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2010年1月26日火曜日

上海のマンション価格について

 昨日に引き続き、上海での旅行中の話です。
 この上海旅行中はほぼずっと友人である上海人と行動を共にしていたのですが、繁華街に近いある場所でその上海人が立ち止まるや、目の前にあるマンションについてこの様に切り出してきました。

「実はこのマンションの部屋を買おうかどうか検討しているんだ」

 その上海人は子供の頃から上海に住む、日本語で言うなら江戸っ子と言っていいような根っからの上海人で現在両親とともに上海に在住しているのですが、将来結婚して世帯を持つような時のためにもうマンションを購入しておこうかと家族で話し合っているそうなのです。頭金などは両親とともに負担し、それ以降のローンは自分で負担していく予定とのことですが、一体その購入を検討しているマンションの購入費はどれくらいなのかと尋ねるとなんと約2000万円もする部屋だとのことです。
 参考までに中国の物価をいくつか紹介すると、以下の様になります。

・コーラ一缶:15円
・ラーメン一杯:75円
・地下鉄乗車代:45円
・やや高級なホテル宿泊費:3000円
・マクドナルドのセット:450円
・ピザハットのピザ:1350円
・ちょっとした本:450円
(1元=15円で計算。主に北京での物価)

 こんな具合でちょっとマクドナルドとピザハットには頭を抱えてしまうのですが、いくらデフレとはいえ日本の物価と比べるとやっぱり一段低い物価となっております。それでも上海は裕福な地域ということもあって中国の中で最も物価が高い地域であり実際に私も街を歩いていて北京との物価の差に度々驚かされていたのですが、今回上海人から聞いたマンションの値段はそれ以上に驚かされました。

 確かそのマンションの部屋の広さは90平米くらいだったと思いますが、このくらいの規模であれば日本のマンション価格よりかは少しは安いかもしれませんが、それでも他の一段低い中国の物価と一線を画してこんな価格が出てくるということは私にとって意外この上ないものでした。かねてより上海は地価が高騰していて不動産ブームだとは聞いていましたが、こんな価格でも買い手がつくというのだからその熱狂振りにはほとほとため息が出てしまいます。
 しかも友人の上海人によると、今のうちに買っておかねば今後もどんどんと値上がりするかもしれないし、もし気に入らなければ買った部屋を賃貸で他に貸して家賃収入でローンを返していったり、もしくは部屋の値段が購入額を上回った時点で売ってもいいとも述べていました。

 その友人の年齢は私と同じく現在20代の後半ですが、今の日本の若者でそんな風に家を購入しようかどうか検討する人なんてそう多くないでしょう。しかし経済絶好調という中国の追い風の中でこのように長期ローンを組もうと考える若者が中国にいて、しかも住宅の価格が日本とほとんど遜色がないというのは改めて中国の住宅需要の高さが伺われます。まぁ見方を変えればそれだけバブル状態に入っていて、はじけたらはじけたで非常に怖いということでもあるのですが。

 なおその友人についてもう少し触れておくと、彼は元々現在開発が進んでいて万博でもメインの会場地となる浦東地区に住んでいたのですが、随分と前に市から立ち退きを迫られて引っ越したという顛末は前回の記事でも書きましたが、昔の水田が広がっていた浦東が今では高層ビルが林立する地域になったということについて変化が激しいと漏らしておりました。また最大の経済力を誇る地域ゆえに外地人こと昔から上海に住んでいない新たな上海居住者が増えてきていることについても、昔から住んでいた彼からするとやや素直になれない気持ちがあるそうです。
 ついでに書いておくと、彼の子供時代は私の子供時代と比較しても遜色がなく、小さい頃はファミコンで「熱血高校」というゲームをしていたと話していました。この「熱血高校」というのは恐らく「熱血硬派くにお君シリーズ」のことでしょう。

 最初の不動産価格の話に戻りますが、今回の旅行で私は上海はやっぱり他の中国の地域と比べて本当に特別な街なのだという印象を受けました。私が中国に留学する前に知り合った中国人から、もし留学をするなら上海ではなく北京に必ず行けと言われましたが、昔からの中国を知るという意味ではこの助言は的を得ていたかと思います。もちろん上海に留学すれば最先端の中国を見ることが出来るので、決して悪いわけではないのですが。

 ただ北京もここ数年の変貌振りは激しく、私が滞在していた一年間でも大きく変わっていくのを目にしました。90年代初期の中国とくると大半の日本人は「自転車大国」というくらい自転車に乗る人が多い光景を目にしましたが、現在は自動車が多くて危ないので自転車に乗る人はめっきり減っています。また1991年に発売したカプコンの「ストリートファイター2」における春麗のステージ(北京)では後ろで鶏を絞めている人がいますが、もちろんこんな人も見かけません。絞めたばかりの鶏はよく道端で売られているけど。

  おまけ
 どうでもいいことですが、今回の上海旅行で初めてカエルを食べてきました。思ったより骨が多くて食べづらかったです。

1 件のコメント:

陳波 さんのコメント...

この上海人は誰やん?カエルが美味しい?