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2009年6月15日月曜日

厚生労働省職員逮捕について

 西川郵政会社社長の人事を巡って揺れに揺れた一週間が鳩山総務相の更迭によってようやく過ぎたかと思うや、この人事問題の一つの発端となったヤマダ電機による障害者団体割引不正使用問題が昨日になって急展開を見せ、なんと郵政会社に留まらず厚生労働省の次期次官候補の一人として目されていた女性職員が逮捕される事態となりました。
 事件の詳細や女性職員の逮捕容疑については他のニュース報道に譲りますが、いくら素人といっても鳩山元総務相が更迭された直後にこんな急展開を見せられもしたら、何かしら政官財の間の裏があるのではないかと疑ってしまいます。

 当の鳩山元総務相はというと本日のNHKの七時のニュースにて報道されていましたが、前回の「鳩山邦夫総務相更迭について」で私も書いた事実を記者団に対して肯定し、

今年の春に麻生首相から手紙を受け取り、その中に書いてある候補の中から西川社長の次の後任を選ぶようにとの指示を受けた

 とぶちまけ、最後の捨て台詞として「信じた私が馬鹿だった」とまで言ってくれました。この件を夕方にぶら下がり記者に問われた麻生首相は「ノーコメントです」と返答を拒みましたが、これじゃ暗に肯定しているようなもんでしょう。
 さすがに私も今までは慎重を期して敢えて匂わす程度で抑えてきましたが、要するに今回の後任人事問題は鳩山元総務相というより麻生首相の主導で行われてきた可能性が高い、というのが私の最初からの見立てです。鳩山総務相の方はというと恐らく本人も言われるがままではなく自らの考えもあって西川社長を糾弾していたのだと思いますが、ここまで派手に暴れまわったのは麻生氏の直接的か間接的かの指示を受け、もしくは阿吽の呼吸というか麻生首相の意を汲んで行っていたのだと思います。どっちにしろ、それが見事に逆の結果となってしまったのは皮肉ですが。

 私としてはこの関連の記事で何度も言っているように、障害者割引の不正使用問題が起きた際に西川社長ら経営陣が一切事態究明に取り組もうという態度を見せないばかりか、昨日に厚労省の職員が逮捕されるまでほぼこの事件はもう終わりかと思わされる位に事態が動かなかったなことに納得行かず、民営化の推進はともかく西川社長は経営責任を取って辞任すべきだと考えていました。言ってはなんですが恐らくヤマダ電機が摘発されたような行為は恐らくそこだけにとどまらず、もっといろんなところでやっているでしょう。広告代理店も絡んでいるんだし、業界内では割と公然と行われていたと予想できますし、その辺をこの期に洗いざらい摘発されることを願っております。

 なおこれは完全に根拠なしで私の勝手な妄想ですが、今回の厚労省職員の逮捕は足利事件での菅家氏の釈放が無ければ行われなかったのではないかと個人的に思います。今回職員を逮捕したのは東京地検特捜部ですが、検察はあの足利事件によって国民から総スカンを食らったので今回は汚名返上とばかりに幕引きが行われようとしていたこの事件を鳩山元総務相の更迭で注目が集まっている中で仕事してるのを見せ付けるため、急転直下で捜査をまた動かし始めたんじゃないかと疑いすぎかもしれませんが思わずにおれません。一つだけ確かなのは、今回の職員逮捕の背景には問題となった障害者団体の認定を巡りある国会議員の強い要望に職員が応じて団体の認定を行ったことが逮捕容疑となっていて、その国会議員は今日の朝日新聞夕刊によると民主党だと報じられているということです。

5 件のコメント:

THE FACT さんのコメント...

