昨日は金曜に加えて給料日ということもあって、このブログも休んでわざわざお金を下ろしに行きました。別に昨日に焦ってやる必要はなかったのですが、給料日ぎりぎりに財布の中身がからになるよう仕組んでいたら本当にそうなったので、なるべく早く補給した方がいいだろうと判断したわけです。それにしてもこのごろは程ほどに涼しいので、夜のサイクリングが非常に気持ちがいいです。
それでは本題に入りますが、今日はちょっと力の入った記事として現在もニュースをよくにぎわせている、八ッ場ダムの建設問題について私の意見を紹介いたします。結論から先に申し上げると、私はこの八ッ場ダムについては建設に反対です。
・八ッ場ダム(ウィキペディア)
・八ッ場ダム工事事務所(国土交通省)
この八ッ場ダムの問題は前原国土交通相が中止発言を行って以降、どうも問題の全体像が私にはなかなかつかめずにいました。来る日も来る日もテレビで放映されるのはマニフェスト通りに中止を実行しようとする与党民主党に対し、水源確保を何だと思っていると主張する石原都知事と関係各県知事、そしてここまで来て何故途中でやめるのだという賛成派現地住民ばかりで、具体的にこのダムの何が問題なのか、また賛成派、反対派はそれぞれどういった意見を持っているのかといった整理された報道がなかなか見当たらず、今回この記事を書くにあたっていろいろ苦労しました。
そんな中でいろいろと私なりに調べてみたわけですが、まず第一に目に付いたのがこのダムの建設計画が出来た時期とその目的です。
なんとこのダムの構想が出来たのはまだ日本がアメリカの統治下であった1949年で、具体的な建設計画は1952年に出来たそうです。何故そんな大昔に計画されながら未だに実現に至っていないかというと、元々観光保養地として有名であった建設地における住民の反対運動が根強く、「東の八ッ場、西の大滝」と謳われるまでに地元との合意が出来ず、長らく建設がストップしていたからです。
ではそれほどまでに長い間地元に反対され続けながらも建設計画が潰されなかった建設目的は何かというと、一つは首都圏における水源の確保と、もう一つはこちらは私が非常に疑問に感じた治水のためです。
首都圏における水源の確保については先にリンクを張った国土交通省のホームページに詳しいですが、東京を含めた関東一円に対する水源として、利根川水系の一端を担う役割としてこの八ッ場ダムは期待されているわけですが、まぁ見てもらえば分かるとおりにこれは明らかな国土交通省のブラフでしょう。
国土交通省は夏季に少雨となれば首都圏で水が不足する事態があるなどとこのホームページで主張しているわけですが、何故か引用している降雨量のデータは連続した直近年のデータではなく、また今後降水量が減少する傾向などについては何の言及もありません。この点は首都圏に在住している方なら分かるでしょうが、近年の首都圏ではいわゆるゲリラ豪雨と呼ばれる集中的降雨の発生増加など、むしろ降水量は増加している傾向にあります。何気にこれは地球規模の環境問題ともリンクするのですが、現在世界中で降雨の起こる地域が二極化しており、日本は全体としては以前より降雨量が増えるとされております。
また住人の水の使用量増加についても高度経済成長期なら多少はその言い分も分かるのですが、現在も東京に人口が集中して増加しているのは確かなもののその増加量は以前と比べて大分緩やかになりつつあり、なおかつ今後は少子化によって人口減少も視野に入ってきているのでそこまでして新たな水源を確保する理由があるとは私は思いません。
そして今回私が非常に疑問に感じた二番目の治水目的についてですが、これについてはテレビなどでも情報を入手していた通りで、なんと八ッ場ダムが目標とする治水レベルというのは1947年に発生して大規模な被害を残した、カスリーン台風だと国土交通省も主張しております。
このカスリーン台風についてはリンクを貼ったウィキペディアの記事を読んでもらえば分かりますが、確かにその災害規模は文字通り前代未聞ではありますが、このレベルまでの対策を行うとなると私は疑問です。というのも国土交通省はこのカスリーン台風を「100年に三回起こる可能性のある災害」としておりますが、それだったら1947年から60年以上経つ現在においてあと二回くらい同じのがあってもいい気がしますがそれは置いといて、それくらいなまでに頻度が少ない超規模災害に備える必要があるのかということです。
私は本来、自然災害というものは防ぎようのないもので、対策すべてを否定するつもりはありませんが災害被害をすべてなくすことは不可能だと考えております。ましてやこのカスリーン台風級ともなると100年に三回程度発生する可能性で、いくら規模が大きいからといってそんな低い可能性の災害まで高い費用をかけて対策を行う必要があるのかと疑問に思います。それであれば必要最低限な対策を施した上で、今後そのような大規模災害が起こりうる予測が立った時に住人を素早く避難、保護できる態勢を整えることの方がずっと建設的で、費用的にもずっと安上がりなのではないかと思います。
こうして私なりに建設目的やその成り立ちを整理すると、やはりこの八ッ場ダムを差し迫って建設する必要はないのではないかと感じます。こうした点に加え、予算面とダム建設による弊害についても考えると、あくまで素人の立場ではありますがやはり建設には反対せざるを得ません。すこし長くなったので、予算とダム建設による弊害は次回の「八ッ場ダム建設問題に対する私の意見 その二」の記事に回します。
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