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2013年2月16日土曜日

平成史考察~パナウェーブ研究所騒動(2003年)

 今朝、日本に帰国して初めてランニングを行いましたが、上海で走った時と比べて息が上がらないというか、走っている最中に咳をすることがありませんでした。ペース的にはそんな差がないと思うのですが、これって大気汚染の差?ぶっちゃけ、中国でランニングすることが体にいいのか悪いのか判断しづらいんだけど。
 話しは本題に入りますが、今回は覚えている人も多いと思われるあの白装束集団ことパナウェーブ研究所の騒動を取り上げます。

パナウェーブ研究所(Wikipedia)

 この騒動が起こったのは2003年の4~5月、パナウェーブ研究所と名乗る全身白づくめの宗教団体の動向がお茶の間のテレビを席巻しました。この団体は千乃裕子を代表とする宗教団体で、方針としては統一教会と同じく反共主義を掲げていたようですがそれ以上に「スカラー波」と呼ぶ電磁波が人体に悪影響を与えるとして、防護策として白装束を着るだけでなく周囲に白布をかけたりするといった行動が注目を集めました。
 ウィキペディアの記事によるとパナウェーブ研究所が注目を集めるきっかけとなったのは当時、多摩川に流れ着いてこちらも注目を集めていたアゴヒゲアザラシのタマちゃんに対して捕獲保護を試みようとする動きがテレビで報じられたことからだったようです。その白装束という見た目のインパクトがあった上、テントでの集団移動生活を続けていたことから他のメディアも追従するようになり、この年のGWは岐阜県あたりにいたこの集団の一挙手一足が生放送で報じられました。当時の私もテレビで見ており、それこそ朝から晩まで、いつどの程度動いたかなども詳細に報じられていたことをよく覚えております。

 この騒動自体はGWの終了とともに視聴者の興味が離れたことから徐々に落ち着いてきたのですが、確かGWの後半あたりに、それまで一度も姿を見せなかった千乃代表がどこかのテレビ局のインタビューに応えて初めて姿を見せてきました。それまで千乃代表の姿は若い頃に取られた写真(そこそこ美人)しか出回ってなかったため、テレビで出てきた姿はお婆ちゃんだっただけになんとなくがっかりみたいな気持ちにさせられました。なおそのインタビューで千乃代表は、「私はもうすぐ(電波攻撃によって)死ぬけど、タマちゃんを早く保護してあげて」と訴えておりましたが、千野代表が死去したのはそれから3年後の2006年でした。調べてみて自分も初めて知ったけど、これ以前から「もうすぐ死ぬから」っていうのがこの人の口癖だったようです。

 そんなパナウェーブ研究所の現状ですが、先にも書いたとおりに千野代表が2006年に死去したことから自然消滅していったようです。これだけ見るなら言い方は悪いですが寿命の短い一種のカルト集団だったとして片づけられるのですが、自分が少し気になるのは「スカラー波」こと電磁波という概念です。
 パナウェーブ研究所に限らず日本では「米国が電磁波で日本人を攻撃してくる」とか「メタトロン星の電波によると~」などといった主張を行う人がそこそこ多く、ちょっと変わった精神をしている、神憑りしやすい人を表すスラングとして「電波系」という言葉まであります。この電波系ですが、ネットでの情報だけで二次確認を行ってはいないのですが、その始まりは深川通り魔殺人事件の犯人にあるという説を聞きます。

 この深川通り魔殺人事件の詳細はリンク先のウィキペディアの記事に書かれていますが簡単に私の方から説明すると、覚せい剤中毒者だった元寿司職人の男が路上で児童や主婦を次々と殺傷した事件です。この犯人は勤め先で毎回といっていいほど騒動を起こしており本当に救いようのない男なのですが、逮捕された後の供述で、恐らく薬中の影響もあるでしょうが度々「電波が引っ付いて」などと「電波」という言葉を多用しわけのわからない主張を繰り返しております。
 それ以前から電波系と呼ばれる人々が存在したのかどうかはわからないのですが、仮にこの深川通り魔殺人事件の犯人から現在の様な電波系の概念が生まれ、パナウェーブ研究所をはじめとする団体などにも影響を与えたとすると世の中、実に不思議なものだと感じます。あとこの電波でもう一つ気になる点として、この概念ってもしかして日本にしか存在しないのではないかという疑念を持っております。欧米はどうだか知らないですが中国においては「電波が精神を惑わせる」という概念は少なくとも私が見る限りほとんど存在せず、改めて考えると独特な概念のように思えてきたりします。最後に一応断りというか、私はこのような電波が精神を惑わすという概念は全くと言っていいほど信じておりませんが、社会学で言うと無機論というか、人間はその環境や条件によってロボットみたいに大半の行動や思考を決めるという立場を取っております。

2013年2月15日金曜日

猛将列伝~藤堂高虎

 歴史好きの人間なら誰しも自分を重ねる歴史上の人物の一人や二人はいるかと思いますが、私の場合は一番重なるのはほかでもなく、新撰組局長の近藤勇です。理由はいくつかありますが学生時代に私は実家のある関東から大学のある京都へ学期ごとに往復しており、このルートが近藤勇の辿った足跡とほぼ完全に重なるからです。あと彼は水木しげる氏をして「星をつかみ損ねた男」と評されており、私もそうした生き方に変に共感するところがあります。
 ではこのほかに自分を重ねる人物はいるのか、戦国時代の人物で挙げるとしたら本日紹介する藤堂高虎が入ってきます。

藤堂高虎(Wikipedia)

 戦国史が好きな人物なら藤堂高虎のことは誰もが知っているでしょうし、その能力の高さから歴史ゲームではいわゆる「かわいがられる」キャラクターであります。私もこの前に「太閤立志伝5」というゲームでこの人を使用しましたが、そのあまりの能力値の高さによってゲームが簡単になってしまい、かえって面白くないという妙な状態に陥りました。

 ではそれほどまでにKOEIさんからも能力値が高く評される藤堂高虎はどんな人物なのかですが、簡単に言ってしまうと現在の三重県に当たる伊勢国津藩の藩祖です。彼の出身地は近江(滋賀県)で初めは地元の浅井長政に仕えており、織田家と浅井家が激突したあの姉川の戦いでは一兵士として奮戦しており浅井長政から感謝状も受け取っております。ただ主家の浅井氏が織田家によって滅ぼされるとその後は主を転々とし、豊臣(羽柴)秀吉の弟である羽柴秀長の家臣となったところで一気に世に出ます。
 羽柴秀長の家臣となってからはその才能を戦に、施政に存分に発揮し、秀吉からも高く評価され秀長の死後も順調に出世していきます。この時(安土桃山時代後期)の藤堂高虎の事績として注目に値するのは数多くの名城を築城している点で、和歌山城をはじめ宇和島城、今治城、篠山城、津城、伊賀上野城、膳所城などと、森ビルや大林組も真っ青なくらいに全国各地で築城工事を指揮しております。「その時、歴史が動いた」の松平定知氏も藤堂高虎の高い築城技術を指摘した上で、コアコンピタンスを発揮して出世した好例だと以前に著書で評価しておりました。

 このように豊臣政権下で大活躍し出世を続けた藤堂高虎ですが秀吉の死後は真っ先に徳川家康の側につき、関ヶ原の戦いでも西軍大名の切り崩し工作を担当したほか大谷吉継隊とも死闘を行っており、家康から戦後は20万石に至る加増を受けております。その後の大坂の陣でも真正面で戦って奮戦したことから家康にも「有事の際には高虎を先鋒とせよ」と評されるなど絶大な信頼を勝ち取り、死の直前に枕元に侍ることを許された数少ない人物となっております。これらの業績から藤堂高虎の国津藩は江戸時代にあって「別格譜代」という扱いを受けており、外様大名でありながら譜代大名と同様の扱いを受けていたと言われます。

 以上が藤堂高虎の事績ですがよく言われる彼への評価としては、「能力は高いが主君を変え過ぎ」というものが大半です。本人も「武士たるもの七度主君を変えねば武士とは言えぬ」と居直っており、特に豊臣家から徳川家への転身ぶりには批判も少なくありません。ただ自分がそういうキャラだからかもしれませんが家臣が暇乞いした際には快く送り出し、他家で思うようにいかなくて戻ってきた際にはこれまた快く迎え入れて元の役職に就かせていたといいます。こうしたことから現代で言えば「風見鶏」と呼ばれた中曽根康弘元首相同様に、実力のある主君を見極め転身を図るのも一つの必要な才能と割り切っていた節があります。

 ただそのように仕官というか就職に関してはドライな感覚であったものの、数寄というか風流が全く分からない人物でもなかったようです。そう窺わせるエピソードがいくつかあるのですが一つは関ヶ原の合戦直後の石田三成との話で、捕縛された三成に「此度の戦、ご苦労でござった。ところで我が隊はどのように見えた」と尋ね、「鉄砲隊が良くないように見えた。指揮官を変えるべきでは」との答えに「まさにそのように思っていたところです。ご助言、ありがとうございます」と交わしたと伝えられております。
 また宇和島藩主だった時期に隣国の今治藩を修める加藤嘉明とは境界争いで不仲であったものの、蒲生騒動で会津藩を治めていた蒲生家が取り潰された際に後釜を誰にするか徳川秀忠に問われ、「要衝である会津を治めるに当たっては加藤嘉明が適任」と答え、遺恨なく実力の足る人物として推挙しております。

 このような藤堂高虎に対して何故自分がやたらと親近感を覚えるのかというと、良くも悪くもマイペースな人だからだと思います。周囲から「不忠者」と罵られながらもそれが処世術とばかりに次々と主君を変え、それでいて奉公人でいる間はこれと決めた主君のために手抜きせず存分に力を発揮する姿勢がビジネスライクで強い好感を覚えます。
 昔というほどでもありませんが二年前に同僚から、「花園さんが最初に勤めた会社は花園さんを持て余したのでしょうね」とやけに突然言われたことがありましたが、はっきり言って同じことを自分も考えて退社しました。忠誠といえば聞こえはいいですが、自身の才能を使い切れない会社というか環境に留まるのは自分以外にとっても損だと思え、たとえ後ろ指を指されてもより自身の成長を期待できる環境へ身を置こうと決断し、私は中国へ行きました。そうして実行した決断に価値があったのかどうかはこれからの自分にかかっているわけではありますが。

 それにしても「七度主君を変えねば武士とは言えぬ」という藤堂高虎のセリフ。自分はもう三回変わっているからあと四回しないと武士にはなれないのかなとか不遜なことを思っちゃったりします。

  おまけ
 藤堂高虎が起ち上げた津藩ですが、幕末の戊辰戦争の頃は幕府軍として出陣したにもかかわらず真っ先に官軍へ裏切っており、藩祖が藩祖だけに「さすが藩祖の薫陶著しいことじゃ」と罵られたそうです。

2013年2月14日木曜日

短期集中的な報道をする日本のニュース番組

 先週に日本に帰国後、出会う人みんなに十中八九聞かれたのは「中国の大気汚染はどう?」という質問でした。あまりにも質問が多いもんだから前にも記事化しましたが、一体何故これほどまでに日本人が中国の大気汚染を気にするのかというとその原因は間違いなく日本のテレビ局による報道によるものでしょう。
 私の帰国直後も中国の大気汚染はどこも朝、昼、夕方、夜のどの時間帯でもトップニュース扱いで報じており、あんな報じ方されれば中国に関心のない人ですら嫌が応にも気にするようになるでしょう。ところがそれほどまでに報道が集中していた頃から一週間も経たない今日の報道は、中国の大気汚染はほとんど報じられずにグァムで起きた無差別殺傷事件で一色といっていいほどに報道が集中しました。

 独立するとは言ってもまだ会社の設立登記が済んでないこともあって(来週完了予定)ニートと変わらない生活を送っておりニュース番組ばかり見ていますが、NHKはまだ違いますが、民放のニュース番組はほとんどどれも同じ時間帯に放送されるにもかかわらず報じる内容、報じ方、果てにはフリップに書かれている内容までほとんど瓜二つであるような印象を受けます。特に今回のグァム島の無差別殺傷事件に関する報道では、生放送のある番組で現地日本人向けメディアの記者がインタビューに応じており、一通り話し終えたので別のチャンネルに回すとさっきまで別番組に出ていた同じ記者がまた同じようなインタビューに応じるという一幕もありました。もちろん、話す内容は一緒です。

 どのチャンネルを回しても同じような語り口、同じ内容のニュース番組が報じられており、はっきり言ってしまってなんか自分、洗脳されいるんじゃないかなという印象を日本のニュース番組に持ちます。確かに一番注目度の高いホットな話題を大きく取り扱うのはメディアとして当たり前の姿勢ではありますが、日本の民放におけるニュース番組関してはその集中度合いがあまりにも高すぎる気がしてなりません。
 たとえばNHKなどはトップニュースに長く時間を割くとしてもせいぜい開始10分程度で、残りの時間はその他のニュースを淡々と報じます。一方、民放のニュースでは放送局にもよりますが長いところだと30分以上も長々と報じ、その他のニュースに関しては非常に短くさらりと流してしまいます。さっきも言いましたがこれでは視聴者を洗脳したいのかといいたくなるような報道で、延々と同じ話題を取り上げ続け、コメンテーターも同じようなことを言い続け、さらにはほかの番組でも同じような内容が続くときたらその報じられている内容通りにしか物事が考えられなくなるのではという懸念すら持ちます。

 またトップで報じる内容にも少し疑問を覚えます。先週まではほかに注目するニュースがなかったためかほぼ毎日中国の大気汚染について長々報じていましたが、今週に入って北朝鮮が核実験をしたと発表するや大気汚染は忘れて核実験一色、そのすぐ次の日にオリンピックでレスリングが除外されそうだとなるや核実験の報道時間は一気に急減し、グァム島の無差別殺傷事件が起こるやレスリングもほとんど扱われなくなりました。なにも無差別殺傷事件より核実験を大きく取り扱えと言うつもりは毛頭ありませんが、内容が大きなものであるだけに放送時間の配分などはもう少し考慮する余地があるのではと強く疑問に感じます。そしてレスリング問題、無差別殺傷事件が起きなければ、今も核実験について延々と報じていたのかもと考えるといろいろ複雑な気分にさせられます。

 私は常々、何事も過小にも過大にも評価してはならないと自分に言い聞かせております。たとえばあるニュースの話題性が百分率で言って50程度だったとすると、70とか80のような価値があるように報じてはならないと、くだらないニュースを実態以上に大きく報じてはならないと考えております。そういう目で見て今の民放ニュース番組は、やはり一つのニュースに対して過剰に大きく報じ過ぎているように見えます。
 もちろん、それならば民放のテレビニュースを見なければいいのではないのかという意見もあるでしょう。実際に自分もこれからNHKだけ見てればいいかなと考えてますが、それでも民放にはもっと工夫してもらいたいという一心があり、今回こうして記事にしたためました。

2013年2月13日水曜日

中国の新型エイズ報道について

 コメント欄で質問をいただいたので、かなり昔に出た中国の新型エイズ報道について私の見方と意見+中国のエイズ事情について簡単に解説します。

唾液で感染する新エイズが中国全土で蔓延中です!(ひめのブログ)

 引用した記事自体は3年前の2010年の物ですが、逆を言えばその後3年間に全く続報がないとも言えますね。
 書かれている内容は中国では通常のエイズとは異なる新型エイズが発生しており、唾液からも感染することから各地で患者が増加していると報じるものです。でもって中国政府はこれら新型エイズの存在を隠蔽し、患者たちは「エイズ恐怖症患者」と呼んで実際にはエイズに感染していないのに自分がエイズと信じ込んで精神的に参っているだけだと説明していると書かれています。

 さすがに自分は医者ではないので断言することはできませんが、まぁこれはデマもいいところでしょう。そう思う根拠としてこのブログの筆者が情報ソースの一つに、大紀元というニュースサイトを引用している点があります。

「未知のウィルス」=エイズに似た怪病、中国で急速に拡散か(大紀元)

 この大紀元というニュースサイトは中国政府に弾圧されている宗教団体、法輪功が運営しているニュースサイトで、中国に関するネガティブな情報を東スポばりになんでもかんでも報じるところです。直近だと去年の秋頃、酒鬼酒というメーカーの白酒に可塑剤が混入していた事件が発覚した際、「中国で売られているリプトンの紅茶にも可塑剤が混入されている!」と大々的に報じてました。大紀元だから信用するなよと上司から言われていたので記事化せずに一応眺めていましたが、リプトン側は「ほかの国と全く同じ成分で作っていてどうして中国だけ可塑剤入っているんだ!」と反論し、中国の国家質検管理当局も「問題の成分は混入していない」と発表したことにより、しりすぼみに消えていきました。

 はっきり言って大紀元をニュース元とすることは東スポをニュース元にするのと同義で(東スポ自体は私は好きだが)、しかも内容はただ過激なものでかつエイズでよく誤解されがちな、「唾液で感染する」という話であるだけに、真実であるとは私には思えません。なおエイズは血液などからは非常に感染しやすいですが、唾液から感染するためにはバケツ数杯分を一気に飲みきる必要があります。
 こうしたニュース元の怪しさに加え、中国の報道を見ていてこの新型エイズに関する報道は少なくとも私はほとんど見受けません。仮に中国本土だけならともかく、こういうネタに飛びつきそうな香港メディアもほとんど取り扱っていないようですし、まぁ引っかかるネタではありませんね。

 そんな具合でこの新型エイズ自体はデマだと私は主張しますが、中国のエイズ事情、特に記事中にある「エイズ恐怖症」に関しては実際にあるとよく報じられています。このエイズ恐怖症はあくまで「自分がエイズ感染者だと思いこむ」ことによって身体的変調が起こる症状ですが、中国ではエイズ感染者が増加しており、市民が持つ恐怖感は日本と比べても高いような気はします。去年にもタクシー車内にエイズ患者の物と思われる注射器が転がっていて気づかずに座席に座ったら注射器が太ももに刺さり、感染したのではないかと感じたその男性が思い悩んだという事件が起きています。検査したら陰性だったようですが。
 中国政府もエイズの感染拡大には様々な防止策を打ち出しておりますが、歯止めをかけるには至っておりません。国立艦船研究所によると日本はやや横ばいの状態のようですが、目的は一致しているのだしこういう方面で両国が協力しあってければいいなと個人的に思います。

2013年2月12日火曜日

アベノミクスの円安メリット、デメリット

 本日北朝鮮が核実験をやったと発表し、国際政治を専門にしている当ブログの方向性からは取り上げるべきなんでしょうが、報道ベース以上の内容は語れないし、日本のメディアが今日はこの件ばかり報じているのが少し煩わしさを感じるので、延び延びになっていたアベノミクスについて今日は書いてきます。日本帰ってきてから気になるけど、どうしてどの放送局のニュースも同じような切り口ばかりなんだろう。

 話は本題に入りますが、もはや海外でも「アベノミクス」と報じられるほどに日本の円安が昨年末から一気に進みました。これほどまでに円安が進んだ理由はいうまでもなく安倍首相が前回衆議院選挙前から主張してた、インフレ目標を2%に定めるという強い方向性が最大の要因でしょう。そしてこの方針に当初反対の姿勢を示していた白川日銀総裁も退任が決まっており、後任にはより安倍首相の考えに近い人が就くでしょうから、円安が1ドル=100円を大きく上回ることはないでしょうが円高に再び戻ることはしばらくはないと見てもいいでしょう。
 その上でちょっと下世話な予想をすると、今夏に予定されている次回参院選で自民党が大勝すれば株価は現状よりさらに跳ね上がる可能性があると勝手に見ています。今のままならまず間違いなく大勝するでしょうが、まだ失言など波乱もあるかもしれず、4月くらいまでは様子を見る必要があるのでしょうが、4月まで波風なく政権運営をし続けていれば株は買い時かなと友人と話してます。

 さっきから話が脱線しまくっていますが既に1ドル=90円を超えており、円高によって青息吐息だったメーカーをはじめとした輸出産業は復活の兆しを見せております。この円高、私はアメリカが先に「いい加減にしろ(#゚Д゚) プンスコ!」と言ってくるかと思いましたが、意外というのもなんですがドイツのメルケル首相の方が先に「日本の為替操作だ(#゚Д゚)ゴルァ!!」と怒ってきました。このドイツの主張に対して麻生財務相は昔には1ドル=120円だったこともあり、今以上に円高は進んでいたので為替操作に当たらないと言い返しましたが麻生財務相にしてはといってはなんですが、うまい切り返しだったように思えます。本音としては「あれだけ日本円高でボーナスタイムあげたのに、それしかシェア取れなかったの?( ̄ー ̄)フッ」とまで言ってもよかった気がしますが。
 ただこの時のやり取りを見て少し感じた事なのですが、思っている以上にドイツが焦っているようです。ドイツ、日本と同じく輸出がメインの韓国も円安に加えてウォン高が始まり苦しんでいると聞きますが、逆の見方をすればこれらの競争相手から恐れられるほど昨今の円安は強烈なパンチになっていると言えるでしょう。

 ただこの円安、メディアでは万事が万事福を運ぶものとして経済的に歓迎する報道が多いですが、私は必ずしもメリット一辺倒のものではなく大きなデメリットも含んでいると考えております。もったいぶらずにそのデメリットを指摘すると、輸入費用の増大です。
 円安は基本的に輸出企業にとってはメリットしかありませんが、輸入企業にとっては100万円で輸入できたものが120万円になるなど、マイナス要因でしかありません。日本は確かに輸出企業が多いことは多いのですが、その一方で食料とエネルギーの大半は輸入に頼っており、市場規模も決して小さくありません。特にエネルギーに関しては原子力発電所が止まっている関係で火力エネルギーの輸入量が増大しており、昨年末に戦後かつてないほどに貿易赤字が拡大した原因ともなっております。

 敢えてクエスチョン形式に書きますが、どうしてこうした円安のデメリットについての報道は少ないのでしょうか。答えは非常に簡単で、重工業をはじめとした輸出企業が日本ではやけに発言力が強く、食品など輸入企業の声は非常に小さいからです。まだ東電などは声がでかい方ですがそれでも円安は絶対的な善とまで報じられるのはこうした日本の産業構造というか、財界での発言力の差が大きいと私は見ています。
 皮肉な話ですが、東日本大震災以降に日本は円高に振れて大きく助かったという面も少なくありません。先にも書いた通りに震災以降は減少した原子力発電量を火力発電で補ったために重油などの輸入量が増えましたが、円高によってその費用は少なからずペイできておりました。それが今回円安になって、関電なんかは役員給与などもうちょっと絞れるでしょうが、やっぱり電力会社はこの先厳しさを増すでしょう。

 では日本は円高のままがよかったのか。この問いに対する私の答えはNOで、円安に誘導するアベノミクスを支持します。その理由というのもあまり深く考えた物ではありませんが、あのまま円高が続けば日本の産業全体が打撃を受けたままで、即死とはいきませんがジリ貧になるのは見えていたからです。それならば輸入企業には多大な負担をかけ貿易赤字も一気に広がる可能性を孕んでいるものの、輸出企業の活性化を促して外貨を稼ぎ、その上でエネルギー対策をするという博打に出る方がまだ活路があるような気がします。
 ただ円安に誘導するこのやり方、決して簡単な道程ではないでしょう。それこそ1ドル=120円くらいまで一気に飛んだら冗談抜きでエネルギー資源の輸入に支障をきたすでしょうし、外国からも猛烈な批判を受けダンピング措置を取ってこられる懸念もあります。そういう意味では現在政府が出している1ドル=95円前後という指標は私からしても適切な数値に思え、これ以上に円安にぶれるようであれば政府も本腰で抑えにかかってくるのではないかというのが私の意見です。

2013年2月11日月曜日

続、中国艦船のレーダー照射事件について

 以前にも取り挙げた、中国の艦船が火器管制レーダーを日本の艦船に照射した問題について、続報が出てきたので軽く自分の意見も書いていきます。

中国艦船のレーダー照射を「面子」から考える (1)

 上記のページは国際政治学者の六辻彰二氏のブログの記事ですが、言いたいことは基本的に私も同じです。六辻氏は上記のページにて今回のレーダー照射問題の背景には下記二つのシナリオがあると指摘しております。そのまま抜粋すると、


1、国際常識に乏しく、なおかつ反日的な末端の兵員が、勝手にレーダーを照射した。それを公にすれば、人民解放軍の管理能力に対する評価を著しく損なうため、「事実でない」と強弁している。

2、日本に対してプレッシャーをかけるため、実は政府レベルから、明示的であれ暗示的であれ、フリゲート艦にレーダー照射の指示があった。それもやはり公にできないので、知らなかったふりをして、「事実でない」と強弁している。


