2008年12月5日金曜日

麻生太郎の首相としての資質について

 まぁ恐らくこうなるとは思っていましたけどね。

 先週辺りから各社共に世論調査を実施しましたがその大体が危険水域といわれる三割を切り不支持も支持率を大きく越えるという、麻生内閣にとってはあまり喜べない結果ばかりとなりました。今回の調査でそのような結果となった背景として各社がそれぞれ推論を述べていますが、私の目からするとやはり第一に二次補正予算案の見送りが原因にあり、また解散が延びたことによって安心したのかいつもの失言癖が出て、私も「麻生首相の医療界への発言について」で取り上げたように謝罪にまで追い込まれる失態もここ数週間で何度も見せているのが響いていると思います。

 こうした麻生内閣について何社かがいくつか評論を出していますが、私が見た中で一番目を引いたのが以下の産経新聞の評論です。

政局の実態は「麻生ペース」 苦しくなるのは小沢氏(産経新聞)

 評論の評論になりますが、結論から言うと私は産経の記者、そして編集部の資質をこの記事を読んで大きく疑いました。この記事では一見すると追い込まれているように見えるが、麻生太郎は解散を先送りにして選挙準備をしていた民主党の候補の運動資金を使い込ませ、みごとに兵糧攻めが成功している。また内閣支持率は下がっているが政党支持率では自民党の方が依然と高く、地方の当落予想も実際には自民が有利なはずだと書いているのですが、もうどこから突っ込んでいいのかわからないくらい穴の多い評論のように私は思えます。

 まず兵糧攻めとやらの件ですが、これは確かに事実といえば事実ですが、もう一つの事実として自民党の候補もこの兵糧攻めを受けているというのがあります。というのも私の地元でもある自民党候補が9月から10月までの間、毎週一回は私の最寄り駅に立っては演説をしており、近くには早くも選挙事務所までも用意していました。またテレビタックルに出ていたある自民党議員も、正直解散がなくなって台所事情が非常に苦しくなったと本音を言っており、特に現在の衆議院で自民党は一年生議員を多く抱えているのでこの兵糧攻めで受ける影響は民主党より自民党の方が遙かに多いだろうと私は睨んでいます。

 そして次に内閣支持率は下がっているが政党支持率では上回っているという話ですが、私はこんなデータより今週になって発表されたもう一つのあるデータ結果に驚愕しました。そのデータというのも、「首相にふさわしいのは?」の調査結果で、これまで支持率の低下はあっても大差をつけて勝っていた麻生太郎がとうとう小沢民主党代表に僅差ではあるもの負けてしまい、これで自民党が唯一有利としていた立場すらも失ったといえます。
 というのもこれまでこういった調査では、「自民党には問題があるが、小沢一郎はもっと問題があるので任せられない」と意見が数多く寄せられており、なかば消去法的に麻生太郎が首相という面ではふさわしいという調査結果だったのですが、今回のこの調査ではそのような概念を突き破っても、言うなれば「小沢も問題あるが、麻生の方が問題だ」という逆転した結果となっており、政党支持率が自民のが上回っているという調査結果よりもずっと重要で、自民が不利であるということを如実に示しているように思えます。
 ついでに書くと、一ヶ月くらい前の調査では政党支持率でも民主が勝っていたし……。

 で最後の当落予想ですが、これもいちいち私が突っ込むのも馬鹿馬鹿しいのですが、記事では自民党の各選挙区の当落予想データはごく一部の幹部しか見ることが出来ないとだけした言っておらず、実際に自民党が有利だと示すデータの根拠は何もありません。自民党を持ち上げる新聞だからといって、これだけ実情とかけ離れた記事を載せる産経にはほとほと呆れました。

「麻生さん=KY首相」資質疑問視する風潮広がる(読売新聞)

 そんな産経に対して上に挙げた読売新聞の社説はよく分析しています。細かい内容については記事を読んでもらえれば特に説明する必要はないのですが、最後の田原総一朗氏の話にはどこかしら、突っぱねるようなものが入っているように見えなかなか深い言葉に思えます。

