2010年3月24日水曜日

派遣法の改正によって予想される雇用推移

 すっかり時事ネタがこのところ遅れてしまっているわけなのですが、先週に閣議にて派遣前面接の禁止など紆余曲折があったもののかねてより貧富の格差を生んだ最大原因として批判されてきた派遣法の改正案が閣議を通過しました。今後は国会での審議を経て法案が通過することでこの改正派遣法が公布、施行される事になるのですが、結論から申せばこの改正派遣法は現時点ではより貧富の格差を生む法律になりかねないと私は考えております。

 労働者派遣が一体何故貧富の格差を生んだのかはもはやいちいち説明してられないので省きますが、この派遣法を拡大したとして小泉政権、ひいては当時の経済産業相の竹中平蔵氏はよくこの問題で批判されるのですが、確かにこの派遣法は問題が多くあることは認めつつも世間一般で言われているほど竹中氏は批判されるべくではないと私は考えております。そもそも工場派遣を認めるまで派遣法を拡大したのは小渕政権で、また派遣以下と言われる待遇の偽装請負という手法はかねてから横行しており、むしろ小泉政権時の派遣法拡大によってそうした偽装請負の身分で働かされてきた方たちも派遣労働者扱いとすることで労災保険などが適用できるようにもなり、お墨付きといえばお墨付きですが時代背景もあって私はあの判断が一概にすべて間違っていたとは考えておりません。またこれはどこかで聞いた意見ですが、仮に派遣法がなく直接雇用が厳しく義務付けられていたらリーマンショック以降の倒産件数は現在とは比べ物にならないほど多くなっただろうという意見もあり、都合がいいといわれるかもしれませんが私はこの意見にも一理あると見ております。

 それで話は戻って今回の派遣法改正ですが、派遣業者のマージン率(ピンハネ率)の公開を義務付けるなど評価できる点も確かにあるのですが、工場への派遣禁止や一定期間の雇用後に直接雇用を義務付けるなどという案も盛り込まれており、私が思うにこの法案は通過したとしても現在派遣労働者を雇っている企業は派遣を打ち切ってそれ以前からいる正社員にその分の労働を担わせるか、また以前みたいに偽装請負に切り替える事にしかならないと考えております。
 なぜそうなるのかというと、内部留保を増やしてきた大企業は除いて、そもそも雇う側の企業が近年従業員を雇用するだけの体力がなくなってきており、新たに正社員を増やす余裕がないからです。だからといって現行の派遣法を擁護するわけではないのですが、討論番組などで一般のパネリストから、「派遣でもいいからなにか仕事を得て給料を得たい」、「家族を抱えているため時給600円でもいいから仕事が欲しい」などという意見を耳にする事があり、制限を加えて派遣労働者を減らす事が今現在で最もいい選択なのかと考させられてしまいます。

 すでに何度かこのブログで主張していますが、今各政党が主張している雇用対策はすでに正社員となっている方への政策であって、正社員ではない労働者たちには逆に負担を増やしかねない政策となっております。何故そうなるのかというと一言で言えば賃金というパイが限られていることに尽き、社会全体で最低限の生活水準や雇用を維持するためには私は正社員全体の給料を減らしてその分を現在派遣労働に就いている方や失業している方へと回して、仕事を分散させる以外ないと考えております。

 そもそも社民党は口では弱者である労働者の味方などとうそぶいていますが現実には彼らは正社員(それも労働組合のあるような大企業の)の味方でしかなく、主張や政策論などを見ている限りではむしろ派遣労働者の方たちとは利益面で対立する組織にしか見えません。今に始まったことじゃないけど。

 なら派遣法はどのように変えるべきかですが、まずはなんといっても派遣業者のマージン率の完全公開です。その上で派遣労働者たちも自分達で全国的な組合を作り、違法な労働を課す企業などに自らの手で攻撃していくことが何よりも必要になってくるかと思います。
 ただ根本的な解決を目指すというのであれば、私が以前に書いた「日本でのオランダモデルワークシェアリングの必要性」の記事で主張しているように、日本社会全体でワークシェアリングを推し進める以外ないと私は思っております。みんながみんな正社員で当たり前という時代は特別な時代だったバブル期以前の話でもはやあの時代を再現する事は出来ないと踏ん切りをつけ、その上でどう社会を適用させていくかをもっと日本は考えなければならないでしょう。

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