2010年3月17日水曜日

移民議論の道標~その十四、移民の受け入れ方式

 これまでのこの連載で私は長期的視野に立つのであれば日本は期間を定めて移民の受け入れを行うべきだと主張してきましたが、今日はその移民を受け入れるとしてどのように受け入れればどのような制度がいいのかについて私の考えを紹介します。

 まず結論から述べると、移民を受け入れるとしてその受け入れ方式は大きく分けて二種類になる、二元方式が一番望ましいかと思います。一つ目の受け入れ方法はこれまで私が主張してきたような、労働者が不足している医療や農業といった比較的単純労働分野における移民で、これらの分野の移民については募集期間や人数をあらかじめ定めて受け入れるべきだと思います。また募集をする際、あらかじめ人数や職種を限定するために募集をかける地域などを限定すればもっと良いかもしれません。

 このような通常の移民の受け入れ方式に対し、もう一つ目の受け入れ方式は恒久的な、地域を限定せず広く優秀な人材を集める方式です。現在でも日本の各大学では留学生や研修生として外国人技術者や学者を受け入れる事はありますが、今後はこの受け入れ枠を拡大するとともに将来の日本永住も含めた待遇を用意した上で幅広く人材を求めていく事が必要だと私は考えております。なんだったら日本側から世界各地にスカウトを派遣した上でそういった優秀な人材、目の出そうな人材を片っ端から日本に呼び込むというのもありかもしれません。もちろんお金はかかってきますし、現在のポストドクターの問題に始まるように研究職の枠が限られているという現実もありますが、ただ手をこまねいていても日本はアメリカの大学や研究所に優秀な人材が取られていくだけで、もっと積極的に移民受け入れとともに日本は人材を集める事が必要になるでしょう。

 実はかつて私は大学の授業にてこの移民についてグループで調べた事があったのですが、確か2000年頃の経済産業省の白書を見ると、IT分野に明るいインド人技術者に就労ビザを発行してたくさん集めようと書いてあったのですが、当時はおろか十年立った今でも日本ではIT技術者よりカレー職人のインド人のが多いような状況です。私としてはそれはそれで構わないんだけど。
 政府としてはいちおうは技術者や学者といった優秀な人材の移民募集を行っているぞと掛け声こそ出しているものの実態的には何にも行動に起こさないばかりか、日本から出て行く人材に対してすらもなんの引き留める努力をしておりません。

 いくつか日本から人材が流出した代表的な例を紹介すると、まず一番大きかったのは90年代後期に韓国企業へ半導体技術者が引き抜かれた例が最も好例でしょう。この時流出した日本人技術者によって韓国企業が開発したメモリによって日本は一挙に半導体業界におけるイニシアチブを失いました。
 よくこの半導体のケースと一緒に日亜化学と中村修二氏の裁判が引き合いに出されますが、こちらについては逆に日亜化学のが分があるんじゃないかと私は思います。

 よく移民と言うと非常にマクロなレベルでの移民ばかりが議論されますが、ここで取り上げたミクロなレベルの議論も同様に必要なのではないかと言う事を常々感じており、やや内容にまとまりがありませんがこうして取り上げた次第です。
 さて次回は最後の難関、外国人地方参政権付与についてです。

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