 現状出ている情報を見ている限りこの二つのシナリオのうちどちらかでほぼ間違いないでしょう。その上で私の意見を述べると、やはりシナリオ1、つまり政府の指示がないままに現場の人民解放軍が勝手に照射してしまったという可能性が高いとみております。今日ニュースを見ていたら自分が尊敬する富阪聰氏も同じこと言ってたし。
 こう考える理由は一つ、事件発覚直後の中国政府報道官の反応です。記者団にこの件を触れられた報道官は当初、「この件に関して把握しておらず現在回答できない」と、ビデオ映像で私もこのように述べているのを確認しました。正直に申してこのような回答は異例中の異例で、事件発生に中国側も明らかに戸惑っているように私には見えました。では何故戸惑ったのか、やはりレーダー照射が行われていたことを政府は把握しておらず、対応を当時検討していたからだと思えます。

 ここで少し話は変わって、中国政府と共産党の関係を少し解説します。中国の政治は共産党一党独裁なため基本的に共産党=中国政府と考えていいのですが、役職とかそういうものは国と党とで微妙に異なっております。たとえば「総書記」という役職は共産党の最上級役職であって、中国政府の役職ではありません。一方、「首相」というのは中国政府の役職で共産党の役職ではないのですが、共産党のナンバー3とか4が就く役職なので、共産党内の「総書記」の命令には従うという仕組みになっております。
 そうした事情を踏まえて述べると、「人民解放軍」というのはあくまで共産党の軍であって中国という国家の軍ではないのです。最近は制度上でも国家の軍になりつつはありますが、共産党の言うことを聞く理由はあっても中国外務省など国家の機関の命令に従うという制度規則はあるのかないのかあいまいな状態です。それゆえ上記のシナリオ1のようにレーダーを照射したかどうかで、中国外務省は確認に戸惑ったのもさもありなんという話になるわけです。

 それだけに今回の事態、政府の意向を関係なしに人民解放軍が勝手に行ったとなるとなかなか怖い話だと思います。仮に六辻氏の言う通りに現場の指揮官が国際感覚に疎くてちょっと脅かしてやろうっていうつもりで照射したならともかく、確信犯で紛争になってもいいやとばかりに、政府のコントロールなしにそう判断して実行したとなると、何かひょんなことで実戦に移る可能性も否定できません。可能性は低いとはいえ。
 実際にこの問題、人民解放軍にとっては前々から非常に都合のいい問題だと考えています。軍隊というのは平和になれば予算は削減される傾向にありますが、危機感が高まれば高まるほど強く予算増額を要求できます。連中にとって、尖閣問題が大きくなればなるほど都合がいいのです。もっともそれを言ったら日本の自衛隊にも当てはまる節がありますが。

 私が何を言いたいのかというと、中国政府のコントロールがあまり効いてないようであれば人民解放軍はより危機感をあおるような過激な行動を取りかねないことです。もし中国政府が事態を発展させたくないと考えているのであれば、この点に関して日中両政府でしっかり押さえていくことが肝要になるというのが私の結論です。

2013年2月10日日曜日

日本人の視線

 自分のパソコンは中国関連の単語をタイプすることが多いので「しせん」と入力すると「四川」と変換されて「視線」にならないことが多いです。それとはあまり関係はないですが、日本帰国から五日経ち日本人の視線について思うことがあるので今日はこのテーマで一本書いていきます。

 日本に帰ってから当初は自転車で自宅周辺を回る日々でしたが、昨日は用事があって東京の方へ電車に乗って遠出しました。その電車乗車中、駅に停車して乗客が乗り込むあの瞬間に何故だかよく乗り込む客が自分に視線を向けてくるのでこちらも視線を向けたところ、パッと逆方向に視線を向きかえられるということが異常に多かった気がします。もっとも前から日本にいる人からしたら当たり前の光景かもしれませんが、つい一週間前まで上海で過ごしていた自分からしたら違和感があり、なんでそんな視線の向け方するのかなと少し不思議に感じました。

 あくまで私の実感ですが、中国でも道歩いていて向かいから歩いてくる中国人がこっちに視線を向けてくることは多いにあります。でもってその視線にこちらが反応して相手に向けると一瞬目が合い、「ん、なに?」って具合で見据えるとまた自分の進行方向、または周囲へ自然と視線を戻すというパターンが大半です。これに対し日本人(自分もだが)はやたらめったら周囲の人間に視線を送る、それも相手にばれないようにそれこそ忍者みたいに視線を張り巡らそうとする人が多いような気がします。といっても視線なんて後ろからならともかく正面180度以内から向けられでもしたらいくら忍んでいたってすぐわかりますし、私が反応して逆視線を向けるといかにも「マズっΣ(゚Д゚;)」っていうくらいに真逆の方向に視線そらすから、こういってはなんですがバレバレです。

 私がクエスチョンを持つのは、全員が全員ではありませんがどうして日本人はやたらめったら周囲に視線を向けるのか、でもって逆に視線を向けると何故そんなに慌てるのかの二点です。私個人の考えとしては普通に歩いてりゃ進行方向などに注意向ける必要があるのだし他人と目が合うことはおかしなことではないのだから忍んだりせず堂々と見りゃいいのに、はっきり言えば何故それほど怖がるようなそぶりを見せるのかがわかりません。ただこういうのは思い起こすと関西では中国と同じく全くこういうことはなく、関東限定の現象なのかもしれません。
 ちょっと紙幅が余っているので帰国後の近況を書くと、環境の変化に伴って躁鬱状態になるだろうと予想してそれなりに対策を立てておりましたが、案の定というか昨日までハイテンションな状態が続いておりました。今日昼寝したあたりから前ほどの高揚感はなくなったので鬱期に突入したかと思いますが、鬱といってもなんとなくだるいなぁって思う日が続く程度なので、そこそこ対策が奏功したかと考えています。後ほんとどうでもいい話ですが先程スーツを買いに洋品店行ってウエスト測ったところ、長い中国生活で細くなってたせいか「このサイズに合うのはうちでは一着です」と言われてしまいました。そりゃまぁ、選びやすいんだけどさ。

2013年2月8日金曜日

レールアウト、トライアウト~後編

 前回に引き続き今回も自分語りですが、前回では自分が中国に渡ったところまで話しました。少し解説し忘れた点があるのですが、中国での私の雇用形態は現地採用方式で、雇用に関する基準も日本の法令にではなく中国の法令に沿ったものでありました。これが何を意味するかと言うと、一番大きな影響は賃金にあり、時間給では確実に日本の最低賃金をブッちぎっててリアルに年収は為替変動もありますが、日本円で150万円を切っておりました。ただこの賃金の低さ自体は契約前に提示されており私も納得してサインしているので文句を言うのは筋違いですし、むしろ未経験者が入り辛い編集業務に入れてもらったことに強い恩を感じております。まぁこれで給与も高かったらもっと良いに決まってますが……。

 何はともあれそうして編集職での生活が始まったのは2011年3月からで、最初は中国語の翻訳すらおぼつかなかったものの何とか仕事も少しずつできるようになり、また2011年10月から12月には香港へ長期出張に出かけるなど、2011年の一年間は今以てしても中身の濃い一年だったと記憶します。本格的に中国、上海での仕事生活が始まったのは香港から帰ってきた翌2012年1月からですが、この頃からは取材などにも頻繁に出かけるようになりそれなりに充実していたかと思います。
 知ってる人には早いですが私はもともと記者職に就きたいと考えていたものの、この業種への就職では不利となる関西圏の大学に進学した上に見事に新卒で入れなかったことからもうかかわることはないと思っていただけに、中国に来てこのような職に就くとは非常に運命はわからないものだと強く感じました。先にも書いてある通りにこの業界は異業種からの転職が難しく経験者が優遇される業界だけに、恐らく日本国内に留まっていれば全くチャンスはなく、最低限翻訳することのできる中国語能力が求められた現地採用だからこそうまくもぐりこめたと思うし、実際に会社の上司らもそう言っていました。

 ただそうして憧れの職業に就いたものの、迷いと言うかこのままでいいのかという気持ちは常に抱いておりました。というのもこれは新卒の就職活動時にも考えていたことですが、仮に新聞社なりで編集職に就いたらほかの大多数の人間が就く仕事、たとえば営業なり経理なり事務なりといった仕事が一切体験できない、分からないままで一生が終わるのでは、それはそれでなんかおいしいところを逃してしまっているのではという懸念がありました。まどろっこしい言い方せずにストレートに書くと、記事しか書けない人間で終わってしまうのはもったいない、記事も書ける、営業もできる、経理もできる、経営もできるような人間の方が圧倒的に強くて楽しそうじゃないかと考えてました。幸いと言うか自分の場合はまだ日本で就職した会社で貿易事務をやり、簡単な営業とかも経験してはおりますが、それでも仕事内容は新人の範囲に留まっており個人的にはまだ納得できる量ではありませんでした。

 そんなわけの分からない思想を持った自分が出した結論というのも、もったいぶって言うほどのものではありませんが三度目の退職でした。素知らぬ振りしてブログも更新し続けておりましたが、実は三日前に日本に帰国し、現在自分の会社の設立手続きを進めております。編集職に未練がなかったわけではありませんが、もっと自分の力量を試してみたい、伸ばしてみたいという気持ちと共に、中国への転職前にNHKの取材を受けた際、「やる気のある若者を日本はどんどん海外に送り出すべきだ。そして将来、そういう人たちに日本に帰ってきてもらって国内の成長を担ってほしいです」と、NHKの記者に言われた言葉を自分自身で実行すべきだという、また妙な結論に至ったわけです。前から単純に、今日本に何をするのが一番ためになるのかと言えば少しでも雇用を作るべきだと思っていたし。

 そういうわけでプロフィール欄もちょっと変更し、また心機一転でこのブログを運営して行こうと思います。最後になりますが現時点でもう自分は、日本において一般的な社会地位向上のレールから大きく逸脱したと考えています。多分この後は落ちる一方でしょうが、少なくともそれはすべて自分の責任に由来するもので納得することはあっても後悔することはないと思います。
 それにしても、我ながら思い切った性格してるなぁとため息出てきます。

2013年2月7日木曜日

レールアウト、トライアウト~前編

 学生時代に何気なく友人に言われた一言の中で印象に残っているものとして、「花園君って、これまでパーフェクトな人生を送ってきたんでしょ」というものがあります。この発言をした友人は自分の出身大学に入学するまで二浪していたというのが大きな要因でしょうが、中高一貫の私立校に入学してストレートで四大に入った自分は確かに一見すれば日本で典型的な学歴獲得ルートで、そのように見えたのかもしれません。
 ただ私個人としてはこう言われてやや心外だったという気分を当時に持ちました。というのも私立中学への進学は自分が望んだものでなく、なおかつ当時の同級生にこのところ「そこまで嫌だったの?」と言われるくらいに中学、高校時代は楽しいものではなく、なんていうか非常に制限が多くて煩わしいの一言に尽きる時代だったからです。もっとも、別の学校に行っていたら違っていたのかといわれればそうではなく、多分大きな違いはなかったでしょうが。

 ただ大学への進学は浪人を経験することなくストレートで、満18歳での入学は今じゃ決して珍しいものではありませんがスタート的には恵まれた状態だったと言えますし、横並び的な年齢価値観で言えば一応最前列ではありました。そんな自分が初めて最前列から降りたというべきか、年齢の基準を一段落としたのは大学三回生の頃で、通っていた大学を休学して一年間中国に留学に行ってきました。休学した関係から帰国後は学年が一つ落ちてかつて同学年だった友人らは就職内定を得て卒業を待つ身となっておりました。
 もっとも、学年が一年落ちたといってもブラブラ遊んでいたわけでなく留学だったので、見方によればプラスな経験ともとることができます。その後も無事に就職内定を得て大学卒業後はきちんと正社員の身分で社会人生活もスタートでき、細かい内実はどうあれ終身雇用的な価値観では経歴的に全く傷のない状態がこの時も続きました。

 そんな自分にとって初めて、ドロップアウトとまでは行かないまでもレールアウト、脱線的な事件が起きたのは三年前の2010年で、新卒で入社した会社を退社して中国にある会社への転職を図りました。今現在を以ってしても最初に自分を拾ってくれた会社には強い恩義を感じておりますし退社したことに後ろめたさを感じておりますが、はっきり言ってしまえばどうしても譲ることのできない事件が起こり、自分の意に反して引かざるを得ない立場に追い込まれたことが退社の理由です。
 こういうとなにか大きな事件に巻き込まれたように見えますが、事件自体は非常にごく些細なものです。ただ当時もそうですし今現在も同じ考えですが、あれだけごく些細な問題にもかかわらず、周囲も自分に全く責任がないと認知しつつも自分に謝罪するよう要求したことを受け、「このままこの会社にいたら、問題の大小にかかわらずなんでもかんでも責任をおっ被せられるかもしれない」という懸念を抱きました。この辺は「~に過ぎない」か「~にもかかわらず」のどっちかを取る議論となりますが、自分は後者を選びました。

 今時入社数年で転職すること自体はそれほど珍しくありませんが、それでも終身雇用的な価値観が強い今の日本で転職、それも国内ではなく海外に求めたというのは経歴上、明確な脱線に当たると思います。私個人としてもこれが一つのルビコンに当たると当時認識しており、一般的なレールの上から外れて別のレールに乗り移るか、レールのない荒野を走るかのどちらかになるだろうと自覚しながら中国にやってきました。
 もっとも最初の転職は見事に失敗というか、グラスワインを5杯くらい連続で一気飲みすることを強要したり、自分の入社前の問題(仕入れ発注ミス)を自分におっ被せるような前近代的な会社に入ってしまっていろいろ苦労し、乾坤一擲のつもりで中国に渡ったものの運がなかったとこの時はつくづく思いました。ただ自分の運は尽きていなかったというべきか、中国に渡って4ヶ月目で別の会社に再転職し、曲がりなりにも経済紙の編集職を得ることができました。もはやこの時点で三回目の新入社員体験をする羽目となり、変わった星の下で生まれたのだろうと自覚し始めておりましたが、この時点できっとまだ波乱はあると内心考えておりました。続きは次回で。

2013年2月6日水曜日

中国の大気汚染について

 先日に日本にいる友人とスカイプで会話をした際、「そっちの大気汚染ってどんな状況なの?」と真っ先に聞かれました。何でまた急にそんなこととか気になるのかなと当時は思いましたが、どうもネットニュースとかを見ている限りだと中国の大気汚染について華々しく報じられているようで、その友人以外の人間に誰に聞いても同じような質問がされるので、今日はこの辺で私の知っている話を軽く紹介しようと思います。

 まず中国の大気汚染の状況ですが、現地の報道でも年々悪化していると報じられております。悪化している原因というのは複数ありますが、一番大きなものは経済成長に伴う生産増加によって工場などの煤煙排出量が増えていることで、その次としてモータリゼーションに伴う自動車の排気ガスが来るといったところです。汚染の程度は地域によって差があるのですが、もとより交通渋滞が激しく乾燥した土地の北京市が最悪とも伝えられており、先月には北京市郊外にある鉄工所などに臨時で休業するよう当局が命令を出すなど矢継ぎ早に対策を出しております。少し経済情報的なものを流すと、こうした臨時休業命令は今後拡大する恐れがあり、北京市に工場を持っている日系企業も対象となってくる可能性があります。また市街地に近い場所にある工場に補助金を出して移転させるという政策も既に実施されており、設備移転や拡張を考えている日系企業にとっては考慮していく材料にはなるでしょう。
 北京以外の都市でも内陸部を中心に大気汚染がひどく、たとえば先週に私が行った合肥市などは滞在中、ついぞ一度たりとも青空を見ることができませんでした。この辺などは中国にいったことがない人にはあまり感じづらいかもしれませんが、日本に帰国するたびに青空がきれいだと心底感じるほどに中国では空が澄み渡ることはほとんどありません。夏場などはまだマシですが、冬場はほぼ毎日に渡って曇った日が続きます。あと上海市に関しては、工場の郊外移転や排出基準などがある程度厳しく設定されているのと、しないに黄浦江という川が流れ海に近いことからまだほかの都市よりはマシだと思え、青空も見ることができます。

 話は変わりますがこれら大気汚染の程度を測る基準として、日本でも報じられておりますが「PM2.5」という物質の飛散量が中国では採用されております。このPM2.5という物質ですが自分も具体的にはどんなものかまでは専門でないので分かりませんが、非常に細かい微粒子のためマスクをしても貫通して喉に入るという物質らしく、厄介そうなものだとはつくづく思います。
 このPM2.5、報じられるようになったのは去年の春頃でそのときにも大気汚染がニュースの大きなテーマとなっていたのですが、確か5月くらいにアメリカ大使館が、「俺たちも自前で測ってみたけど、中国政府の発表以上に飛散量が多い」と発表したことがありました。これに中国政府が「勝手に計測するな(#゚Д゚) プンスコ!」とマジになって怒り、アメリカ大使館側も「だが断る(゚ω゚)」と言い返した後はなんか急に尻すぼみになって報じられる回数が急減したのですが、何故か今年になってまた急に報道回数が増え始め、この辺に何か意図があるのではないかと思います。

 ちょっと回りくどい言い方になりましたが、中国の大気汚染は何も今に始まったことではなく以前からです。確かに程度は徐々にひどくなっている実感はありますが、今突然急に悪化したのではなく、今突然急に報じられるようになったというのが真実だと思います。一体何故急に報じられるようになったのか、推論で申せばこれから中国政府こと習近平政権は環境問題とその対策を大きな政策テーマに持っていこうとしているのではないかと思います。
 専門家には話が早いですが江沢民政権は「科学的発展」というスローガンの下に経済成長を、胡錦濤政権は「和階社会」というスローガンの下に格差改善を最大の政策テーマに掲げました。日本だとあまりなじみがありませんが中国ではこうしたスローガンが大きく意味を持つというかいろいろあるのですが、これまでの軌跡とかを見ていると習近平政権は「緑色社会」など環境改善をテーマに持ってくるのではないかと前々から感じております。そのためお膳立てとばかりに、今の中国は環境が大きく悪化していると報じて危機感をあおり、それを改善させることで支持向上につなげようとしているのではないか、というような考え方もできるというわけです。あくまで推論ですが。

 最後に中国の大気汚染が日本に与える影響ですが、言うまでもなく偏西風は西から東へ流れるので日本の空気も巻き添え食って悪くなるのは自明で、勝手な見立てだと黄砂も一緒に飛んでくる4月あたりが花粉とのダブルパンチになって最悪な状況になるんじゃないかと思ってます。この辺に関しては日本も中国に対して対策実施を強く主張するべき位置にあるのでもっと強気に攻め、それこそ日系企業の環境対策グッズを率先して買うように話を持っていくべきでしょうし、政府だけでなく一般市民に対して、「日本製を使えばよくなる」という事実をしっかり伝えていくことが肝要です。

 なおこれは恐らく蛇足になるでしょうが、日本のテレビ番組で本日テリー伊藤氏が、「中国人は日系企業が中国で製品を作るために煤煙を出しており、日本人が大気を汚染させていると主張している」という発言を行いましたが、少なくとも私が見ている限り、中国の主要メディアでこのような主張をしている媒体は見たことがありません。テリー伊藤氏には是非出典を明らかにしてもらいたいのですが、勝手な想像だとそれこそネット上の一意見をさも代表性があるかのように言ったのではないかと思います。
 先にも申している通りにこの問題では日本は中国に対して対策実施を強く主張できる立場にあると思います。しかし不必要に日本人の対中感情を煽ってまで問題の深刻性を主張するのは筋違いでしかなく、このような主張に対しては批判的な立場をとらせていただきます。

2013年2月5日火曜日

中国艦からの火器管制用レーダー照射について

中国艦、海自艦に火器管制用レーダー照射(読売新聞)

 もう今日は合肥の旅行記事だけで終わりにしようかと思っていましたが、大きなニュースが飛び込んできたので簡単に現地の報道などを紹介しようと思います。
 まず上記ニュースの内容を簡単に説明すると、尖閣諸島付近に出張っている中国の軍艦がミサイルなどの火器照準用レーダを日本の海上自衛隊の護衛艦に照射してきたと日本側は主張しています。さすがに根拠もなくここまで日本も主張することは考え辛く、実際に中国側は照射してきたのだと私は思います。そしてこの行為はいくら示威行為だとしても、軍事関係に疎いのでどうかはわかりませんが、やっぱり極端な行為だと思え日本側が取った抗議も正当なものだと考えています。

 それで今回のこの事件、中国ではどのように報じられているか調べてみました。新華社の記事を見る限りではレーダを照射したという上記の日本側の主張と、その行為に日本が抗議したという事実だけを簡潔に報じており、特に解説とか反応に関しては何も報じておりません。明日、どのように書いてくるかが注目でしょう。

安倍晋三の苦しい踊り(人民日報 日本語版)

 少し気になったので人民日報の日本語版も見てみたのですが、レーダー照射に関しては何も書かれていなかったものの、上記の安倍政権を批判する論説記事が載っておりました。中国メディアが安倍政権を批判するのは何も今に始まったことではないのですが、今回のこの内容はかなり過激にかつ強力に批判しており、考えすぎかもしれませんが掲載タイミングにきな臭さを覚えます。

 ちょっとこれだけでは短いので少し私見を加えると、何故このタイミングなのかというものを感じます。というのも先日、公明党の山口代表が習近平総書記と対談するなど去年9月に冷え込んだ日中関係は回復の兆しを見せており、日系自動車メーカーの販売台数などもまた盛り返してきております。政治的、経済的にも雪解けが起こり始める中でどうしてすべてを無碍にするような今回の行動を取るのか、勝手な推論を書けばこの行動は習近平総書記をはじめとする共産党幹部が承認しての行動なのか、人民解放軍が独自に行っての行動なのか、ここが気になります。また中国は今週末から旧正月こと春節が始まり経済はおろか政府機能がほぼ停止します。そうしたことも考慮されて今回のような行動を取ったのか、考えればきりがありません。
 どちらにしろ、相手がどのような反応をするのかを見極める必要があり、余裕があればまたこの件で続報を書いていきます。

  おまけ
 今回の記事を書くに当たって新華社のサイトを見ていたら、「日本の”変態的”女子相撲文化」という記事が目に留まり、思わず見入ってしまいました。その内容、相撲は女性禁制で太田房江元大阪府知事が土俵に上がれなかったことやら、相撲の歴史は日本書紀に遡るとかやけに詳細に書いており、明治や大正時代の女子相撲の写真やポスター、この前青森で開かれた女子相撲の世界大会の写真など驚くくらいに充実しており度肝を抜かされました。それにしても「変態的」と書かれても強く言い返せないなと素直に感じます。

合肥旅行~包拯と李鴻章

 昨日に引き続き合肥の旅行記です。昨日は動物の写真ばっか載せて「合肥関係ないやん」と自分でも突っ込みたくなる内容でしたが、今回は合肥出身の有名人二人こと、包拯と李鴻章を中心に書いていきます。


包拯(Wikipedia)

 包拯(包公)というのは北宋時代に活躍した官僚で、日本ではあまりなじみがありませんが裁きが厳正だったことから悪人からは恐れられ、善人からは親しまれるという絵にかいたような名役人で、死後は講談などにも取り上げられてますます人気となっていった人物です。この人物、日本風に言うならば「大岡越前」に当たる人物で、講談などではよく裁判シーンが取り上げられて名裁きを下す人物として描かれております。
 先にも書いたようにこの人は合肥出身で、市内には彼を祭った祠、そして併設する彼のお墓があります。友人の上海人は包拯のことはもちろん知っておりましたが、彼が合肥出身だとは知らず墓を訪れた際は非常に驚いておりました。なおこのお墓ですが、案内書きを見てみるとつい最近までどこにあるのかでもめていたそうです。恐らく合肥にあるのだろうとは考えられていたものの確証がなく、20世紀に入って発掘調査が行われ、彼の遺骨を納めた石室が見つかったことからはっきりしたそうです。この石室ですが小さなトンネルとなっており入ることも出来るのですが、さすがに罰当たりだと思って写真は撮りませんでした。


 何故か包拯の祠の前の水がめにはコインだけでなく紙幣が投げ込まれておりました。ここはコインだけにすませばいいのに。


 上の写真の胸像は包拯と同じく合肥出身で、日清戦争で北洋軍閥を率いて明治の日本軍と戦った李鴻章です。日本史だと清側の敗軍の将で下関条約(中国では馬関条約としている)の代表として人物名は覚えるもののあまりパッと書かれてはおりませんが、実際の中国史では自らの民兵組織を元に北洋軍閥を起ち上げて、西洋技術の導入を目指す洋務運動を推進するなど超重要人物です。私個人的にも興味のある人物で彼の住居跡が博物館になっていると聞いて今回訪れてみたのですが、何に一番驚いたかっていうと招商局を作ったのがこの李鴻章だったということです。

 招商局というのは現在は香港系コングロマリット(複合企業)で、海運から不動産、金融まで幅広くやっている企業団体です。中国本土なら招商銀行というATMが充実した金融機関が一番目につくかと思いますが、中国本土以上に香港での影響力は半端じゃありません。香港で開かれる国際見本市にはほぼ必ずここが協賛しており私もよく見ていたのですが、この招商グループを李鴻章が作っていたというのは正直言って意外でした。調べてみると官営海運会社としての位置づけで作られたようですが、設立から地味に100年を既に越しております。