そうなんですよ、最後のくだり、民主党の議員が関与しているとの報道。今日の、午後7時のNHKのニュースでも割引不正事件に伴う厚労省局長の逮捕に触れ、最後に任意で聴取された厚労省の幹部(元?)によると現職の国会議員の関与があったと述べていると思わせぶりに報じていました。最後には、厚労省の幹部とやらが顔を隠して、声も変えて、議員さんに頼まれると断れないというようなことを話している映像まで流していました。おそらく、ほとんどが独自の取材によるものではなく、検察のリークによって構成された報道であると考えられます。  一部週刊誌では、もう名前も出ていますが、この関与が疑われている議員というのは、ずばり石井一氏です。なんでも、今回、逮捕された障害者団体【白山会】の創始者倉沢邦夫氏は、石井一氏の元私設秘書だったらしいです。しかし、それも26年前のことで、ほんの短期間だったみたいで、その後、両者の間で交流が続いていたかは定かではありません。どうもその関係を検察はつなげたいらしいですが、石井一氏もこの事実を知っており、じぶんが疑われていることについて激怒しているそうです。どうも、これは第二の西松事件にしようとしているんじゃないでしょうか?  これは20年前以上に、同じ会社にいた部下がその後独立して、収賄に手を染めてしまったら、元上司の自分も同罪とされる、そんな感じではないでしょうか。 今回のような不正は、霞ヶ関では半ば常態化しているが、石井氏と倉沢容疑者との関係に目をつけた検察が手を突っ込んだという構図は考えられないでしょうか?石井氏と言えば、公明党に対する厳しい追求で知られており、政府にとっては邪魔な人物ですし。   妄想の類と笑われてもしょうがありませんが、今後の推移を注視したいです。今後、石井氏の名前が大手メディアにも出てくるようになり、任意で聴取を受けたりすると、民主党にとってはまた打撃になるのではないでしょうか。 べたな文章でした、悪しからず。

匿名 さんのコメント...

国策×官僚の権力闘争w

花園祐 さんのコメント...

 さすがTHE FACTさん、私も石井一議員が件の議員という情報まで得ておらず、参考になりました。

 お二方とも述べられているように、今回のこの逮捕事件は各プレイヤーのそれぞれの思惑自体は単純なものの、プレイヤーが多いため一見すると複雑な様相を示しているので広い視野で見つめる必要があるでしょう。
 現在までの主要なプレイヤーは検察、自民党執行部、郵政民営化賛成派、反対派といったところですが、今後これに民主党が巻き込まれるか確かに注目する必要があります。

 それにしても、これだけやり方が露骨になってくるといい加減頭にきますね。

THE FACT さんのコメント...

そうですね。今日の日刊ゲンダイの記事では、検察も石井氏と牧義夫氏(昨年、国会で白山会寄りの質問をしたとされる、どちらも民主党議員)の周辺を嗅ぎ回っていますが、金銭授受などの事実は得られていないようです。なので、今回の事件も村木局長逮捕で終わる可能性も高いみたいです。テレビもこの事件の背景に国会議員の影かなどと報道していますが、疑われているのが石井氏と認識しているんでしょうが、名前は出してないと思いますし。元幹部の発言もどれだけの信憑性があるか分からないですものね。 話はちょっとそれますが、先日、朝日新聞の人脈記でしたかで、大逆事件を取り上げていました。この事件は日本近代史において非常に重要なターニングポイントだったと認識していますが、恥ずかしながら、その連載記事を腰を落として読むことはしなかったんですが,,昔、関川夏央原作、谷口ジロー画の【坊ちゃんの時代】という漫画を読んだことがあります。確かこの漫画は、その年の手塚治虫漫画文化賞をとったという秀作です。もう10年近く前になりましょうか。これは、明治の文豪や政治家などが登場し、明治という時代を谷口ジロー氏独特の世界で描いたものです。その作品の中に大逆事件も取り上げられているんですが、、、明治の知識人にとってもこの事件は衝撃的だったようです。もし機会があればご一読下さい。

花園祐 さんのコメント...

 大逆事件は確かにまだまだ再考する面の大きい事件ですね。私も機会あれば当時の事実をブログに書いてみようと思いますが、紹介いただいた本も今度読んでみようと思います。
 私見ですが、やっぱりまだ大逆事件には裏があると思います。無理やり牢獄に入れることはそれ以前も以後もよくありましたが、死刑にまで至ったというのは本当にこれくらいで、何故そこまで厳刑になったのか気になるところです。