最近何故か以前にこのブログで書いた「宇都宮病院事件について」という記事のアクセスがっ上昇していて訝しんでいたところ、どうも下記の事件が影響しているのではないかという結論へ昨日の昼過ぎに至りました。
・「頭踏まれ、2年後死亡」患者遺族、病院を提訴(読売新聞)
上記リンク先のニュース記事の内容を簡単に説明すると、千葉県千葉市にある精神病院の石郷岡病院に入院していた30代の男性患者が、看護師に下着を取り替えられる際に身体を押さえつけられた上に頭を踏まれたり蹴られたりする行為がなされ、男性はこの時の行為がきっかけで首の骨が折れてしまい二年後に死亡しました。遺族はこの時の看護師の行為は医療行為を逸脱した暴行であるとして病院を提訴し、裁判となったことを報じているのですが、この事件の何が面白いかというと男性へ暴行がなされた際の映像が一部始終公開されているからです。
・「男性の頭を2回踏み付ける」精神科看護師暴行映像(15/06/18)(ANNnewsCH、Youtube)
上のリンク先はテレビニュースで報じられた際の編集版ですが、暴行の開始から終了までを映した映像も遺族らによってアップロードされております。一応自分も見ましたが、確かに看護師によって頭を蹴るように踏みつけられているのが映像で見てとれますが、そこまで激しく凄惨な暴行映像ではないので激しく心臓に悪いほどではありません。
病院側は提訴されたことについて、結果的に患者が重傷を負ったことについては反省すべき点だとしながらも通常の医療行為の一環であったとして、故意の暴行ではなく問題性はないという見解を示しております。まぁ病院側としてはそういうしかないだろうけど。
恐らく同じ精神病院での暴行事件であったことから、最初に挙げた宇都宮病院事件が見直される形で私のブログへのアクセスが上がってきたのでしょう。宇都宮病院事件は今回の石郷岡病院と比べるともっとはっきりしているというか露骨で、鉄パイプで患者が殴り殺されたり重傷を負わせられたり、東大の医師が関わってたりと犯罪性が非常に明確な事件でした。
それにしてもなんで病院に鉄パイプが常備されてたんだろうかと思うと同時に、もうちょい突っこまれ辛い凶器を選ぶ方法はなかったのかと今更ながら思います。
ただどちらの事件でも、精神病院という閉鎖された空間というべきか一般人からすると非常に見え辛い世界で起こった事件ということで共通しています。実際にこの事件を恐らく最初に取り上げた読売の記事でも、このような明確に暴行されたという映像証拠があるというのに警察は全く動かず、精神病患者には人権がないのかとライターが訴えておりましたが、今のところ警察が暴行致死容疑などで石郷岡病院へ捜査に入ったという情報は出ておりません。
この辺は警察も相手が精神病院ということで対応が難しいのではないかと推察します。伝聞ですが精神病院の職員はやはり激務らしく、体力勝負で体格のいい看護師ほど重宝されると聞きます。今回の事件では映像を見る限りだと暴行を受けた男性はそれほど激しく抵抗しているようにも見えないので以ての外ですが、実際に暴れたりする患者も少なくなくて職員らもいくらか命がけな所もあるように思えます。
それだけにこの事件に関しては石郷岡病院側を一方的に批判する気には私はなれません。理由を述べるなら、もし自分が職員だったら同じことを絶対にやらないかという自信がないからです。
ただだからといって、刑事罰や社会的責任が一切免除されるべきだとは言うつもりはありません。少なくとも今回の事件では紛れもなく必要以上な暴行がくわえられ、それがきっかけでこの男性患者が死亡したことはほぼ疑いようがなく、この点について石郷岡病院は遺族らに対し真摯な対応を取ると共に、必要であれば刑事罰も受けるべきでしょう。
最後に男性患者について私が最初にこの事件について報じた記事(確か先週に読んだ)内容を思い出しながら書くと、この方は20代の頃は大学にもきちんと通うなど全く問題ない生活をしていたのですが、何かのきっかけで精神医療科を受診した際に向精神薬を処方され、それを服薬してから徐々に精神に変調をきたすようになったそうです。専門的なところまではわかりかねますが、記事中では「一から十まで精神医療にこの男性は殺された」という論調で書かれてあり、まぁちょっと私も思うところが少しありました。
ちなみに私は大学時代に一回、学内にある無料カウンセリングを週一で一ヶ月程度受受診したことがあります。その時のカウンセラーの方はわかりやすい話し方でいろいろ相談に乗ってくれ、今でも当時の話を思い出すくらいに私にとってはいい体験でした。
またこの時、カウンセリング室の前にあるパンフレット類が並べられた棚の中に京都大丸での「大・水木しげる展」の無料参観チケットが何故か置かれてあったので、二枚ほど持って帰って友人と一緒に見に行ってから本格的に水木しげるに目覚めました。そういう意味でもあのカウンセリングは私にとって非常に重要なイベントだったと言えるでしょう。
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