 この日はその後、宿泊先のシェラトンホテルへと向かったのですが、捕まえたタクシー運転手に「シェラトンだ」と伝えると、我々が予約した本物のシェラトンではなくみんな偽物のシェラトンホテルへと行こうとするので、住所を何度も説明させられる羽目になりました。それにしても、偽ブランドなのにこうもみんな信じるのだからやっぱり効果はあるのだろうな。
 そのシェラトンですが、合肥駅の近くにあるものの道路が一部修理中のために大回りをさせられる羽目となり、また渋滞がひどくてなかなかたどり着かず6時半くらいになってようやく着くことが出来ました。そして次の日は午前中はぶらぶらし、午後一の列車で上海へと帰ったわけです。

 ざっとこんな感じで合肥旅行を終えたのですが、昨日にも書いたように交通事情は最悪といってもいいほどでした。同じ内陸部でも合肥以上に日本から遠い武漢や重慶と比べても日系企業の進出は少ないのですが、あの交通の悪さを見るにつけ、自治体のガバナンスが弱いというか外資誘致の仕方とかがうまくないのではないかと思わざるを得ません。断言してしまうと、合肥に進出するくらいなら武漢や重慶へ行った方がマシです。
 ちなみに合肥の交通ですが地下鉄はなく移動は基本タクシーかバスしかないのですが、タクシーが全然少なく待っても待っても来ません。その一方、正規に営業許可を取っておらず違法にタクシー業に従事する、通称白タクは跋扈しており、ただ路上で信号待ちしているだけでも「どこ行く?」って車を止めて聞いてくるので、友人の「無秩序な場所で秩序に従ってはいられない」という言葉の元に大いに活用しました。意外に料金もリーズナブルだったし。

 ただ一回えらいことがあったというか、自分と友人の二人を既に乗せているにもかかわらず別の歩行者にも「どこ行く?」とさらに乗っけようとする白タクがいたのですが、まさにその現場を警察官が見ていて、そのまま運転免許証を取り上げてしまいました。「免許証ないからここで降りてくれ」と言われてそのまま下りてまた別の白タクを捕まえましたが、二兎を追うものは一兎をも得ずを間近で見ることとなりました。

2013年2月4日月曜日

合肥旅行~大気汚染と野生動物園


 昨日にも書きましたが、先週末に安徽省合肥市に友人の上海人と旅行に行ってきました。なんで合肥に行こうかと思ったかというと、割と近場で三国志の「合肥の戦い」で有名だし、ちょうどいいから行ってみようということになりました。結論から言えば、そんないい旅行じゃなかったです。

 まず上の写真を見てもらえばわかる通り、というか日本でも大きく報じられてるかと思いますがめちゃくちゃ空気悪かったです。上海なんかはまだ空気はマシな方だし昨日はきれいな夕焼けも見ることが出来ましたが、合肥にいる間は青空なんて一片たりともありませんでした。また空気が悪いだけじゃなく、路上を走る車が中国の都市の中でも異常に多く排気ガスがリアルにきつかったです。これまで中国で渋滞が起こりやすく道路が悪い都市といったら真っ先に北京を思い浮かべていましたが、下手したら合肥は北京以上にひどいかもしれません。実際にタクシーに乗ってホテルに向かう際、渋滞がひどくてなかなか前に進みませんでした。

 時系列に沿って日程を説明しますが、2/1(金)に上海駅から高速鉄道に乗り込み、合肥市へと向かいました乗車時間はわずか3時間で距離を考えると非常に早い移動です。合肥に着いたのは午後5時過ぎだったのでそのまま宿泊先のインターコンチネンタルホテル、今回の旅行は近場な分、いいホテルを選んだのですが、タクシー乗り場を見ると凄い長蛇の列。結局、タクシーに乗ったのは一時間過ぎた6時半くらいで、ホテルに着いた頃には8時前となっておりました。
 ホテル自体はインターコンチネンタルなだけあって立派でしたが、部屋に入って驚いたのは浴室です。




 ちょっと見た目わかりづらいですが、なんとバスタブが浴室の外から丸見えという驚きの設計。普通、カーテンレールとかあるのにこのホテルに至ってはそんなの皆無。奥にはちゃんと仕切りが設けられたシャワー室がある分、何故浴室は丸見えなのか理解に苦しみました。結局、それで使わなかったんだけど。


 一夜明けて次の日、ホテル近くにある合肥野生動物園に行ってきました。野生というだけあってかなり近距離から動物を見ることが出来て非常に楽しめました。上の写真は鹿ですが、何故か奈良のと同じでカメラ目線の鹿が多かったです。それにしても奈良市内は野生動物園ってレベルじゃないよな。


 こちらはテナガザルですが、ピーナッツなりみかんなりを投げるとジャンピングキャッチで取ったり、遊具につかまって回転しながら受け取ったりするなど、動画を撮っておけばよかったと思うくらい動き回っており、友人がえらく興奮してました。確か30分以上はここにいたような。


 客にもらったペロキャンを人間っぽくなめてる写真です。


 テナガザルのほかにもこの動物園はやけに猿が多く、しかも客からエサをもらい慣れているというかこうして露骨に手を伸ばしたりする猿を多く見受けました。中には隣の猿がエサをもらっているのを見て、俺にもよこせとばかりに檻を揺らして音を鳴らすのもいたくらいです。




 自分が好きなレッサーパンダももちろんおり、写真のように二本足で立ってはエサをねだってました。それにしてもレッサーパンダは風太君以外も普通に立つんだな。



 本当は野生動物園の後に三国志の古戦場である「合肥新城跡」に行く予定でしたが、中心部から非常に離れた距離にあるだけでなく、一度行ったことのある同僚が「期待するな」と言っていたので、そのまま敢えて見送りました。郊外だから渋滞はないとはいえ、ほかにも回る所もあったし。そんなわけで、続きはまた次回に。

2013年2月1日金曜日

春節前の中国人大移動



 本日旅行から帰ってきたので、このブログも再開です。旅行先を先に明かしてしまうと安徽省の合肥市といって、三国志を知っている方なら魏と呉の「合肥の戦い」で有名なところです。詳しくはおいおい書いていきますが、今日は夜も遅いので中国のお正月に当たる春節前の民族大移動について紹介します。

 上の写真は2/1に上海駅で撮ったものですが、確か2/8から始まる春節を目前に控えて非常に混雑していました。この春節前の大移動、中国語で「春運」といいますが、ゲルマン民族もびっくりなくらいの大移動で中国の鉄道部にとってはこの時期をどれだけ上手く捌けるかによってその後の昇進などに影響してくると聞きます。中国は昔の日本のようにお正月は一族が集まるべきだという意識が強く、都市部に出稼ぎに出ている人間もこの時期だけは何としてでも帰ろうとするので鉄道チケットもすぐ売り切れてしまいます。

 今回自分が移動したのは上海~合肥間なのでそれほど長い距離ではなかったことからそれほど激しいものではありませんでしたが、これが上海から湖北省や四川省行きとかだったらいろんな意味で半端じゃなかったと思います。というのも鉄道のチケットは原則、指定席予約制となっておりますが「席なし」というチケットもあり、廊下とかに何時間も立ちっぱなしで乗り込んでくる客も珍しくなく、実際この時期に乗ったことないけど相当混雑するのではないかと思います。また洗練された上海人と比べて地方出身の中国人ははっきり言ってマナーが悪く、車内だろうとなんだろうと唾を吐くわ大声で話すわであまり同道したくない輩が多いです。そのためこの時期の鉄道移動は体力的にも精神的にも負担が大きいです。

 ややオチが弱いのでもう少し付け足すと、中国の経済統計を見る上で1~2月は要注意な月です。というのも春節は旧暦で決まるため年によって変動し、1月になることもあれば2月になることもあります。休暇期間は大体2週間弱ですが、この間はほぼすべての工場と企業が活動を停止するため経済は動かず、例えば自動車の販売台数なんかは春節のある月は前月比で大きく落ち込むわけなのですがこれらは季節的要因であるため景気的なものではありません。
 にもかかわらずたまに日系メディアで、「住宅販売が前月比で急落、中国バブルが崩壊」などという見出しを取っては春節のある月の経済指標を取り上げるところが見受けられます。きっと確信犯でしょうが、春節のある月はほかの月と違って特別な月であるため混同したりせず、経済指標を見る上では1~2月の前年比で測る必要があります。日本もお盆のある8月は同じような傾向があるため、こうした社会的事情を考慮した上で経済指標は考えることが大事という、当たり前といえば当たり前ですが肝に銘じなければならない点だというのが今日の私の意見です。既に日付変わってるけど。

2013年1月31日木曜日

日本で歴史を動かした女性

 このところまた帰宅がほぼ毎日10時過ぎるほど忙しい、というかいろいろ人と会っているだけなのですが、帰ってきてからブログ書くのも一苦労です。そこで今日もささっとかけるネタないかと思案していたところ、仕事中にチラ見していたNHKのヒストリアで豊臣秀吉の妻であるおねが特集されていたので、日本で歴史を動かした女性についてちょこっと書いてみようと思います。

 まず先ほど出てきたおねですが、彼女に関しては間違いなく歴史を動かした女性の一人だと言って問題ないかと思います。というのも豊臣秀吉の覇業の傍で的確なアドバイス、今日やってたヒストリアでは信長への歳暮にほかの武将は現金とか送っていたところ、派手な着物200枚を送るように進言して秀吉の株を大いにあげたと言います。そのほかでも随所に発言した内容が秀吉の行動を決めているとされ、秀吉の死後も大阪城の秀頼を巡って重要な立場にあり、その影響度は淀君とは比べ物にならないでしょう。

 このおね以外で日本の歴史を動かした女性となると、日本最古の女帝こと推古天皇をはじめとした女性天皇などが上がってきますが、影響力一つを取るとしたら私の中では北条政子が第一に上がってきます。北条政子もおね同様に夫である源頼朝を多方面で助けてる、というか頼朝は政子と結婚しなければ北条家の支援を受けれずに平氏に反旗を翻すことすらできなかったことを考えると、実質的に鎌倉幕府設立の最大の立役者といっていいでしょう。また幕府創立期において最大のピンチとなった承久の乱も、吾妻鏡が正当性を誇示するためにわざと大げさに書いている可能性が捨てきれないものの、北条政子の一喝で鎌倉武士団がまとまったのが事実であれば歴史の方向性を決定づけたと言ってもいいほどの影響力です。

 今回紹介したおねと政子ですが、共通点を上げるとしたら二人とも当時としては珍しい恋愛結婚組で、ほぼ駆け落ちの様な事をした上で結婚にこぎつけています。婚姻においてタブーの多かった時代にこれほどの行動力を示せたからこそ歴史の波にとらわれることなく、むしろその波の一つにもなれたのかなとも見ることが出来ます。では現代にこれほどの行動力ある女性はいるかとなったら、男でもいないじゃんとか思ってしまうあたり日本はちょっと人材不足なのかもしれません。

 明日も帰宅はきっと10時過ぎるので先に予告しますが、金曜日から中国国内の旅行に出かけるためしばらく更新を休みます。復帰は日曜日の予定です。

2013年1月29日火曜日

中国のゲーム機事情

中国当局、ゲーム機の禁止政策を見直し=報道(ロイター)

 なんか気になるというかちょっと一家言あるニュースが昨日出てたので、今日は上のリンク先にあるニュースを軸に中国のゲーム機事情について解説します。
 まず上のニュースの内容ですが簡単に言ってしまうと、2000年から禁止してたゲーム専用機の国内流通を解禁するのではないかという内容です。このニュースに対して私が何を言いたいのかというと、「俺の立場は!?」っていう一言です。というのも私は去年の7月にこの「解禁するのでは?」という記事を書いており、多分日本語媒体ではどこよりも早く報じたつもりです。さらに当時気が進まなかったけどなんか会社が情報提供している関係から電通に対しても記事の内容を細かく説明までさせられました。それが今更こう大きく報じられてもなぁって感じです。

 そんな個人的な愚痴は置いといて中国の事情について説明すると、2000年以前は全く規制がなく日本国内同様にどのゲーム機も流通しておりました。私の友人の上海人などは「プレステかサターンのどちらを買おうか悩んだけど、鉄拳があったからプレステにした」と話しており、日本同様に90年代中盤には次世代機競争があったと証言しております。さらにここ最近で一番ビビった事件として、たまたま知り合った20代前半の中国人の女の子が、「魂斗羅?もちろん知ってるよ、上上下下左右左右でしょコナミコマンドは」とまで言ってのけて、意外に日本のゲームが中国にも深く浸透していたのだと思い知らされました。っていうか今の日本の20代の女の子は魂斗羅なんて知らないだろうけど。

 それほどまでに浸透していた日本のゲーム機ですが、2000年に法令で禁止されてからは表だって国内流通することはなくなりました。一体何故中国政府が禁止措置を取ったのかというと表向きは青少年の精神教育に悪影響が及ぼすと言っておりますが、実態としては国内のソフトウェア産業ことゲームメーカーの技術力が非常に弱く、彼らを育成するために外国製ゲーム機をすべて排除したのです。
 ここら辺は電通に対して説明する際にもかなり細かく解説させられたのですが、仮に当時出たばかりのプレイステーション2やXボックスの流通を国内で認めてしまうと、技術力で中国に勝る日米のゲームメーカーが作ったソフトが大量に出回って中国のゲームメーカーは一切育つことなく淘汰されるのではないかと中国当局は懸念したそうです。そこで文字通り締めだすというか、外国のゲームを入ってこないようにしてその間に国内メーカーを保護しようとしたわけです。

 この辺の発想ですが、偏見かもしれませんが非常に理系的な発想だと思えます。最近は文系卒が増えていますが今の中国当局幹部連中はほぼみんな理系出身で、具体的にどうやって技術力を向上させるとか保護できるか、そういった意見が日本の政治家に比べて非常に鋭いことが多く、このゲームの措置一つとってもそれがうかがえます。
 それはともかくとしてそうやって中国はゲーム機の国内流通は禁止したわけですが、中国で製造して第三国へ輸出する分には昔からOKで、聞くところによると任天堂のWiiとかXボックスは台湾のホンハイことフォックスコンがシンセン市でみんな作っているそうです。あと名目上は国内流通を禁止しているものの、並行輸入こと個人業者などが輸入して販売していることに対しては黙認しており、実際に中国でもPS3とか入手しようと思ったら簡単に買えますし、PS3で遊んでいる中国人もたくさんいてこの前なんか「ガンダムエクストリームバーサスでネット対戦しようよ」とか私も誘われました。

 そんな中国がどうしてまたこのタイミングで解禁しようとしているのかですが、私が読んだ現地報道によると中国のゲームメーカーが力をつけてきたからだと分析しておりました。中国のゲームメーカーが作るゲームというのは基本的にパソコン上で遊ぶゲームが主なのですが、10年以上前と比べれば大分技術力を付けてきて今だったら黒船を迎え撃つことも出来るし、むしろPS3やXボックス360が国内で流通することによってゲーム市場が拡大すれば売り上げ増など恩恵が得られる可能性が高いと当局は踏んでるそうです。これはつまり、保護政策によって力をつけてきたので今こそ打って出るべき的な守りから攻めへの発想の転換です。
 こういってはなんですがその見方は正しいと私も思います。実際に中国製ゲームで遊ぶことはありませんがパッケージデザインやゲーム画面などを見ている限りだと日本のゲームにも負けていませんし、国内にいる中国人好みのゲームを作るという点において優位があることを考えると十分に市場が成り立つように思えます。私としてはあと一言言うと、解禁してくれれば日本製ゲームが中国にも流通して相互理解が進むのではとも思え、まぁ固いこと言わないで早く解禁しておくれってところです。

 最後に私が去年の7月に書いた記事執筆時のはみ出し話をすると、上司に指示されたので日本のゲーム大手のソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)と任天堂にこうした報道にどう思うのか電話をかけて尋ねてみました。まずSCEは広東省に法人を再設立させたということを知っていたから具体的にいつ設立してやっぱり解禁を期待しての動きかとアジア部門に電話を掛けたところ、「担当者がいなくてわかりません」と言われ、いやいや自分とこの部署が海外法人設立した日くらいわかるでしょ、調べなおしてまた電話頂戴と言って切ったらしばらくして、「やっぱりわかりません」と言われてなんなんだこの部署はと呆れました。
 次に任天堂。自分も京都で4年間過ごしてるんだからはっきり言って嫌な予感はしてましたが、広報部につないでって言ってつないでもらって中国のこの報道についてどう思うかと単刀直入に聞いたところ、「すいません担当の者がいないのでまたあとで電話をかけ直します」と返してきたので私の電話番号を伝えたところ、未だに返答の電話がありません。まだ待ってるつもりなんだけど任天堂さんはいつ電話くれるのかな、早くしないと自分も会社からいなくなっちゃうってのに。

 今日は別に酒飲んでるわけじゃないのにやけに跳ね飛んだ文章になってます。晩飯後にドーナツを4個を一気に食べたのが良くなかったのかもしれないなぁ( ´ー`)

2013年1月28日月曜日

日系企業の中国拠点リスト販売、始めました

 前々からちょくちょく紹介しておりますが、こちらが予想する以上にアクセス数が伸びてないので、ちょっとこちらのブログでもでっかく宣伝させてもらいます。

中国景気観測局

 多分このブログを始めてから初めてフォントサイズもおっきくしましたが、上記ページは私と友人が新婚夫婦のケーキカットよろしく初の共同作業によって作ったサイトです。一体どんなサイトかというと、中国の経済解説、それも数字データに集中した経済レポートを公開しているサイトです。
 前から見ている人には早いですが、このブログで取り上げる範囲は果てしなく広いです。プライベートでも「花園さんって守備範囲広いっすね」と常々言われてますが、何にでも興味を持つせいか政治から経済、社会ネタ、果てには思想哲学関係など好き勝手な主張をこのブログで展開しています。ただそのせいか、一応大まかなカテゴリーは設けておりますが何か具体的なテーマに絞って記事が読みたい人の需要にはいまいち応えられてないんじゃという風には前からも自覚しておりました。そこで上記の「中国景気観測局」を作ったわけで、ここではブログではないことから図表データも載せやすく、いろいろデータを作っては中国経済に関するレポートを今後も増やしていこうと考えているわけです。

 そんな中国景気観測局ですが現時点で何が一番すごいかっていうと、中国に進出している日系企業の電話番号、住所を網羅した拠点データを売っているって点です。載せている企業数(日本での登記ベース)は1417社、中国拠点数は6871拠点と、かなり果てしないデータとなっており、製作に関わった自分が言うのもなんですがいい仕上がりとなっております。価格は税別で1万円となっており、1本売れるごとに自分にも歩合でお小遣いが入ってくるシステムとなっているので、浅ましいことは自覚しておりますが興味のある方は下記連絡先、私宛でもいいので是非連絡ください。また興味のない方でも、周りにいる買ってくれそうな人に紹介していただけたらありがたい限りです。

 それにしても、こうやってネットで情報を売ることが出来るようになったというのは凄い時代だなと思うのと同時に、自分もそういう一人になったのだなとしみじみ感じます。

  中国拠点リストに関する連絡先:neida1919@gmail.com

2013年1月27日日曜日

続、教員の早期退職問題について

 先日書いた「教員の早期退職問題について」の記事で少し気になるコメントがあったので、今日は一つこの問題で追加記事を書くことにします。それにしても前の記事書いた金曜日は酔っぱらった状態で夜遅く家に帰ってきて、なにかちゃっちゃと書けるネタないかなと思って適当に書いた記事だったのにやけにコメント伸びたな。

 話は本題に入りますが、その気になるコメントというのは「教員を含む公務員の退職金は平均で2700万円程度で、今回の給与改定に伴い減少する額は150万円程度で、減少した後も民間と比べて約15%高い」という内容です。このコメントの中で気になったのはそのまんま2700万円という金額なのですが、この金額が民間と比べて15%高いという記述が果たして本当なのかと強く疑いました。なので今日は面倒くさい仕事が片付いた週末ということもありちょこちょこ調べてみましたが、ほかの報道などを見る限りだとどうやらこの数字の根拠となっているのは下記の人事院の調査結果からのようです。

民間の企業年金及び退職金の実態調査の結果並びに当該調査の結果に係る本院の見解について(人事院)

 人事院というのは読んで字の如く公務員の人事や給与を決める機関なのですが、はっきり言って私はここの連中は信用しておらず胡散臭い組織だと考えています。そう考えるきっかけとなったのはまさに今回の給与改定で、民主党政権時に政府が人事院が勧告した数字以上に公務員給与切り下げを断行しようとした際、実際にはそんな条文などないにもかかわらず「人事院の勧告に政府が従わないのは憲法違反だ」と恥ずかしげもなく堂々と言ってのけて、なんなんだこいつらと怒りを通り越して呆れたことがあったからです。この時は最終的に政府が押し切って微減ではあるもの切り下げが断行されたのですが、今回こうしてその議論のベースとなる人事院が調査した民間平均の金額を調べてみたところ強く疑問を感じる金額であり、はっきり言ってしまえば自分たち公務員が多く受け取るために統計を操作しているのではないのかという印象を受けました。

 順を追って説明しますが公務員給与というのは民間企業の平均給与を調査・算定した上でその金額に合わすような制度となっております。ただこれまでも調査対象となる民間企業は上場企業など大企業が多く、いわばてっぺんの上澄み部分だけを取って実際の民間平均以上に高い給与を公務員は受け取っていたという批判がありました。
 今回私がやり玉に挙げている退職金も基本的にこの人事院が自分で調査して決めているのですが、昨年にこいつらが発表した退職金の民間平均額は2547万円で、公務員の2950万円より低いとしてます。そこで歩み寄るために今回引き下げるという話なのですが、そもそも民間平均が2547万円に達するのか、自分の感覚からして正直言って信じられない金額です。

 あくまで私の感覚ですが、周囲から見聞きしている範囲だと大体1000万円前後のような気がします。もっとも私の会社に至っては単位時間当たりで最低賃金をブッチしている上に退職金制度自体ありませんがそれは置いといて(置いときたくないが)、肌感覚から言ってこの数字は実態から乖離し過ぎている気がしてなりません。そこでほかの機関が調査したデータはないのかと調べてみたところ、5年前になりますが東京都産業労働局が同じような調査を実施しておりました。

公務員退職金水準引き下げ案再浮上、民間データの怪しさ
 民間企業の退職金水準2547万7千円、これはどこの企業の平均なのか?
(日本生活設計)

 日本生活設計さんが上記ページで東京都産業労働局と人事院の調査データをきれいに比較しているのですが、東京都産業労働局が出した中小企業が出した退職金額の平均額を抜粋すると以下の通りです。

<大卒者の企業従業員数別平均退職金額>
100人から299人:1401万円
  50人から99人:1117万円
  10人から49人:1265万円

 見てもらえばわかる通りにどれも1000万円強です。従業員数1000人以上の大企業だったらもうちょっと行くでしょうが、日本の従業員数の大半は中小企業に属していると考えると、全体平均では人事院の調査結果のように2000万円を突破することは考え辛いです。また上記の東京都産業労働局のデータは東京都内限定であることを考慮すると、より零細企業の多い地方を含めた全国平均だとさらに下がる可能性が高いです。
 日本生活設計さんもこうしたデータを元に人事院にツッコミ入れておりますが、私個人としても同じテーマの調査で1000万円超も数字が乖離するなんて有り得ないように思えます。となるとどちらかが統計を歪に操作していることとなるわけですが、先ほども言ったように私の肌感覚からすると今の日本の退職金額は1000万円前後で、そうした見方からすると東京都産業労働局の方が信頼性を感じます。

 久々に長々書いてきましたが、結論を言いますと「公務員の退職金額は民間より15%高い」という意見に対して私は「15%どころではなく2倍超なのでは」と言いたいわけです。もちろん、公務員とはいっても教員の退職金額が約2700万円かどうかはわかりませんが、仮に2000万円を超えるというのであれば民間に比べ非常に優遇された金額であると断言できます。
 だからといって退職金額が減額される前に早期退職する教員に対して、前の記事にも書きましたが批判する気は私にはありません。多くもらえるのだったらそっちの方向に動くのが人間の常ですし、それぞれに生活があるのだからとやかく言うべきではない、そして何よりこれは友人の口癖ですが私は他人の生活にそこまで興味がありません。それでも二言だけ申すと、退職される教員の方はこの金額が非常に優遇された金額であることだけは意識してほしいのと、公務員の退職金額はもっと下げた方がいいのではという提言です。民間に合わすというのであれば、現行の2分の1でもいいのではないかと思います。

 最後にこれは前の記事のコメント欄にも書きましたが、この問題で真に批判すべき対象は中途半端な時期に給与改定を行った行政側であるはずだと思うのに、何故だか振り回された当事者である教員へ批判が集中し過ぎているように見えます。何故教員に批判が集中するのか、はっきり言いますがこれはメディアの報道の仕方が原因だと思います。ネットニュースとNHKしか見ていませんがどちらも早期退職する教員がさも無責任な人間のように報じている上、行政への批判がなんかやけに緩い気がします。
 そもそも何故直前ともいえるこの時期に急にこの問題への報道が増えたのか、細かいことですがこれも疑問です。言いたいことを言ってしまうと、何か意図があってどこかがこのニュースを報じるように仕向けたのではと作為的なものがある気がします。具体的にどこがどんな意図で流そうとしたのかまではまだ目測がついていませんが、非常にきな臭いニュースだなとよく感じます。

