すでにあちこちで報じられていますが、かつて総務大臣時代にいろいろと煙を吹く発言を繰り返した自民党の鳩山邦夫氏が昨日自民党を離党しました。離党の理由について邦夫氏は、「坂本龍馬になるんだ!」と、いつもどおりやや意味のわからない発言をしているものの、結論から書けば自民党に見切りをつけたのが本音でしょう。本人は今後与謝野氏や桝添氏を引き込んで政界再編の起爆剤になると主張していますが、党の与謝野氏や桝添氏どちらも新党結成や離党をかねてから匂わせ、与謝野氏なんて文芸春秋の今月号でかなり激しく現執行部を批判してもう出て行くぞなんて言っていたほどなのに、両者とも今回の邦夫氏の行動に対しては淡白な態度をとっております。
ただ今回の邦夫氏の離党によって久々に自民党が民主党を押さえてニュースの中心に躍り出た事を思うと、今後の政界の動きに一石を投じる行動にはなるかと思います。しかし民主、自民に対する第三勢力としては前回衆議院選にて社民党を上回る比例表を獲得した渡辺喜美氏率いる「みんなの党」が依然と最有力候補で、仮に邦夫氏が新党を結成したとしても集まる議員は限られてくるでしょう。
その一方で自民党としてはすでに何人か離党者を出していて、今回のように大きく邦夫氏の離党が報じられることによってますます執行部への批判は強まり、ジリ貧の様相をなしてくる可能性が高いです。恐らく今のところ与謝野氏は本気で離党する意思はまだ少なく、現執行部の退陣、そして桝添氏らを中心とした新たな執行部の成立が本当の狙いかと思いますが、今回の邦夫氏の行動で邦夫氏の下ではなく民主党へ移籍する議員がまた出始めたらそうした与謝野氏の狙いも変わってくるかもしれません。
あと今回の騒動で少し気になるのが、現自民党総裁の谷垣氏と総裁選で争った河野太郎氏のコメントがまだ見受けられません。この人なんてかねてより矢面に立って現執行部を批判していた一人で、今回の離党騒動なんかおころうものならそれ見た事かといわんばかりの経歴なのですが、何故かまだ反応が見えてきません。確率的には河野氏が一番「みんなの党」に合流する可能性が高いと見ているだけに、今後注視していこうかと思います。
最後に今回の騒動についてコメントした方々の中で、一番面白かった前原誠司国交相のコメントを紹介しておきます。
「私は坂本龍馬が好きな人間なので、(邦夫氏が龍馬になると言っている事を)不快に感じます」
0 件のコメント:
コメントを投稿