最近ほとんど経済系の記事を書いていないので、ちょっと補充分とばかりに投下しておきます。
昨日今日と株価は下がりましたがそれでもなお現在日経平均株価は一万円台を維持しており、一時期は七千円台にまで落ち込んだことを考えると随分と復調しており、選挙中も自民党の麻生総裁が何度も主張していたように多くの人も景気も大分回復しつつあると思っているかもしれません。しかし結論から言うと私と私の友人は未だ景気が回復したとは言えず、今の株価も仮初めの、というよりは実態に即していない上昇振りを見せていて手を付けるには非常に危険な状態ではないかという見方をしております。
我々がなぜこのように考えるのかというと、確かに株価だけを見れば最悪期から随分と回復したように見えるもののその他の判断材料がどれも先行きが暗く、今以上に景気が悪化するのではないかとうかがわせるような傾向しか見せていないからです。一つ一つ例を挙げていくと、まず最も顕著なのは小売業界の今年上半期における売り上げの低さです。この前心斎橋のそごうが閉店をしましたが、そごうに限らず百貨店はどこも現在経営が苦しく、百貨店ほど店舗規模が大きくない大型スーパーもどこも苦戦が続いており、なおかつ広範囲に広がっている小売店の中で最小単位ともいうべきコンビニにおいてもこれまで一貫して成長を続けてきたのが去年辺りから売り上げの低下が起こり、なおかつ見切り品の販売がセブンイレブンで認められたのでこれからもっとこの傾向に拍車がかかることが予想されます。
小売業界というのは最終的な消費者である個人が商品を購入する場面であるため、植物で言うのなら言わば根っこにあたる部分です。この業界が不振では木全体が成長を望めるわけでなく、今後の景気を見極めるうえで現状はあまりいい状態とは言えません。
その上消費者単体で見ても、七月の失業率が過去最低の5.7%を記録しております。日本の統計は非常にいい加減でこの失業率も求職者の内から算定されないので実際には低く見積もられており、恐らく実数的には10%くらいにまで日本の失業率は上昇していると私は見ております。先ほど小売業界が植物の根っこに当たるのであればその根っこに水を与えるのはまさにこの消費者で、その消費者自身が賃金を得られない失業状態にあればこれまた植物に水を与えられないのも同然で、こちらでも今後の景気を見るうえで現状はあまりよくありません。
それにも関わらず、どうして株価は上昇しているのだと疑問に思う方も恐らくおられると思います。それは単純に言ってしまえば、去年から麻生政権が無駄なバラマキを続けてきたからだと友人が教えてくれました。いくら無駄なバラマキと言えどもさすがに数十兆円ものお金がばら撒かれれば全体での景気は良くなるものの、それは所詮はバラマキ(借金)が行われている間だけであって、そのバラマキが底辺の雇用や新産業の育成につながらないのであればすべて無駄に終わるとのことで、言われて私もその通りだと思いました。
実際に過去にも日本は、バブル崩壊直後にもまさにそのような状況を体験しております。崩壊直後に大きく下がった株価が政府の積極的な財政によって一時は大きく盛り返したものの、結局それは一時的なものに終わってその後「景気の二番底」とも言うほど再び株価は大きく下がり、その後十年近くも一時的に上昇した株価を一度も追い抜くことがなかったそうです。
現在のイギリスは日本と同じく株価が最悪期を脱したものの、政府はまさにこの日本の二番煎じを踏むものかとこの景気の二番底に対して非常に警戒をして対策を練っているそうです。
ではこの景気の二番底は日本にも起こるのかと言えば、私はやはり先ほどの失業率などのデータを見ると起こる可能性が高いと見ております。今回の世界的大不況は不動産バブルという原因からその後の傾向まで日本のバブル崩壊と非常に酷似しており、今後を予想する上では何よりも当時の情報が参考に足ると考えております。
私もそれほど強く言える身分ではないものの、すでに20年近く前の話ですが今でこそあのバブル崩壊についてあれこれ日本人は検証して、今後の対策を考えるべきでしょう。そして景気の二番底に対しても、「まだ慌てるような時間じゃない(*゚▽゚)ノ」としっかり腹を据えて冷静に対処することが一番だと思います。
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