 ここから私の意見ですが、私はもともと麻生太郎が首相になるのは疑問視していました。言ってしまえば、この人は外交から経済まで何にもわかっていない人だと前から思っており、このところの発言を見ているとその見方はやはり間違っていなかったと確信しています。
 これまでに麻生が主張してきた政策案はどれも具体性から効果までどれも釈然とするものはなく、どちらかと言うと場当たり的なものばかりで、今問題となっている公共事業の拡大といった既に否定されたものを持ち出すというような無為無策に近いものばかりでした。唯一面白いと思ったのは2年前に文芸春秋紙上で展開した「マイナス金利国債案」がありますが、これは実現はともかくとして考え方は面白いと思いはしましたが、これ以外の政策案はどれも唖然とするほどくだらないものばかりです。

 外交についてもオバマ次期政権スタッフの顔ぶれを見て、この面子は対日政策がよくわかっている人たちばかりだ、というようなことを言いましたが、あのスタッフは前のクリントン政権の人間ばかりで、そのクリントン政権は戦後最も日本に対して冷淡な態度を行った政権ですので、何を根拠にああ言ったのかが未だにわかりません。

 多少こじつけのような気もしないでもありませんが、今の麻生太郎を見ているとあの徳川慶喜が毎回浮かんできます。慶喜も英邁だと言われ続けて何度も将軍候補となりながらもその度になれずにいて、最後の最後で期待されながら将軍になったかと思えば昨日言ったことを今日ひっくり返すというようなことを何度も行い、ついには幕臣から「二心殿」とあだ名される始末でした。
 となると今後はどのように江戸城無血開城が行われるかが気になり、誰が勝海舟、ひいては今ブームの篤姫の役をやるのかですが、勝海舟の候補としては上げ潮派(もうこれも死語だな)の代表格である中川秀直氏と、その中川氏と以前に意見の対立こそあったものの今じゃ麻生との対立が大きくなりつつある与謝野馨氏、そして若くて勢いがまだあるけど見ていて不安になってくる渡辺喜美氏です。
 じゃあ篤姫はとなると、女性だから小池百合子氏……だったら非常に面白いけど、実際にこの人は自民党が野党に転落しそうになるとうまいこと民主党に乗り換えてきそうだから困る。

2 件のコメント:

  1.  日本の政治家はころころ変わりますよね。誰か、長持ちしてくれる人でもいるといいのですがね。 中川氏に勝海舟役は荷が重過ぎるのではないでしょうか?それほどの広い視野があるとは思えません。それと、西郷隆盛役が小沢氏になるのでしょうね。ちょっと外見が似てる気がします。本当の顔じゃないみたいだけど。

     慶喜よりも、家定が長生きしていたらよかったかもしれないと思っています。それか家茂でもいいけど。というか堺正人がいい演技するんでその影響があるかもしれませんが。山南といい、沖田といい癖のある役が合うんですよね。深い演技ができる若手って少ないですし。個人的には子ずれ狼で知った北大路欣也も好きですけどね。

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  2.  小沢代表を西郷と見たのはいい視点ですね。記事中にはっきりその辺は書かなかったのですが、篤姫役候補の小池百合子氏はもともと小沢氏の下で議員人生を始めており、本人も政治の師は小沢代表だと言っているほど同じ穴のムジナということでなかなかいいキャスティングになります。
     中川氏については、まぁ私も実際には荷が重いと思ってますが、反乱起こしそうな意味でという意味で入れました。にしても、ちゃんと勉強してるね。

     堺雅人氏は本当にいい俳優ですね。もともと舞台俳優としては知らない人はいないといわれていたそうですが、新撰組にてこれまで固定したイメージのなかった山南敬介が堺氏によって「温和な知性派」というイメージがついたのは稀有なことです。
     前に雑誌での原作者の宮尾登美子氏と堺氏の対談にて堺氏は、知らない人間の役をやる際にはその人がどんな人物なのかを自分で考え、イメージを作って演じるといっており、家定については本当は賢かったんじゃないのかとか考えたといっており、だからこそその人物に対してこうもすとんと見ているこっちもイメージがもてるのだと納得しました。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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