2013年1月26日土曜日

書評「永遠の0」

永遠の0(Wikipedia)

 以前に知り合いに借りて読んだので(忙しい合間を縫って一週間で)、今日は小説「永遠の0」の書評を書こうかと思います。ちなみにひとつ前の書評は「積み木くずし 最終章」ですが、あれはドラマ放送時にえらくアクセス数を稼いでくれたので、今回も映画が公開される今年12月頃にヒット数を稼いでくれないかと早くも期待感で胸がいっぱいです。

 この作品のあらすじを簡単に書くと、司法試験浪人でうだつの上がらない生活をしていた主人公はある日、ジャーナリストの姉から太平洋戦争中に特攻隊となって60年前に戦死した祖父、宮部久蔵について調査するよう依頼(ほぼ命令)されます。戦友会を通して知り合った祖父の戦友達は一様に、宮部久蔵は坂井三郎を始めとした歴史に残る名パイロットにも劣らない零式艦上戦闘機、通称ゼロ戦の凄腕パイロットだったと証言するも、戦闘では積極的に戦うことはせず「臆病者」と呼ばれるほどに慎重かつ用意周到な性格で、宮部久蔵本人も戦争では絶対に死にたくないという自信の心情を周囲に隠すことはなかったと話します。一体何故死にたくないと広言していたにもかかわらず特攻隊となったのか、当時の戦況と共に主人公たちは20代で散った祖父の短い生涯を追っていくという内容です。

 まず予備知識としてゼロ戦について触れておくと、これは日本軍が太平洋戦争中において幾度かの改良を経ながら一貫して使い続けた戦闘機なのですが、開戦初期は破格の性能であまりにも強かったことから米英軍は、「ゼロ戦と単独で遭遇した場合は直ちに離脱せよ」と、敵前逃亡するよう命令を出すほどでした。どうしてゼロ戦が他国の戦闘機より強かったのかというと非常に単純で、装甲が極端に薄い代わりに航続距離、旋回性能が高いという、防御を捨てて攻撃に特化した機体だったからです。その為にちょっとでも被弾したらすぐに撃墜されるのでパイロットの消耗が激しく、またこうしたゼロ戦の構造を分析した米英軍がゼロ戦が飛行出来ない高々空から急降下して攻撃するという一撃離脱戦法を編み出したことによって、戦争後期になっていくにしたがって徐々に活躍が失われていくこととなりました。

 話は戻って「永遠の0」ですが、表現に関して気になった点を挙げると全編を通して戦友たちの語りが中心となっており、作者は元々放送作家ということからこういうインタビュー形式の文章になったのかなという気がします。一方、ちょっと専門的なことを言わせてもらえば語り以外の叙述ではほとんどが短文で区切られてて複文が少なく、やや表現力が甘いようにも感じるのですが、語りの部分を敢えて際立たせるために確信犯でこういう書き方をしているというのならば逆に大した表現方法だと唸らされます。
 そして肝心の内容に関してですが、太平洋戦争の戦史に詳しくない主人公の視点が常に維持され、読者に対しても順番にかつ丁寧に当時の状況を説明しており物語の運び方は私からも太鼓判を押します。また宮部久蔵の顛末も最後の最後で大どんでん返しが待っており、ラストの方は「おいおいここでこういう展開かよ」と驚かされる結末となっており、一言で言って非常に面白い作品でした。

 あと個人的に強く感じたとして、この作品の初版は2006年の発行ですが特攻隊の記述に関してまさに2000年代の作品であるというように思えます。というのも特攻隊の隊員たちは志願という形式で募集がされたことにはなっているものの、実態的には軍隊内で強制的に指名されて無理矢理実行されたということは1990年代の時点からも指摘されていたものの、2000年代に入ってからそうした強制があったという当時の証言が多く世に出るようになってきました。また特攻隊にされたパイロットたちもこうした作戦に意味があるのか、自分たちの様な熟練パイロットを捨て石にする作戦は破綻しているという証言も発見されるようになり、決してお国のためになどと狂信的な思想で実行していったわけじゃなく、本人たちも疑問と忌避感を持ちながら実行していたということが明らかとなってきました。

 作品中でもこうした点をよく指摘しており、現在イスラム系テロリストらが実行している自爆テロとは一線を画す行為だったのだと強調されています。私個人の主観ではありますが、1990年代は戦時中の日本の教育や思想が歪んでいて自分の命よりも国のためという奉公意識が強かったから特攻は実行されたのだ、当時の人と現代人とでは思想が全然異なるという意見があったように思えるのですが、実際には現代人と当時の軍人に大きな思想の違いはなく、みんな死にたくないと思いながら死を強制されていたというのが真実のように思え、こうした見方が歴史家の間でも徐々に強まっているように見えます。この作品はその点を重要なテーマとしており、現代の思想も一つの価値観であって絶対的に正しいというものとは言い切れないものの、時代が異なろうとも人はそれほど大きくは異ならないというのを訴えたいのだと思います。

 書評は以上の通りなのですが、私が読んだ文庫版の解説には一昨年に亡くなられた児玉清が寄せており、非常に表現しづらいのですがいろんな思いが頭の中を過ぎました。読んでる人には早いのですが死の直前に文芸春秋に寄せたこの人の寄稿文を読んでただけに、どういう思いで国家を見つめていたのだろうかとしばし考えました。


教員の早期退職問題について

 各報道によると日本全国各地の学校でこのところ、教職員が4月を待たずに早期退職するというケースが頻発している層で。一体何故3学期終了を待たずに早期退職するのかというと、公務員給与体系の改正に伴い4月まで残って退職した場合、現在早期退職する場合と比べて退職金が総額で150万円前後減少するということが原因だそうです。この教職員の早期退職について文科相も発言をしたようですが、私の意見を述べると人生なんて人それぞれなのだし早期退職する人を責めるべきではないと思え、またこの件がニュースになること自体に違和感を覚えます。

 まず150万円という金額ですが、これははっきり言ってでかいです。自分なんか今、年収が為替変動の直撃を受ける立場で去年なんかリアルに150万円切ってたけど、100万円余分に使えるか否かはその後の方針策定に当たって大きく影響します。しかも今回早期退職する教職員はその後は基本的に収入がなくなるわけですし、多くもらえるというのであればそちらを取りたいというのも理解できますし、それが普通だと思えます。
 今回の問題に対する意見ではクラス担任を受け持つ教師も早期退職を行うということからか、卒業を待たずに生徒を放り出して無責任だというような批判もありますが、早期退職する教師一人一人にも人生があるわけですし、結構大きな金額を犠牲にしてまで仕事を奉仕しろというのはちょっと酷なように思えます。それだけに、無責任だと批判する声が多く感じる風潮は私個人としては如何なものかと思うのと同時に、他人の人生にそこまで口出しするべきではないという主張をさせていただきます。

 あともう一点このニュースを見ていて思うのは、教師が大量に早期退職することで引継ぎなどに問題があるなどという意見に対して、何故これが論点になるのかがわかりません。既に実施している自治体もありますが早期退職自体は認めた上で2月、3月の2ヶ月間を臨時採用すれば引継ぎにしろ通常業務にしろ何も問題がないように思え、上記の点と合わせてこの問題がニュースとなるほど大騒ぎする問題なのかに対し疑問を感じます。そもそもの話、いくつか同じような意見も見受けますが現場を無駄に混乱させるような日程で給与改正を実行しようとした行政側を攻めるべきではないのかとも思えます。

 最後に教員の臨時採用について触れたのでこの際書いてしまいますが、真に議論すべきはこの早期退職ではなく臨時採用という一時雇用の身分で採用される教師が増えていることのような気がします。簡単に背景を説明すると今どの自治体も赤字で新規雇用を絞った上で、いつでもクビが切れるように正式採用にはせず臨時採用でしか教員を雇用しないと聞きます。この煽りを受けるのはもちろん若年世代で、昇給も強く望めない中で教育にモチベーションを持てというのも無理な話でしょう。もっとも、雇用の保証に関しては日本全体で強すぎると思うのであまりなくてもいいとは思いますが。
 ただ教育の充実化を図る上で、優秀で多くの仕事をこなす教師にはそれなりの待遇を用意しなければ成り立たないでしょう。更にもう一歩踏み込むと、先日の大阪市立桜宮高校の教師、あと大津のいじめ事件の学校の教師のように問題のある教師が何故その時まで現場に居続けたのか、これも日本社会全体に言えますが「淘汰」というものがあまりにもなさすぎるし、淘汰がないからこそ若い世代が割を食って社会全体でおかしくなっているのではないかと感じる次第です。

2013年1月23日水曜日

続、大阪市立桜宮高校の事件について

 このところ本業が忙しく、ようやく今日ひと段落してまたブログ復帰です。どうでもいいけど先週は知り合いに借りた「永遠の0」を一週間弱で読まないといけなかったのが地味に忙しかった。

 前にも一回さらりと書いたし部外者があまり口出すべき内容ではないと思ってこの件にはもう触れないでおこうと考えていましたが、なんかちょっとメディアの報道でこの点誰か突っ込まないのと思うところが多いので、また桜宮高校について差し出がましいとわかっていながらも意見を書こうかと思います。

 前回記事でも書いたように、といっても前は学校名を敢えて書きませんでしたが、この学校のスポーツ科に通うバスケ部の男子生徒が顧問教師からの体罰を苦に自殺しました。この自殺を巡って体罰と教育について非常に多くの議論が交わされるようになりましたが、私としては体罰云々以前に学校からの聞き取り調査にこの顧問教師が明らかな嘘をついていた一点をとっても教育者としてふさわしくないと主張しました。
 私が見る限り産経新聞だけが唯一言いたいことを言ってくれたのですが、どうしてこの顧問教師自身の謝罪文などが未だに出てこないのが不思議でしょうがありません。また発覚当初ならともかく懲戒免職なり明確な処分もまだ出ておらず、それでいてスポーツ課の入試をどうするとか議論になるのは順番が違うような気がします。重ねて言いますが、この顧問教師は謹慎中だそうですが一日も早く懲戒免職した上で教員免許を剥奪してから今後の検討をするべきです。

 それで入試の件に移りますが、既に奉じられているようにスポーツ科は普通科に統合で結局やるようです。順を追って私の意見を解説すると、まずスポーツ科はやはり廃止にし、このまま潰した方がいい気がします。というのも仮にこのバスケ部だけの問題であればこの顧問教師一人がおかしかったで済みますが、この学校はバスケ部以外にもバレー部の顧問が体罰を行っていたことが発覚しており、しかもその問題で謹慎を受け田にもかかわらずバレー部顧問はまた体罰を行っていたと聞きます。それ以外にも結構怪しい話がちらほら聞こえ、顧問教師個人ではなく学校それ自体の体質にやはり問題があるように感じるからです。
 そして今回この記事を書こうと思ったきっかけにもなった、下記のニュースの件も見逃せません。

尾木ママ怒り心頭「誰がこんなことやらせたの!」 桜宮高生徒が記者会見
「ええ加減にせぇ はしもと、殺すぞ」「部落民がいきんな」 桜宮高校生徒がツイッターで暴言(J-Castニュース)

 上のニュースにある、生徒が入試中止に反対を主張した記者会見は私も見ていて強い違和感を覚えました。仮に生徒全員、または生徒を代表する生徒会長の様な人間が行うならともかく、運動部の主将8人だけというのはこの学校の生徒の総意とはとても思えませんし、また記事にも書かれている通りに誰かの入れ知恵でやらされているのではないかという疑念も覚えます。その上で言えば、人が一人死んでいるにもかかわらず具体的な対策案を出さずまた新たに生徒を募集しようとすることに何とも思わないのか、また同じことが起きた場合にどう責任を取るのかとも聞いてみたいです。
 下のニュースについては細かく語る必要もありませんが、これ以外にも問題と思える発言をする生徒がおり、それこそ試合に勝てば人間性はどうでもいいという、教育の前提がひっくり返る勝利至上主義が学校全体にはびこっているのではとも思わせられます。

 また繰り返しになりますがスポーツ教育というのは運動を通して人間性を育てるのが本意であって、人間性を捨ててまでも運動能力を鍛える形であってはならないのです。大学での運動部であれば年齢もそこそこ上がり本人の責任でもあるので多少は勝利至上主義に走っていいとは思いますが、高校の段階ではやはり人間性に重きを置いた部活動でなくてはなりません。聞けば桜宮高校はスポーツ科があるということで受験生を集めているらしく、より実績を高めて受験生を集めようとする風潮、勝利至上主義があったのではないかとも思えます。
 そういったことを踏まえると、今回のこの事件は一人の顧問教師が引き起こしたのではなく桜宮高校という構造が起こした事件とも思え、さすがに教員全員を交代すべしという橋下市長の主張は極端すぎると思いますが、問題の禍根を立つという意味でスポーツ科は廃止し、今後一切募集するべきではないというのが私の意見です。

 最後に蛇足ですが、スポーツ科が廃止されることについて桜宮高校の入学を希望していた中学生が不条理だ、ひどいなどと言っているとよく報じられていますが、子供相手にやや大人げない気がするものの、この程度の不条理で音を上げているようであれば先が知れません。それこそ今の時代、就業で言えば内定切りもあればリストラだってありますし、友人の言葉を借りればこの世の中は不条理が蔓延して不条理によって成り立っていると言っても過言ではありません。はっきり「たかだか」この程度の問題でと言わせてもらいますが、まだ受験校を選べるこの時期でこんなことを言っていてはならず、事情が変わったのだからとパッと切り替えて次善の策をすぐに実行しないのはただ弱いだけだと思います。
 やや極端な話に持って行くという気もしますが、一番最初に上げた「永遠の0」という小説は特攻隊の話です。自分が今のモチベーションを持つようになったきっかけはこの特攻隊の手記と大坂の陣に臨む浪人の願掛けからですが、特攻隊の人はある日突然上官によって指名されて、ほかに選択肢のない中で死なざるを得ませんでした。たとえ現在がどれだけ苦しい環境であるとしても、ほかに選択肢があるというだけでも自分は恵まれていると強く感じます。

2013年1月21日月曜日

自らを欺くなる時

 自分でかくのも少し気が引けますが、自分はやや馬鹿正直と言ってもいい性格をしているかと思います。一昨日も利用したラーメン屋で会計を済ませた際に半熟卵のトッピング代(8元=112円)が含まれていなかったので店員に指摘して差額をわざわざ自分から支払いましたが、なんか店員の方が驚いた顔していました。恐らく友人なら向こうの落ち度なのだから気づいたとしても余分に支払う必要はないと言うでしょうが、私自身もそういう行動を取ったとしても何も咎められることはないと考えています。なんかこういう書き方をすると、さもその友人が悪人みたいに見えますが……。

 なんでこんな性格するようになったのかというと、一つの原因は子供の頃に失敗しでかした際に嘘ついてごまかそうとして、余計に事態を悪化させることが多かったことがあります。実際にこれでかなり痛い目に遭っており、「たとえ立場を危うくさせることになっても、ミスった時は正直に言った方が最終的にはお徳だ」といつも肝に銘じています。
 こうした経験のほかもう一つ理由を上げると、やはり嘘をついた時に自分自身に感じるあの違和感がどうにも慣れないというのがあります。これは直接的な嘘というより表面的な嘘を言う際、たとえば本当は好きでもない食べ物を「花園君もあれおいしいと思うでしょ」と言われて周囲に合わせて「うん、まぁね」などと言う時に腹の中で感じる、「本当は違うんだけどなぁ」っていうあの感覚です。更に話を深く落とすとこういう風に違和感を感じられる間ならばまだいいですが、「違和感を感じなくなる」ところまで行きたくないという拒否感をはっきり持っております。

 諺にも「うそから出たまこと」という言葉がありますが、人間というのは基本的にそれほど思考が自立しているわけではなく、周囲や環境、果てには自分が出す言葉にまで影響され思考が変わっていくと聞きます。先程の例ですと元々おいしいと思っていなかった食べ物を周りに合わせておいしいものだと言い続けているうちに、本当にそれをおいしいと感じるようになっていくという具合です。
 仮にこう言った思考の変化が意識的でかつポジティブなものだったらそれほど問題ではないですし、スポーツのメンタルトレーニングなどでは困難な練習を敢えてイージーなものだと自ら思い込むことに負担を下げたりすることもあるそうです。ただこれが無意識的にかつネガティブなものだとしたら、やはりそれは嘘を言う本人にとっていい結果を生むことはないでしょう。また嘘を多用することによって思想が変わるにとどまらず、思想自体なくなるということもあり得るのではないかとも考えています。

 こう考えるのも、やっぱり嘘ついても平気な人に自立した思考が感じられないからです。自分もこれまでに息を吐くかのように嘘をつく人に何度か出くわしたことがありますが、そういう人たちは利己的な判断で嘘をついていると自分自身では考えているのかもしれませんが、その実本当は自分が今一体どんな内容の言葉を発しているのか、真実を言っているのか嘘をついているのかすらも理解できていないのではないかと思う時がありました。言ってしまえば、その場その場で思考が変わるので本音というものが何も存在しないような人間です。

 嘘をつくというのは結局はこうなることだと思います。利己的な判断から適当にごまかす嘘を重ねるうちに最終的には自分自身の本音すら消し去ってしまう、自らをも欺く結果になるのだと思います。もっともこんなこと書いておきながら自分自身も、正直な方ではあるものの一つも嘘をつかない聖人というわけではありません。ただ曲げてはならない点、譲ってはならない点では、それこそリアルファイトに発展しそうな瀬戸際でも絶対に折れることはなく、見方によれば頑固に見えるでしょうが自分自身の価値観はまだほかの人よりは見えやすいと考えている次第です。

2013年1月18日金曜日

今日の中国紙一面

 書かなくてもいいかなと思うけど知り合いに借りた「永遠のゼロ」を今日中に読まないといけないので、短くまとめる感じで書きます。

鳩山由紀夫元首相「日本兵の犯した犯罪行為についておわび申し上げる」(人民日報日本語版)

 説明するのも馬鹿馬鹿しいですが、鳩山元首相がまたイランことしてくれて、中国に来てわけのわからない行動を取っております。リンク先は人民日報の日本語版ですが今日の中国紙の一面はどれも例外なく鳩山元首相の写真で、あまりにも頭に来るから記事は結局読みませんでした。それくらい読めよと自分でも思いますが、同僚が頭痛起こして出社が遅れたのもあるし……。

 長々書くような話題じゃないし言いたいことだけ書くと、今からでも遅くないから検察は無実の村木さんを捕まえるくらいなら早くこいつを脱税容疑で逮捕しろといいたいです。結局あの事件では秘書を含めて誰も逮捕されてませんが、これはいくら脱税しても逮捕はあり得ないと受け取っていいのかといいたくなります。この際、国策捜査でもなんでもいいから、二度とシャバに出すなと本気で言いたいです。
 あと本人には中国なんか行く暇あったら自分の思い付きで散々振り回した沖縄県の普天間と鹿児島県の徳之島に行けよと言いたいです。それにしてもこのニュースのせいで2012年の中国のGDP成長率が7.8%だったのは全然話題になってないな。話題にしているところはところで見当はずれなこと言っているのばっかりだし。

2013年1月17日木曜日

ばらまきの矛先

 本題と関係ありませんが、先週日曜日はNHKが大王イカの映像を世界で初めて公開して大きな話題となったようです。ただ大王イカの裏に隠れて映画「アバター」のロードショーがあったのですが視聴率をすっかり食われて、配給元の20世紀FOXホームエンターテイメントがツイッターで、

「(´-`).。oO(ダイオウイカ・・・絶対許さない」

 などと発信していたのがおもしろかったです。でもってこんなこと言いながら、「(´-`).。oO(ダイオウイカの好物がイカってどうなんだろう・・・」とも言ってたそうですから、結局見てたようです。
 それにしてもこういう余談、発信したいのはやまやまだけどブログ本題とはずれることが多いし、そろそろ別発信も検討しなきゃ。

 それでは真面目な本題に入りますが、自民党に政権交代していこうというものの日本は円安が進んで株価も上がり、その変化の大きさに非常に驚いております。特に円安に関しては日本の貿易額がマイナス成長したり経常収支が赤字になったりしたのも原因でしょうが、安倍首相のインフレ目標2%発言が最も大きいと私も認めます。正直に言ってインフレ目標は確かに一つの手段ではあってもどれだけ効果があるのかと考えておりましたが、短期間とはいえここまで円安に誘導できたのであれば価値ある発言といえるでしょう。自分の見識もまだまだ甘かったようです。
 ただこうした方面は評価できる一方で、過去最大級の補正予算を組んでまた無駄なばらまきをするのではないかと懸念もしております。

現金給付、1万円超検討=消費増税8%時の低所得者対策―自民(時事通信)

 上記の時事のニュースはまだ真偽を取っておりませんが、仮に報道が事実でまた現金給付をしようというのであればちょっと呆れます。小渕、麻生内閣の時にもはっきり言って何の効果もなかったにもかかわらず、一体何故またこのような行為に出るのか理解に苦しむ、というか公明党を引きつなぐ手とはいえいい加減にしろと言いたいです。
 また現金給付だけでなく、どうもこの前のトンネル事故を契機に道路建設にも手を出しそうな雰囲気です。耐震補修が必要な道路の工事はまだ理解できますが今までの自民党のパターンから言うと津軽と函館の間に橋を作ろうとか言い出しかねず、実際に道路以外への公共投資話が一切見えてこないため無駄な箱物投資は確実に増えていくかと思います。安倍首相自身は無駄なばらまきはやらずに精査した上で必要な方面へ投資すると言っていますが、本当に有言実行できるのかは私個人として信じたい一方、やはり疑わしいです。

 念のため、愚痴になりますが自分の周囲の人間相手ならこういうこともいちいち言う必要ないんだけど、ばらまきというか公共投資自体は否定しません。私は財政規律派ではあるもの何もテコ入れなしじゃ今の状況が続くし、無駄な支出を削減してからという意見もありますが必要な投資は果断に実行するべきだと思っております。そう踏まえた上で言うと、道路やダム建設は果たして今必要なのかというと疑問です。ではどこに公共投資すればいいのかですが、恐らく同じ意見を言う人はほかにいないでしょうが、いま日本が何よりも投資すべきなのは送電網だと思います。

 なんでこんなところに着目したのかというと、実は今日、私の住んでいるサービスアパートメントで電力メーターの付け替え工事がありました。別に私が立ち会うわけじゃなく昨日に告知があって今日に完了の連絡が会っただけですが、どうもアナログ式からデジタル式に切り替えられたそうです。実際の性能を見たわけじゃないですが、多分以前より検測コストとか下がってるんじゃないかと思います。
 あまり日本で報じられていませんが、中国ではこのところこのようなスマートメーター、スマートグリッドと呼べるような送電網設備の交換が政府主導で進められています。機器を交換することによって電力消費量をより細かく調べ、効率よく供給できるようになるのですが、中国は去年はそうでもありませんでしたが経済成長が激しいから電力が不足しがちで、この方面にはかなり気を配っております。

 中国の状況は日本も同じです。日本も原発を止めて電力供給がシビアになってきており、こういう時期だからこそスマートグリッドの推進し電力メーターなり送電線、変圧器などをより効率の高い機器に交換していくべきです。それこそ交換にかかる費用なんかは全部税額負担でも、長期的に見ればプラスじゃないかと考えています。
 そしてなにより今やらなければいけないのは、東日本大震災時にも問題となった東日本と西日本で異なる周波数の統一です。周波数が一ヶ国で異なるのは先進国でも日本だけですし、東日本大震災直後もこの妙な違いが残っているせいで西日本から東日本へ電力の融通が出来なくなるという、かなり笑えないお粗末な事態を招いております。今後も大地震なり火山噴火なりで一部地域で電力が停止することもあり得るのだし、一刻を争うくらいに急いで統一化を果たすべきです。それこそ繰り返しになりますが、どれだけ税金を使ってでも。

 喉元過ぎれば熱さを忘れるとは言いますが、それにしたってスマートグリッドも日本では死語となっている感があります。重ねて言いますが今日本に必要なのは送電網効率化への投資であって、道路ではありません。そして周波数統一は今このチャンスを逃したら問題を先送りするだけで、ガンダムファンにしかわからないけどアムロ・レイばりに、人は……同じ過ちを繰り返してしまいます。全く。

