2010年3月9日火曜日

秋葉原連続通り魔事件裁判の証言

 今日はそろそろ腹を括って移民の連載記事の続きを書こうかと思っていたのですが、さすがに捨て置けないニュースが入ってきたのでこちらを取り上げます。

【秋葉原17人殺傷 第4回(1)】(産経新聞)

 本日午後、一昨年に起きた秋葉原連続通り魔事件の裁判が東京地裁にて行われました。上記ニュースは今日の裁判において行われた証人による証言をまとめた記事ですが、前もって言っておくと心臓の弱い方や残虐な描写に耐えられないという方は証言に生々しい描写があるために絶対に見ないようにしてください。逆にある程度の不快感に耐えられる自信があるのであれば、やや長いですがこの一連の証言記事は是非読んでもらいたいと思います。

 この裁判は今日で四回目ですが、前回では主に事件現場に居合わせた目撃者による証言がなされたのに対し、この四回目では実際に被害に遭われた方が証言台に立ちました。本日証言台にたったのは二人で、一人目の方は加藤被告の運転する車によって自身もはねられ、また一緒に秋葉原を訪れていた友人を亡くされた方で、二人目の方は加藤被告に直接ナイフで刺された方です。

 今日の証言内容を私の方で簡単にまとめると、まず一人目の方は大学での友人と四人でその日に秋葉原に訪れたことから事件に巻き込まれた方です。事件当時、証言者らは前に二人、後ろに二人でそれぞれ連れ立って横断歩道を渡っていた所へ加藤被告が運転する車が迫り、証言者と、彼と並んで前を歩いていた友人は咄嗟に前へと飛んだことから車体が直撃するのを避けられ腰の打撲で済みましたが、後ろの友人二人は避けきれず、そのまま車にはねられて亡くなってしまいました。この時の状況について証言者は、「死線をぎりぎりすり抜けたと思いました」と証言し、また一歩間違えば確実に死んでいたと述べています。

 証言者ははねられた直後は腰の痛みからしばらく立ち上がれなかったものの、すぐにほかの友人らはどうなったのかと見回したところ、亡くなられた友人二人が血を流して倒れていたそうです。証言者は友人に駆け寄って何度も声をかけたもののどちらからも返事は返って来ず、その無念さや悲しさは証言を聞いているだけでも胸が詰まる思いがします。

 そして二人目の証言者は、事件当日は後方でなにやら騒ぎが起きていると感じた直後から一時記憶がなく、気が付いたら路上に血を流しながら倒れていたそうです。この時証言者は加藤被告によってナイフで背中を刺されていたのですが自分に何が起きたのかわからず、その場に居合わせた周囲の方から止血や励ましを受けながら救急車が来るまで途方もなく長く感じたと述べております。
 しかし証言者は病院へ搬送後、一命こそ取り留めたものの医師からは一生車椅子生活になると告げられ、その際には絶望感よりも「勝手に決めつけるなよ」という気持ちを覚えたそうです。現在も証言者は懸命にリハビリを続け一部の機能回復こそ果たしたものの左足は未だに全く動かず、事件以前より不自由な生活を余儀なくされております。

 どちらの証言も、読んでいる私ですら犯人に対しとてつもない悔しさを感じるとともに、もしこれが自分の身であればと思うとあまりにも運命は残酷すぎると言いたくなる内容です。二人目の証言者など事件前には仕事もあってそこそこ不自由のない生活であったのが一瞬で壊されてしまい、その不遇を思うにつけ目頭が熱くなります。

 蛇足になるかもしれませんが、実はこの事件が起きたすぐ後、生前私がお世話になった人へ線香を手向けようと近所の仏具屋に行った所、お店のおばさんから、「もしかして、秋葉原の事件で亡くなられた子のご友人ですか?」と尋ねられたことがありました。なんでもこの事件に巻き込まれて亡くなられた方は生前に近所に住んでいたらしく、その仏具屋にも何人か線香を買い求めにその方の友人が訪れていたそうなのです。
 そのお店のおばさんは比較的年齢の若い私を見て大学生だと思ったことからそのように尋ねたそうなのですが、今日のこの記事を見て、一人目の証言者の亡くなられた友人は大学生だったという事からもしかしたらあのおばさんの言っていた方というのはこの人のことではないかとすぐに浮かんできました。

 もちろん本当にそうなのかどうか確かめようがありませんし、仮にそうであったとしても何かが変わるというわけでもありません。しかしもしかしたら近所に住んでいて、仏具屋でのあの会話を考えながら証言者の語る事件当時の状況を読むにつけ、他人の分際でこんなことを言うのはおこがましいかもしれませんが、他の殺人事件などとは異なりまるで身近で起きた事件であるかのような感覚を覚えます。

 昔大学での倫理の授業にて講師が、戦争は鳥瞰的に見るのではなく匍匐的に見よ、戦闘で何人が死んだとかを見るのではなく一体どんな人がどのように殺されていくかを見なくてはならない。そうでなければ戦争の現実などなにも理解できないのだと語っていましたが、全く理解していないつもりはなかったのですが今回のこの裁判の証言を読むにつけ、やっぱり自分はあの講師の言葉をきちんと理解していなかったのだと痛感させられました。

 やはり内容が内容だけに、文字量に比べて今日は書き上げるのに時間がかかりました。あまりにも堅い内容なので最後に一息つける内容を入れておくと、上記の倫理の講師の授業はとても面白かったのですが、ある日の授業では始まるやいなや、お前ら京都にいるんだったらもっと奈良に行け、奈良はたくさんいいところがあると延々と授業時間の大半が奈良の宣伝に使われた事もありました。これはこれで面白かったけど。

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