すでに一ヶ月もこの連載記事をちょこちょこ書いていますが、ようやく終わりが見えてきました。そんなオーラス直前の今日は何を取り上げるかと言うとこの連載を始める大きなきっかけとなった、民主党が今国会に法案を提出する予定であった外国人の地方参政権付与議論についてです。
この外国人地方参政権付与というのは読んで字の如く、衆議院選挙などの国政選挙ならいざ知らず地方議会議員や首長(最近「くびちょう」という読み方が広まっていますが私は「しゅちょう」という読みで通します)を決める地方選挙であるならば、外国人であってもその地域に住んで税金をきちんと納めているのであれば与えても良いのではないかという考えのことです。この参政権付与を最初に主張したのは他でもなく権利を得る事になる在日韓国人の団体で、近年この団体を後押しして参政権付与に肯定的だった民主党が与党を取り、また非常に熱心だった鳩山由紀夫氏が首相となって法案準備を進めた事から、この参政権付与は俄然現実味を帯びて盛んに議論される材料となってきました。
まず肯定派の主張をいくつかまとめると、
・他の日本人同様に地方税を納めているのに地方政治に参加できないのは不公平だ
・外国人が地方に愛着を持てなくなる
・優秀な外国人が日本にやってこなくなる
といったところでしょうか。これに対して反対派の意見はというと、
・選挙権は国籍に基づくもので納税とは関係ない
・地方参政権を欲しがっているのは在日韓国人だけ
・外国人に参政権を渡すと日本が内から乗っ取られる
かなり大雑把にまとめると以上のような感じになります。っというか、みんないろいろと理屈をこねてるけど突き詰めると上記の意見にほぼ集約されるような……。
では民主党が準備していた外国人地方参政権付与法案というのはどういうものだったのかですが、ひとまずは日本に永住権を持つ外国人が対象としていましたが、その準備段階では住民票を登録した外国人すべてにも付与するという意見もあったそうです。この両者の違いを比べると、うろ覚えですが確か永住外国人数は約91万人でそのうちの約半数は在日韓国、朝鮮人という戦前戦後の経緯から永住権を持った特別永住外国人です。それに対して住民票をほぼ持っている外国人登録者数はというと約220万人で、実に二倍以上もの差があります。
何故民主党がこの外国人参政権付与に熱心なのかと言うと、いろいろ陰謀説とかありますがあくまで私の推量で予想すると、単純に自分達の票田につながると考えているからだと思います。もっとも鳩山首相は本気で友愛だからと信じきっているのかもしれませんが。
それでこの地方参政権付与について私がどう思っているのかと言うと、これまたいろいろ火を噴きそうですが実は賛成派です。その理由は何故なのかと言うと、以下に一つ一つ説明していきます。
まず第一に、与えたとしてもそれほど大きな影響力を持たないだろうという目算があるからです。現在の日本の人口は約1億2000万人で、仮に外国人永住者全員に地方参政権を付与したとしても得られる人数は日本国籍者の1%にも満ちません。そうは言っても地方ごとに人口割合は異なるだろうという意見もあるでしょうが、この連載の二回目で取り上げたデータでは外国人比率が高い地域で多数派になるのはどこもブラジル人で、またその割合も取り上げられている中では最高で16%強です。さらにこの議論で槍玉に挙がっている韓国人は近年日本国内での人口がこのところ減少傾向にあり、参政権を得たとしてもよくて地方議会に代表を一人送れる程度で国を乗っ取るなんていうのはあまり現実的な数字ではありません。
しかしこれなんか私も直接友人に言われたのですが、確かに今は問題が無くても一度参政権を与えてしまったら後々取り返しのつかない事になってしまうという意見もあちこちで見受けられます。私はこの辺が今の日本人の非常に悪い所だと思うのですが、なんでもかんでも一回実施したらもう撤回したり修正する事ができないと言ってはどの政策も否定的に取る傾向が見受けられます。確かに予想しうる事態を憂うことは大事ですが、一回決めたことは改正する事が出来ないわけではなく、まずくなったらまずくなったで事情が変わったと言ってどんどん改正していく事も私は大事だと思います。今の独立行政法人の問題なんて、そういう環境だから問題性が認識されつつも残っているようなものだし。
この地方参政権付与についても同様で、日本という国の不利益を起こす事態となればその時点ですぐに廃止してしまえばいいと私は思います。人権がどうとかこうとかいう人がいても、国政選挙は日本人が切り盛りするのですから押しつぶせばいいだけです。政治で何が一番悪いかといえば、あーだこーだ言い続けて何もしない事です。
案の定長くなったので、続きは次回に回します。もう少し切りのいい所で終えとけばよかったなぁ。
0 件のコメント:
コメントを投稿