 最後にスマートグリッドを推進する上で進めたい政策ですが、夜間電力の割引を日本はもっと広くやるべきだと思います。というのも上海では電力消費量が少ない夜10時以降であれば電気料金は昼間の半分になるため、私もこの時間に敢えて洗濯機とか回しています。なかなか面白いことをしているなと親父に紹介したらしたり顔して、「日本でももうやっとるやろ」と言ってましたが、自分が調べてみると日本で夜間電力割引を受けるには電力会社との契約が必要で、しかもその契約、一度結んだら今度は昼間の電気料金が契約前より上がるというわけのわからない仕組みです。
 基本的に電力というのはピークが低ければ低いほどいいので、もっと夜間電力を振興するべきです。電力会社もわけのわからない料金設定なんかせず、どんどん押していけばいいのに全く。あと発送電分離も、自民はなかったことにするんじゃないかと警戒中です。今日は割と筆のノリがいいなぁ( ´ー`)

2013年1月15日火曜日

ジャンプを久々に読んで

 先日知り合いが、正月に日本から持って返ってきたからといってジャンプをくれました。私はジャンプを小学校高学年の頃から大学3回生の頃まで毎週購読していたのですが、北京留学から帰ってきてからは単独の作品をコミックスで読むことはあっても雑誌で読むことはほとんどありませんでした。
 それだけにえらく久しぶりに今回読んでみたのですが、まず真っ先に読もうと思った漫画は松井優征氏による「暗殺教室」でした。この人の以前の漫画の「魔人探偵脳噛ネウロ」を気に入ってて、なんか新連載を始めたということだったので気になっていたのですが、期待に違わず面白い作品だと思いました。ネウロの方もまた読みたいと思っているだけに、機会があったらコミックスを前漢買い集めてみたいと考えております。

 その次に読んだのはこちらは購読していた頃から連載していた「銀魂」です。はっきり言って昔と全く変わらない絵柄と展開でそれなりに楽しめたのですが、この漫画の最大の欠点である「一コマにおける膨大なセリフ量」がやや気になりました。ある意味この漫画の長所でもあるのですが雑誌ならともかくコミックスになると文字が小さくて非常に読みづらくなるきらいがあるにもかかわらず、どうも前よりひどくなっているような印象を受けます。この点を解消できたらもっとよくなると思うのですが。

 そのほかの連載作品はもはや全く知らない作者ばかりだったのですが、唯一面白いと思ったのは「烈!!!伊達先パイ」という漫画です。非常にベタなギャグ漫画ながらキャラクターの表情が豊かでなおかつ一話完結もののショートストーリーなので読みやすかったです。ぜひ応援したいと言いたいところなのですが掲載順が最後の方でネットでも、「打ち切り候補ナンバー1」とまで書かれており、どうも危うい立場のようです。

 あとこれは全体の感想ですが、どうも連載漫画がマガジンの作品っぽい漫画が多いような気がします。マガジンっぽいとは如何にと自分でも問いたくなるのですが、絵柄や構図、ストーリーなどが往年のマガジンを連想させる、具体的には細い線にスクリーントーンを多用しベタが少ない絵の漫画が多いように思え、さっきの「伊達先輩」のように太い線に濃い絵柄のジャンプらしい漫画が減っている気がします。考えてみればもう「ジョジョ」も連載してないんだし。
 逆にというか、今マガジンで一番勢いのある「進撃の巨人」という漫画は系統的には明らかにジャンプ系列に属すんじゃないかと前から考えてます。お互いに前ほど雑誌のカラーにこだわらなくなっているからこんな風になっているのかなというのが、今日の私の意見です。意見も何もという気もするが。

2013年1月13日日曜日

平成史考察~ノストラダムスの予言(1999年)

 昨日もブログ休んでおきながら今日もあまりテンション上がらない、というか午後2~5時の間に昼寝したせいで肩とか痛いので、ささっとかけるノストラダムスを仕上げて今晩またゆっくり寝ようかと思います。それにしても我ながら眠り過ぎ。

 中国では昨年、12/22あたりがマヤの暦が終わるやらなんやらで世界で終末の日になるというデマが流れましたが、この手の話で日本で最も大きかったのは1999年7月に世界が滅亡するというノストラダムスの予言でしょう。もっともこの噂が最も流れたのは日本の高度経済成長期絶頂期の1970年代ごろだと言うので、先ほどのマヤの暦といい終末論というのは景気のいい時代に流れるものなのかもしれません。

 では1999年7月の日本の状況はどうだったのか。はっきり言ってノストラダムスの名前自体もそれ以前と比べてあまり大きく取り扱われることなく、「予言?そんなのあったね」というような雰囲気だったと思います。唯一盛り上がっていたのは伊集院光氏をして「マガジン史上最高のギャグ漫画」と言わしめた、オカルト内容を毎回強引な解釈で「つまり、人類は滅亡する」という結論に持ってきていた「MMR マガジンミステリー調査班」が最後の追い上げというか悪あがきを見せただけでした。今でも覚えているのは当時の朝日新聞に、実際に1999年の7月を目前に控えたけれどもサブカルチャー業界では盛り上がっておらず、ゲームでもドリームキャストで「JULY」というゲームが出ただけだと書かれていました。その「JULY」というゲームはやったことないのですが今回の記事を書くに当たってAmazonのレビューを見てみると、こんなのが書かれてありました。

“「1999年7の月、空から恐怖の大王が降りてくるのじゃ~」というノストラダムスの大予言は今ではすっかり風化してしまいましたが、その予言への恐怖がこんなゲームを生んだのかもしれません。内容は濃いキャラクターが繰り広げるサスペンス・ホラー・アドベンチャー。
 システムに斬新な点は見られないし、選択肢総当り作戦でクリアできるので、結論としてチープなソフトなのですが、個人的に、物語後半に登場するクリーチャーが「こんな姿で生き続けるのには疲れた。もう十分生きたから殺してくれ…」という台詞に、モテない街道まっしぐらの自分自身がオーバーラップして思わず涙してしまいました。
 ドリキャスで何かやり残したゲームはないかと探している濃いキャラクターが平気な御仁は是非。”

 まぁ読んでみて、やってみようとは思えないレビューです。

 話はノストラダムスに戻りますが、先程のマヤの暦の所でも書いたようにこういう噂は景気のいい頃に流れやすい傾向があり、逆を言えば1999年にあまり盛り上がらなかったのは日本の景気が非常に悪く、気分的にも悪かったことが一つの原因ではないかとみています。当時は中高年の早期退職ことリストラという言葉が流行ってうちの親父も会社側の募集に応じようとしてましたし、若年層にとっては就職氷河期の真っただ中で、世の中を明るくさせるようなニュースが確かに少なかった気がします。
 じゃあ今はどうなのかって話ですが、上海で生活しているせいかもしれませんが今の方が1999年よりまだ日本のニュースは明るい気がします。さすがに一昨年の東日本大震災の時は自分も少しブルーを感じましたが、景気が悪いからって気分まで悪くなる必要性は本来ないはずです。お金がなくても気分だけは明るい状態を維持する、そういう姿勢こそが今の日本にとって大事なんじゃないかと思います。それにしても、ノストラダムス関係ないな最後のオチ。

2013年1月11日金曜日

中国地下鉄の恐怖

 昨日は「南方週末」という中国の新聞と現在怒っているその騒動について記事を書きましたが、仕事柄、毎日読む中国語の新聞の数は多いです。今度あたり各新聞のレビューをしてもいいのですが、数ある中で最も評価しているのは「毎日経済新聞」という新聞で、独自取材記事が多いこともさることながら解説がしっかりしているので、同じ話題を取り扱っていてもほかの新聞の記事は読まずにこちらを読むことが多いです。
 ただこの毎日経済新聞は会社が契約している新聞屋では取り扱っていないのでいつもネットで読むのですが、今日サイト上で見たら「荊楚網」というニュースサイトからの転電ではあるものの、えらく目を引き付けられる記事というか写真が載ってました。


 一目見て、「なにこれ怖ぇΣ(゚Д゚;)」と会社で声出しそうになりました。最初は心霊写真か何かかと思ったのですが、その後の解説を見るとどうやら地下鉄壁面に貼られている広告写真がちょうど車両ドアの窓にうまい具合に入り込んだだけの写真だったようで、別角度での写真も貼られておりました。


 右の写真の女性がこの広告のモデルらしく普通の立ち姿ならまだ綺麗な人だと思えるのですが、この地下鉄の広告は明らかに貼り方というか写真の撮り方を間違ってるでしょう。まだ自分はこの広告が貼られている地下鉄に乗り込んだことないですが、駅に停車するたびに一番最初の写真のように覗きこまれたら心臓に悪いです。


 写真ネタということでついでに、中国のオンラインショッピングサイト最大手のアリババグループを率いる馬雲(ジャック・マー)についても前から言いたかったことを書きます。この人は元英語教師という異色の経歴ながら成長著しい中国IT業界の中でも大御所的な人物で、日本で言えばソフトバンクの孫正義に当たるほどの大物です。そんな大物に対して一体何が言いたいのかというと、「この人、顔のパーツが真ん中に寄り過ぎじゃね?( ゚Д゚)」という素朴な疑問です。検証のため、正面向いた写真も貼っときます。


 明らかに寄ってるとしか言いようがありません。見方によっては宇宙人っぽくも見える。
 そのためほかの人は誰ひとり言ってませんが私だけ、「中国版顔面センター」、「中国の前田敦子」などと呼んでおり社内の業務時間中も、「顔面センターがまたなにか発表したようですよ」などとニュースが出る度に呼んでますがあまり浸透しておりません(´・ω・`)ガッカリ…

2013年1月10日木曜日

南方週末の騒動について

 期待されていると思うので、この件でも記事を一本投下しておきます。
 日本でも報じられていると思いますが、広州市に本社のある「南方週末」という新聞がどうも民主化への改革を進めるべきだという意見を新年号の社説に載せようとしたところ、例のごとく当局からストップがかかり、記事が差し替えられたそうです。この当局の行動に対して南方週末側は検閲の事実を公表した上で、検閲を行った担当者は辞任するよう公に発表するという手段に出てきました。

 この南方週末ですが、実は自分も読んでいる新聞の一つで、ほかにはない記事が多く正直に言ってそれなりにおもしろい中身をしてます。広州市に拠点がある有名な新聞としてはほかにも「南方都市報」というのもありますが、この新聞も以前に中央政府を暗に批判する記事、というか写真を乗っけたことがあるのですが、南方、具体的には広東省当たりの中国人は距離感もあって中央政府(北京)に対する反発心が強いと聞きます。それだけに今回の問題で南方週末が一歩も引かない姿勢を見て、さもありなんとか見ています。

 この問題では北京の「新京報」というこちらもまた私がひいきにしている新聞でも事態鎮圧のために当局が用意した社説掲載を巡って社長が退任したとか報じられていますが、少なくとも私が見る限りではここ中国内ではおおっぴらに報じられてません。当たり前といえば当たり前ですが、この中国語の記事に書かれているように社説掲載を巡って問題が起きているということは報じられてます。
 今回の事件を見るにつけ思うのは、中国が自由な報道を許さないというのは昔からのことで特段驚くほどのことではないのですが、それにしてもここまで検閲し切れなくなってきたのかと、こうやって情報がいくらか漏れているという事実を少し感慨深く思います。このようになったのは何をおいてもインターネットの普及に尽き、今後も中国でネット社会は発達していくことを考えれば検閲の範囲にも限界というものが出てくるようになるでしょう。

 なお報道の自由についてですが、私は完全な自由化は中国ではやるべきではないと思います。私の周りにこういう人が多いせいかもしれませんが中国はやはり日本と比べても圧倒的に人口が多い国で、なおかつこういってはなんですが教養のない人も少なくありません。そのため簡単にデマが拡散される可能性もあり、今ほどの当局の締め付けは正直言って私もうっとうしく感じますが、報道の自由化は徐々に進めていくべきだと思います。
 最後にこの報道の自由、それも日本についていえば、記者クラブに入っている日本のメディアがこれを主張するのはおこがましい以外の何物でもありません。

2013年1月9日水曜日

大阪市高校の体罰事件について

高2自殺、主将就任以降に体罰集中か…母に話す(読売新聞)

 最近こういう時事社会ものを取り扱っていかなかったので、少し興味があるとの言いたいことがあるので取り上げることにします。日本でも散々報道されていると思うので事件の説明は省きますが、ネットニュースを見ている限りですと体罰を行った教師に対して真面目な先生だとして擁護する声も出ているようです。人にはいろんな見方があるのでそうした擁護をする人も別に何かが悪いというつもりは毛頭ありませんが、私個人の考え方としては結果責任であり、やはりこの教師は問題のある人物のように思えます。

 この事件の論点はいくつかありますが、まず体罰を認めるべきかどうかという議論にはあまり与したくありません。というのもこの手の議論は高校体験によって印象が大きく変わることが多く、私などは教科書忘れたら「すいません」と自ら頭を差し出してひっぱたかれる程度の体験しかありませんが、運動部の強い学校に行った知り合いなどは、「赤点取ったテストの数だけ騎乗用鞭で叩かれた」と言ってて、そもそもなんで教師が騎乗用鞭を持っているのかというところから突っ込みたくなるような学校もあるそうです。もっともその知り合い自身は、通っている生徒はみんな体育会系で変に口頭で長々説教されるくらいなら叩かれた方がマシだとみんな思ってたと証言しており、また同じ学校でも運動の苦手な生徒に関しては別メニューのお仕置き(一定時間正座)が用意されていたというので、体罰をどの程度許容するかは人それぞれ、学校それぞれだと思います。あくまで常識の範囲内にとどめるのであればですが。

 以上のような言い方からしたら今回体罰を行った教師は問題ないのでは、という意見を言うように見えるかもしれませんが、先ほど書いたようにこの事件は体罰を認めるか認めないかの議論じゃないと思います。あくまで報道ベースで真実かどうかはわかりかねますが、生徒が自殺した直後にこの教師にこれまでに体罰を本当に行ったかどうか学校が尋ねたところ、「一度や二度は」と答えていたそうです。実態的には同じバスケ部のアンケートでたくさんの生徒が体罰を受けた、もしくは目撃したと言っていることから、その回数は決して「一度や二度」にとどまらないでしょう。何故回数を過少に申告したのか、私の想像ですがやはりこの教師自体も体罰が問題ある行為だということを自認していたのではないでyそうか。指導のためにどうしても必要と言い切るのであればまだしも、自殺を引き起こした後でそんなにしょっちゅうしてなかった振りするような人間が何を指導するのかという気分です。

 昔にも一回記事にしていますが、基本的に私は体育会系のノリが嫌いです。選手殴って強くなることはまずないでしょうし、妙な上下関係とか尋常じゃないトレーニング量とか、果たしてそれで本当に強い選手が生まれるのか、むしろ才能の芽をつぶしているんじゃないのかという疑問を以前から持っています。更にいえば、大学の運動部なら話は変わってきますが高校の部活はあくまでも教育の延長で、試合に勝つことではなくスポーツを通して立派な人格を育て上げることにあるはずです。その点を今の世の中、といっても昔からですが、どっか置いてきたことが今のギスギスした日本社会を作ってるんじゃないかなぁとかたまに思います。

2013年1月7日月曜日

みぞれ交じりの雨の寒い日

 上海は本日、みぞれ交じりの雨が降って非常に寒かったです。これまでにも何度か雪も降りましたが、変に湿気が高い分、体感的には今冬で一番寒かったです。私の感覚ではありますが、日本の東京あたりの天気は上海の天気がちょうど二日くらい遅れてやってくるので、恐らく明後日の東京はシャレにならないくらいに冷え込むのではないかと思います。

 ちなみに知っている人には有名ですが、私は冬になっても一切コートを着ることがありません。極端に寒さに強い体をしていて、さすがに何度か雪の日には着たことがありますが日本にいた頃の出勤時は常にスーツだけしか着なかったために、職場の同僚からはよく不思議がられてました。しかもそのスーツも春用で、冬用は未だに一着も持っておりません。
 現在は仕事の関係上、割と自由な服装が許されているので上半身はYシャツ、パーカー、Gジャンで通っております。何故最後にGジャンが来るのかはよくわかりませんが。あとダウンジャケットに関しては子供の頃はよく着てましたが20歳過ぎてからは決して冗談ではなく一度も着ていないような。友人からは見ているだけで寒いからもう少し厚着してくれとは言われるのですが。

 最後にホント全然関係ないですが、ネタにして悪いと思うもののこのYahoo知恵袋の質問がえらくツボにはまってしまいました。内容は結婚を考えている相手がいるが、その人は卒業から数年経つのに未だに奨学金をほとんど返済しておらず、なおかつ結婚後は専業主婦を希望していてどうもその奨学金の返済を肩代わりされそう。金銭感覚が違ってうまくいけるかどうかという至極真面目なものなのですが、自分の金銭感覚の説明として、「私は大学卒業後から現在の会社にずっと勤めており、年収は500万円ほどで1人暮らしの生活水準を気に入っていて、数百円程度の貯金もできています。」と、書いていたのが目に止まっちゃいました。
 さすがに「数百円→数百万円」の間違いでしょうが、もったいぶった言い方しながら全然貯金できてないじゃんと思わず突っ込んでしまいたくなるほど致命的な誤字といわざるを得ません。こんだけ誤字脱字の多いブログを運営していながら言うのもなんですが。

2013年1月6日日曜日

二世タレントについて

 先日に日本のテレビ番組でダウンタウンの浜田氏が長男と共にラジオに出演したそうです。なんか浜田氏の奥さんの方がブログで「決して親の七光りで出演できたわけじゃありませんから」といっていたそうですが、そんな風に考えてるならわざわざ口にしなくてもいいような。
 今回の浜田氏親子に限らず、芸能界では親も芸能人という二世タレントは昔から多くおります。この二世タレントについて一部ではさっきのように七光りだと揶揄する声もありますが、私個人としては芸能界であれば親が有名人であると名乗ってもいいと思いますし、全く問題ないと思います。というのも芸能界は政界と違ってやはり実力主義が徹底されている世界で、どれだけ親の影響力を持っていても数字が取れない芸能人であれば自然に淘汰されるだけです。確かに親の影響力があれば縁もゆかりもない人と比べてデビューこそ華々しく飾れますが、実力が足りなければ一年もしないうちに画面から消えていくでしょう。

 そういう風に思う一つのケースとして、小泉孝太郎氏が私の中で真っ先に上がってきます。小泉孝太郎氏の父親は名字からもわかる通りに元首相の小泉純一郎氏で、デビュー時からその事実を公表しており在任中でもあったことから大きな話題となりました。あくまで私の印象ですが、父親が現役首相である事実を公表していた小泉孝太郎氏に対して周囲からは批判する声が多かったように覚えます。私が覚えているのだと北野武氏も批判した一人で、売れた後で実は父親が総理だと言えばいいのにまだ売れるかどうかわからないデビュー段階で明かすのはおかしいと言っていました。もっとも、そういう北野氏も娘の北野井子氏が歌手デビューした際には自らプロモーションビデオに出演、監修するなど力が入っており、基本的にこの人は好きですがこの一点に関しては言ってることとやってることが違うよねと前から思ってます。

 話は小泉孝太郎氏に戻りますが、確かにデビュー時は首相の息子という話題性が独り歩きしていた雰囲気はありましたが、テレビで見る限りだと非常にさわやかそうな外見な上に穏やかな性格していて、デビューこそ父親の影響力を借りたけどきっとこの人は芸能界でやっていけるなと当時に感じました。そんな予想が当たったというべきか、小泉孝太郎氏はその後も着実にキャリアを重ねて既に父親の純一郎氏が政界から引退しているにもかかわらずコンスタントにテレビドラマなどに出演を重ねております。なんかさっき調べてみたら、今日からやってる「八重の桜」にも徳川慶喜役でキャスティングされているし。

 またもう一人、こちらも元首相の血縁者であるDAIGO氏に関しても常々同じようなことを思います。DAIGO氏は小泉孝太郎氏とは違って歌手デビューした際に自分が竹下登の孫だということをひた隠しにしていたそうですが、その期間、確か10年くらい全く日の目を浴びなかったそうです。年齢も二十代後半にさしかかった頃、本人曰く「このままだとさすがにまずい」と思うようになってカミングアウトをするに至ったそうですが、多分「踊るさんま御殿」からだと思いますがこの番組の出演を契機に急に売れ出すようになって、本人も後年に同じ「踊るさんま御殿」に出演した際、「カミングアウトするまでのあの長い期間はなんだったんだろう」とやや複雑な心境を語っておりました。

 仮にDAIGO氏が竹下登の孫でしかなかったら現在に至るまでテレビ番組のレギュラー出演をし続けることは叶わなかったでしょう。以前に読んだあるコラムでは、DAIGO氏がテレビ出演時に話す若者言葉は取りようにとっては相手に対してかなり失礼な言い方であるが彼が言うと全く悪意があるように聞こえず、彼自身の穏やかな性格はもとより育ちの良さがこれを可能にしていると批評しておりましたが、非常に的確な分析だと思います。先の小泉孝太郎氏にも重なりますが、DAIGO氏に関してはこうした育ちの良さから来る雰囲気が視聴者に求められているのだと思うし、だからこそ芸能界で今も活躍し続けられるのだと思います。それだけに初めから無理せずカミングアウトしとけばよかったのにとも思うのですが。

 逆に実力がない故に明らかに淘汰されていると思うのは、名指しして悪いとは思いますが明石家さんま氏と大竹しのぶ氏の娘のIMALU氏です。両親が大物ということもあってデビュー時は大きな話題になっていろんな番組にゲスト出演しましたが、その後は徐々に低迷し、現在に至っては母親の大竹しのぶ氏関連の番組にしか出ておらず明らかに親の影響力だけで命脈保っているような状態です。私も日本にいた頃に何度か出演した番組を見ましたが、声が小さい上にトークの内容も面白くなく、同じ二世タレントでも関根麻理氏とは雲泥の差だなと感じました。父親の明石家さんま氏は娘の芸能活動をあまり快く思っていないとかねがね言っておりますが、その眼はやはり正しかったと思います。

  おまけ
 今日取り上げたDAIGO氏は実は密かに尊敬している人の一人です。なお彼の姉の影木栄貴氏も現役の漫画家ということで有名人ではありますが、以前に彼女の自叙伝的な漫画を読むことがありました。その漫画によるとこの家は三兄弟で影木栄貴氏が一番上で、DAIGO氏は三人目、真ん中に一般人の弟がいるそうです。影木栄貴氏は真ん中の弟とは子供の頃にしょっちゅうケンカするなど関わりはあったものの、DAIGO氏とは7つ違いと年も離れていたことから子供の頃はあまり接触がなかったそうです。また上二人がしょっちゅうケンカする姿を遠くで眺めていたことから、DAIGO氏は今のような穏やかな性格になったのだろうと姉の目線で書かれてありました。
 ただそんなDAIGO氏と一対一で子供の頃に接触したエピソードも一つ載せられており、なんでもゲームのドラクエでDAIGO氏がうっかり影木栄貴氏のデータを消してしまったことがあったらしく、影木栄貴氏がその件で問い詰めるとDAIGO氏は知らないふりをしようとして、「余計に腹が立った」と書いておりました。政治家の家でも案外、同じような問題で兄弟げんかが起こるのだと思わせられたエピソードです。

2013年1月4日金曜日

松岡洋右について

 たまには歴史の話でもと思って何か人物を取り上げようとしばらく考え、当初は甲斐宗雲でもやろうかと思いましたが最後に考え直して題にも掲げた松岡洋右を取り上げることにしました。結論から言うと私はこの人が大嫌いで、後述する議論において私が片方の立場を取る主要な原因となっている人物です。

松岡洋右(Wikipedia)

 日本史をやったことのある人間ならまず知っているでしょうが、この人は戦前に活躍した外交官で近衛内閣では外務大臣にも就任しております。この人がやった、というかやらかしたことは以下の通りです。

・国際連盟の脱退
・日ソ中立条約の締結
・日独伊三国軍事同盟の締結
・日米交渉の失敗

 このうち最初の「国際連盟の脱退」は当時の外務省の方針であったために松岡に責任があるわけではないですが、後ろ三つに関しては本人が強力に推し進めていただけでなく、それ以前からも独断で物事を決める人間であっただけに間違いなく彼の責任のなせる業と言い切れます。これら松岡の決断がその後どのように日本を追い込んで行ったのかそれこそ何万字もかけてでもじっくり紹介してやりたいところですが、その前に彼の構想とやらを簡単に紹介します。
 まず松岡の来歴を簡単に説明しますが、彼は若い時期にアメリカに留学して優秀な成績で帰国し、外務省に入省しています。ただ外務省は41歳の頃にに辞めて、その後は伝手のあった満州鉄道に入社して後に首相となる岸信介、日産(というかむしろ日立)創業者の鮎川義介と並んで「満州の三スケ」と呼ばれるほどの実力者となりました。そのまま満州に引きこもっててシベリアにでも連れていかれればよかったものを途中で政治家に転身し、元外交官という立場から外交にあれこれ口出しする議員となりました。

