2008年12月1日月曜日

かつてのエニックスのマンガと、「月刊少年ギャグ王」の思い出

しっとマスク(2ch全AAイラスト化計画)

 昨日に引き続きまたもリンクから始めましたが、私がいつも見ているイラストサイトの「2ch全AAイラスト化計画」にて上記の「しっとマスク」がイラスト化されたのを見て、なんていうか忘れていた思い出が一気にぶわーって出てきたので、ちょっとこの時期のエニックスのマンガと既に廃刊した雑誌の「ギャグ王」について話そうと思います。

 まず「しっとマスク」ですがこれは松沢夏樹氏作の「突撃パッパラ隊」というマンガにて、もてない軍人キャラの宮本がカップルを見つけるごとにその交際を妨害するキャラとして扮装したキャラクターですが、ありがちでありながらあんまり実際にネタにはされづらいキャラであり、そのテンションの高さとあいまっていい味を出していました。
 しかしこの「突撃パッパラ隊」については、残念ながら厳しい評価をせざるを得ないマンガです。しっとマスクが登場したての頃は当初のコンセプトどおりに「過激なアーミーギャグマンガ」という路線が貫かれていたのですが、原作が中盤に差し掛かった頃からただのハイテンションなだけのギャグマンガに成り下がり、ひねりがどんどんと減っていって面白味もどんどんと失われていきました。それならばまだ最初の路線を堅持していれば、まだ面白く読み続けられたと思います。

 なお、このパッパラ隊が連載していた当時のエニックス社発行マンガ雑誌のガンガンは、販売部数こそそれほどではなかったものの、他のマンガ雑誌と比べて雑誌全体のくくりが非常に薄く、漫画家がそれぞれ思い思いに自由な話を書いており、贔屓目もあるでしょうが非常に面白かったです。当時のガンガンのホープはなんといっても、現在のホープである「鋼の錬金術師」の作者荒川弘氏の師匠、江藤ヒロユキ氏の「魔方陣グルグル」で、これなんか多分今読み返しても十分に楽しめるマンガですが、このグルグル以外にも「ハーメルンのバイオリン弾き」とか「浪漫倶楽部」(こんなのわかる奴いるのかなぁ)など、全体的に荒削りながらも強い個性を持った連載陣を抱えて毎月楽しめて読めました。

 しかしこのガンガンの最大にして致命的な大失敗は、1996年に何を思ったのかそれまでの月刊から隔週化、つまり月二回の発刊にしてしまったことでしょう。今ではもう元の月刊に戻したのですが、この時期に一部のマンガは月刊連載が続いたのですが大半はページ数は据え置きのままで〆切は月二回になるという、漫画家たちに単純にこれまでの二倍のペースで描かせ始めたのが運の尽きでした。やはり執筆期間の短縮はマンガの質に如実に現れ、とくに上記の渡辺道明氏の「ハーメルンのバイオリン弾き」はこの時期から目に見えて話がつまらなくなりました。単行本の作者コメントでもそのことに触れており、この隔週連載の時期は本当に辛かったと暗に述べています。
 こうした連載マンガの急激な低調を受け、私も「ハーメルン」のコミックスを買うのをやめたばかりか、ガンガンを購読するのまでやめてしまいました。最終的に「ハーメルン」はマンガ喫茶で読破したけど。

 さてこうしたかつてのガンガンのマンガにも思い入れは深いのですが、それ以上に私が当時に深く傾倒していたのが今日のタイトルにある、「月刊少年ギャグ王」でした。

ピエール刑事94(ヤフオク)

 なんかこの前適当に検索していたら出てきたのがこのオークションにかけられた(見事に売れ残っているが)マンガなのですが、これこそギャグ王で連載されていたマンガの一つです。
 当時はマンガ雑誌がちょっとバブリーな頃で、エニックスも本流のガンガンに加えて「Gファンタジー」とかこの「ギャグ王」などいろいろ雑誌を出していたのですが、いかんせん作家陣を適当に揃えすぎた(ほとんどが懸賞で集めていきなりデビューの新人)ことと、コンセプトがはっきりしなかったことでギャグ王はあっけなく廃刊してしまいました。

 しかしこのギャグ王、ある意味壮大な実験的マンガ雑誌とも言えるような雑誌で、一部には非常に特異なセンスを発揮する漫画家も排出しています。その代表格ともいえるのが「うめぼしの謎」の作者である三笠山出月氏で、生憎今ではもうマンガを描いていないのですが、この四コママンガのネタは文字通りの人の予測を悉く覆すすばらしい出来で、数年前には大都社から愛蔵版が発売されました。ついでに言うと、何故か友人とこのマンガの話になり、二人で小一時間熱く語り合ったことがあります。

 最近はマンガ雑誌も売り上げが低迷し、2chの掲示板を見ても昔のマンガが面白かったなどという意見ばかり(2chの閲覧者の平均年齢は本当かどうかはともかくとしてこの前40歳前後とあったので、年齢を考えれば懐古主義になるのは自然です)見ますが、私は今のマンガに対してどれもかつての少女漫画風の絵が大半を占めるようになり、かつてのギャグ王にあったような強烈な個性を出す漫画家がいなくなったなぁとは思います。

 しいて挙げるながら、私が知る限り現代漫画家で見ているこっちが舌を巻くのは「鋼の錬金術師」の荒川弘氏、「ケロロ軍曹」の吉崎観音氏、「ノノノノ」の岡本倫、「金剛番長」の鈴木央氏と言ったところでしょうか。ちょっと年齢層を上げていいのなら、「ジャングルの王者、ターちゃん」の徳弘正也氏も、今も連載しているのでここに入りますね。
 ここで挙げた作者らは「真似しようとしても真似しきれない」ような強烈な個性をマンガの中でも発揮しているので、私の好きなタイプになります。あと余談ですが、私が中国にいた頃、何故か夜8時くらいに「ジャングルの王者、ターちゃん」が放映されていました。さすがに下品なシーンはカットされてはいたけど、「梁師範」が「リャンシーフー」と呼ばれていたりして、懐かしいやらなんとやらで、相部屋のルーマニア人も見ながらよく笑ってました。

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