以前にある友人から、「太陽電池について情報はない?」と聞かれたので、太陽電池関連の企業に勤めている別の友人に尋ねてみたところ、
「俺にだって、わからないことだってあるさ……」
とキバヤシばりに答えられたので、代わりに私があれこれ調べてみたのでその情報をしばらく連載で解説しようと思います。
今ちょっと復習をかねてウィキペディアの「太陽電池」の項目を見てみましたが、一度は読んだことがあるもののやっぱり文字びっしりでちょっとわかりづらく感じました。構造とか原理には専門的な内容が含まれるため難しくなるのはしょうがないでしょうが、それに対して私の表現力がどこまで肉薄できるかが今回の連載の肝でしょう。
それでは早速一発目の解説を始めますが、多分一番ややこしいであろう太陽電池の原理についてです。
まず基本的な話として、この地球上にある金属からたんぱく質までのあらゆる物質は、太陽の光を浴びるとみんな熱を帯びます。これは物質の中で飛び回っている「電子」が太陽光のエネルギーを受けることによって分子内で活発に動き、その際に余分なエネルギーを熱として外に出すためです。簡単に言うと、太陽光を浴びると暖かくなるのは、分子内の電子が刺激されて要らないエネルギーを出すからです。
基本的に、太陽電池はこの原理を応用して作られています。太陽電池の主材料である、コンピュータ部品としてもよく使われる半導体とは、電子を通したり通さなかったり分別する材料のことを言います。この半導体にも二種類あり、n型半導体とp形半導体といって、それぞれ単純な言い方をすると「陽極」と「陰極」、つまり電池のプラス、マイナスのような関係にあり、n型というのは常に余分な「電子」を抱えて隙あらばどんどん放出しようとする半導体であるのに対し、p型は逆に電子の受け皿となる「正孔」をたくさん持っている半導体です。
このようにそれぞれ性格の違う半導体を二つ重ねると、放出したがっているn型の半導体から受け入れたがっているp型の半導体へと電子が移動します。しかしいくら受け入れたがっているp型といっても、いくらでも電子を受け入れられるわけじゃないので、わんこそばのように「もういいよ」といって途中からn型からの押し出しを拒否するようになり、放出しようとするn型との間で電子と正孔を押し合いへし合い、わんこそばで言うとそばとおわんを押し合っているように、いつしか接合面では電子の移動が止まり、安定した「電界」という領域の状態へとなっていきます。
これまでの過程を簡単な図にするとこうなります。
どんどん来い!>p型半導体(おわん)→←(そば)n型半導体<はいどうぞっ!
↓ ↓ ↓
ごめん、もういいわ……>p型半導体←(電界)→n型半導体<そんな……
自分で書いてて、すごくアバウトな図な気がします。文字表現でこの原理を図に描こうとすること自体凄い試みだけど。ちなみに「おわん」が「正孔」で、「そば」が「電子」のつもりです……。
さてここからが肝心な部分ですが、こうして電界が発生している接合部に太陽光を当てます。するとほかの物質同様に中で電子が活発に動き始め、ちょっとこの辺の理解が曖昧なのですが、太陽光を浴びると上の図のおわんに当たる正孔も活発に動き始めるようで、電子も正孔も弾き飛ばされるように真ん中にあったものがそれぞれの端側へ一気に飛びます。そこへあらかじめ導線となる回路線を電子を放出するn型に取り付けておくと、弾き飛ばされた電子が回路線を通過して、その回路線につながれた電球なり電卓なりに通過することによって電気を供給し、最期にp型へ取り付けられた回路へと導かれ、電子同様弾き飛ばされた正孔が通ってきた電子を受け取る、というようになります。そのため光が浴び続ける間、この二つの半導体は永遠に電流が流れる状態となるので、接続された機器へ電気を供給できることとなるのです。
これも、また図にすると、
←←←←←←←(光る電球)←←←←←
↓ ↑
↓ 太陽光 ↑
↓ ↓ ↑
(おわん) p型半導体(電 界)n型半導体 (そば)
→→→→→→→→ ↑ ↓ →→→→→→→
というような感じです。例によっておわんが正孔で、そばが電子のつもりです。
ここまで書いといてなんですが、ぶっちゃけ原理を誤解しているところがある可能性が高いです。多分以下に示す参考サイトを見た方がずっと解りやすいと思います。我ながら今回はわんこそばをたとえにするあたり、相当思い切った感があります。よく考えたな、こんなの……。
参考サイト
産総研:太陽光発電研究センター「太陽電池の原理」
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