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2020年2月16日日曜日

現在の上海の街中風景


 最近中国記事だとコロナしか当たらない上、他の中国専門ライターもこればっか書くから、JBpressに出す記事はしばらく歴史記事にしようかと検討しています。さりとてこのブログでも中国は今どうなっているのか気になる人も多いので、たまにはためになる記事でも書こうかなというわけで上海の今の風景です。
 上の写真は上海地下鉄の世紀大道駅の改札口です。昨日、最低気温が零下まで落ちた中、知人と食事するために訪れました。撮影時刻は昨日土曜日のちょうど正午頃なのですが、見ての通り人っ子一人もいません。世紀大道駅は重要な乗換駅であるため普段は人民公園駅に次いで最も混雑する駅の一つですが、最近はこんな感じでほとんど乗客がいないとのことです。


 こちらは駅に併設されたショッピングモールです。一応、施設自体は開いてはいるもののテナントの多くは休業していることもあって、視界の中に動く人影はほぼ皆無でした。一応歩いている人こそ存在するものの、土日のショッピングモールでこんな風景拝めるのは日本の廃墟モールだけかと思っていたら、案外そうでもなかったわけです。

 個人的な所感を述べると、先週まではまだ春節休暇の延長みたいな感じで、市内に人気こそないものの市民の実感としてはそれほど危機感やストレスはなかったように感じます。しかし今週水曜に日本から帰国したところ、平日とはいえなんとなく先週よりも街中の人通りが減っているように感じた上、街中の市民もやや表情がこわばってきているように感じました。
 またそれまではまだ比較的緩かった団地の内外への移動が、今週から軽度とはいえ制限されるようになりました。具体的には居住者は公民館で臨時居住証を発行してもらい、団地を出入りする際にはそれを見せなければならなくなりました。これは他の団地でも同じだったようで、現在日本に帰国している同僚はペットシッターを自室に入れるため、電話で身分証明を行うことでシッターに臨時居住証を発行してもらったとのことです。

 この手の作業と門番役は団地居住の自治会組合員がやっていますが、実態としては共産党員ではないかと思います。改めてこの手の共産党員は何か細かいところで指示出して動かすのに便利でいい存在だなと思うとともに、戦前の隣組とかもこんな感じで機能していたのだろうかとか思いました。

 市内の物価に関しては今のところマスクが依然不足しているだけで、極端な物資不足はまだ起こっていません。一部日系メディアの報道では白菜など野菜が高騰しているとの報道がありましたが、少なくとも自分が通っているスーパーではそのような野菜の高騰は見当たらず、品も一時は不足していましたが最近は補充されたのか置かれてあります。
 ただこれは上海市内に限る話であり、先ほどの日系メディアの報道は他の地方では当てはまるのかもしれません。また野菜以外の商品、特に冷凍食品などは明らかに以前より商品数が減ってきており、今後は不足するような事態がより目立ってくるかもしれません。

 今後についての所見を述べると、前述の通り先週まではまだ春節の延長という印象があり、市民はそれほどストレスを感じていなかったように見えます。しかし今週までこうした外出を控えさせられる事態が続いてきたことについて明らかにストレスを感じている節があり、今のような状態が今後もまだまだ続くとなったら、やはりその影響は大きくなるのではないかという気がします。
 私の見方では二月いっぱいまでは今のような状態が続き、小康となった都市は三月くらいからこうした制限が緩和されるのではないかと見ています。ただ言い換えるとこれは、今の戒厳令のような状態は二月いっぱいまでがほぼほぼ限界であり、三月まで続いた場合は市民の不満や鬱屈が相当溜まるとともに、小売・飲食店をはじめとする企業への影響面でも限界を迎えるのではないかと思います。私個人としてはいちいちマスク付けて出なきゃならないのが苦痛で(自転車乗っててメガネが曇る)、あと出入りの度に居住証の確認するのが億劫なため、感染拡大を防ぐという目的はよくわかるもののこうした状況は早く過ぎてほしいというのが本音です。

 その上で、戦時下というのはこれに輪をかけて物資が不足し、外出が制限されるという事態であると想像されることから、やっぱ戦争はダメだなとか無駄にそういうこと思ってます。戦争するゲームばかりやってて言うのもなんですが。

各務原の川崎航空博物館で撮影した研三の模型

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