 その後紆余曲折あって一旦議員を辞めて満鉄総裁職を経た後、近衛文麿に請われて外務大臣に就任します。外務大臣に就任するや幹部官僚のクビを一斉に切って独裁大勢を確立するのですが、その後に彼が構想していた四国同盟の結成へと動き出します。この四国同盟というのは日本、ドイツ、イタリアのいわゆるアクシズ三カ国にソ連を加えたもので、この構想の背景には当時も世界最強国であったアメリカ、そしてイギリスに対抗するという狙いがあったのだと思います。先に書いてしまいますが、留学中に嫌な目にでもあったのかどうも松岡の思想や行動というものは「アメリカ憎し」というか反米を基軸にして動いているように思え、それがためにしなくてもいい余計なことをことごとくやってのけてくれたのだと私は考えています。

 話は戻って外務大臣に就任した松岡はまずドイツに向かい、ヒトラーに会います。ドイツに行く前まではあまりドイツにいい感情を持っていなかったようですが、反米以外にバックボーンを持っていないので歓迎されるやコロッと考え方を変え、四国同盟の手始めとばかりに日独伊三国軍事同盟を結びます。
 この交渉の前後で松岡はどうも、ドイツとソ連がお互いの利益が一致したためあくまで一時的として結んだ仮初めの独ソ不可侵条約を、ドイツとソ連は相思相愛の関係だと本気で信じていたようです。そのため実際には既にドイツがソ連との開戦を計画していたにもかかわらず三国軍事同盟を結ぶことによってソ連を味方に引き込めると誤解し、交渉中にソ連との同盟締結の価値をドイツ側にも強く主張していたようです。

 それに対してドイツ側は暗に開戦する可能性があることを示唆して日本はソ連とは同盟を結ばず、ソ連を背後から牽制してくれるようにと注意していたのですが松岡はそのシグナルを全く受け取れず、三国軍事同盟締結後に直接モスクワへ行ってスターリンと交渉し、ドイツの好意を無碍にするかのように日ソ中立条約を結んで帰ってきます。スターリンとしてはこれによって後顧の憂いなくドイツと戦えるので狂喜乱舞し、松岡の帰国時に異例ともいえる見送りを敢行しているくらいです。
 ウィキペディアの記事ではこの時松岡は首相の座を狙っていたと書かれていますが、功を焦っているようにも見えるので非常に頷ける話です。もっとも日ソ中立条約が結ばれた直後に独ソ戦が開戦して面目丸つぶれとなり、時の平沼内閣も「欧州事情は複雑怪奇」という言葉を残して引きずられるように総辞職しています。ただ当時の世界情勢から言って、少なくとも外交の世界では独ソ開戦は確実視されていたようにも思え、ドイツとソ連は仲がいいままだと誤解した松岡、ひいては日本の外務省はいくらなんでもひどすぎると言わざるを得ません。松岡に至っては日ソ中立条約締結前に、チャーチルから独ソ開戦は近いとはっきりとした忠告を受けておりその手紙まで残ってますし。それにしてもイギリス人は抜け目ない。

 松岡の酷いところは明らかに時勢が読めてない点だけでなく、外交の基本姿勢を反米以外に持っていないという点も挙げられます。ソ連との同盟が散々必要だと言いながら独ソ戦が開戦されるや、日ソ中立条約を破棄してソ連に攻め込めと言い出したそうです。この時点で精神病院にでも放り込んでおけばよかったものを、外遊中に外務省が中心となって割と穏便に進めていた日米交渉にも途中から条件面でおかしいとか言って口出ししてややこしい事態に発展させております。これには昭和天皇、ひいては近衛文麿も怒ったようで、現在のように閣僚の交代が認められていない旧憲法下で異例とも言っていい、松岡を外務省から外すためだけに総辞職してすぐに組閣という方法を実践しております。

 こうして野に下った松岡ですが、米国との戦争は避けなければならないと主張し続け、日米開戦時には天皇に申し訳ないと言いながら号泣したと言われております。ただ彼のこれまでの行動を見る限りだとどう見ても反米しか思想がないように思え、私は彼の対米戦回避主張というのは一種のパフォーマンスに過ぎないのではないかと疑っております。実際に開戦直後に徳富蘇峰に送った手紙では、真珠湾の戦果に興奮したと書かれていたそうですし。最終的には終戦まで生き残ってA級戦犯に指名されましたが、公判中に罹患していた結核が悪化して病死しています。

 ざっと来歴をまとめましたが結果論ではあるものの重要な場面でことごとく誤った判断をかましており、決して誇張ではなくこの人一人がいなければ日本はもっとマシな結果になっていたのではないかとすら思え、亡国の臣と呼ぶにふさわしい人物だと心から思えます。同じ亡国の臣でも東条英機と比べて活動期間が長く、また外交という役職からその影響度も半端なく上でしょう。
 その上で言わせてもらいたいのですが、何故こんな男が靖国神社に合祀されたのか、当時の政策決定者は明らかに間違った判断をしたと言わざるを得ません。起こす必要のなかった戦争に巻き込んだ外交官、個人的感情から兵隊を無駄死にさせた指揮官、こんな人間たちが死ねといわれた当事者である兵隊と一緒に祀られるということに一種の不気味さを感じます。

 靖国神社側はA級戦犯の分祀は出来ないと言っています。あまり知識はなく間違ってるかもしれませんが仏教には魂抜きといって、宿った魂を別の位牌とかに移す行為はOKだと聞きます。元々靖国は神社でもなかったのだし、この際だからA級戦犯以外の兵隊の魂を魂抜きして、仏教施設で供養した方がいいじゃないかと、松岡洋右の件を考えるにつけ本気で思います。

 軽い歴史物を書くつもりだったのに、三千文字オーバーの長文になってしまったなぁ(;´Д`)

2013年1月3日木曜日

日系ブランドの驕り

 見る人によっては不快感を覚えるかもしれませんが、何人かの友人に話したところ比較的反応が良く、また愚者も百に一つはいいことを言うと言うので思い切って書くことにします。もっとも、そもそも周囲の意見を気にする自分ではありませんが。

 私はこれまで上海、香港に赴任しておりますが、どちらでもシーズンである10~12月の間はしょっちゅう国際展示会に行かされては出展している日系企業相手に取材活動を行ってきました。行った展示会の業種は自動車や電機はもちろんのこと繊維や食品などかなり幅広い分野に渡るのですが、どの展示会に行っても何を強みに海外市場で売り出すのかという質問するとほぼ必ず、「日本製ならではの高品質性……」という言葉が返ってきます。そのためこの手の展示会の取材記事の見出しは「高品質性をアピール」としか書けず何度も続くもんだからいろいろと突き上げを食らう羽目となっております。
 そういった個人事情は置いといて、敢えてここで疑問を提言するなら「高品質性以外になにか強みはないのか」ということを強く言いたいです。それこそ価格と性能のコストパフォーマンスに優れているとか、デザイン性の面で他国の企業を上回っているとか、他のメーカーにはない独自機能があるとか、マーケティングで競争力があるとか挙げられる項目であればいくらでもあるのに、日系企業関係者は誰一人としてこのようなことを口にしません。皆一様に性能や品質は高いが価格も高くてなかなか買い手と交渉で折り合わないと言うのですが、厳しい言葉を投げかけるのであれば高品質性で競争力があるのであれば買い手はつくのでは、何も強みがないことを「日本製ならではの高品質」と言いつくろっているだけなのでは。さらに言えば、そもそも本当にその商品は他国製と比べて品質面で勝っているのかとすら思え、「日本製」という過去に作られたブランドイメージにしがみついているだけではというように感じる時が何度かありました。

 話は飛びますが、私がこのように考えるようになったきっかけというのはちょっと意外な所というか、北京で去年末に行われたキヤノンの納会みたいなところの話からでした。私はこの話を人伝に話を聞いたのですが、なんでもキヤノンは去年に中国で起きた反日デモを引き合いに出して、「キヤノンはこれからは無国籍ブランドにならなければならない」と重役か何かが言ったそうです。
 無国籍ブランドというのは、敢えて言うならマクドナルドやマイクロソフトのように、その企業の商品なりサービスを受ける際にいちいち「アメリカの会社」というイメージを抱かない、世界中どこにあっても自然で意識することがないと思えるブランドを指すようです。キヤノンとしては日本に籍を置く企業ではあるものの「日系企業のキヤノン」ではなく「キヤノンはキヤノン」というように国籍ではなく企業単体で成立するブランドイメージを今後作る必要があると言ったそうです。

 話すことはいちいちもっともだし、キヤノンが言うのなら説得力があると私も感じます。というのも反日デモ以降、日系メーカーの商品は自動車や家電を中心に中国で大きく売上げが落ちましたが、キヤノンとニコンのデジカメだけはそれ以前と全く変わらずに売れ続けたそうです。その理由は単純で、高性能なデジカメを選ぶとなるとこの二社以外に選択肢がないというものからでした。ちょっとさっきから持ち上げ過ぎな気もするので一つ突っ込んでおくと、どちらも過去、かなり問題な規模で偽装請負をやっていた会社ではありますが。光学機器メーカー同士で性格似てるのかな。
 何が言いたいのかというと、やはり性能や品質が本当に優れているのなら消費者は多少値段が高くても、尖閣諸島の問題で腹立ってもその商品を選ぶのだと思います。逆に性能面で劣っていないにしろ、他のメーカー製とほぼ競合しているのであれば何かの「きっかけ」によって売り上げが大きく落ち込むこともあるのでしょう。

 具体的な業種について話していくと、自動車に関してはトヨタのハイブリッドエンジン、日産のルノーとの提携による国際販売体制などを中心に日系メーカーには確かに他国のメーカーにはない大きな強みがあると思います。ただ残念なことに中国ではこれらの強みがあまり効果を発揮しない(そもそもトヨタ自体が中国でのハイブリッド車販売に乗り気じゃなさそう)場所であり、また暴徒によって車が破壊される映像がテレビで大きく流されたことで去年の一件では大きく販売が落ち込むことになりました。
 ただ家電に関しては文句なしに、もはや大きな競争力はないと思います。確かにまだ性能や品質面で日系家電メーカーは海外メーカーを上回っているのかもしれませんが、たとえば中国メーカーと比べた場合、この品質面での差はこの十年で確実にかつ大きく埋まってきております。ではその埋まった品質面での差の代わりに何か新しい強みを身に着けたかというのであればさに非ず、発表とか見ているとやっぱり「高品質性をアピール」としか言ってないように見えます。

 結局のところ、「高品質な日本製品」というブランドイメージに日系メーカーは依存し過ぎなのではないかと思います。昔は確かにそうだったかもしれませんが、少なくとも現代においてはそれだけではもう商品が売れる時代ではないでしょう。それこそキヤノンの言う通りに、「日本製」ということを隠しても消費者はその商品を選ぶか否か、そんな商品を作れるのか作れないのかではないでしょうか。はっきり言って、今の日本企業は日系ブランドであることに明らかな驕りがあるように見えるだけに、使えるものは何でも使うべきではあるものの、真に競争力を養うためにはもうそうしたことは口にしない方がいいのかもしれません。
 どこぞの誰かともわからない会社だがいい商品を作る、ここの商品しか希望に合わない。ブランドに頼らずそんな商品を作ろうとする気概、さらに言えば消費者に求められていない高品質性以外の強みを追及する姿勢こそが今必要なのだと思う次第であります。

2013年1月1日火曜日

ベアテ・シロタ氏の死去について

 本題とは関係ありませんが、中国では昨年末の12月22日がマヤの予言での終末の日だから世界は滅亡すると軽い騒ぎになりました。結局何も起こらないというノストラダムス以来のオチでしたが、こっちで出ているLCCのエアアジアの公告に、「終末の日の後だからこそ旅行はなお楽しい!」っていうキャッチコピーが書かれてあって、中国にもいいコピーライターがいるもんだと感心させられました。

ベアテ・シロタ・ゴードンさん死去=日本国憲法起草に従事(時事通信)

 今日はごつい記事でも書こうと考えてましたが、ちょっとまた頭痛がするのと、個人的に印象的なニュースが出てきたのでこっちを取り上げます。上記リンク先に書かれている通り、日本国憲法の起草に関わったベアテ・シロタ氏が12月31日に亡くなっていたそうです。ベアテ・シロタ氏、というよりその父親のレオ・シロタ氏については以前にも記事を書いておりますが、新憲法起草を通して日本の戦後史に非常に強い影響を与えた人物と言っても過言ではなく、このニュースを見て一つの歴史が終わったと強く感じました。
 彼女の死が直接何か、新しいことにつながるというわけではないのですが、歴史というのは他の物事と同じように基本的に始まりがあれば終わりがあります。何か一つの事件が始まれば、その直接の影響を及ぼす期間なり時期というものには終わりがあります。それこそ民族や国家も例にもれず、繁栄を誇ったローマ帝国ですら滅び、今あるアメリカや日本という国家もいつの日か終わりを迎えるという方が自然です。

 ちょっと自分でもわけのわからないことのたまっている気がしますが、終わりを連想させるような一つの区切りとなる事件があるからこそ歴史というものは認識しやすくなる気がします。今回のこのニュースもそういうものを連想させるものとして、一応記念に書き残そうと思った次第です。

2012年12月31日月曜日

今年、そして来年

 この記事を書き始めた段階で既に2012年が終わるまで1時間を切りました。当初はこのまま更新せずに寝てしまおうかとも思ったのですが、ふと2012年に一体自分は何本記事をアップしたのか気になったので軽く調べてみたところ、この記事を含まずに291本も書いていました。自分で言うのもなんですが、更新し過ぎでしょう。

 あと同様に去年末は何を書いたのかも気になったので同じく調べてみたところ、「世界の2011年を振り返る」という記事を書いてました。内容としてはビンラディンを筆頭にアメリカの敵が一斉に死んだということと、2012年は世界中で首脳を決める選挙が重なることなどに触れられており、日本も変わるかもしれないとか言ってたら本当に今月変わっちゃいました。あと書いている記述としては、「欧州債務危機も多分来年に本格的に火を噴く可能性が高く、今年も色々死んだせいでそれなりに騒がれはしましたが、後年になって2011年は嵐の前の静けさだったと評されるかもしれません。」という文言もあります。こちらは心配していたほど大きく火を噴くことはなく日本の景気も復興需要があったせいか割と穏健さを保ちましたが、後半に至っては経常収支(国全体の収支バランス)が赤字を記録するなどやや曇り模様が見えてきました。この経常収支についてちょっと一言付け加えておくと、国家財政がどれだけ赤字であっても経常収支が黒字な間は問題ないと主張する人が散々このブログのコメント欄に書いていましたが、経常収支も赤字になったけどどう考えてるのとちょっと意地悪く聞いてみたいです。

 私個人のこの一年は全く以って穏健というか、2011年が引越しが三回、勤務地が三回変わるわで激動だったことを考慮すると、今年は引っ越しは一回あったものの上海から全く動かず静かな一年だったように思えます。ちなみに、日本への一時帰国回数は二回です。ただ来年は今年よりは確実に変動を持つことが既に確定しており、年明けはまだのんびりできますが春先からは結構笑ってられない状態に陥ることになります。もっともそれは自分が望んだ事態であるため、楽しみであることには間違いないのですが。

 ちなみにこの時期が来ると毎年思い出すのはあの日こと、2009年の1月2日です。知ってる人には早いですがこの日に私は自転車での房総半島一周を突然思いつき、即日実行してえらいことになりました。こんな目に遭っていながらもまた機会があれば、今度は二日かけるとかもうちょっとスケジュールに余裕を持たせてチャレンジしてみたい、というか9月に帰ってから自転車に一度も乗っていないので早く乗りたいとか考える当たり、つくづく自分は反省のない男だと思えます。

2012年12月30日日曜日

日本人は侍か?忍者か?

 いつごろかは忘れましたがかなり昔に海外の人にとって日本人は侍というイメージを強く持たれており、それがいい方向に作用しているということをブログで書いたかと思います。日本人がどうして侍というイメージを持たれるようになったかは新渡戸稲造の著書「武士道」のほかに、黒沢映画などの影響によるところが多いと予想されますが、北京での留学中に相部屋だったルーマニア人ですら、「日本人はどんなことにも黙って我慢する忍耐強い民族だと親父に教えられた( ゚∀゚)」と言っていたくらいなので、その浸透度は計り知れないでしょう。
 ただ日本人のイメージとくれば侍のほかにも、こちらはショー・コスギ氏らが出演した映画による影響か忍者というイメージも海外で負けじと強いです。侍と忍者、どちらも大多数の現代日本人からすれば直接関わりはないものではあるものの(あったら怖い)こうしたイメージを保持することは明らかにプラスに働くために大事にすべきとは思うのですが、それでも敢えて一言いうのであれば、私は侍というイメージより忍者というイメージを強く意識して押し出すべきだと主張します。

 一体何故忍者を押し出すのか。別に私は甲賀忍軍の末裔というわけでもなく親戚に忍者がいるというわけでもないのですが(いたら怖い)、こう考える理由として一つには外人の考える忍者のイメージがぶっ飛んでて好感を持たれるのに侍より好都合であることに加え、忍者のイメージの方が日本人の思想に割合マッチしやすいと思うからです。
 忍者のイメージ云々は省略して後者の思想にマッチしやすいという点に絞り解説しますが、あくまで私の主観ですが日本人というのは基本的に目立つことを嫌います(大阪人を除いて、それにしても今日は括弧づけが多い)。この目立つ行為を避けるということが忍者の持つスパイ性に近いというか、究極的には周辺環境に溶け込もうとする日本の文化様式に重なるのではないかと勝手ににらんでます。

 これは以前、といっても自分が記憶する限りだと確か小学5~6年生の頃に通った予備校での国語の授業で使用されたテキストに書かれていた内容ですが、噴水という建築物は西洋世界では風景にマッチするのに対し日本だとどうにもマッチしないと書かれてありました。その理由はというと西洋の建築思想というのは「自然を改造する」ことにあって如何に人工的な作為を建築に見せようとするのに対し、日本の建築思想は自然そのものの姿を可能な限り残そうとする、いわば真逆にあると論じてありました。
 この話は子供心にやけに記憶に残ったのですが、その後学生時代に京都に行ってからはなおさら納得感を深めました。知ってる人には早いですが京都は「借景」といって、住宅など建築物を建てる際に背景にどんな光景を入れるか、京都の場合ですと具体的には山々ですがそうしたものを考慮して建てます。建築というものは同じ東洋人でも日本、中国、韓国で明らかに様式が異なり、割かし民族ごとの思想が反映されやすいものだとかねてから考えており、この借景という概念一つとっても日本人の究極的な思想形態というものはここにある、つまり自然に如何に溶け込むかにあるのではないかと考えてるわけです。

 そうしたことを考えるにつけ、侍の持つ「寡黙」、「忠義」といった要素よりも忍者の持つ「隠密」、というか「ステルス」という要素の方が日本人と相性がいいのではないかという結論に至りました。以前にも書きましたが日本政府は今、「クールジャパン(゚∀゚)」という用語を使って日本のコンテンツを海外向けに打ち出しておりますが、海外に住んでいる自分の身からしてこの用語はあまり見かけることはなく、そもそも「クール」と「日本人」では連想しづらいと感があります。それならむしろ標語を「シュールジャパン(・ω・)」に変えて、ありのまま、自然なままの日本人の姿を打ち出す方が日本人の思想にマッチした上で、海外の人にとっても連想したイメージが作りやすいのではないかと常日頃から考えてるわけです。
 その「シュール」という言葉と「自然(=周囲)に溶け込む」という思想を訴える上で忍者というのは非常に恰好の材料であり、また既に持たれている既存イメージを流用することも可能であることから、提案をするという意味で今回このような記事を書くことにしました。最後に蛇足となるでしょうが新渡戸稲造は「武士道」なんて書かずに「忍道」って本を書くべきだったんじゃないかとも思っており、「忍道とは、隠れることと見つけたり」みたいな感じで海外に紹介した方が色々面白かったのではとも思ってたりします。

2012年12月29日土曜日

中国の10大ネットニュース


 上海ではこの一週間、ずっと雨が降っててピーカンな天気よりややぐずついた天気の方が好きな自分ですらいい加減にしろと思いつつ今日選択をしたわけでしたが、雨を通り越して昼過ぎから雪降ってました。夕食もローカルな店で鶏肉定食でも食べる予定でしたが、寒いのでずっと家に籠ってPSPをし続け、結局ファミリーマートでチキン南蛮うどん買って終えました(;一_一)

 話は本題に入りますが、一昨日付の「証券時報」という新聞で今年のネット10大ニュースという特集がありました。ちょうど一年を振り返るいい時期なので、本業でもあるし今日はその内容を簡単に翻訳してお伝えしようかと思います。

1位 白酒の可塑剤混入事件
 これは以前にも私も取り上げましたが、旧正月の時期を控えて最も書き入れ時であるこの時期に、中国の高級酒「白酒」に可塑剤が混入していたことが発覚しました。最初に発覚した中級白酒メーカーの「酒鬼酒」は株価が大下がりしましたが、その後も貴州茅台酒、五糧液などほかの城酒メーカーも一部品種で可塑剤が入っているのがわかり、業界全体で今もなおえらいことになってます。

2位 ゼラチン毒カプセル事件
 こっちは結構前ですが、薬品などを入れるあのゼラチンカプセルにこちらもまた基準値を大幅オーバーするクロムが入っていたという事件がありました。こっちの混入原因はわりとはっきりしていて、横着する業者がなんと捨てられた皮革製品から原料のゼラチンを抽出して作っていたことが原因だったようです。ただ一時期報道が過熱していたのに、私の印象だと発覚から二週間くらいでぱたりと報道が止まったので、当局がもしかしたら動いたのかもしれません。

3位 ネットによる汚職官僚の摘発 日本でも事例がありますが、中国では今年にネットのブログ情報などから公務員の汚職が摘発されつという話が何度かありました。個人的に自分が面白かったのは年収150万円くらいの課長クラスの公務員が数億円する土地や物件といった不動産を複数所有していて、どっからその金は出てきたと疑問視されたことから摘発されたという例があります。

4位 工場建設に対する反対環境デモ
 排水流出など環境汚染事件の絶えない中国ですが、現地住民からしたら日本人と遜色ないほど環境に対する意識はこのところ高まっております。そうした風潮の中で今年、金属精錬工場や化学品工場の建設計画が持ち上がるや現地で建設反対運動が巻き起こり、計画そのものが撤回されるといった事件が何度かありました。社会主義、というよりお上の決定の強い中国でもこのような反対、そして撤回ということが起こり得るのだなと驚くのと同時に、計画を撤回せざるを得ないほど当局も環境問題に対しては意識を持ってきたのかと感じます。

5位 北京豪雨
 7月21日、北京市では激しい豪雨となって町中至るところで道路が冠水し大きな影響が出ました。水圧でドアが開けられず車に閉じ込められたまま水死した人も現れ、豪雨からしばらくは車脱出用ハンマーがネットで大量に売れたとのことです。

6位 反日デモ
 我らが日本との外交問題も見事ランクイン。特に書くことはなし。

7位 大物経営者と若年女性の結婚
 中国の不動産最大手、万科企業のトップが20代の女性と年の差結婚を果たし、ネット上では遺産目当てだとかあーだこーだとかいろいろ騒ぎになったそうです。

8位 高速無料化
 日本でやっているのとほぼ同じように、中国では今年10月の大型連休時に高速道路の無料化を実施しました。ただ実施したところこちらも日本と同じで各地で大渋滞を引き起こしており、社会的な損失の方が大きいと当局は批判されることとなりました。

9位 飲料メーカー2社の商標権争い
 中国には「王老吉」という、日本で言えば烏龍茶(烏龍茶はもともと中国の物だが)の様な酒の合間に飲む有名な清涼飲料水があるのですが、この王老吉の商標権を巡って広州薬業と加多宝の2社が物凄い争いを展開しました。裁判闘争は当然のこと、従業員同士で殴り合ったり販促会を妨害したりと、下手なプロレスよりずっとおもしろい展開が話題となりました。

10位 勝者無き値下げ競争
 今年8月、中国ではアマゾンの様な電子商取引サイト3社が猛烈な価格競争を繰り広げました。最初の始めたのは確か蘇寧電機という家電小売販売企業が運営するB2Cサイトからでしたが、これに呼応してライバルの国美電機、京東商城というサイトも大型値下げを敢行。結局3社とも売り上げは伸びたものの利益はほとんど出ず、痛み分けで終わったそうです。

2012年12月28日金曜日

中日新聞の安倍内閣批判記事について

「ネトウヨ内閣」「国防軍オタク内閣」… 東京・中日新聞新内閣記事に苦情電話が殺到(J‐CASTニュース)

 自分が一方的に毛嫌いしている中日新聞がまたなんかやらかしたそうです。
 話題となっているのは昨日付の紙面で、第二次安倍内閣の閣僚について各界のコメンテーターからの意見をまとめて乗せたそうなのですがその内容というのも全部が全部批判的な意見しかなく、見出しについては上にも書かれている通り便所の落書きレベルのような悪口が踊ったそうです。昨日の段階でネットで「これはひどい」的な取り上げられ方をしていたのを見ていましたが、J‐CASTの記事によると抗議の電話も相次いでいるそうです。

