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2008年12月20日土曜日

派遣難民の住居対策について

 既に報道でも皆さんご覧の様に、先月から各企業で派遣社員や期間従業員の契約打ち切りにより、これまでのネットカフェ難民という言葉にかわり突然社員寮から追い出されて住居や生活を一挙に失うという、派遣難民の出現が大きな社会問題化しています。
 この問題の具体的な内容は報道されている通りなのでここでは深くは語りませんが、結論から先に言うと、この派遣難民への一部の自治体などの対策については私は激しい疑問を感じます。

 まず冷静になってきたのか一部でもぼつぼつ言われ始めてた意見で、報道にて突然雇用を契約を切られたために無一文で実家に帰るお金もない、といった内容を述べる方がよくインタビューなどで出てくるのですが、なにも働き初めて一ヶ月目にいきなり追い出されるというわけでもなかろうし、また住居も多少の自己負担はあろうとも社員寮に住まわせてもらっていたことを考えると、何故その人たちは貯金がないのかという疑問を私は感じずには得ません。

 私などは貧乏な頃は光熱費込みでひと月の生活費を二万円以内で生活していたことがあり、その頃にはパンの枚数やお米の分量を毎日計算してはあと何日もつかということを常に考えて生活していました。当時に下宿していたアパートの家賃代は三万円なので、実質当時のひと月あたりの出費は五万円ということで、仮に私のような生活をしている場合はひと月十万円の手取りがあれば毎月五万円は貯金できます。また生活費を二万円に抑えなくとも、五万円に増やした場合でもまだ二万は残ります。報道などで見ていると社員寮の自己負担分は少なくとも四万円を越えるケースは私はまだ確認していないので、少し残酷な言い方をしますが、突然雇用契約を打ち切られたことを考慮しても実家に帰るお金がなくて困っている人というのは自業自得ではないかと思い、あまり同情する気にはなりません。

 もっとも、中には帰るべき実家が既にないという方もいるかもしれません。そのような人の場合は貯金があったとしても住居がなくなることにより非常に困窮するということも理解できるので、個人的にも強く同情します。そういった意味で、あちこちの報道や急遽作られた派遣労働者たちの労働組合が主張している社員寮の立ち退き期間の延長は必要な措置であり適切な要求だと私は思います。
 しかし、私が確認している限りで大分県内の自治体が言い出したことによってなんかあちこちで実際にやろうかと検討され始めている、社員寮に派遣労働者を住まわせ続ける企業への助成金制度というのは本末転倒な話で、やろうとしている自治体には理解に苦しみます。

解雇後も寮貸与の企業に助成金 非正規労働者の住宅確保(asahi.com)

 確か大分県のある自治体がこの制度をいい始めたのですが、リンクに貼った記事のように厚生省もなんだかきちんと法整備してやろうと言い始めているを聞いて、私は激しく怒りを感じました。
 というのも、まず企業側は今回の急激な景気悪化を受けて生産量の減産と合わせて今回の急激な派遣切りを行っているので、今後それらの社員寮に代わりの新たな労働者が入ってくることは予想されません。言ってしまえば今の派遣労働者を追い出した後は空き室になることが確実な社員寮なのだから、そのまま住まわせ続けてもいくらかの管理費がかかるくらいで大きな出費になるわけでないということになり、業務上にもそれほど大きな支障にはならないでしょう。ちょっとこの社員寮がどのように運営されているか細かい所まではわからないのですが、借り上げ社宅のようなものであれば賃貸料が企業に負担されますが、それを推しても派遣労働者をこんだけ切ってコストカットするのとしないのとに比べれば随分安い出費ではないかと思います。

 そして次に、これまで企業は散々派遣労働者を使って経費を浮かし、挙句には去年まで「過去最高利益」と声高にあちこちで主張していました。それらの利益は売り上げが急激に伸びた結果というよりも、派遣労働者の犠牲の上で成り立った利益だったとこの点について私ははっきりと主張できます。
 そんな派遣労働者を苛め抜いた企業らに対して、社員寮を貸し続けるのなら自治体や政府は助成金を出してもいいものかと私は疑問を感じます。しかもその助成金額は厚生労働省はひと月六万円、大分の自治体が最初に出した金額は四万円と、これだけの金額、自前で社員寮を運営しているところでは確実に利益が余る大きい金額です。言ってしまえば、派遣労働者の住居を守らせる名目で企業にただで金をやることになりかねません。

 むしろ私はこれまで派遣労働者から搾取し続け過去最高利益などとほざいてきたのだから、行政命令などで派遣労働者の負担はゼロで、半年なり三ヶ月なり期限を区切って住まわせ続けろと命令すべきだと思いますし、派遣労働者の方たちもそう主張してもよいと思います。少なくとも先の助成金の制度というのは、家に押し入った泥棒が家人を追い出そうとするのをお金をあげるから追い出さないでと警察が泥棒に頼むような行為のようなもので、絶対にやってはいけない制度でしょう。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

世の中には不器用な生き方しかできない奴らがいるんです。
高倉健ではなくて、本当になにもかも不器用な人たちね。

中学のある同級生が派遣社員になっていたんですよ。そいつは昔からいじめられっこで、頭もあんまりよくなかったんですよ。(勉強ができないだけでなくて、総合的に)
コミュニケーション能力が著しく劣ってるんですよ、彼は。
とても正社員で責任ある仕事任せられないんですね、学生の僕がいうのもなんですが。

僕は普段は大企業の横暴に憤慨してる立場を取っていますが、しかし、どーしよーもない駄目な生産性の低い人たちがいることは認めざる得ないと思うんですよ。

花園祐 さんのコメント...

 理想を言えば、そうやってあまり計画性がないばかりにドツボにハマってく人も支えられるような社会保証体制を維持すべきなのですが、パイは限られているというか、今では真面目にあくせくしている人すら救えない状況ゆえに税金では面倒み切れませんね。

 じゃあどうやってそんなどうしようもない人も救うかですが、こればっかりは身近な人間が互いに協力し合って助け合うしかないと思います。ですからrockmanさんも、もしそのお知り合いに今でもまだ憐憫を思うんなら、何でもいいから助けになってあげてください。目の前の人間を助けることこそ最大の美徳です。

匿名 さんのコメント...

その人は友達ではないんです。1年前くらいに同窓会が行われたとき、たまたま会っただけです。クラスでも変なやつとされて、誰とも仲良くなかった感じの人です(同窓会に来るとは思わなかった)

身近に友達がいるひとは、なんだかんだ言ってうまくやっていくもんだと思いますよ。