を侵される事への危機感の表れではないかという指摘もされています。その内容としては、クロスメディア所有(同一の者が新聞・テレビ・ラジオなど複数のメディアを所有すること)の是非も含めたマスメディア集中排除原則のあり方の検討や電波利用のオークション制度の導入などが述べられています。
政府のメディアに対する介入などが強化される方向は望みませんが、現在の低レベルな番組が氾濫する現状は何とかならないかという想いがあります。といいつつも、お笑い番組を楽しんでいる自分がいるのですが。
あと、今のマスコミの普天間問題に関する報道姿勢、5月末の決着を明言した鳩山政権のだらしなさを非難するという論調で占められいますが、もっと普天間問題のみならず、日本に存在する米軍基地とは我々にとってどういう存在なのか、これまでの日米関係、そしてこれからの日米関係はどうあるべきかという根本的な視点から切り込んでほしいです。
ちょっと前にも書きましたが、そもそもの基地問題は日米地位協定であって、こちらに言及がないのは私もどんなものかと思います。きちんとした統計ではないのですが、人口比に対する女性暴行事件の発生割合は米兵の方が日本人のものより少ないとも聞いた事があり、一体なんでこんだけ基地で揉めているのか、でもって何が一番ベストなのかという大きな視点の話がないのは残念ですね。
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