 中日新聞側は批判的な意見しか載せなかった理由について、「他にも多くの人に依頼したが断られるなどしてこの10人になった」と回答しているそうですが、はっきり言いますが疑わし言い訳です。というのも掲載された10人の論者はどれも自民党にかねてから批判的な人物で、意図的にこういった人たちに寄稿を依頼したようにしか見えません。ある意味、よくこんなオールスターを集めたなともいえるのですが。一人だけ名指しで批判させてもらうと、宮崎学氏は今はどうだか知りませんが以前に「突破者」という著書で「海外マフィアの進出に対抗するためにヤクザを根絶してはならない」と述べ、ヤクザの存在は必要悪だという主張をしたことのある人物で、こんな人に意見を求める中日新聞はヤクザ撲滅にあまりご熱心ではないという姿勢がうかがえます。

 あとこれは中日新聞に限る話じゃないのですが私は今回の第二次安倍政権の陣容を批評する上で何が一番重要化というと、第一次政権時とどう違うのかだと思います。そのため一昨日に書いた記事では官房長官が塩崎氏から菅氏に代わったという点を取り上げましたが、あまりこの点について言及するメディアがないのをちょっと残念に思います。あとよこしまなお願いですが、早く岸田外務大臣がどういう方針を持っているのか、どんな人物だったのかということを特集してほしいです。
 最後にもう一点、前回の記事で書きそびれたのですが未だ以って謎なのは安倍首相の経済ブレーンは誰なのかという点です。こういってはなんですが財務大臣に就任した麻生元首相は公共事業のばらまきしかカードを持っておらずお世辞にも財金政策がわかっているとは思え辛いです。これは安倍氏も同様で、日銀に対する施策や提言はなにかしらジャイアンに対するスネ夫の様な知恵袋がいると思うのですが、その人物が未だに見えてきません。誰かこの点で候補だけでも挙げてくれないかな。

上海動物園に行こう


 長期休暇一日目。昨夜降った雨は止んでいましたが天気はずっと曇りで気温も割と冷え込むという悪天候の中、上海動物園へ行ってきました。男一人で堂々と。
 動物園へは日本にいた頃からも上野を中心に何度か通っており、本人が言うのもなんですが成人してからの方が楽しめるようになってきました。上海動物園は去年も複数回訪れていましたが、今年は今回が最初で最後になりそうです。それにしても平日で、天気も悪かったからすごいガラガラだったな。


 動きの速いレッサーパンダ。写真撮るのもなかなか難しい。


 中国最強のキラーコンテンツといってもいいパンダ。普通、どこいってものっそりした動きしてるのにこの日のこいつは一味違い、常にガラス窓越しに動いていてまともな写真が取れなかった。


 つがいで仲良く一緒に寝ているライオン。結構寒かったのにいい感じで寝ている。


 子どもの虎。デジカメについているストラップをガラス越しに振ると猫みたいに反応してきたが、直接触れられないとストレスもたまるだろうと思ってすぐやめました。


 こっちも中国の動物園ではお馴染みのキンシコウ。こいつらも常に動き回ってて写真に撮り辛かったが、動きのある動物の方がやはり見ていて楽しい。


 今日に限るわけじゃないですが、上海動物園内には野良猫がやたら多いです。多分2~30匹はいるんじゃないかというくらいに出会いましたが、きっとほかの動物のエサとか盗み食いしてるんだろうな。


 この日はこいつらに会うために来たと言っても過言ではないカピバラ。見た目もかわいければ動きもあり、カワウソと並んでみていて飽きない。





 なお今回動物園を回っている最中に突然、「パンダの檻はどこですか?」と日本語で尋ねられました。なんで日本人って見かけだけでばれたんだろう。
 動物園を見終わって家に着いたのは午後三時半。寒い中歩き通しだったので早速2時間昼寝して、またゲームの「アクシズの脅威V」をやって過ごしました。ゲームの方は戦争に次ぐ戦争でなんだかこのところ疲れを感じており、戦いは人の心を疲弊させるものだと感じ入ります。

2012年12月27日木曜日

新島八重について

 日本は恐らく明日が仕事納めでしょうが、メディアという仕事上から私は今日が仕事納めでした。その代り仕事始めも1日早くなるけど。
 そんな具合で解放感いっぱいかと思いきや、なんか11月から12月にかけて公私ともに面倒な事が一気に片付いたこともあってちょっと脱力感があります。っていうか、午後6時台に家に帰ってくるのが真面目に数年ぶりで時間のやり場に困る。あとこれは友人に向けてですが、

 話は本題に入りますが、今年放映された大河ドラマの「平清盛」は視聴率が過去最低を記録したようですが、Yahooの記事コメント欄に「平家の凋落と共に視聴率が落ちてきたのがリアル感がある」という指摘が妙にツボにはまりました。そんな不信を挽回すべく来年1月6日からは綾瀬はるか主演で、新島八重を題材にした新たな大河ドラマが始められるそうです。

 新島八重について簡単に説明すると、東日本大震災の被災地である福島県(会津藩)出身で同志社大学の創立者である新島襄の奥さんです。この人自体は以前から知らなかったわけではないのですが、歴史マニアを自称する自分でもそんなに詳しくはなく、とあるエピソードで名前を知っていたにすぎませんでした。
 そのエピソードというのも新島八重を代表するエピソードなのですが、会津藩は幕末に有名な白虎隊を始め薩長政府軍と激しく戦い合ったのですが、この戦争中に会津藩内の一部女性は男性と共に城に立てこもって抵抗を行ったそうです。この新島八重もその一人で大河の主役になるだけあって血気盛んなわけなのですが、同じく立て籠もった女性に高木時尾という人がおり、何を隠そう後に新撰組の斎藤一の奥さんになる人です。私はこの斎藤一について調べている時にこの新島八重も知ったのですが、回り回って京都に来るっていうのもまた数奇な運命です。

 そんな具合であまり詳しくないのでこれ以上取り立てて書く必要はないのですが、京都に過ごしたこともあるので新島八重の旦那の新島襄が作った同志社大学についてちょこっとだけ補足します。京都というのは昔からしきたりには無条件で従うところがあるものの、平清盛がいた頃から支配者がコロコロ変わることもあってルールとか規則はあまり重要視しないところがあります。そんな京都の中でも同志社は特にルールを無視する風潮が強く、結果が良いなら過程は何したっていいというような校風があります。
 過去をさかのぼるとどうも創立当初(同志社英学校)の頃からそういう雰囲気だったらしく、アメリカのラジカルな方の自由っぷりを継承したのかやりたい放題なところがあります。京都の人間もそんな同志社を許容する懐の深さがあり、戦時中に同志社の学生が喫茶店にいたところ警官が、「こんな時代にこんなところで学生が何しとる、どこの学校や」と聞くので同志社だと答えたら、「なんや、あそこは治外法権や」といって許してもらったって話を聞いたことがあります。

 私自身、同志社出身の知り合いが多くいますが、まぁどれもこれも調子のいい人間というかちょっとタガが外れた人が多いです。たとえばある作業を指示しても、「こんなん面倒やん、こっちのがええ」といって勝手に作業手順とか変えて仕事を仕上げてしまう事が多く、関西人全体にも言えますが関東人と比べて本音を行動に移す割合が高いです。ただ本音を貫き通す分だけあって人間関係の風通しは抜群に良く、普通にキャンパス内でも「っていうか学長、ええかげんにせえよな」と一切周りを見ずに学長や教員批判をする声が出てきます。もっともこれは学生間に限らず同志社の教員も、「教授会でも本人を前にしていつもそんな感じです」と言ってました。

 なんか悪口ばかり書いてるような気もしないでもありませんが、全体を通していい学校だとはよく思います。同志社に限らず京都にはたくさん大学があり、市民も学生に対して街全体で大目に見てくれる(そして消費者として扱う)ので関東近郊の高校生なんかは東京の大学ばかりに目を向けず、自分のように京都に進学することも考えてみたらどうかなと強く勧めたいです。このところ本気で思いますが、多分京都に行ってなければ自分もここまでラジカルな人生は送らなかったなと思えます。

2012年12月26日水曜日

第二次安倍内閣の陣容について

第2次安倍内閣の閣僚名簿発表(読売新聞)

 既に報じられている通りに、第二次安倍内閣が本日正式に発足しました。ちなみに以前の記事で一旦退陣した首相が間隔を置いて再登板するのは今回が戦後初めてと書きましたが、先に吉田茂がやってたようです。至極、勉強不足でした。
 それで今回発表された内閣、党役職の人事ですが、決して誇張ではなく三度の飯より政治談議が好きな私から見ていくつか言いたい点というかほかのメディアはなんで解説ないんだろうと思う点がちらほらあるので、先日に友人からも解説頼まれたのでその時の話した内容を今日は書いていきます。

 まず今回の人事全体に対する意見として、第一次安倍政権の頃と比べて知名度の高い党内でも重鎮の議員を比較的登用しているように見えます。財務大臣の麻生元首相を筆頭として前総裁の谷垣氏を法務大臣、前幹事長の石原伸晃氏を環境・原子力防災相などお馴染みの面々が名を連ねてます。ただ町村派会長の町村氏は選挙中にも体調を崩して入院したのが響いたのか閣僚入りしていません。因縁が全くないとも言えないから安倍首相の報復人事かなともちょっとよぎりましたが、それ言ったらもっと仲が良くない谷垣氏が入ってるんだから町村氏へは単純に体調を気遣っての配慮でしょう。
 そんな重鎮がひしめく中で要職である外務大臣には知名度がそれほど高くない岸田文雄氏が入っており、ある意味今回の人事で最大のサプライズでした。不勉強で情けない限りなのですが岸田氏はノーマークといっていいほどこれまでほとんどチェックしておらず、どういった政治思想を持っているか全く未知数です。それだけに安倍首相が何か明確な外交方針を持って岸田氏を外務大臣につけたのではないのかと思うので、日本帰ったらいろいろチェックしてみることにします。ちなみに職場でも、「誰こいつ?」って具合で同僚らとちょっと議論になりました。

 ここから少し特殊というか恐らくよそでは聞けない内容に移りますが、今回の人事で私が最も注目したのはほかでもなく、官房長官に菅義偉氏が就任したことでした。私が以前に田原総一郎氏の講演会に参加した際、田原氏が最も誉めていた議員はこの菅氏で、その時の発言をリアルに抜粋すると、「官僚を殴ったり蹴ったりして言うこと聞かせられるのはこの人しかいない」と評していました。この殴ったり蹴ったりという表現ですが、私も個人的に調べてみたところどうやらマジらしく、官僚が本気で恐れているのはみんなの党の渡辺代表や民主党の仙石全議員ではなく菅官房長官だそうです。
 この人の経歴はウィキペディアの記事を見てもらえばわかりますが、世襲どころではなく完璧なまでの叩き上げの政治家です。過去には総務大臣も経験しておりますが、官僚全体を統括する官房長官に今回就いたことから安倍内閣は公務員改革を進めるつもりで菅氏を官房長官に置いたのではないかと邪推しております。仮にそうであれば同様に公務員改革をずっと叫んでいるみんなの党との連合の可能性もあり、現に渡辺代表も政策に共通するものがあれば協力すると秋波を送っておりますし、参院選前までにこの辺がどうなるかを考えるだけでごはん三杯は食べれそうです。

 逆にもしかしたら閣僚入りするかなと思ってて今回入らなかったのは、第一次安倍内閣で官房長官を務めた塩崎恭久氏です。官房長官時代はやや無愛想な態度から「少年官邸団」の筆頭として大きな批判を受けた人物ですが、以前にこの人の著書を読んだ限りだと素直に頭の切れる人物だという印象を持っており、その後の政策に対する発言を見ていても安定感があることからかねてから評価しておりました。そのため今回の組閣でも何かしらの大臣職には就くのかとみていたのですが、麻生おろしに参加したりと変に行動力あるのが祟ったのかどうやら駄目だったようです。
 なお塩崎氏を見ていてよく、同じく間違いなく政策通ではあるんだけど党内から全く人望のなかった橋本龍太郎元首相が重なります。塩崎氏も会話の中で英語を多用することから「政界のルー大柴」と呼ばれているそうですが、なんか政策通の議員ってこういうキャラが多いような。

  追伸
 今回の話で引用している田原総一郎氏の講演会は4年前に記事化しております。

田原総一朗に凝視された日(陽月秘話 出張所)

 我ながら随分前からブログ書いてるんだなぁと思うのと同時に、記事中に書かれてある通りにめちゃくちゃガン見されてたのを昨日のことのように覚えてます。当時から4年経ちますが、少しは期待を持たせられる若者になれたかなと、ちょっと年月とその間の自分の行動を省みてしまいます。

2012年12月25日火曜日

育成、スカウトの上手い球団、下手な球団

 昨日はクリスマスイブにブログ更新を休みましたが、別に予定があったわけじゃなくて中国コラムの更新をしてました。ちなみに日本は今大寒波らしいですが、上海は昨日が一番寒く、多分今冬で最も気温が落ちる日になったでしょう。それにしても、リーマンショック以降は誰も地球温暖化を叫ばなくなり、中国のメディアに至っては「京都議定書体制が終わった」とまで書かれてます。

 話は本題に入りますが今年のプロ野球のドラフトは例年になく豊作だっただけでなく、大リーグ行きを希望していた大谷選手が指名権を得ていた日ハムに逆転入団をするなど話題には事欠きませんでした。その大谷選手に関連して、日ハムは選手育成の面で実績が高いことが大きく影響したのではないかとよく報じられており、せっかくの機会なので私の視点から育成の上手い球団、下手な球団を上下3位ずつ指名して効果と思います。
 そんなもんだから早速、育成の順位から並び立てます。

<育成の上手い球団>
1位、日ハム
2位、ソフトバンク
3位、西武
次点、巨人

<育成の下手な球団>
1位、阪神
2位、横浜
3位、オリックス

 上手い球団のトップには日ハムで私の中では動きません。ここはダルビッシュ選手、中田翔選手などアマチュア時代から将来を渇望されていた逸材を見事にスター選手へと育て上げるのに成功しているだけでなく、党首から打者へ転向した糸井選手、昨年1勝も挙げていないのに今年最多勝を挙げた吉川選手など、ほぼ毎年レギュラー陣が誰かしら入れ替わってます。それでいて強いのだから本当に隙がない。
 2位のソフトバンクについてもほぼ同様で、このところはややメンバーが固定されつつありますがほぼ毎年優秀な選手をレギュラーに送り込んできております。ただこのチームは選手の流出が激しいというか、中軸選手がメジャー行ったり巨人行ったりするからレギュラー変えざるを得ないのかもしれませんけど。
 3位の西武、次点の巨人に関してはちょっと悩みました。長年強豪として君臨し続けている西武が実績から3位に置きましたが、このところの巨人は山口選手を筆頭に育成選手枠で採用した選手から球界を代表する選手をよく育てており、他球団から選手を強奪していた頃とは似ても似つかないほどいい球団になっている気がします。

 ワーストのランキングはあまり悩みませんでした。最低の阪神はかつての巨人よろしく、他球団から変な選手を連れてきては折角育ちつつある選手のポジションを奪って、挙句に連れてきた選手が全然活躍しないなど目も当てられない状態です。野村阪神時代に育った選手も引退しつつあり、球団フロントを見るにつけしばらく改善の見込みはなさそうです。
 2位、3位の横浜とオリックスは阪神ほどではありませんが、長年にわたって自前でいい選手を育て挙げられていない点に加え、2005年からリーグに参加している楽天より弱いという今の状況を考えればお金がないというのは言い訳にならないでしょう。

 こんな感じで引き続き、スカウトの優劣順位です。

<スカウトの上手い球団>
1位、広島
2位、日ハム
3位、ヤクルト

 当初はワーストの順位も入れようかと思いましたが、具体的な根拠も浮かばないし素人の癖に適当なことを書くべきじゃないと思ったので省きました。

 まず1位の広島は見る人にとっては意外かもしれませんが、広島はこのところドラフト1位で獲得した選手が前田健太選手を筆頭にみんな揃って先発で活躍しており、なおかつ連れてくる外人選手もはずれが非常に少ないです。もっとも、片っ端から阪神に取られるのが不憫でならないけど。
 2位の日ハムについては今回の大谷選手の獲得もそうですが、大物選手を競合で必ず引き当てる運の強さを評価しました。3位ヤクルトは西武とどっちにするかで悩みましたが、国内は際立ってスカウティングがいいという風には見えないものの外人選手に限っては広島以上にはずれが少なく、どいつもこいつも球界を代表する成績を残しております。もっとも、こっちも片っ端から巨人に取られるのが不憫でならないけど。

2012年12月23日日曜日

自民、公明連立の歴史とその意味

 前回書いた小渕元首相に関する記事で私は、現在に至るまで続いている自民、公明の連立政権を作ったこそが彼の最大の功績だと評しました。また二党の連立は日本政治史においても非常に大きな意味合いを持っているとも考え、さすがに55年体制が出来た保守合同ほどには行かないまでもその後のパワーバランスを大きく方向づけた一事件としてもっと注目、研究すべきだと日頃考えます。ついては今日はその意義と背景、さらに今後の展望についていろいろ書いてみようかと思います。

 既に書いてある通り、自民党は1999年の小渕政権時に公明党と連立を組むことで合意し、その後は一貫として協力政党同士として政策や選挙などで関係を保っております。文字にするとたった一言ではありますがこの協力関係が続いている期間は今年で実に13年にも達しており、さらにずっと与党であったのならともかく自民党は一度は野党にも転落しておりますが、この野党時代も両党は歩調を合わせた活動を取っております。このように政党同士の協力関係がこれほどまで長く続くというのは戦後の日本政治史にはなく、またはっきりとは言えませんが世界的にも非常に珍しいように思います。既に安倍総裁は自らが総理に就任する次期政権で公明党と連立を組むと発表しており、まだまだ協力関係は続きそうで下手したら20周年とかにも行くかもしれません。

 一体何故この両党はこれほどまでに長く協力関係を保てたのか。一言で言えば公明党の他の政党にない特殊性が最大の要因でしょう。公明党の特殊性とくれば言わずもがなでその支持母体が宗教法人の創価学会なのですが、先に断っておくとよく「公明党は支持母体が創価学会なので政教分離に反する」と言う人もいますが、あれこれ宗教政策に口出したり自分とこだけ優遇する政策を取るならともかく、投票行動だけでこういう風な批判をするのは問題外といわざるを得ません。宗教勢力が組織票となるのはどの国でも一緒ですし。
 話は戻りますが公明党は上記のように創価学会が支持母体であるゆえに、以下の点で自民党と相性がいいと私は見ます。

1、政党支持層が被っていない
2、外交方針を始め政策方針にとやかく口出ししない

 1番目の点については、公明党の支持層は比較的低所得層が多いのに対し、自民党は中間~高所得層を支持層に持っております。こうした支持層の違いから選挙では投票者が被らず、お互いに協力した選挙戦を展開しやすいという利点があります。ただ現在においても唯一公明党批判を続けている平沢勝栄議員はちょっと特別で、この人は「政界窓際族」といってもいい立場から好きなこと言えるというのもありますが、選挙区の関係から公明党などと支持層が重なるという事情があります。ま、それ以上に本人の性格によるところの方が大きいかもしれませんが。

 次に2番目の点ですが、連立相手として見るならば公明党は非常に聞き分けのいい政党であります。基本的に主張するというか自民党に飲ませる政策といったら社会保障政策、それも内容面で結構妥協してくれるのでパートナーにする政党としてはやりやすい相手です。
 個人的に私がよく公明党が飲んだなぁと思うのは小泉政権の頃の自衛隊イラク派遣です。これは小泉元首相が公明党はおろか自民党内、果てには国内世論を押し切って実行したというのが大きいですが、それ以前の公明党からしたら絶対に飲めない内容だったように思えます。それだけにこれすらも公明党は飲んだことによってハードルが下がったというか、外交面では自民党に大きく妥協するようになって協力関係が深まったといえるかもしれません。

 そんな公明党と対照的なのは、言っては悪いですが社民党と国民新党です。どちらも民主党政権発足時に連立を組みましたが、議席数で大した貢献もしなかったくせに随分態度がでかいというかむちゃくちゃな要求ばかりしてきて、はっきり言いますが分をわきまえない行動が目立ちました。民主党も、こんな連中と組むくらいならねじれ国会覚悟で単独で政権運営しておけばよかったものを。

 話は自公に戻りますが、公明党としても全国すべての選挙区に候補者を擁立するほど体力を持っていないこともあり、自民と選挙協力をすることで得られるメリットが高いと言えます。あまり言われてはいませんが個人的に今回の選挙で一番驚いたのは、公明党は小選挙区すべてで全勝していることです。議員数で言えば比例当選がメインではあるものの、妥協は迫られるものの一度も裏切らずに自民党と組み続けたことによって無傷勝利を実現するまでの実力までも身に着けたかと感心しました。更に言えば、自民党が野党に落ちても歩調を合わせ続けたことによって再び与党に返り咲けたとも言え、結果論ではありますがあんな頼りない谷垣自民党相手によく我慢したものだとも思えます。もっとも野田内閣不信任案に同調しなかった点を見るといろいろな考えるところはあったのでしょうが。

 こんな具合でさっきから相性がいいと言っている両党ですが、今のところ仲違いする火種もないことから今後もしばらくは連立を組み続けることになると私は予想します。ただ一点だけ指摘すると、公明党は先にも書いた通りに選挙では比例制度に大きく依存しているところがあるため、選挙制度改革では比例制度廃止を飲むことだけは絶対にないでしょうし、仮に自民党がそれを実行しようものなら決裂に至る可能性すらあります。
 しかしかねがね主張しているように今の日本の選挙制度における最大の癌はこの比例制度にほかならず、よく小選挙区制度が自民党を弱くしたから中選挙区制に戻すべきという意見がありますが、自民党が弱くなったのは比例制度によって老害となる議員が復活当選してくることが大きく、むしろ中選挙区制に戻せば自民党はさらに弱くなる可能性があると思えます。

 それだけに私としては比例制度は早く廃止してもらいたいものですが、自公連立が続く間はそれを望むべくもありません。そこで敢えて公明党にも飲める内容として提案するなら、要は小選挙区で有権者にNOを突きつけられた議員が復活当選することが最大の問題なのだから、小選挙区と比例の二重立候補を禁止すれば少しはよくなるかもしれません。説明するまでもありませんが小選挙区で立候補する議員は比例名簿に名前を載せられないようにするだけで復活当選ができなくなり、重鎮というだけで居残る議員は追放することが出来るようになります。先にも書いたとおりに公明党は今回、小選挙区で全勝したのだからこれくらいならまだ飲めるかもしれないので、もし誰か見ているのなら真剣に検討してもらいたい内容です。

2012年12月22日土曜日

クリスマス前の上海の風景


 先日に中国ではそれほどクリスマス文化が普及してないと言っておきながらなんですが、一応それらしい街中の写真を取ってきたのでアップします。上記写真は上海市で、主に外国人を相手する観光地の「新天地」の写真です。新天地ならまだクリスマス向け装飾と化するだろうと踏んでの撮影です。


 ハーゲンダッツもレンガ造りの外観だとなんか迫力ある。


 同様にOMEGAも。


 中国共産党第一回決起大会記念館の前で、やけに塗装とかこだわられているベンツのスポーツカーが駐禁取られてました。自分以外にも写真を撮る人が多かったです。


 場所は変わってこちらは「老外街」という、外国人向け飲食店街の入り口です。ここは店舗オーナーの八割が外国人で、なおかつ客の八割も外国人という場所で、夏場と比べて客は少ないものの夜とかに訪れると外人ばっかで真面目に中国にいる気がしなくなります。そういう自分も中国では外人の一人なのですが。


 同じく老外街の一角。クリスマス前ということでシャンパンなどを売るで店が出ていた。


 白い靴下履いた猫を発見。しつこく追いかけて撮影。


 入り口夜。一応ライトアップするようだ。


 同じく夜。特にそれほど芸のない写真だ。


 番外編。老外街にある店の前に置かれていたが、なかなかジョークが効いている。

2012年12月21日金曜日

平成史考察~小渕元首相の突然死(2000年)

 またびっくりするくらいのタイムラグが空いたこの連載ですが、今回は自分の専門領域というかこの前友人にも「君は経済記者じゃなく政治記者になるべきだった」と言われるくらいに大好きな政治史にまつわる話で、小渕敬三元首相の突然死とその前後、そして歴史的意義について書いていきます。書く前だけど腕が鳴るというか、手ごわい内容だな。

小渕敬三(Wikipedia)

 小渕元首相の細かい経歴については本題ではないので省略しますが、1998年の参院選で大敗した責任を取って辞任した橋本龍太郎元首相の後継選挙で勝利し、第84代総理大臣に就任します。ちなみにこの時の総裁選には梶山静六前官房長官と小泉純一郎元首相が立候補し、小渕元首相を含めて「軍人、変人、凡人」と実にうまく言い表したのはこの前の選挙で落選した田中真紀子氏でした。宮沢喜一元首相といい、評論の上手い政治家は決まって政策手腕は悪い。

 話は小渕元首相に戻りますが就任当初は不人気だった橋本元首相と同じ派閥出身で、また総裁選挙も派閥単位での投票で決まったもんだから支持率は非常に低い水準でした。今でもよく覚えているのは当時放映されていた「ニュースステーション」に薬害エイズ問題で名を上げていたまだ若い管直人元首相が出てきて、小渕元首相とどちらが総理としてふさわしいか電話投票を受け付けたらダブルスコア以上で管元首相が得票を得ていました。それにしてもみんなその語首相になってるから、「元首相」という肩書が多くて書き辛い。

 とまぁこんな具合で出だしこそ悪かったものの、元々「人柄の小渕」と形容されるほど穏やかな性格だっただけに支持率は徐々に上昇。また「ブッチホン」といい有名人やテレビ番組にノンアポでいきなり電話をかけてくるという庶民性が受けて、在職後半期は高い人気を獲得するに至りました。また本業の政治舞台でも自由党、公明党との連立を取りまとめ安定政権を確立し、あのまま何もなければ少なくとも4年の任期は全うできたと私は考えています。

 そんな順風満帆だった時期の2000年4月2日、小渕元首相は脳梗塞で突然倒れ執務不能へと陥りました。その後は昏睡状態が続き一か月半後の5月14日に死去しますが、実際は倒れた当初からほぼ脳死状態だったとされメディア業界でも当初から回復は絶望視されていたようです。ただ国民の側は、恐らく人気も高かったことからでしょうがもしかしたら回復するかもという期待がどことなく会ったような感じがして、当時私は中学生でしたが死去が報じられるやクラスの女子が「えー、助かると思ってたのに」と言っていたのをやけによく覚えてます。確か小講堂前の渡り廊下の上だったな。
 倒れた原因については元から心臓に持病を抱えていたこともありますが、あくまで推論としてよく語られるのは倒れた直前に小沢一郎率いる自由党が連立離脱を発表し、そのショックの影響が強かったのだと言われております。ただこの連立離脱自体は政治的な駆け引きの一つであって、これを以って小沢がどうのこうのというのはちょっと筋が違うと私は考えています。

 この小渕元首相の突然死について生前に取材したこともあった佐野眞一氏は以前、日本の総理の短命化を決定づけた事件だったと評してました。もっとも小渕元首相ともう一人、愛人スキャンダルでわずか69日で退陣した宇野宗佑元首相も総理の椅子を軽くした張本人だと言ってましたが。
 話は再び小渕元首相に戻しますが、この佐野氏の評論に対して私は基本的に同意です。小渕元首相の後は密室の談合によって森善朗氏が首相に立ちますが、えひめ丸事故の対応といい資質的にかなり問題のある人間だっただけに首相公選制の議論が大きく持ち上がるようになりました。その次の小泉元首相は非常に長い人気を全うしたものの、安倍晋三元首相(次首相になるのにこの肩書きもどうかと思うが)以降はほぼ1年ごとに首相が交替するのが恒例となり、きっと将来歴史を勉強する日本人は「なんでこの時期はこんなにコロコロ変わるんだよ、覚えてらんないって」と思うことでしょう。

 更に折悪くというか小渕元首相の死去後から金融などで日本の経済は大荒れすることになり、文字通り混乱と低迷の時代へと突入することになります。そういった点を考慮するにつけて小渕元首相の死去後から小泉元首相の就任までは日本の大きなターニングポイントだったとこのところよく思え、ちょっとこじつけなような気もしますが小泉政権下で大きな問題となった派遣労働の範囲を最初に拡大したのは実は小渕政権でした。その一方で景気対策として公共事業支出を大盤振る舞いした挙句に全く経済効果を生まなかった地域振興券を配るなど小渕政権は積極財政を続けましたが、小泉政権は真逆の縮小財政を取っております。両政権は一見すると真逆である一方、根底では確かな流れというか明確な接続があるようにも見え、平成政治史を見る上でこの期間は非常に重要な時期だと感じます。

 最後になりますが小渕政権の日本政治史に与えた最も大きな影響としてほかのなによりも、自民党と公明党の連立を取りまとめたことにあると思います。この点についてはまた別枠で記事を書く予定ですが、この時の連立成立があったからこそ小泉政権の長期安定化も実現したと断言でき、現代における影響力も半端ではなく大きなものがあります。
 ただこうした政界交渉という面ではその功績を認めるものの、以前から書いているように施政方面での業績に関してはただムダ金をばらまいて、見かけ上の景気をよくして借金を増やしただけだとあまり評価していません。内輪ネタになるけど、佐野眞一氏の講演終了後に一人だけという条件で質問に立った人が小渕元首相を持ち上げていた佐野氏に、いきなりこの点を追及してきたので結構笑えました。

  おまけ
 竹下登元首相の孫のDAIGO氏によると、彼が15歳だった頃に小渕元首相はお年玉に8万円も包んでくれたそうです。一方、祖父の竹下元首相のお年玉は最高額が3万円だったため、「小渕さん、リスペクトですよ」と語っているそうです。

2012年12月20日木曜日

中国のクリスマス事情

 いただいたコメントにも書かれてありましたが、日本では今頃クリスマスや年末ということで慌ただしい日々が続いているかと思います。一方、こちら中国ですが日本とは対照的に実に普段通りの日常続いており、むしろ気温が落ちて寒くなってきたから人通りが減るなど実に毎日が静かです。
 そんな静かな日々を過ごす中で先日にちょっと気が付いたのですが、日本とは違って中国ではいわゆる「クリスマス商戦」に関する話題がほとんど出てきません。一応毎日経済紙をチェックしておりますが、クリスマス前の消費需要とか子供向けプレゼントの話は全くなく、唯一出てきた話としては世界一の雑貨卸売市場といわれる浙江省義烏市で9月頃、欧州の債務危機はどこ吹く風でクリスマス関連の装飾、おもちゃの輸出が過去最高なくらいに好調だったくらいです。

 なもんだから同僚にクリスマス関連の消費ニュースとかないものかと話を振ってみたところ、そもそもクリスマスというイベントの習慣自体が中国には根づいていないと返されました。なんでもその同僚の家では以前、クリスマス前に子供に「悪い子にはサンタさん来ないよ」と言いつけたことがあったのですが、クリスマス後に幼稚園から帰ってくると子供は、「周りの友達は誰もプレゼントもらってなかったけど、悪い子なの?」と言ってきたそうです。それ以降はちょっと叱り方を変えたと同僚は言ってました。
 実際に周りを見ていても、クリスマスに子供にプレゼントをあげるという文化は中国にはほぼ全くない気がします。西洋文明が最も普及している上海ですらこんな感じなのですから、ほかの中国の都市に至っては恐らく皆無でしょう。一応、クリスマスの存在自体は認知はしており、この時期になると商店などではいかにもその場しのぎな感じのステッカーとかを店先に貼ったりしてますが、サンタさんのステッカーが2月ごろまで貼られ続けることなんてざらです。

 ただ個人的にちょっと気になる点として、クリスマスはこんな感じである一方で2月14日のバレンタインデーは比較的普及しているところがあります。普及していると言っても上海市など大都市限定ではありますが、今年なんかは地元の新聞とかでもチョコレートの価格帯とか、当日に予約されていたホテルのテーブル席の価格などが取り上げられており、西洋伝来のイベントでも普及にこうも差があるものかと感じます。
 もっともこれは日本もあまり人のこと言えないかもしれません。西洋ではクリスマスは家族のイベントであるのに対して日本では子持ち家族、または恋人とのイベントになっており、この辺で微妙なずれがある気がします。またハロウィンも最近は普及しておりますが、バレンタインとクリスマスと比べたら一足遅れが感があり、西洋人とかも日本でまだ普及してないとか思ってたのかもしれません。

  中国語豆知識
 中国語ではクリスマスのことを「聖誕節」と書きます。これはそのままだし実に的確な翻訳だと思うのですが、問題なのはサンタクロースでこちらは「聖誕老人」と訳されてます。昔のルームメイトのルーマニア人はこの語を見て、「キリストとサンタクロースは直積的な関係はないのになぁ」とか洩らしていました。

2012年12月19日水曜日

ステルスマーケティングについて

ステルスマーケティング(Wikipedia)

 総選挙で延び延びになっておりましたが、以前に書いたペニーオークション騒動に関する記事の続きとして、今日はステルスマーケティングに対する意見を書きます。

 まずステルスマーケティングの簡単な定義を私なりに説明するとしたら、「宣伝であることを隠した上で商品やサービスの購入意欲を煽る行為」といったところでしょうか。少し歴史を紐解くとこの言葉が日本で一般的となったのは昨年で、飲食店検索サイトの食べログで、口コミレビューに有利な情報を書く代わりに報酬を得ていた運営業者とは関係ない第三者の業者の存在が明らかになってからです。その後、フジテレビを筆頭に韓流ドラマを異常に流すほか、韓国関連の商品を異様に持ち上げる放送が目立ったこともあって同年のネット流行語にも数えられることとなったのですが、私個人の意見として宣伝の手法としてやはり如何なものかと思います。

 今回問題となったペニーオークションの問題も芸能人が報酬をもらっていたにもかかわらず第三者を装ってサービスの良さをアピールしていたことから、このステルスマーケティングに間違いなく分類できるのですが、果たしてどれほどの宣伝効果があったのかやや疑問です。というのも前の記事にも書きましたが芸能人らが一斉にブログで取り上げたことからネット上では当初から怪しいサービスだ、ステルスマーケティングなのではと疑う声が多かったです。基本的にステルスマーケティングはそれがステルスマーケティングだと疑われる、またはばれた場合に消費者から強い反感を受ける可能性が高く、それだったら堂々と金をもらった、だから宣伝すると言い切った方が長期的なマーケティング戦略では分があるように見えます。

 またステルスマーケティングを日本で実行している人間にすごく言いたいことですが、やり方が下手過ぎるにもほどがあります。ペニーオークションでもいかにもほいほい言うこと聞きそうなB級芸能人のブログばかりで取り上げてましたし、またこれはフジテレビの事例ですが、いいともの企画で「人気のピザランキング」でキムチピザをいきなり一位に据えるなんて、常識から考えればおかしいって誰でも気づくはずです。このほかにもこれはこの前報じられたアニメの例ですが、原作の小説で病人にお粥を出すところをアニメ版では何故かサムゲタンに変えられてたらしいですが、必然性が全くなく違和感だけが付きまといます。もっとも、ネガティブキャンペーンという意味ではいい味出してる気がしますけど。

 もっとも下手だと言っている傍で、実際にはもっと巧妙なステルスマーケティングが張られていて自分が気が付いてないだけなのかもしれません。それでも今の時代、ネットで過去の履歴から細かい情報まで簡単にばらされるという背景もあるのでかえって馬鹿正直に宣伝する方が着実で効果が高い気がします。これは宣伝ではありませんが、前に役者の阿部寛氏が十年以上前に買ったマツダ・ファミリアを未だに大事に乗り続けているという話を聞いて非常に好感を持ったのと同時に、マツダもこういう人をCMに起用しろよなと第三者ながら思いました。

 最後にペニーオークション騒動に関して辺見えみり氏が、こういう騒動が起きたことによってブログとかで自分が本当に好きで買った商品の紹介し辛くなると言ってましたが、地味にいいポイントついているなぁと感じます。自分もブログを運営しているからこそこういう風に感じるのかもしれませんが、日頃書いてて疑われたりしたら面白いはずもなく、逆に疑われないように当たり障りなく書くと文章のリズムも落ちる懸念があります。

 とはいえ、私がこのブログでこれまでに絶賛したり一押しだと主張してきたものは「ダイハツ・ストーリア」とかゲームの「影牢」など、薦められたところで買う人なんていないであろう商品が多いから気にする必要はないかも知れません。ストーリアに至っては新車販売すら終了してるし。
 むしろ逆にゲームの「コープスパーティ」のように、攻撃的な性格が災いしてか悪くこき下ろすことの方が多いです。評価をする上で過大にも過小にもなってはならないと強く意識してますが、どうも悪いところに目が行ってしまうことが多いのでもうちょっとこの辺は注意しようかなと思います。

  おまけ
 選挙で大勝した自民党の安倍総裁がフェイスブックでまた、例のカツカレーを紹介したようです。前回といい今回といいなんか見てるだけでカツカレーが食べたくなり(前回は本当に食べに行った)、これはもしかしてカツカレー業界によるステルスマーケティングなのではないかと、有り得ないと思いつつもちょっと疑ってしまいました。そもそもカツカレー業界なんて市場としてニッチ過ぎるが。

2012年12月18日火曜日

総選挙結果に対する中国の反応

 今日はまた頭痛気味だったので飲み会では一滴もアルコールを口にしなかったのですが、何故か今この段階で非常に眠いです。昨日はたくさん寝たのになぁ。
 そんな眠いのに今日ばっかは書かなきゃいけない話題はタイトルに掲げた総選挙に対する中国の反応です。眠いのでスパッと書きますが、ネットニュースで見る限りは韓国と同列で「日本の右傾化を警戒する声」、「タカ派の安倍総裁に懸念」、「日中関係はさらに悪化か」などという内容が中国で言われていると書かれてありますが、実態はちょっと違うんじゃないのかなぁというのが私の意見です。一番バランスが取れていたのは私の中ではNHKで、中国政府報道官の談話内容こと「次政権は大局的見地に立って日中関係を構築してもらいたい」というのが中国の総意なんじゃないかと私は見ています。

 本日出ている朝刊も仕事柄ざらっと読んでますが、一面はやっぱりほとんどが安倍総裁の写真で日本の選挙結果についても事細かに書かれていました。個人的にツボにはまったのは「石原親子三人当選」という文言でこの辺は日本人と見方が違うなぁとか思ったのですが、安倍総裁に関しては確かに保守派の重鎮として領土問題などでさらに強硬な態度に出るのではないかと懸念する声はあるものの、前回の第一次安倍内閣時には中国と比較的安定した関係を保ったことに触れ、腹芸が出来るというか外交と本音はまだ分けられる政治家でもあると指摘する新聞もあり、少なくとも今の冷え込んだ日中関係の回復を期待するかのような論調が多かったです。つまり何が言いたいかというと、中国側としても今回の政権交代を契機に日本との関係を前進させたいというのが、少なくともメディアやそれを運営する政府の本音なんじゃないかというわけです。

 ただ今の日中関係は政治家がどう考えようとも、お互いに譲ることのできない尖閣諸島をめぐる領土問題が表面化したというか避け辛くなってきていることから、関係構築ははっきり言って難しいです。また中国側も大分アレルギーが薄れてきたとはいえ靖国問題でも安倍総裁が参拝するかどうかがまた争点になってくる可能性もあり、私としてもどっちに転ぶか断言することはできません。とはいえ中国側も関係改善を期待している上、日本側も領土問題でぶつからない限りは仲良くするに越したことはないので、希望的観測ですが来年はまだ少しは改善が見込めるのではないかとみています。

 一方、韓国に関しては向こうの出方に依りますが今後の関係悪化は必定ではないかと密かにみています。というのも安倍総裁は経済政策に関しては明らかに弱く、どちらかと言えば外交に生きる政治家です。その安倍総裁が何に一番こだわっているかというと拉致問題、つまるところ北朝鮮問題で、変に北朝鮮を刺激させまいと韓国が動くようであればその存在を無視してより影響力の高い中国との連携を目指すのではないかと考えてます。恐らく私が中国に住んでてややシンパシーを感じる立場にあることも影響していますが、東アジア三国の日本、中国、韓国はみんながみんなで仲が悪いですが、それこそ日本と中国が一時的にせよタッグを組んで韓国へ圧迫をかけるというのも一つの外交的手段ではないかとみています。何故なら中国は韓国と漁業権で揉めてて、日本は韓国と竹島で揉めてて、尖閣諸島は一時休戦して竹島問題に注力することは日本にとっても悪くない選択のように見えます。またこの圧迫を通じて、北朝鮮との交渉も前に出ることもあり得ますし。

 また最初の話の論点からずれてきましたが、なんていうか案に中国側もそういう日本の選択を期待しているんじゃないかとよく思います。安倍総裁がどのように決断するかは未知数ではありますが、第一次安倍内閣を振り返るなら言われてるほど無茶な行動は取らないと思います。それにしても、安倍総裁は自らが再チャレンジを実現してのけたのは大したものだと、決して褒め殺しでもなく素直に感じます。

2012年12月16日日曜日

衆議院選総選挙の結果について

 昨日ステルスマーケティングについて書くとか抜かしましたが、選挙の方をやっぱり優先しないといけないのでこちらは延期です。そんなわけでみんな楽しみワクワク総選挙について思うことを片っ端から書いていきます。一応結果がきちんと判明する明日にでも書こうかなと思っていたのですが、もう大勢が決まったようなので待ち構える必要はなさそうです。
 既に報じられている通り、前回の総選挙で民主党が大勝したのと真逆に、今回は自民、公明が大勝することがほぼ確実なようです。自公で単独過半数を握ることはほぼ間違いなく、安倍総裁が戦後初めて一旦間隔を置いての二度目の総理大臣就任を果たすでしょう。でもって政権運営ですが、衆議院は自公で過半数を取るものの参議院は自公で102議席で、過半数を握るにはあと10議席足りません。この10議席を埋めるためにほかの小政党と連立を組むこともあり得ますが、なんかこの勢いだと民主党から造反組が出てきて10人増えちゃうんじゃないかと密かに見ています。個人的にはそうなった方が安定政権になるからいいんだけど、下手に連立を組まずに来年7月の参議院選挙まで我慢する方が確実ではあるでしょう。

 話は変わって各選挙区の話ですが、まずめでたいのは新潟県で田中真紀子氏の落選が確実となったことです。というかなんでこれほどまでに問題ある人物が今まで受かり続けたのかが不思議でしょうがないんですが、親の選挙関連の遺産を見事に食いつぶしてくれたもんだなと皮肉っぽく感じます。仮に三大学の認可取り消し問題がなければまだ違ったんじゃないかな。だとしたらほんと余計なことしかしないもんだ。
 あとほかに民主党では仙石副代表も落選した模様です。さすがにこれほどの重鎮も落ちるとは私も予想しておらず、今はまっている「アクシズの脅威V」風に言うなら、クワトロの乗った百式が落とされたような、自分で言っててわかりづらいですがそんな感じがします。あと管直人元首相も小選挙区で落ちたようですが、総理経験者であることを考えると年齢も年齢なのである意味ここが引き際なのかもしれません。私としては機会があれば東電事故にまつわる記事を連載したいと思っているので、なんかの機会にインタビューとかできればいいんだけど。

 逆に何故受かるんだと思いたいのが岩手選挙区、そう小沢一郎です。折角田中真紀子氏といい鳩山元首相がいなくなってくれたというのに、まだこいつが生き残るというのは色々腑に落ちません。彼の選挙区の人たちは岩手めんこいテレビで過去に裏切られているというのにどうしてまだ投票するのか、部外者ではあるものの複雑に感じます。

 このほか選挙前に乱立した小政党はやはりあまり議席が取れていないようです。仮に橋本府知事が率いる維新の会だけが経っていたらまだ違ったでしょうが、今回の選挙ではこのほかにもやたら小さい政党が突然出現してきたので、有権者も政策の違いが読めずに自公に投票が集まる結果になったのではないかと分析してます。あともう一つ付け加えると、2005年の郵政選挙以来、総選挙では一つの有力政党に票が集まる傾向が強くなってきております。この原因は至って簡単で依然と比べて固定的な組織票が減った一方で浮動票が多くなり、世論というか流れに乗った政党が大勝する傾向がはっきり出ており、何かしら強い独自色を出さない限りは第三極は生まれないでしょう。それだけに石原元都知事と組んで政策を虹色化させたのは橋本府知事の最大の失敗だったとみています。

 あとこれは蛇足になるかもしれませんが、今回の選挙では「期日前投票率が低い」、「投票率は減少か」という報道がやけに多かったにもかかわらず、ネットで見る限りでは普段は行列のできない投票所に行列が出来ていたという声が多いです。そもそも期日前投票率についてこれだけ報じられることは私が知るが切りこれまでになく、一体なんであんな報道が出たのか、でもってこれで仮に投票率が前回選挙を上回っていたらマスコミは何をやっているんだと言いたいです。はっきり言ってしまえば明確な意思があって「投票率は低い」という報道がしたかったのか怪しんでいます。なんでこんな報道をわざわざするのか、あるとしたら安倍政権が生まれてほしくないという意思が背景にあるのではないかと思いますが、カレーの件と言い朝日新聞さんにちょっと詳しく聞いてみたいものです。どうでもいいけど今日の晩御飯はココイチのカレーうどんでした。

 最後に民主党についてですが、恐らく2009年の選挙直後の自民党以上に議席を大きく減らすことになるでしょう。ただそれを以って与党を経験した野党となれれば、かえって資質に問題のある議員も放出できたこともあるのですし、存在価値が出てくるのではないかと思います。何度も繰り返しになりますが私としては児童手当以外の面で野田首相を評価しており、これにめげずに頑張ってもらいたいものです。

2012年12月15日土曜日

ペニーオークション騒動について

 何やら騒ぎとなっているので、前からステルスマーケティングの話も書きたかったので今日はペニーオークション詐欺について一言申します。

熊田曜子、永井大も…ペニオク紹介ブログ次々発覚「謝礼受け取っていない」(スポニチ)

 今回この問題が大きくなったきっかけは、そもそものペニーオークションを運営していた業者の人間が詐欺容疑で逮捕されたことに始まります。このペニーオークションについて先に簡単に説明すると、通常のオークションは既定時間内に最も高い購入代金を提示した人が落札して代金を支払いますが、ペニーオークションは開始値が極端に安い代わりに一回の入札ごとに代金が取られるシステムで、要するに落札者以外のオークション参加者もお金を取られるという仕組みになっております。
 のっけからなんですが、こんなの詐欺にしか使われないって決まってます。運営側は最後の最後で100万円とか極端に高い値で入札かければ一般消費者は商品を購入することが出来ず入札に使った代金をただ取りすることが出来るわけで、恐らくそうでしょうが競売に出された商品もそもそも運営側は写真だけ並べて用意すらしていなかったのでしょう。仕組みからして詐欺丸見えな商法で、特別な理由をもってやった人ならともかくこんなのにお金をつぎ込んだ人の気がしれません。

 そんなわけだから今回こうして運営業者が逮捕されたわけなのですが、逮捕と同時にこのペニーオークションをブログなどで宣伝していた芸能人に対して一斉に批判が巻き起こりました。少し偉そうな書き方になってしまいますが、何も今に始まるわけではなくこのペニーオークションに関する芸能人のブログは以前から疑惑視されていました。具体的にどの時期かはっきり覚えていませんが、ある時期に一斉に芸能人が「ペニーオークションで安く落札できた。そのサイトはこちら」ってな感じの書き込みが集中したため、きっとステルスマーケティングだろうとネット上で書かれておりました。上記のオークションシステムの怪しさから言って、何か問題になるんじゃないかなとか思ってたら見事に火を噴いたわけです。

 既にペニーオークションに誘導するかのようなブログ記事を書いた芸能人の一部は、実際には商品をペニーオークション購入しておらず宣伝費がもらえるということから軽い気持ちで書いてしまったと謝罪しております。謝罪するのは非常に結構なことですが、結果的に詐欺商法に荷担したわけですから知らなかったで済まされるわけなく批判されるのも仕方ないでしょう。

 ただ今回ちょっと気になったというか少し思うところがあったのは、実際にはペニーオークションをやったことがないにも関わらず宣伝していたという点です。システムも知らなかったというのは言語道断ですが、触ったこともない物、実際には使ったことがない物を宣伝するというのは果たして道義的にどんなものかという点で、なんか古い映画の1シーンを思い出しました。その映画というのも手早く挙げると「フォレスト・ガンプ/一期一会」です。
 この映画で主人公のフォレストは卓球代表として世界大会に出ますが、出場後に卓球のラケットメーカーから世界大会で使ったラケットはそこのメーカー製と言ってテレビCMに出てくれないかと依頼されます、もちろん出演料付きで。その際にフォレストは実際に使っていないから嘘をつくことになるのではと考えますが、フォレストの母親は「その嘘をついたところで誰も困らない」と言って、承諾するという話があります。

 結局のところ、宣伝というのはここが肝心なのだと思います。芸能人を使ったマーケティングは多かれ少なかれ多少の嘘というか誇張が入りますが、その嘘によって誰かが大損をしたりしないのであれば多少は許容するべきかなと思います。翻って今回の騒動では落札できるはずもないオークションに誘導してたわけなのですから、ブログ記事は削除してるそうですがこの際だからブログ自体もうやめたらって言いたいです。どうせまともな情報を配信できないのであれば。
 さらに結果論から言えば今回のペニーオークションはやはりステルスマーケティングが行われてたということになるのですが、このところのステルスマーケティングに対してちょっと感じるところがあるので、続きはまた次回にでも書きます。一点だけここで書いておくと、なんていうか仕切る人が下手過ぎるなぁってい感じてます。